淫神の孕み贄

沖田弥子

文字の大きさ
上 下
140 / 153

神馬の儀 2

しおりを挟む
「時は満ちた。神の贄、セナよ。その身にイルハーム神の男根を呑み込み、神の祝福を受けよ。神馬と百人のアルファたちを乗りこなすのだ」
「かしこまりました、我が王」

 礼をしたセナは、イルハーム神に祈りを捧げる。
 緊張に体を強張らせながら、神馬の背に向き合う。
 階段の位置が高いので、片足を上げさえすれば、すぐにでも馬の背に跨がることができるだろう。
 けれど、神の男根を呑み込めるだろうか。
 まだ、蕾を濡らしていないのである。
 禊を済ませたばかりの肉体は儀式への緊張で萎縮し、濡れるどころではなかった。
 黄金で造られた神の男根は、とても硬そうなのだが。
 セナは頭を振って、恐れを追い払う。
 臆してはいけない。
 これも神の子を孕むためなのだ。
 神馬の儀式を行うために、これまで数々の苦難を乗り越えてきたのだから。皆の労苦を無にしてはならない。
 イルハーム神を信じよう……
 おずおずと片足を上げたセナは、神馬の背に手をついた。
 冷たいはずの神馬は、まるで血肉が通っているかのようにじんわりと温かい。
 あ……あったかい。どうして……?
 懐かしさを感じるぬくもりに安堵を覚える。セナの体から余分な力が抜けた。

「……失礼いたします、イルハームさま」

 黄金の亀頭の先端に、そうっと蕾を宛がう。
 その瞬間、どくりと神の男根は脈打った。

「えっ⁉ う、動いて……」

 かっと灼熱のごとく、肉棒が熱を帯びる。
 ぶるりぶるりと震えた神の楔は、まるで己の器を探すかのように揺れて、セナの肉環に吸いついた。
 けれど、まだ硬い蕾は極太の亀頭を舐めあげるのみで、とても挿入するほどは開かない。
 ぐうっと力強い脈動をもって、先端は肉環を押し広げる。

「あっ……あぁ……そんな……まってぇ、イルハームさま、入らな……」

 そのとき、とくりと熱いものが溢れ、セナの蕾が濡らされる。
 先端から滲んだ白濁が、まるで前戯のごとくねっとりと塗り込まれた。
 神の奇跡に、儀式を見守っていた者たちは驚愕する。
 黄金の楔はまるで泉のように、滔々と飛沫を吹き上げた。
 濃密な神の体液は、セナの肉筒に流し込まれていく。
 そのままゆっくりと腰を落とせば、グチュ、ヌチュ……ッと淫猥な水音が奏でられた。極太の男根は滑りがよくなった贄の胎内に呑み込まれていく。

「あっ……あ……あはぁ……」

 セナは喘ぎながら弓なりに背を反らす。
 ぬるりぬるりと、圧倒的な質量をもった神の肉棒が、贄の媚肉を食んでいく。
 膨大な神気が、流れ込んでくる。
 神の力は温かいのだと、セナは体で知った。
 それは古代の神の祝福であり、快楽の源であった。
 喉を反らせた視線の先には、ドーム型の高い天井が見える。煌びやかなレリーフが目に映ったとき、ずくんっと花筒の奥に重い衝撃があった。
 神の楔がすべて、贄の胎内に呑み込まれた証だった。
 セナの目にしたレリーフがぐるりと回り、喉元から嬌声が迸る。

「ひ……ひぁっ……あぁあああぁ――……っ……」

 凄絶な快楽が体の中心を貫く。
 神の男根を呑み込んだセナは、一瞬にして絶頂に達した。
 黄金の神馬に跨がり、背を反らしながら神の楔を胎内に抱いたセナの姿は、歴史上の神の贄として光り輝いていた。
 これが……イルハーム神の授ける快楽……?
 痛みはない。ただひたすら心地好い。体中が、愛される悦びに満ちていた。
 神の楔を呑み込んだ花筒が淫らに蠕動を始める。
 下腹が熱くてたまらなかった。
 頂点を極めたセナの淫紋が、よりいっそう真紅に染め上げられる。

「んっ、んぅ、あつい……あ、あ、あぁんん……」

 腰をくねらせて、花筒に咥えた黄金の楔を媚肉で舐め上げる。
 ヌッチュヌッチュ、グチュヌチュ……
 淫らな神の贄は黄金の神馬を艶やかに乗りこなした。
 すると、その卑猥な腰の動きに呼応するかのように、真紅の淫紋が蠢き出す。
 パアァ……ッと鮮やかな光を放ち、淫紋は息を吹き返したかのように躍動した。
 正面から見つめていたラシードとハリルは驚嘆する。

「おお……淫紋が……まさに伝承のとおりだ」
「前回と同じか、それ以上だな。発情が頂点に達したわけか」

 神との交合を果たしたセナは、極上の快楽のただ中にあった。恍惚として神馬に跨がり、淫靡に腰を振り続ける。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

処理中です...