淫神の孕み贄

沖田弥子

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宰相の懐妊指導 7

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「さようですか。それでは、わたくしの本気をお見せいたしましょう」
「えっ?」

 ぐるりと、抱きしめられた体が反転する。
 寝台に背をつけたセナは、上から覆い被さられる格好になった。
 片足を持ち上げられ、ぐっと腰を押し進められて、結合は深いものになる。

「さあ、いきますよ」

 ずんずんずんっと凄まじい勢いで剛直を穿たれる。
 達したばかりの肉体は、突然の鋭い悦楽に戦慄いた。

「ひあぁぁっ……あっあっあっ、あぅ、あ、あぁあ……」

 怜悧な容貌からは想像もつかない力強い雄の抽挿は、受け止めるだけで精一杯だ。
 グチュグチュグッチュヌチュ……
 激しい律動を受けた花筒は蜜を滴らせ、ぬるぬるに濡れてさらに出し挿れを容易にし、快楽を膨れ上がらせる。

「ああ、ここですね。セナ様の子宮口は……」

 ぐりっと硬い先端で感じるところを穿たれ、意識が飛びそうなほどの快感が背筋を突き抜けた。

「あぁあ……らめぇ……そこ……」
「柔らかくして、先端を含めるように口を開けてあげましょうね」

 ずくずくと奥の口を立て続けに突かれる。
 あまりの快楽に舌先まで痺れたセナは、震える四肢を男の逞しい肩と腰にそれぞれ絡ませた。それはまるで離れないでとしがみついているような格好なのだが、快楽漬けにされたセナは夢中で気がつかない。

「あんん……らめ……ファルゼ……やらぁ……あぁん、そこ、ぐりぐり、やら……」
「感じるでしょう? やや奥のほうに子宮口はついていますよ。勇猛な雄の精しか受け入れないオメガの子宮ですね。わたくしの男根なら届きますが……ほら、先っぽを咥えてごらんなさい」

 ぐいぐいと子宮口を突かれ、捏ね回される。
 硬い奥の口は熱い切っ先の愛撫により、ひくひくと蠢いた。
 だが咥えるほど口が開く前に、セナはすでに失神寸前である。
 とてつもない快楽に、意識のほうがもたない。

「あぁ、あん、あんっ、やらぁ、もうらめ、もう……っ」

 がくがくと体を震わせて極めながら、意識を遠のかせる。
 咄嗟に、唇を塞がれた。
 雄々しい唇は優しく、ちゅう……と唇を吸い上げる。
 甘い心地好さがじわりと浸透して、セナの奥の口が緩んだ。
 その隙を逃さず、ぐっと先端が押し込まれる。
 爆ぜた先端から、直接オメガの子宮に精が注ぎ込まれた。
 体を密着させて熱を分け合い、上の口も下の口も接吻しながら、アルファの種付けは長い時間行われた。

「あ……ふ……あぁ……」

 やがて弛緩した四肢は、するりと男の肌から離れる。
 けれど熱い体は離れず、猛々しい肉棒は依然として花筒にずっぷりと収められている。
 奥の口がこじ開けられている甘い快感に、セナはぶるりと腰を震わせた。

「あ……いっぱい、飲んじゃった……ファルゼフの、赤ちゃん、できちゃう……」

 唐突に翡翠色の双眸を覗き込んだファルゼフは、真摯に訴えた。

「セナ様、愛しています」
「……え?」

 何を言われたのか理解できず、目を瞬かせる。
 その単語は聞いたことがあるけれど、ファルゼフの口から出るとはとても思えないものだったからだ。

「あなたを愛してしまった。……ですが、このことはふたりだけの秘密です。目が覚めたら忘れるのです。いいですね?」
「……はい」

 なぜ忘れなければいけないのだろうと首を捻るのだが、もう思考がついていかない。
 甘い余韻に浸りながら、セナはついに意識を手放した。



 深淵に沈む意識を、そっと掬い上げる。
 睫毛を瞬かせたセナは、身を包む温かさにほっとして腕を回した。
 けれど、その逞しい肉体の感触は、ラシードでもハリルのものでもない。唐突に状況を思い返したセナは慌てて身を起こそうとした。……が、男の腕に搦め捕られているので身動きがとれない。

「あっ……」

 足も絡められており、花筒には楔が嵌められたままだ。
 身じろぎをすれば、咥え込んだ雄芯を媚肉で撫で上げてしまい、くちゅりと淫靡な水音を上げてしまう。
 焦っているセナを、いつのまにか紫色の双眸が楽しげに見つめていた。

「あ、ファルゼフ……」
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