淫神の孕み贄

沖田弥子

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三者からの寵愛 2

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 ぶわりと官能が噴き出す。
 快楽に翻弄された体は爪先まで甘く痺れ、ぐずぐずに蕩けていった。
 もっとというように腰を突き出して楔を食み、胸を反らせて男の唇に尖りを押しつける。

「奥はだめなのか?」

 意地悪い笑みを湛えたラシードは、とん、と再び奥を突く。
 これまでの懐妊指導や儀式で慣らされた奥の口は、アルファの男根を咥えるたびに柔らかく解れた。少々突かれただけで、そこは雄に呼応するように、ゆるゆると綻んでしまう。

「だめですぅ……僕は、みなさんに愛されすぎて、奥の口が開いてしまう体になったのです。そこで子種を呑んで、孕んでしまうんです……」
「私の弟はなんという淫らな神の贄になってしまったのだ。そんなに雄の精を呑みたいのか?」

 ラシードは逞しい腰使いで抽挿を送り込む。
 ずっちゅずっちゅと楔に吸いつく媚肉を擦り上げつつ、鋭く奥を穿つ。
 獰猛な抜き差しが極上の官能を撒き散らし、がくがくと淫らに体は弾む。彼方に飛びかけている意識を、セナは必死につなぎ止めた。

「あぅ、あぁ、はぁっ、呑みたい、ですぅ……、どうか僕に、兄さまの精を、呑ませてくださいぃ……」

 抽挿に合わせて腰を振り立てながら、卑猥な願いを口にする。
 普段は奥手なセナが乱れる姿は、雄の性欲を刺激した。
 獣のごとく荒い息を吐いたラシードは、ぐいと根元まで熱杭を押し込む。

「孕ませるぞ」

 ぐちゅん……と、熱い先端がオメガの子宮口に挿入される。
 最奥の感じるところで、最愛の兄の中心を咥えた。

「はぁ……っ、あぁあ……兄さまが、僕の奥まで……あはぁあ……あっ、あぁん……」

 兄の楔を子宮で感じたセナの肉体は極まった。
 ぴんと爪先が張り詰め、弓なりに背を撓らせて、大きく足を開く。
 きゅうぅ……っ、と濡れた肉筒が男根を引き絞る。淫らなオメガの体は、王の子種を迎え入れる準備を整えた。
 どくり、と脈動がして、雄芯が爆ぜる。
 濃厚な精が迸り、オメガの子宮を満たしていく。
 セナは己の胎内に注がれる白濁を、体の奥深くで呑み込んだ。

「あぁ……でてる……兄さまの濃いのが、いっぱい……また兄さまの赤ちゃんできちゃう……」

 出し切るように小刻みに腰を押しつけたラシードは、胸を愛撫していたハリルとファルゼフに軽く手を挙げて退かせた。
 しっとりと熱を帯びたセナの体を、ラシードは身を倒して抱きしめる。
 弾力のある雄々しい唇に、優しくくちづけられた。
 紅い唇が覆われ、ちゅ、と軽く吸われる。
 達したあとに受けるくちづけは、心の奥底まで深い愛情で満たしてくれる。薄く唇を開くと、ぬるりと濡れた舌が挿し入れられた。
 久しぶりに味わうラシードのキスと彼の精液に陶然とし、セナの胸中は幸福感でいっぱいになる。

「ん……ふ……」

 舌を搦め捕られ、濃密に絡み合わせる。
 くちゅくちゅと水音を奏でながら、愛し合う兄弟は互いの唾液を交換した。
 花筒には力を失っていない威容が収められている。上の口も下の口もラシードに犯されて、セナは温かな悦楽の海に浸された。
 やがて貪っていた唇を解放したラシードは、乱れたセナの前髪を大きな掌で掻き上げる。

「愛している。私の弟よ」
「僕もです……兄さま」

 愛を確かめ合い、ふたりはまた濃厚なくちづけを交わす。
 すると、両脇から軽い咳払いが聞こえてきた。
 兄弟ふたりきりの世界に浸りすぎていたので、ハリルとファルゼフが寂しがってしまったようだ。
 セナの濡れた唇を舐め上げつつ、ラシードは思わせぶりな眼差しを向ける。

「我がしもべたちにも、そなたを分け与えてやらねばな」

 しもべとは尊大な言い方だが、ラシードが言うと妙にしっくりくる。ハリルが眉を跳ね上げる仕草を見せたが、ファルゼフは微苦笑を零した。

「我が王よ。どうかわたくしどもにも、神の贄を愛させてくださいませ」
「よかろう。次はファルゼフが精を呑ませるのだ」
「かしこまりました」

 ずるりと抜かれた雄芯に縋るように、媚肉が戦慄く。
 今度はファルゼフの肉棒を挿入されて、子種を呑まされるのだ。
 期待に満ちた胸は、とくりと弾んでしまう。
 そんなセナの濡れた唇に、ハリルは盗むかのように、ちゅっとくちづけを降らせた。

「期待しただろ。頰が赤くなったぞ」
「あ……そ、そんなことは……」
「それが眼鏡の肉棒だっていうのが、俺としては複雑なんだが。まあ、俺のときにはあんあん啼かせてやるから楽しみに待ってろ」
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