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第4章 国主編
第89話 ヴェネツィア共和国 ~清廉なドージェと勝気な妹~
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ヴェネツィア共和国の最高権力者はドージェ(総督)であり、これを6人の有力貴族からなる小評議会が顧問として補佐する体制を採っている。
事の善悪はともかく、第4回十字軍を通じてヴェネツィア共和国を大きく発展させたエンリコ・ダンドロがコンスタンティノープルで亡くなった。
ヴェネツィアで留守を守っていた息子のラニエリを後継に推す声が高まったが、ラニエリは「共和国で親子が続けて元首となった例はない」としてこれを拒否し、ピエトロ・ツィアニの就任を支持した。ラニエリは権力に固執しない清廉な性格の持ち主だったのである。
ピエトロ・ツィアニは先々代のドージェの孫であるが、ラニエリが推薦するだけあって、こちらもまた清廉な性格のドージェであり、しかもまだ20代前半の若さだった。当面はラニエリの後ろ盾が必要なことは誰の目にも明白だった。
自由貿易協定締結に向けヴェネツィア共和国を訪れていたミュラー外務卿はラニエリに接近を図った。
「ダンドロ卿。本日は貴重なお時間を頂きまして恐縮ではございます」
「いや。いち早くジブラルタル航路を開拓し、またレコンキスタの折には海峡を抑えられたロートリンゲン公の慧眼には以前から注目しておったのだ。ぜひ話を伺いたい」
現状、ヴェネツィアは旧ビザンチン帝国内における免税特権を活用し、東西貿易や香辛料貿易の仲介者として莫大な富を築きつつあった。
アジア全域から集められた商品は紅海のアクスム王国を通るローマ・インド通商路またはレバントを経由して、ヴェネツィア商人の手によってヨーロッパに届けられるようになっていく。
これに対し、ロートリンゲンはジェノヴァ共和国とも連携し、ジブラルタル航路を中心として、北海・バルト海方面やアトランティスとの貿易など地中海西側での貿易を押さえていた。
棲み分けと言えば聞こえはいいが、お互いの縄張りを虎視眈々と狙うライバル関係にあった。
「閣下は貴国が旧ビザンチン帝国の免税特権を活用して反映していることからお判りのように、関税のような余計な障壁をなくして商人が自由に競い合うことで経済のパフォーマンスは最適化されるとお考えなのです」
「地中海西側の貿易権益を独占する気はないとおっしゃるのか?」
「そのとおりです。関税に対しては関税を持って対抗せざるを得ませんが、それでは経済は縮小してしまいます。
閣下は、オープンな状況でのフェアな競争こそが経済の活力を生むとお考えなのです」
「我々も西側の競争に入れてくれるということなのか? しかもフェアな条件で?」
「おっしゃるとおりでございます。その代わりに、我々も東側の競争に同じ条件で入れていただきたい」
「信じられん…」
──よほど自分に自信がおありになるのか、ただ真っ正直なだけの大バカ者かどちらかだな…だが嫌いではない。
「よかろう。前向きに検討することを約束しよう。
しかし、ロートリンゲン公という人間に益々興味が湧いた。会ってみたいものだな…」
「何だったらお会いになってみますか?」
「わしになど会ってくれると言うのか?」
「閣下はフットワークが軽いですからね。気に入った人間には気軽にお会いになります」
「では、ラニエリがドージェともども会いたがっていたとぜひ伝えてくれ」
「承知いたしました」
◆
ラニエリはドージェのピエトロ・ツィアニにロートリンゲンとの交渉結果を報告していた。
「申し訳ございません。勝手に会見などを申し込んでしまって…」
「いや。私も以前からロートリンゲン公の人柄には興味をもっていたのだ。殺伐としたこの世の中にあって、さぞかし気持ちの良い人間なのではないかと期待している」
──あなたのそういう真っ直ぐなところが良い。これを維持していただけるよう全力でお支えしなければ…
「しかし、ロートリンゲン公はまだ18歳にもなっていないのだろう?」
「そう聞き及んでおります。その年齢であの見識をお持ちとは末恐ろしいですな」
「そうだな。私も見習わなくては…」
「そうです。人間。精進を止めてしまっては、そこで終わりです」
◆
ミユラーはヴェネツィア共和国訪問の成果をフリードリヒに復命していた。
「…ということでございます。」
「そうか。そのラニエリという男。なかなか興味深いな。早速会うとしよう。公式に行くのは面倒だからお忍びで行く。期日は一週間後だ」
「承知いたしました」
──本音で語り合える者だと良いのだが…。
フリードリヒはフリードリヒでラニエリと彼が推薦したというドージェに期待していた。
◆
そして1週間後。
「閣下。こんなに早くに会いに来てくださるとは感激でございます」
ピエトロ・ツィアニは本気で感動している様子だ。
「とりあえず話がしたかったのでな。非公式訪問ということですっ飛んできた」
実際にはテレポーテーションで来たので文字通りなのだが、ツィアニは必死に馬車を駆って急いできた姿を想像しているのだろう。
「誠に恐れ入ります」
「気にするな。会いたいから来た。ただそれだけだ」
それからフリードリヒとピエトロ・ツィアニ、ラニエリ・ダンドロの3人で自由貿易協定について話し合った。
話はとんとん拍子に進み、議論は経済理論にまで及んだ。
こうなってくると学者肌のフリードリヒの独壇場である。
だが、二人も相当なもので高度な議論にきちんと付いて来ている。
経済理論というのは感覚的には捉えにくいものだが、理論についてもかなり勉強しているらしい。
「いや。楽しかった。こんなに本音で話をしたのは久しぶりだ」
「こちらこそたくさん勉強させていただきました。感謝の念に絶えません。
ところで、両国は今後とも友好を深めていくべきだと思うのです。私には年頃の妹がおりまして、ぜひとも閣下のお世話などさせていただければと思うのですが…」とツィアニが言う。
(こんな話は聞いてないぞ)とばかりにフリードリヒはミュラー卿を睨みつけた。
ミュラー卿も(私も初耳です)とばかりに首を横に振る。
「ファブリツィア。入ってきなさい」
一人の少女が護衛と思われる男を伴って入って来ると優雅に礼をした。年頃はフリードリヒと同じくらいか。いかにも勝気そうな感じの少女だ。
「失礼ながら、先ほどのお話は横で聞かせていただきましたわ。閣下はずいぶんと頭がお切れになりますのね。それに…」
少女は護衛の男に目配せをする。
護衛の男はいきなりフリードリヒに殴りかかってきた。
フリードリヒは男の拳を振り払い、男のボディに膝蹴りを入れると、男は痛みに体を屈めた。そこを下から蹴り上げる。男はそのまま壁際まで吹き飛ばされ気を失った。
フリードリヒは(おまえ。護衛だろう)とばかりに横に控えていたアスタロトをチラリと見た。
(だって、あんな奴にやられるあなたじゃないもの)とばかりに彼女は涼しい顔をしている。
「やっぱり評判どおりお強いのね。しょうもない男だったら尻を蹴り飛ばしてやろうと思っていたのだけれど、気に入ったわ」と言うとニンマリとした顔をしている。
ツィアニは青い顔をしてファブリツィアを叱責する。
「何ということを! だから嫁の貰い手がいないのだ!
閣下。この罪は万死に値します。処分はいかようにも…」
「はっはっはっはっ」
フリードリヒは、じゃじゃ馬な妹に手こずらせられる兄の図を絵のように見せられて思わず笑ってしまった。
「閣下…?」
──あんなじゃじゃ馬を乗りこなすのも面白いかもしれない。
今までに会ったことのないタイプの女性の突然の出現にフリードリヒは興味を惹かれていた。
「これはどんなお世話をしてもらえるのか楽しみだ」
と少しばかり皮肉めいて言うと、意外な反応にファブリツィアは顔を赤くしてソッポを向いている。
──なんだ。可愛いところもあるじゃないか…
◆
結局、フリードリヒはファブリツィアを側室に迎え入れることにした。
ここまで妻や愛妾が増えてしまうと逆に増やすことへの抵抗感も薄れてきている。
正妻のヴィオランテは、例のごとく泰然としていて何も言わないし、他の側室たちももう諦めているらしい。
そのファブリツィアであるが、新婚初夜を済ませたらなんだかしおらしくなってしまった。
本人の中で何か心境の変化があったらしい。
勝気な部分がなくなった訳ではないが、それも含めてファブリツィアはファブリツィアだ。
フリードリヒは、他の妻たちと等しく愛してあげようと思うのだった。
事の善悪はともかく、第4回十字軍を通じてヴェネツィア共和国を大きく発展させたエンリコ・ダンドロがコンスタンティノープルで亡くなった。
ヴェネツィアで留守を守っていた息子のラニエリを後継に推す声が高まったが、ラニエリは「共和国で親子が続けて元首となった例はない」としてこれを拒否し、ピエトロ・ツィアニの就任を支持した。ラニエリは権力に固執しない清廉な性格の持ち主だったのである。
ピエトロ・ツィアニは先々代のドージェの孫であるが、ラニエリが推薦するだけあって、こちらもまた清廉な性格のドージェであり、しかもまだ20代前半の若さだった。当面はラニエリの後ろ盾が必要なことは誰の目にも明白だった。
自由貿易協定締結に向けヴェネツィア共和国を訪れていたミュラー外務卿はラニエリに接近を図った。
「ダンドロ卿。本日は貴重なお時間を頂きまして恐縮ではございます」
「いや。いち早くジブラルタル航路を開拓し、またレコンキスタの折には海峡を抑えられたロートリンゲン公の慧眼には以前から注目しておったのだ。ぜひ話を伺いたい」
現状、ヴェネツィアは旧ビザンチン帝国内における免税特権を活用し、東西貿易や香辛料貿易の仲介者として莫大な富を築きつつあった。
アジア全域から集められた商品は紅海のアクスム王国を通るローマ・インド通商路またはレバントを経由して、ヴェネツィア商人の手によってヨーロッパに届けられるようになっていく。
これに対し、ロートリンゲンはジェノヴァ共和国とも連携し、ジブラルタル航路を中心として、北海・バルト海方面やアトランティスとの貿易など地中海西側での貿易を押さえていた。
棲み分けと言えば聞こえはいいが、お互いの縄張りを虎視眈々と狙うライバル関係にあった。
「閣下は貴国が旧ビザンチン帝国の免税特権を活用して反映していることからお判りのように、関税のような余計な障壁をなくして商人が自由に競い合うことで経済のパフォーマンスは最適化されるとお考えなのです」
「地中海西側の貿易権益を独占する気はないとおっしゃるのか?」
「そのとおりです。関税に対しては関税を持って対抗せざるを得ませんが、それでは経済は縮小してしまいます。
閣下は、オープンな状況でのフェアな競争こそが経済の活力を生むとお考えなのです」
「我々も西側の競争に入れてくれるということなのか? しかもフェアな条件で?」
「おっしゃるとおりでございます。その代わりに、我々も東側の競争に同じ条件で入れていただきたい」
「信じられん…」
──よほど自分に自信がおありになるのか、ただ真っ正直なだけの大バカ者かどちらかだな…だが嫌いではない。
「よかろう。前向きに検討することを約束しよう。
しかし、ロートリンゲン公という人間に益々興味が湧いた。会ってみたいものだな…」
「何だったらお会いになってみますか?」
「わしになど会ってくれると言うのか?」
「閣下はフットワークが軽いですからね。気に入った人間には気軽にお会いになります」
「では、ラニエリがドージェともども会いたがっていたとぜひ伝えてくれ」
「承知いたしました」
◆
ラニエリはドージェのピエトロ・ツィアニにロートリンゲンとの交渉結果を報告していた。
「申し訳ございません。勝手に会見などを申し込んでしまって…」
「いや。私も以前からロートリンゲン公の人柄には興味をもっていたのだ。殺伐としたこの世の中にあって、さぞかし気持ちの良い人間なのではないかと期待している」
──あなたのそういう真っ直ぐなところが良い。これを維持していただけるよう全力でお支えしなければ…
「しかし、ロートリンゲン公はまだ18歳にもなっていないのだろう?」
「そう聞き及んでおります。その年齢であの見識をお持ちとは末恐ろしいですな」
「そうだな。私も見習わなくては…」
「そうです。人間。精進を止めてしまっては、そこで終わりです」
◆
ミユラーはヴェネツィア共和国訪問の成果をフリードリヒに復命していた。
「…ということでございます。」
「そうか。そのラニエリという男。なかなか興味深いな。早速会うとしよう。公式に行くのは面倒だからお忍びで行く。期日は一週間後だ」
「承知いたしました」
──本音で語り合える者だと良いのだが…。
フリードリヒはフリードリヒでラニエリと彼が推薦したというドージェに期待していた。
◆
そして1週間後。
「閣下。こんなに早くに会いに来てくださるとは感激でございます」
ピエトロ・ツィアニは本気で感動している様子だ。
「とりあえず話がしたかったのでな。非公式訪問ということですっ飛んできた」
実際にはテレポーテーションで来たので文字通りなのだが、ツィアニは必死に馬車を駆って急いできた姿を想像しているのだろう。
「誠に恐れ入ります」
「気にするな。会いたいから来た。ただそれだけだ」
それからフリードリヒとピエトロ・ツィアニ、ラニエリ・ダンドロの3人で自由貿易協定について話し合った。
話はとんとん拍子に進み、議論は経済理論にまで及んだ。
こうなってくると学者肌のフリードリヒの独壇場である。
だが、二人も相当なもので高度な議論にきちんと付いて来ている。
経済理論というのは感覚的には捉えにくいものだが、理論についてもかなり勉強しているらしい。
「いや。楽しかった。こんなに本音で話をしたのは久しぶりだ」
「こちらこそたくさん勉強させていただきました。感謝の念に絶えません。
ところで、両国は今後とも友好を深めていくべきだと思うのです。私には年頃の妹がおりまして、ぜひとも閣下のお世話などさせていただければと思うのですが…」とツィアニが言う。
(こんな話は聞いてないぞ)とばかりにフリードリヒはミュラー卿を睨みつけた。
ミュラー卿も(私も初耳です)とばかりに首を横に振る。
「ファブリツィア。入ってきなさい」
一人の少女が護衛と思われる男を伴って入って来ると優雅に礼をした。年頃はフリードリヒと同じくらいか。いかにも勝気そうな感じの少女だ。
「失礼ながら、先ほどのお話は横で聞かせていただきましたわ。閣下はずいぶんと頭がお切れになりますのね。それに…」
少女は護衛の男に目配せをする。
護衛の男はいきなりフリードリヒに殴りかかってきた。
フリードリヒは男の拳を振り払い、男のボディに膝蹴りを入れると、男は痛みに体を屈めた。そこを下から蹴り上げる。男はそのまま壁際まで吹き飛ばされ気を失った。
フリードリヒは(おまえ。護衛だろう)とばかりに横に控えていたアスタロトをチラリと見た。
(だって、あんな奴にやられるあなたじゃないもの)とばかりに彼女は涼しい顔をしている。
「やっぱり評判どおりお強いのね。しょうもない男だったら尻を蹴り飛ばしてやろうと思っていたのだけれど、気に入ったわ」と言うとニンマリとした顔をしている。
ツィアニは青い顔をしてファブリツィアを叱責する。
「何ということを! だから嫁の貰い手がいないのだ!
閣下。この罪は万死に値します。処分はいかようにも…」
「はっはっはっはっ」
フリードリヒは、じゃじゃ馬な妹に手こずらせられる兄の図を絵のように見せられて思わず笑ってしまった。
「閣下…?」
──あんなじゃじゃ馬を乗りこなすのも面白いかもしれない。
今までに会ったことのないタイプの女性の突然の出現にフリードリヒは興味を惹かれていた。
「これはどんなお世話をしてもらえるのか楽しみだ」
と少しばかり皮肉めいて言うと、意外な反応にファブリツィアは顔を赤くしてソッポを向いている。
──なんだ。可愛いところもあるじゃないか…
◆
結局、フリードリヒはファブリツィアを側室に迎え入れることにした。
ここまで妻や愛妾が増えてしまうと逆に増やすことへの抵抗感も薄れてきている。
正妻のヴィオランテは、例のごとく泰然としていて何も言わないし、他の側室たちももう諦めているらしい。
そのファブリツィアであるが、新婚初夜を済ませたらなんだかしおらしくなってしまった。
本人の中で何か心境の変化があったらしい。
勝気な部分がなくなった訳ではないが、それも含めてファブリツィアはファブリツィアだ。
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