生まれたからにはアイデンティティ壊されたくないよね！

ガイル編

4.期間限定のセシルとの旅

4.期間限定のセシルとの旅

「うぅ、気持ち悪い」
運良く嵐を抜けれたがライアンとジェームズは船酔いしてしまったらしい。
「情けないです」
「大丈夫ですか？」
今はリリーの作った薬で落ち着いている。後2週間でガイルに着く。あの温泉地帯は全員が楽しみにしていた。
ガタン
物音がした。リリーは気づかなかったがルーナはハッと振り向いた。
「ルーナ、どうしたの？」
「今誰かいました」
「えっ」
「倉庫からです」
ルーナはそばにあった剣を持ち部屋から出る。
「えっ、ルーナ？」
「ここにいてください」
る。は部屋から出て倉庫へ向かう。そこには食料や薬草、日用品などがある。ルーナは気配を消し扉の前に立つ。耳を済ませると音はしないが何かの気配を感じた。ルーナは意を決して扉を勢いよく開ける。
「何者ですか！？」
剣を構えるその何かに警戒する。しかし、出てきたのは樽の中からはみ出て気絶しているセシルだった。
「えぇ！？」
珍しくルーナは困惑した。
「まさか、ついてきてたなんて…」
ベッドで目を回しているセシル。どうやら樽の中に居て嵐で転がり気絶してしまったようだ。
「うぅ、気持ち悪い…」
「なんで同じセリフ言うんだよ」
この場にいる全員がセシルに呆れていた。
「で、リーダーどうする？」
ライアンとジェームズは船酔いからやっと解放されたらしくベッドから起き上がっていた。そして、ジェームズはすぐさまお酒を飲んでいる。
「ぷはぁっ、うめぇ！！」
「おい！ジェームズ！なんで昼間から酒飲んでんだよ！」
「酒に昼も夜もねぇよ！あぁっこれはたまらん！」
ルーナは呆れて食堂に篭ってしまった。リリーは苦笑いしながらライアンを宥めている。
「これからまた島の戻るのはきついと思うぞ。船も少し傷ついているし1度ガイルで修理してもらってそして島に戻ればいい。」
ジェームズは酔っているにも関わらずしっかりとリーダーとして仕事をした。
「まぁ、妥当だな」
ライアンは心の中で感心しながらもさすがジェームズと見直した。リリーは少し嬉しそうだった。
こうしてセシルを入れて期間限定の5人の旅が始まるのであった。