上 下
38 / 39

永遠の日々

しおりを挟む
「ご主人様、自由って何だと思います?」

 

それは今から数日ほど前のことだった。ペンシルは、俺によりかかりながら不思議なことを言った。自由とは何か、そんなこと今まであまり考えてもみなかったものだ。

 

「どうしたんだいきなり?」

 

「私思うんです。自由っていうのはつまり、実現できないことを指すと思うんですよね。完璧な自由なんてこの世には存在しない。でも、ご主人様ならその現状を変えて自由を手に入れられることができるのではないかと思うんです」

 

ペンシルは目にかかる俺の髪をどかして瞳を見ていた。ペンシルの瞳には、自分の顔が映りこんでいる。

 

「ミツマタはモノを作るだけだからね。モノを作って自由を作るっていうのはなかなか難しいかもしれない。でも、不可能なものではないと思うんだ」

 

「私もそう思います。ご主人様に不可能なんてないと思います。まあなんというか、自由を手に入れて私がしたいことを全部できるようになったとしたら、ご主人様と一生とは言わず、永遠に過ごしたいとおもいましてね」

 

ペンシルは、赤かった顔をさらに紅潮させた。そして体温もぬくもりが温かくなっている気がした。

 

「永遠か……」

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

「ご主人様、おはようございます」

 

珍しく寝起きが良かったルームが俺を起こしに来たようだ。昨日夜遅くまで本を読んでいたので、睡眠時間が削られてしまっていたためか、非常に眠く寝不足を感じる。

 

「ご主人様がもっと眠っていたいというのであればもっと眠っていてください。もし、私が隣にいたほうがいいならご一緒に……」

 

「いや、それはさすがに……」

 

するとルームは、

 

「ご、ご主人様ぁ、もしかして私のことが嫌いになってしまったんですか?」

 

「いや、そうじゃないよ。うん、そうじゃない、そうじゃない。いや、なんというかね。うれしいんだけどちょっと早いというか、心の準備がっていうか」

 

するとルームは艶めかしい表情をしながら、

 

「私はあの日からご主人様のものです」

 

「ルームよ、こんなことは気軽に言うもんじゃないよ。こんなこと言って喜ぶのは、俺TEEEEEEEEEとか言っているようなゴミ主人公みたいな人なんだ。僕は、そんなことを言ってもらわなくても、ルーム、ロイド、ペンシルと一緒にいられることがすごくうれしいんだ」

 

「さすがです、ご主人様!やはりご主人様の考えは素晴らしいです。感動してしまいます」

 

ルームの瞳からは暖かいものが流れ出ていた。

したがって、それを指ですくい上げた。

 

「それじゃあ、朝ご飯を食べようか」

 

 

今日の朝ご飯は、卵かけご飯と、みそ汁と、イワナ塩焼きといった質素なものであった。

 

「おいしそうだね」

 

「新鮮な鶏卵の卵が手に入ったので今日は卵かけご飯にしてみました、たれにこだわったのでおいしいと思うんですが」

 

今日はペンシルも目覚めが良かったようなので、ペンシルが最初から最後まで料理をしたようだ。

 

「ご主人様、紅茶はいかがですか?」

 

「うん。イングリッシュ・ブレックファスト・ティーがいいかな」

 

「かしこまりましたご主人様」

 

ロイドはお湯を沸かして紅茶を作り始めた。

 

「なあ、ペンシル、俺の欠点って何だと思う?」

 

「ご主人さまに、欠点なんて存在しませんよ」

 

ペンシルは、当然でしょといわんばかりの表情でささやいた。

 

「どうなのかねえ」

 

 

「だってそうでしょう。ご主人さまはいぜん、らいとのべるというものをミツマタで作ってくださりましたが、その本に書いてあるハーレム系の主人公にはとんでもない人間のような人が多いかったですからね。朝起きたとたん胸をもみ始めたり、女の子を脅して無理やり契約させようとしたり、人として終わっている方が多いです。でもご主人様は、そんなことをせずいつも私たちのあこがれの存在でいてくれます。でもでも、ご主人様はどんなことをしても私たちの尊敬の存在です。」

 

 

なんやかんやで朝食が終わり、暇な時間になったので、今日は団子を作ることにした。

 

「ご主人様、なんですかこれは?」

 

もち米と、大麦・小麦・粟・キビ・ヒエ・ソバ・トウモロコシ・小豆・サツマイモ・栃の実を砕いたものをミツマタで作り上げた。

「今日は団子を作ってみようと思うんだ」

 

「ご主人様、だんごってなんですか」

 

「うーん。まあ見ればわかるよ。僕がいた世界では胃を鍛えるためにもつかわれたらしいよ」

 

「さすがはご主人様です。王座奪還できたえなければならないわたしたちのことを思っているのですね」

 

団子を丸め、ふかしたのでそれにきな粉とかあんこをつけて3人で食べた。

 

「おいしいですご主人様!やっぱりご主人様が作ってくださる料理はとてもおいしいですね」

 

「ご主人様に拾ってもらって私は幸せです」

 

「ご主人様!ありがとうございます」

 

団子を100個程度食べおなかがいっぱいになったので、ペンシルにガソリンを給油して寝ることにした。

 

「ご主人様、いつもありがとうございます」

 

「ペンシルが言ってたんだけど自由って何だと思う?」

 

「自由ですか……ご主人様と一緒にいることですね」

 

「そうなのか」

 

寝ることにした。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

「ご主人様、おはようございます」

 

珍しく寝起きが良かったルームが俺を起こしに来たようだ。昨日夜遅くまで本を読んでいたので、睡眠時間が削られてしまっていたためか、非常に眠く寝不足を感じる。

 

「ご主人様がもっと眠っていたいというのであればもっと眠っていてください。もし、私が隣にいたほうがいいならご一緒に……」

 

「いや、それはさすがに……」

 

するとルームは、

 

「ご、ご主人様ぁ、もしかして私のことが嫌いになってしまったんですか?」

 

「いや、そうじゃないよ。うん、そうじゃない、そうじゃない。いや、なんというかね。うれしいんだけどちょっと早いというか、心の準備がっていうか」

 

するとルームは艶めかしい表情をしながら、

 

「私はあの日からご主人様のものです」

 

「ルームよ、こんなことは気軽に言うもんじゃないよ。こんなこと言って喜ぶのは、俺TEEEEEEEEEとか言っているようなゴミ主人公みたいな人なんだ。僕は、そんなことを言ってもらわなくても、ルーム、ロイド、ペンシルと一緒にいられることがすごくうれしいんだ」

 

「さすがです、ご主人様!やはりご主人様の考えは素晴らしいです。感動してしまいます」

 

この場面を以前にも見たことあるような気がしたが、ルームの瞳からは暖かいものが流れ出ていた。

したがって、それを指ですくい上げた。

 

「それじゃあ、朝ご飯を食べようか」

 

 

今日の朝ご飯は、卵かけご飯と、みそ汁と、イワナ塩焼きといった質素なものであった。

 

「おいしそうだね」

 

「新鮮な鶏卵の卵が手に入ったので今日は卵かけご飯にしてみました、たれにこだわったのでおいしいと思うんですが」

 

今日はペンシルも目覚めが良かったようなので、ペンシルが最初から最後まで料理をしたようだ。

 

「ご主人様、紅茶はいかがですか?」

 

「うん。イングリッシュ・ブレックファスト・ティーがいいかな」

 

「かしこまりましたご主人様」

 

ロイドはお湯を沸かして紅茶を作り始めた。

 

「なあ、ペンシル、俺の欠点って何だと思う?」

 

「ご主人さまに、欠点なんて存在しませんよ」

 

ペンシルは、当然でしょといわんばかりの表情でささやいた。

 

「どうなのかねえ」

 

 

「だってそうでしょう。ご主人さまはいぜん、らいとのべるというものをミツマタで作ってくださりましたが、その本に書いてあるハーレム系の主人公にはとんでもない人間のような人が多いかったですからね。朝起きたとたん胸をもみ始めたり、女の子を脅して無理やり契約させようとしたり、人として終わっている方が多いです。でもご主人様は、そんなことをせずいつも私たちのあこがれの存在でいてくれます。でもでも、ご主人様はどんなことをしても私たちの尊敬の存在です。」

 

 

なんやかんやで朝食が終わり、暇な時間になったので、今日は団子を作ることにした。

 

「ご主人様、なんですかこれは?」

 

もち米と、大麦・小麦・粟・キビ・ヒエ・ソバ・トウモロコシ・小豆・サツマイモ・栃の実を砕いたものをミツマタで作り上げた。

「今日は団子を作ってみようと思うんだ」

 

「ご主人様、だんごってなんですか」

 

「うーん。まあ見ればわかるよ。僕がいた世界では胃を鍛えるためにもつかわれたらしいよ」

 

「さすがはご主人様です。王座奪還できたえなければならないわたしたちのことを思っているのですね」

 

団子を丸め、ふかしたのでそれにきな粉とかあんこをつけて3人で食べた。

 

「おいしいですご主人様!やっぱりご主人様が作ってくださる料理はとてもおいしいですね」

 

「ご主人様に拾ってもらって私は幸せです」

 

「ご主人様!ありがとうございます」

 

団子を100個程度食べおなかがいっぱいになったので、ペンシルにガソリンを給油して寝ることにした。

 

何かがおかしい。そう思い始めた。

 

今日の出来事は以前もみたことがある。

 

「もしかして」

 

廊下に出て目の前にあるペンシルの部屋に入った。

 

「ご主人様、私のところに来てくださったんですね。私はこの日をずっと楽しみにしてきました」

 

「いや、そうではない。ペンシルまさかとは思うんだが、俺の記憶を操作してないか」

 

ペンシルはハッと驚いた顔をした。

 

「どうしてこのことに気づいたんですの?」

 

「君は以前、自由とは永遠に一緒に暮らすことって言ったよね」

 

「はい、私にとっての自由とはご主人様と一緒に、永遠に過ごすことだったんです」

 

「そうだったんだな。ペンシル。お前のやさしさはじゅうぶんによくわかった。でも俺は君と新しい思い出を作りたいんだ。だから、新しい明日を迎えたい」

 

「わかりました、ご主人様。やはりご主人様にはかないません」

 

 

そして、今まで見たことがない朝を迎えることができた。

 

 

あとがき→ここまで読んでくれてありがとうございます。 ぜひ、最終回までお付き合いください。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】 人間を洗脳し、意のままに操るスキル。 非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。 「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」 禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。 商人を操って富を得たり、 領主を操って権力を手にしたり、 貴族の女を操って、次々子を産ませたり。 リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』 王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。 邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

魔王討伐の勇者は国を追い出され、行く当てもない旅に出る ~最強最悪の呪いで全てを奪われた勇者が、大切なものを見つけて呪いを解くまで~

紗沙
ファンタジー
最強の勇者レオは、国の長年の悲願であった魔王討伐を成し遂げる。 しかし魔王にとどめを刺した瞬間、彼は右目に呪いを受けてしまった。 見た目は呪いで禍々しくなってしまい、他者に強力な嫌悪と恐怖を感じさせてしまうように。 魔王を討伐したにも関わらず、そのせいで国から追放されることになったレオ。 勇者ではなくなったが、人を救いたい彼は誰かを助けながら進み続ける。 盲目の奴隷少女や呪いを治す聖女ーーそういった人たちを救う中で、自身のことは全く顧みないレオ。 そんな彼の周りには、彼を慕う少女たちが集まっていく。 各々が、レオに対する重い感情を抱いたまま。

バウンダリーズ・イン・ザ・バビロン

シノヤン
ファンタジー
かつて3つの種族による巨大な戦争が起こった。民族間の些細な対立が引き金となって始まった10年にもわたる戦いは大陸中を巻き込み多くの犠牲を産み出したが、そんな泥沼の戦争の果てに「バビロン」と呼ばれる巨大な連邦が誕生する。そんな世界で待ち受けるのは多くの出会いや戦い、そして巨大な陰謀であった。これは自由に生きようとする者達による波乱に満ちた旅路の物語。 小説家になろう及びカクヨムでも掲載中です

処理中です...