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第4章 国主編
第127話 幼い2人 ~イザベルとフェオドラ~
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ある日。
フリードリヒはイザベルとフェオドラの姿を見かけた。
2人は仲が良さそうに手をつないで歩いている。
イザベルはフランスの摂政ブランシュの娘でフリードリヒにフランスから嫁いでまもない幼妻で、フェオドラ・ユーリエヴナはラウラがモンゴル帝国の窮地から救ったウラジーミル・スーズダリ公国の公女だ。
イザベルは10歳、フェオドラは一つ年下の9歳。
歳の近い2人は仲が良いとは聞いていたが…
もっと小さな幼児ならともかく、あの年頃になった女の子同士が手をつないでいると微妙に背徳感を感じてしまう。
ちょうど大人と子供の境界線上にある年頃だから、まだ幼さが残っているだけだと思えばどうということはないのだが…
さらに観察を続けると、2人は腕を絡め始め、更に体を密着させた。
お互いを見つめ合って親しげに会話をしていたと思ったら、フェオドラがイザベルの頬にキスをした。お返し、とばかりにイザベルもフェオドラの頬にキスを返す。
──げげっ。これってありなの?
元日本人のフリードリヒとしては、ここまで過激なスキンシップはどうかと思ってしまうのだ。
しかし、当人たちに背徳感などは毛頭ない様子だ。
そうでなければ、白昼堂々このようなことはできないだろう。
◆
ここは悶々としていても仕方がない。
この件はグレーテル…いや、ヴィオランテに相談してみよう。
彼女は前世で2人の女児を育てていたのだから適任だ。
早速相談してみると…
「あの年頃の女の子は体は大人になりつつあるけれど、経験が絶対的に不足しているから、心は未熟なのよ。そういう意味では怖いもの知らずで、一番手に負えないお年頃なのよね」
「あのまま放置しておいていいものだろうか?」
「何年かすれば心が体に追いつくから、長い目で見てあげたらどう?」
「う~ん。私としては2人ともまだまだ親代わりとなる保護者が必要だと思うのだ。イザベルは事実上、私が夫兼父親のような感じだと思うが、問題はフェオドラの方だ。
ルーシには他家に嫁いだ姉が生き残っている可能性があるが、今更政情不安なあの地に戻すわけにもいかない。
ならば、いっそ我々の養子にしてはどうかと思うのだが…」
「それはどうかしら…保護者が必要なのは否定しないけれど…」
「どういうことだ?」
「ならば本人に聞いてごらんなさい」
「そうか? そういうことなら…」
◆
フリードリヒはフェオドラの部屋を訪れると話を切り出した。
「フェオドラ。君には年齢的にまだまだ保護者が必要だと思うのだ。そこで君が良かったら私の養子に…んっ」
様子がおかしいと見ると、フェオドラは大粒の涙を流している。
「おい。フェオドラ。どうした?」
「大公閣下のバカッ!!」
そう言うとフェオドラは部屋を飛び出していった。
──何が気に入らないというのだ?
◆
フェオドラは、ラウラ・ロルツィングのもとへ一目散に向かっていた。ロートリンゲンで親しい知り合いと言ったらラウラしか思いつかなかったのだ。
「ラウラ!」
ラウラは泣きながら抱きついて来るフェオドラに仰天した。
「どうした。何かあったの?」
「大公閣下が…閣下が…」
「まさか、大公閣下に何かされたの?」
あのロリコン疑惑は本当だったということか…?
「大公閣下が私を養子にするって…あーん」
「それって、そんなに悪い話じゃないんじゃ…」
「だって…だって…私…」
「あなた。まさか大公閣下のことが…」
「一つしか違わないイザベル様が妻で、私は養子だなんて…」
確かに、なまじイザベルの存在があるだけに、説得し難い。この年代の1歳差は大きいが、年を取ってしまえばどうということはない。
それにフェオドラの気持ちもある。
子供の戯言と単純に切って捨てるには、年齢的に憚られる。
「あなたの気持ちは大公閣下にちゃんと伝えたの?」
フェオドラは泣きながら首を横に振った。
「それなら、泣いているだけじゃ大公閣下もわからないわよ」
「わ…わかった…勇気をだして…伝えてみる」
フェオドラは泣きじゃくりながらも、やっとの思いでそれだけ答えた。
◆
フェオドラは自分の部屋に戻ると悶々としていた。
──子供の私がそんなだいそれたことをするなんて…
勇気をだして扉に向かうが、自信がなくなり戻ってしまう。
フェオドラは扉の前を行ったり来たりしていた。
その時、突然ドアがノックされた。
──ラウラかな…慰めに来てくれたのかも…
「どうぞ」
扉が開くと、そこには…
「大公閣下…にヴィオランテ様」
ヴィオランテが優しく声をかける。その表情は菩薩のようだ。
「フェオドラ。あなた。この人に言いたいことがあるのではなくって?」
「え、ええ。まあ…」
「だったらお願いしてみなさい。この人は優しいからきっと言うことを聞いてくれるから…」
「で、では…」
──勇気を出すのよ。私。
「大公閣下…わ、私を…イザベル様みたいに…つ、妻に…してください」
──ヴィオランテが言いたかったのはこのことか…
確かに1歳しか違わないのに差をつけられたら悲しいよな…
「わかった。君がそう言うなら、前向きに考えよう」
「ありがとうございます。大公様。大好き!」
フェオドラは一転して明るい表情になると、フリードリヒに抱きつき、頬にキスをした。
相変わらずスキンシップの激しい奴だ。
◆
結局、フェオドラとは婚約ということにして、結婚式はフェオドラが成人してからということにした。イザベルと違って無理やり成人させる理由はないからだ。
フェオドラは当初渋ったが、ヴィオランテが何やら言って説得したようだ。
ヴィオランテが言った。
「フェオドラ。結婚したからといってすぐに子供ができるわけじゃないのよ」
「ヴィオランテ様。実は…」
フェオドラはまだ初潮が来ておらず、まさにこれから性教育を受けようかというタイミングでモンゴルの被害にあったようだ。
結局、ヴィオランテが先生となってあれこれ教えた。
まさに、その日の夜。
フェオドラがヴィオランテの部屋を訪ねてきて、恥ずかし気に言った。
「ヴィオランテ様…来たみたいです」
「あら。そうなの。おめでとう」
「これで私は子供が産めるようになったのですね」
「まあそうなんだけれど、まだ体が未熟だから本当に産むのはもう少し待ってね」
「はい。わかっています」
性教育を受けたまさにその日に初潮が来るとは、神も粋な采配をするものだ。
◆
フェオドラは、唯一の生きていると思われる姉のドブラヴァに婚約を報告する手紙を書いた。
ドブラヴァはフェオドラの14歳年上の23歳。ルーシ西部にあるヴォルィーニ公国のヴォルィーニ公ヴァシリコに嫁いでいて難を逃れたのだ。
情勢不安なルーシのこと故、届かなくて当然と思っていたが、半ば忘れた頃になって返事が来た。やはり姉は生きのびていたのだ。
手紙には婚約に対する祝いの言葉と、「こうなったからにはユーリエヴナの血を受け継ぐ者をたくさん産みなさい」と書いてあった。
フェオドラは、手紙をもってフリードリヒのもとへ向かった。
フリードリヒに勢いよく抱きつくと言った。
「フリードリヒ様。お姉さまから返事が来ました。やっぱり生きていたんです」
「それは良かったな」
「で、お姉さまったら、『ユーリエヴナの血を受け継ぐ者をたくさん産みなさい』ですって。私、最低でも10人は産むわ」
「そ、そうか…」
この時代、結婚年齢が速かったこともあって、子供を10人以上産むということも珍しくはなかった。
が、医療技術が低かったため、幼くして夭折することも多く、全員が成人することは稀だった。
ただし、フリードリヒの子に限っては、治癒魔法もあるし、ペニシリンやサルファ剤などの新薬もあるため、一人も死なせるつもりはなかった。
◆
そして一連の騒動が収まった頃、嫉妬心からイザベルと距離をおいていたフェオドラは、またイザベルと仲良くしている。
過激なスキンシップは相変わらずだった。
それを見たフリードリヒは思った。
──本当に何年後かには解消されるのだろうな?
なぜか正常な関係となったイザベルとフェオドラの姿を想像できないフリードリヒであった。
フリードリヒはイザベルとフェオドラの姿を見かけた。
2人は仲が良さそうに手をつないで歩いている。
イザベルはフランスの摂政ブランシュの娘でフリードリヒにフランスから嫁いでまもない幼妻で、フェオドラ・ユーリエヴナはラウラがモンゴル帝国の窮地から救ったウラジーミル・スーズダリ公国の公女だ。
イザベルは10歳、フェオドラは一つ年下の9歳。
歳の近い2人は仲が良いとは聞いていたが…
もっと小さな幼児ならともかく、あの年頃になった女の子同士が手をつないでいると微妙に背徳感を感じてしまう。
ちょうど大人と子供の境界線上にある年頃だから、まだ幼さが残っているだけだと思えばどうということはないのだが…
さらに観察を続けると、2人は腕を絡め始め、更に体を密着させた。
お互いを見つめ合って親しげに会話をしていたと思ったら、フェオドラがイザベルの頬にキスをした。お返し、とばかりにイザベルもフェオドラの頬にキスを返す。
──げげっ。これってありなの?
元日本人のフリードリヒとしては、ここまで過激なスキンシップはどうかと思ってしまうのだ。
しかし、当人たちに背徳感などは毛頭ない様子だ。
そうでなければ、白昼堂々このようなことはできないだろう。
◆
ここは悶々としていても仕方がない。
この件はグレーテル…いや、ヴィオランテに相談してみよう。
彼女は前世で2人の女児を育てていたのだから適任だ。
早速相談してみると…
「あの年頃の女の子は体は大人になりつつあるけれど、経験が絶対的に不足しているから、心は未熟なのよ。そういう意味では怖いもの知らずで、一番手に負えないお年頃なのよね」
「あのまま放置しておいていいものだろうか?」
「何年かすれば心が体に追いつくから、長い目で見てあげたらどう?」
「う~ん。私としては2人ともまだまだ親代わりとなる保護者が必要だと思うのだ。イザベルは事実上、私が夫兼父親のような感じだと思うが、問題はフェオドラの方だ。
ルーシには他家に嫁いだ姉が生き残っている可能性があるが、今更政情不安なあの地に戻すわけにもいかない。
ならば、いっそ我々の養子にしてはどうかと思うのだが…」
「それはどうかしら…保護者が必要なのは否定しないけれど…」
「どういうことだ?」
「ならば本人に聞いてごらんなさい」
「そうか? そういうことなら…」
◆
フリードリヒはフェオドラの部屋を訪れると話を切り出した。
「フェオドラ。君には年齢的にまだまだ保護者が必要だと思うのだ。そこで君が良かったら私の養子に…んっ」
様子がおかしいと見ると、フェオドラは大粒の涙を流している。
「おい。フェオドラ。どうした?」
「大公閣下のバカッ!!」
そう言うとフェオドラは部屋を飛び出していった。
──何が気に入らないというのだ?
◆
フェオドラは、ラウラ・ロルツィングのもとへ一目散に向かっていた。ロートリンゲンで親しい知り合いと言ったらラウラしか思いつかなかったのだ。
「ラウラ!」
ラウラは泣きながら抱きついて来るフェオドラに仰天した。
「どうした。何かあったの?」
「大公閣下が…閣下が…」
「まさか、大公閣下に何かされたの?」
あのロリコン疑惑は本当だったということか…?
「大公閣下が私を養子にするって…あーん」
「それって、そんなに悪い話じゃないんじゃ…」
「だって…だって…私…」
「あなた。まさか大公閣下のことが…」
「一つしか違わないイザベル様が妻で、私は養子だなんて…」
確かに、なまじイザベルの存在があるだけに、説得し難い。この年代の1歳差は大きいが、年を取ってしまえばどうということはない。
それにフェオドラの気持ちもある。
子供の戯言と単純に切って捨てるには、年齢的に憚られる。
「あなたの気持ちは大公閣下にちゃんと伝えたの?」
フェオドラは泣きながら首を横に振った。
「それなら、泣いているだけじゃ大公閣下もわからないわよ」
「わ…わかった…勇気をだして…伝えてみる」
フェオドラは泣きじゃくりながらも、やっとの思いでそれだけ答えた。
◆
フェオドラは自分の部屋に戻ると悶々としていた。
──子供の私がそんなだいそれたことをするなんて…
勇気をだして扉に向かうが、自信がなくなり戻ってしまう。
フェオドラは扉の前を行ったり来たりしていた。
その時、突然ドアがノックされた。
──ラウラかな…慰めに来てくれたのかも…
「どうぞ」
扉が開くと、そこには…
「大公閣下…にヴィオランテ様」
ヴィオランテが優しく声をかける。その表情は菩薩のようだ。
「フェオドラ。あなた。この人に言いたいことがあるのではなくって?」
「え、ええ。まあ…」
「だったらお願いしてみなさい。この人は優しいからきっと言うことを聞いてくれるから…」
「で、では…」
──勇気を出すのよ。私。
「大公閣下…わ、私を…イザベル様みたいに…つ、妻に…してください」
──ヴィオランテが言いたかったのはこのことか…
確かに1歳しか違わないのに差をつけられたら悲しいよな…
「わかった。君がそう言うなら、前向きに考えよう」
「ありがとうございます。大公様。大好き!」
フェオドラは一転して明るい表情になると、フリードリヒに抱きつき、頬にキスをした。
相変わらずスキンシップの激しい奴だ。
◆
結局、フェオドラとは婚約ということにして、結婚式はフェオドラが成人してからということにした。イザベルと違って無理やり成人させる理由はないからだ。
フェオドラは当初渋ったが、ヴィオランテが何やら言って説得したようだ。
ヴィオランテが言った。
「フェオドラ。結婚したからといってすぐに子供ができるわけじゃないのよ」
「ヴィオランテ様。実は…」
フェオドラはまだ初潮が来ておらず、まさにこれから性教育を受けようかというタイミングでモンゴルの被害にあったようだ。
結局、ヴィオランテが先生となってあれこれ教えた。
まさに、その日の夜。
フェオドラがヴィオランテの部屋を訪ねてきて、恥ずかし気に言った。
「ヴィオランテ様…来たみたいです」
「あら。そうなの。おめでとう」
「これで私は子供が産めるようになったのですね」
「まあそうなんだけれど、まだ体が未熟だから本当に産むのはもう少し待ってね」
「はい。わかっています」
性教育を受けたまさにその日に初潮が来るとは、神も粋な采配をするものだ。
◆
フェオドラは、唯一の生きていると思われる姉のドブラヴァに婚約を報告する手紙を書いた。
ドブラヴァはフェオドラの14歳年上の23歳。ルーシ西部にあるヴォルィーニ公国のヴォルィーニ公ヴァシリコに嫁いでいて難を逃れたのだ。
情勢不安なルーシのこと故、届かなくて当然と思っていたが、半ば忘れた頃になって返事が来た。やはり姉は生きのびていたのだ。
手紙には婚約に対する祝いの言葉と、「こうなったからにはユーリエヴナの血を受け継ぐ者をたくさん産みなさい」と書いてあった。
フェオドラは、手紙をもってフリードリヒのもとへ向かった。
フリードリヒに勢いよく抱きつくと言った。
「フリードリヒ様。お姉さまから返事が来ました。やっぱり生きていたんです」
「それは良かったな」
「で、お姉さまったら、『ユーリエヴナの血を受け継ぐ者をたくさん産みなさい』ですって。私、最低でも10人は産むわ」
「そ、そうか…」
この時代、結婚年齢が速かったこともあって、子供を10人以上産むということも珍しくはなかった。
が、医療技術が低かったため、幼くして夭折することも多く、全員が成人することは稀だった。
ただし、フリードリヒの子に限っては、治癒魔法もあるし、ペニシリンやサルファ剤などの新薬もあるため、一人も死なせるつもりはなかった。
◆
そして一連の騒動が収まった頃、嫉妬心からイザベルと距離をおいていたフェオドラは、またイザベルと仲良くしている。
過激なスキンシップは相変わらずだった。
それを見たフリードリヒは思った。
──本当に何年後かには解消されるのだろうな?
なぜか正常な関係となったイザベルとフェオドラの姿を想像できないフリードリヒであった。
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