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1話
しおりを挟む今日は王室主催のパーティー。このパーティーで王太子殿下であるロベルト・ブランシェットの婚約者が正式に決まる。
わたくしはあまり公の場にきたくは無い……。だけど、王家主催のパーティーには必ず参加しなくてはいけない。ほら、また私のことを話している声がする……。
「見てよ」
「よく、あんな容姿で来られますわね」
「わたくしだったら、とても来れませんわ」
「鏡を見たこと無いんじゃないかしら?」
「いやだわ~」
そう言ってクスクス笑う声がする。
心の中で溜息をつく。またか……、そんな気持ちだ。
わたくしはアーリア・デラクール。このブランシェット王国のデラクール公爵家の長女として産まれた。この国の貴族は一夫多妻でお父様には2人の妻がいる。1人はわたくしのお母様であるアリーシャ第一夫人。もう1人はカリスタ第二夫人。お父様とお母様、第二夫人はとても容姿が良い。そんな人達の子供はさぞかし美しいだろうと皆そう思っていた……。
だけど、わたくしは醜かった……。お父様とお母様とは似ても似つかない容姿。美しい美貌の両親。対して私は目が細くかろうじて瞳の色が分かるくらい。鼻はぺちゃあっとしていて、太っている。そして極め付けは顔の半分にある痣。この痣が酷く醜い……。
楽しみにしていた待望の第一子が美しく無いことにお父様はがっかりした。お母様の不貞も疑われたが、お父様はお母様の予定はしっかりと把握していた。そして、わたくしの髪色と瞳がお父様と同じネイビーの髪に金色の瞳だったことがお父様の子である証拠だった。
だけど、お母様はわたくしのことを愛してくれた。こんな見た目でもわたくしのことを大切にしてくれた。しかし、お父様はわたくしの後にすぐ第二夫人が産んだ妹のカミーラのことを可愛がった。
カミーラはわたくしと違い、両親と同じく美しく産まれた。第二夫人と同じ薄紫色の髪にお父様と同じ金色の瞳。スタイルは抜群に良く、美しい。
お父様が、可愛がるのは当然のことだった……。
わたくしもお父様に見て欲しかった。だけど、現実は残酷だった……。
「私は、お前のことなど見たくない。何故お前のような醜い子が私の子なのか……。アリーシャは美しいのに……。これからは私の前に現れるな!」
そう言われた時わたくしは酷く傷ついた……。わたくしだって好きでこの姿で産まれたわけじゃない!そんな気持ちだった……。
だけど、お母様はわたくしに言った。
「アーリア、あなたはお世辞にも美しいとは言えないわ。だけど、その心までは醜くならないようにね。お母様は貴方の優しい気持ち、努力をして何かを学ぶ姿勢がとても美しいと思うわ。そのことを忘れずにね」
だから、わたくしはお母様の言葉を胸に必死に勉強や、マナーを頑張った。それとこの容姿を少しでもマシにしようと流行りのドレスもいいけど自分に合ったドレスを研究したり、メイクも少しでも目が大きくなるメイク、痣をなるべく目立たない様メイクをし、体型は少しでも痩せる様に運動もした。
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