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2話

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 努力の甲斐もあり、少しマシになった様な感じかする。まあ、体型はそれほど変わらないどころか、少し太った様な気もするけど……。

 なんで甘い物も我慢しているのに太るのかなと自分の体型を嘆いた。

 


 そんな今までのことを思い出していると、隣から声をかけられる。

「アーリア、大丈夫かい?」

 そう心配そうに言ってくる彼は隣国グリンデルバルド帝国のの皇太子殿下。カレブ・グリンデルバルド。

「ええ、大丈夫ですわ。いつものことですもの。今更気になどしませんわ」

「そう。君のその姿、本当に美しいよ」

 ニッコリ笑う彼。そんなことを言ってくれる男性は彼しかいない。

「わたくしは大丈夫ですが、やはり、カレブ様の隣に立つのはわたくしでは無い方が良いのではないのですか?」

「そんなことを言わないで。私はアーリアが良いんだから」

 そう、こんな醜いわたくしの婚約者がなんとこの麗しい美貌を持つカレブ皇太子殿下。何を思ってわたくしなんかを婚約者にしたのか分からない……。ただの国同士の友好の為の政略結婚ならわたくしでは無く妹を選ぶ筈だ。

 だけど、何故かわたくしが選ばれた。他でもない皇太子殿下の望みで。確かに、わたくしは見た目が誇れない分、中身を一生懸命磨いた。その知識は王妃様に目をつけてもられるくらいに。

 だから、一時期は王太子妃候補に入っていた位だ。もちろん、美しいカミーラも入っている。わたくしはカレブ様が婚約者にと望んでくれたおかげで王太子妃候補からは外れている。

 今思い出すと、候補に入った時は周りからの反応が一番に酷かった。「その醜い容姿で図々しくも候補になるなんて!」とか、「権力を使って候補になった」とか散々な言われ様だった。

 特に、国王様と王太子殿下からの態度が酷かった……。

「いくら、優秀でもその醜い容姿では女として見られないだろう」と国王様。「醜いお前なんか、絶対に選ばない! 消えろ!」そう言って、カミーラと一緒に嘲笑っていた王太子殿下。

 わたくしだって、候補なんかにならないでひっそりと暮らしたかった……。だけど、王妃様のゴリ押しで候補から抜けられなかった……。

 そんな時にカレブ様は助けてくれた。わたくしがいいとそう言ってわたくしを見てくれた。だから、わたくしは迷わず彼の手を取った。

 隣国の皇太子殿下に望まれては仕方がないと王妃様は諦めて下さった。国王様と王太子殿下は喜んで候補からわたくしを外した。それと同時にカレブ様のことも馬鹿にしていた。女を見る目が無いと、物好きだと、そう言って笑っていた。

 だけど、わたくしは思う。国王様と王太子殿下、それにお父様も見る目が無いのはそちらだと……。



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