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第二章 エウクラトア聖王国

45話 お披露目パーティー当日

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 エメがドレスを持ってきてくれてから五日後、ついにお披露目パーティー当日になった。

 あの後、ウーラノスから贈られたドレスを着てみた。ドレスは着心地が良くとても気に入った。本当どれを着ようか更に悩むくらいにナレス達も一緒になって悩んだ。

 それと、あのきっついコルセットはしなくても良くなった。なんとエメはあのきつくて硬いコルセットをしなくてもいいように、柔らかくかといってちゃんとボディーラインを綺麗に見せてくれる優しいコルセットを作ってくれていた。

 エメは『元々アマネ様はコルセットなんて必要無いのです!ただ何もしないのもどうかと思うので、できるだけ優しいコルセットを作ってみました!』と笑顔で言っていた。

 本当エメに感謝……!!だってあのコルセットで長時間いるなんて私には耐えられない!

 すごいね……!貴族女性……!

 そんな私の優しいコルセットはナレスやイーセスに羨ましがられた。

 『わたくし達にも作ってくださいまし』と本気でエメに依頼していた。エメがいいですよと承諾すると二人は喜んでいた。



 そして今、私は朝からピッカピカに磨き上げられている。エメとナディア率いるエステ隊が私を容赦なく磨いている。

 ちなみにナレスとイーセスも私と同じように磨き上げられている。

 今思ったけど、しれっとリュミエール公爵家の侍女達に紛れ込んでいるエメ。なんかしかもリーダーみたいになっているし……。いつ仲良くなったの……?

 私が色々と思っていると、ついに支度が終わった……。

「あぁ……、やっと終わった……」

「お疲れ様です。 ですけど最高の美しさです!!」

 エメが満足そうに言うとナディアもエステ隊もふぅと言いながら満足そうな顔をしている。

 確かにすごく、すごーく綺麗にしてもらった。自分で言うのもなんだけど、もう絶世の美女といって過言ではない!!

 鏡で自分の姿を見ているけど、本当綺麗……。

 それで、私が選んだドレスはシャンパンゴールドのドレスにした。他の二つのドレスも捨てがたかったけど、一番自分の瞳に近い色がシャンパンゴールドということで今日のパーティーにはこのドレスを着ていくことにしたのだ。

 他の二つのドレスは後々着る機会があれば着ようと思う。

「みんなありがとう!」

 ここまで綺麗にしてくれたエメやナディア、エステ隊に感謝だ。

「いえいえ、アマネ様をお綺麗にするのは私達の役目でございますから!」

「アマネ様をお綺麗にすることはわたくし達の幸せでもあります故!」

 エメとナディアの言葉にうんうん!賛同するエステ隊。楽しんでやってくれているならもっとありがたい。

「でも、お礼くらい言わせてよ。 本当ありがとう!」

 私がもう一度お礼を言うとみんなは満足そうに微笑んでくれた。



 それから、私はレイナードの待っている部屋へと向かった。

 私がその部屋へと入るとみんなはもう既に支度を終えて私が最後だった。

「お待たせしました」

 私がそう言うと私に視線が集まる。

「アマネ様! とーっても素敵ですわ!!」

「本当ね~! やはりかの方からのドレスで間違いなかったわね」

 イーセスとナレスが褒めてくれる。

「アマネ様はいつもお綺麗ですけど、今日は一段と輝いていますね!」

「ああ、本当にお綺麗です」

 イエルとマーエルも褒めてくれた。さらにわたしの精霊達も褒めてくれる。

「アマネさまきれい!!」

「本当お美しいです!!」

 シストは私の周りをぴょんぴょん跳ねながら言う。マリンはキラキラとした目を私に向けながら言った。

「さすがはアマネ様ですわ! オーラが凄まじいですわ!」

「これ程美しいなら変な虫がつかないか心配です……!!」

 リドはどんなオーラが見えているのだろうか?凄まじいオーラとは?と疑問に思った。

 対してルフスはお父さんかな?と思うような発言をしていた。

 みんなから恥ずかしくなるくらいに褒められてちょっとだけ気恥ずかしい私だったが、一人だけ静かにしているレイナード。

 あれ?どうしたのかな?

 私はレイナードに近づいていった。

「レイナード??」

 私が声をかけるとレイナードはハッとしたようだった。

「レイナード、どうしたの?」

 改めて聞いてみるとレイナードは頬を少し赤くしながら言う。

「……アマネ様がとても美しくて見惚れていました」

 ヤダ……、そんなうるうるの目で見つめないでよ。こっちが照れるじゃないか……!

 レイナードに釣られて赤くなりそうな頬。

「本当は、私がドレスを贈りたかったのですが……」

 まあ、仕方がないよね。レイナード捕らわれていたし、用意する時間も無かったし。それに、もし、ドレスを贈られていてウーラノスからも贈られていたら、それはそれで迷うので今回はこれでよかったとちょっと安心している。

 そんな気持ちを思っていたからかなんか曖昧な笑みになってしまった。

 すると、レイナードは。

「もし、次にエスコート出来るのならば今度は私が贈ったドレスを着てくださいね」

 そう言って私の手をとりチュッと口付ける。

 やー!やー!やー!まただよ!!

 また、心の中で大パニック再来か!と思った時マーエルが言う。

「さて、そろそろ行こうか」

 その言葉でそれぞれがパートナー同士で移動を始めた。

「さぁ、私達も行きましょうか」

 レイナードは微笑みながらスマートに私をエスコートし始めた。

 私は改めて思った。

 レイナードはモテ男だな……と。


 
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