110 / 153
宰相の懐妊指導 3
しおりを挟む
ファルゼフは眉間を指先で押し上げた。そこに眼鏡はないのだが。
「愛されているということで良いではありませんか」
「良くないですよ……。それに、僕はぼんやりしているかもしれませんけども、そんなに下手じゃないです。ファルゼフは決めつけすぎです。口淫されないと下手かどうかわからないと、さっき言ったじゃありませんか」
そう口にした途端、ずい、とファルゼフは真摯な双眸で迫ってきた。セナの肩が大きな掌で、ぐいと引き寄せられる。
「そう仰るのならば、試してみましょう」
「え……口淫させてくれて、精を飲ませてくれるんですか……?」
ごくりと男の喉仏が大きく動いた。ファルゼフの双眸から怜悧な色が消え、肉食獣のごとく獰猛な光を帯びる。
「もちろんです。わたくしで練習すればよろしい。それもまた、懐妊指導の一環ですから」
「そ、そうですか。それじゃあ……」
話の流れで、ファルゼフを口淫させてもらえることになった。
けれど、いざとなると、どうやればよいのかきっかけが掴めない。
セナからローブを脱がせてあげたほうがよいのだろうか。そして、男根を取り出して……
手順を考えただけで、頬が朱に染まる。セナは差し出した両手を、ファルゼフの腰の辺りでうろうろと彷徨わせた。
くすりと微笑んだファルゼフは、自らの手で潔くローブを脱ぎ捨てる。
名匠が手がけた彫刻のような裸身が突如曝されて、セナは目を見開く。
「どうしました? 男の裸は見慣れているでしょう?」
「あ……あの、すごく鍛えていらっしゃるんだなと驚きました」
「体力をつけるのは基本ですからね。騎士ほどの腕前ではありませんが、剣も扱えますよ」
セナのローブの合わせに、そっと男の手がかけられる。
会話していたセナはそれに気づかず、ふと目線を下げたときには、ばさりとローブが床に落とされていた。
「あっ……」
湯上がりで桜色に染まった肌が外気に曝される。
ぶるりと身を震わせると、すぐに強靱な胸の中に、ぎゅっと抱き込まれた。
男の腕はひどく熱い。セナが思わず背に縋りつくと、抱き合ったままふたりの体は寝台に転がる。このまま組み伏せられて抱かれる予感が走り、焦ったセナは紫色の瞳を見上げた。
「あ、あの、口淫は……?」
「それでは、していただきましょうか。ただし、わたくしなりの教え方というものがありますので、指導には従ってくださいね」
「はい、わかりました」
素直に返事をすると、するりと尻を撫でられて、腰を抱かれる。
「こちらに腰を持ってきてください。わたくしの体を跨いで、頭を向こう側に……そう、そうです」
ファルゼフの体を跨ぎ、四つん這いの格好になる。セナの眼前には、隆々と天を衝いた雄芯が存在を示していた。
「あのう……この体勢で、口淫するのですか?」
「そうです。好きなだけ口淫してくださいね。何があっても、口腔から男根を離してはいけませんよ」
「はい……わかりました」
そっと熱い楔に両手を添えて、先端に舌を這わせる。
すると、硬い肉棒はびくりと脈打った。
気持ちいいのかな……?
先端の孔を、ぬるぬると舌で舐めしゃぶる。括れや裏筋など、あちらこちらを舐めていると、ファルゼフが吐息混じりに指示を出してきた。
「口に含んで、しゃぶってみてください」
「ん……んくっ……んふ……」
言われたとおり、口腔に呑み込んでいく。
ゆっくりと咥えれば、弾力に満ちた熱い肉棒が口蓋を犯していく。
「んん……おいひぃ……」
口いっぱいに楔を含むだけで、セナの体は熱を帯びる。先端が喉奥を突いたが、まだすべては呑み込みきれていない。雄芯が大きすぎるので、セナの口には棹の半分も入らなかった。 けれど、口腔から男根を離してはいけないそうなので、一旦口から出して舐め上げるわけにもいかない。
セナは根元を両手で擦り上げながら、頬張った男根を懸命にしゃぶる。
上手だと言われたい……
下手だから口淫しなくても良いのだという結論は、とても切ないから。
口を窄めて、じゅぷじゅぷと熱い楔を出し挿れする。
相手への愛撫を施しているだけで、セナの体は淫らに疼いた。
セナからは見えていないのだが、ファルゼフの眼前に晒された淡い色をした蕾は、物欲しげにひくひくと蠢いている。
「なんと……淫らなんでしょう」
「……んく?」
そのとき、熱い掌がするりと腿を撫で上げた。
「愛されているということで良いではありませんか」
「良くないですよ……。それに、僕はぼんやりしているかもしれませんけども、そんなに下手じゃないです。ファルゼフは決めつけすぎです。口淫されないと下手かどうかわからないと、さっき言ったじゃありませんか」
そう口にした途端、ずい、とファルゼフは真摯な双眸で迫ってきた。セナの肩が大きな掌で、ぐいと引き寄せられる。
「そう仰るのならば、試してみましょう」
「え……口淫させてくれて、精を飲ませてくれるんですか……?」
ごくりと男の喉仏が大きく動いた。ファルゼフの双眸から怜悧な色が消え、肉食獣のごとく獰猛な光を帯びる。
「もちろんです。わたくしで練習すればよろしい。それもまた、懐妊指導の一環ですから」
「そ、そうですか。それじゃあ……」
話の流れで、ファルゼフを口淫させてもらえることになった。
けれど、いざとなると、どうやればよいのかきっかけが掴めない。
セナからローブを脱がせてあげたほうがよいのだろうか。そして、男根を取り出して……
手順を考えただけで、頬が朱に染まる。セナは差し出した両手を、ファルゼフの腰の辺りでうろうろと彷徨わせた。
くすりと微笑んだファルゼフは、自らの手で潔くローブを脱ぎ捨てる。
名匠が手がけた彫刻のような裸身が突如曝されて、セナは目を見開く。
「どうしました? 男の裸は見慣れているでしょう?」
「あ……あの、すごく鍛えていらっしゃるんだなと驚きました」
「体力をつけるのは基本ですからね。騎士ほどの腕前ではありませんが、剣も扱えますよ」
セナのローブの合わせに、そっと男の手がかけられる。
会話していたセナはそれに気づかず、ふと目線を下げたときには、ばさりとローブが床に落とされていた。
「あっ……」
湯上がりで桜色に染まった肌が外気に曝される。
ぶるりと身を震わせると、すぐに強靱な胸の中に、ぎゅっと抱き込まれた。
男の腕はひどく熱い。セナが思わず背に縋りつくと、抱き合ったままふたりの体は寝台に転がる。このまま組み伏せられて抱かれる予感が走り、焦ったセナは紫色の瞳を見上げた。
「あ、あの、口淫は……?」
「それでは、していただきましょうか。ただし、わたくしなりの教え方というものがありますので、指導には従ってくださいね」
「はい、わかりました」
素直に返事をすると、するりと尻を撫でられて、腰を抱かれる。
「こちらに腰を持ってきてください。わたくしの体を跨いで、頭を向こう側に……そう、そうです」
ファルゼフの体を跨ぎ、四つん這いの格好になる。セナの眼前には、隆々と天を衝いた雄芯が存在を示していた。
「あのう……この体勢で、口淫するのですか?」
「そうです。好きなだけ口淫してくださいね。何があっても、口腔から男根を離してはいけませんよ」
「はい……わかりました」
そっと熱い楔に両手を添えて、先端に舌を這わせる。
すると、硬い肉棒はびくりと脈打った。
気持ちいいのかな……?
先端の孔を、ぬるぬると舌で舐めしゃぶる。括れや裏筋など、あちらこちらを舐めていると、ファルゼフが吐息混じりに指示を出してきた。
「口に含んで、しゃぶってみてください」
「ん……んくっ……んふ……」
言われたとおり、口腔に呑み込んでいく。
ゆっくりと咥えれば、弾力に満ちた熱い肉棒が口蓋を犯していく。
「んん……おいひぃ……」
口いっぱいに楔を含むだけで、セナの体は熱を帯びる。先端が喉奥を突いたが、まだすべては呑み込みきれていない。雄芯が大きすぎるので、セナの口には棹の半分も入らなかった。 けれど、口腔から男根を離してはいけないそうなので、一旦口から出して舐め上げるわけにもいかない。
セナは根元を両手で擦り上げながら、頬張った男根を懸命にしゃぶる。
上手だと言われたい……
下手だから口淫しなくても良いのだという結論は、とても切ないから。
口を窄めて、じゅぷじゅぷと熱い楔を出し挿れする。
相手への愛撫を施しているだけで、セナの体は淫らに疼いた。
セナからは見えていないのだが、ファルゼフの眼前に晒された淡い色をした蕾は、物欲しげにひくひくと蠢いている。
「なんと……淫らなんでしょう」
「……んく?」
そのとき、熱い掌がするりと腿を撫で上げた。
16
お気に入りに追加
1,904
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる