淫神の孕み贄

沖田弥子

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淫蕩な仮面舞踏会 5

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 そっと挿し入れられた舌先が、肉環の内側をぐるりと辿る。

「あっ……ん」

 粘膜を優しく撫で上げられる淫靡な愛撫に、セナは喉を反らす。
 体から力が抜けたその瞬間、男の獰猛な舌は、ぐうっと花筒の奥まで挿入された。

「あぁあ……そんなに……」

 濡れた舌は花筒の中を探るように蠢いた。
 たっぷりと唾液を塗り込めたあと、舌が引き抜かれる。
 終わった……?
 空虚になった花筒に寂しさを覚えてしまうが、それはきっと体の反応のせいだ。
 一礼して立ち上がった紳士を目にして、ほっと息を吐く。
 だが、すぐ後ろに控えていた別の仮面の紳士がセナの足の間に跪いた。

「失礼いたします。永遠なる神の末裔のつがい様」
「えっ……?」

 ぬぐ、と別の男の舌が、やや綻んだ蕾に挿入された。先程よりは柔らかくなった肉環は、新たな舌を受け入れる。
 ずりゅ……と花筒を犯した男は、濡れた舌を抽挿させた。

「あっ……あっ、あっ」

 ズチュ、ヌチュ、ヌチュッ……
 まるで男根を出し挿れしているかのような動きに、快楽の味を知る肉筒は、きゅうと引き締まる。
 とろとろと、奥から淫液が滴ってきた。快感を得たオメガの体は、雄を迎え入れるために奥から蜜を滴らせるのだ。それが感じているという証になる。
 ずちゅう、と男はいやらしい音を立てて、零れた蜜を啜る。
 甘く引き抜かれるようなその感触に、セナは拘束された足を震わせた。

「あんん……やだ、吸っちゃ……」
「なんと淫らな体でございましょう。もっともっと、蜜を零してくださいませ」

 再び男が舌を挿し入れようとしたとき、背後から別の男の声が降ってきた。

「時間だ。代わりたまえ」

 その声に顔をしかめた男だったが、礼をして潔く身を引いた。
 代わりにまた別の仮面の紳士が跪き、愛おしそうにセナの内股を撫で上げる。

「永遠なる神の末裔のつがい様、お会いしたかった。あなた様の花筒を愛でられる僥倖に巡り会えたことを、イルハーム神に感謝いたします」

 感謝を述べた紳士もまた、ぬぐう……と濡れた舌を深く挿入する。
 そうして、ずちゅずちゅと出し挿れを開始した。

「あっ……あぁ……」

 複数の紳士たちの愛撫と唾液で、肉環は柔らかく綻び、花筒は蠕動を始めている。
 体が昂ぶっていくのに反して、セナの心は戸惑っていた。
 一体、何人の紳士に花筒を愛撫されるのだろう……?
 頭を上げれば、セナの足の間で一心に愛撫を施している男の髪が見えた。その男の後ろには、幾人もの正装をしたアルファたちが列を形成している。
 その向こうでは、オメガたちが楽しそうに輪を作って踊り続けていた。
 まさか……舞踏会に招待したすべてのアルファたちから、舌での愛撫を与えられるのだろうか。
 花筒を舌で愛撫される行為はとても官能を高められる。
 けれど、痛いほど勃ち上がっている胸の尖りや、反り返って蜜を滴らせている花芯には一切触れられない。一点のみに快楽を注ぎ込まれるのは、ひどくもどかしい。
 それに、舌で花筒の入り口ばかりを舐られると、触れられない奥のほうが切なく疼いてしまう。
 もっと、大きいもので擦ってほしい。
 猥りがましい願いが口を衝いて出てしまいそうで、セナは視線を彷徨わせた。

「どうした、セナ。気持ち良いか?」

 優しげに問いかけてくるラシードに、男の舌を受け入れながら、セナはおずおずと答える。

「はい……気持ちいいですけど……あの、ラシードさま……」
「どうした?」
 
 セナは目を伏せた。
 とても言えない。
 奥が疼いてたまらない……だなんて。

「なんでも……ありません」
「そうか。アルファたちの愛撫を存分に受けるがよい」

 セナがもどかしげに腰を揺らめかせると、舌を挿し入れた男はいっそう熱心に花筒を舐めしゃぶった。
 じわりとした快感が腰奥に凝っていく。

「あぁ……はんん……」

 身を捩れば、黄金の装飾具がシャラリシャラリと鳴り響く。
 そのさまはまるで、発情した金色の鳥が快楽に喘いでいるようだった。



 舞踏会を訪れたすべてのアルファの舌を受け入れたセナは、椅子にぐったりと凭れた。
 男たちに愛撫された蕾からは唾液と混じり合った淫液が、たらたらと零れている。
 ひくひくと蠢いている蕾はまるで、次の男の舌を待ち侘びているかのようだった。

「どうだ、セナ? たっぷりと快楽を感じることはできたか?」
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