38 / 38
【外伝】
【2】久しぶりの神魔会談
しおりを挟む
ロイと俺は魔界と神界の関係性が崩れないように、定期的に報告会とこれから先の在り方について話し合っている。
大体10年に1度のペースで。
本当はここまでペースを詰める必要もない。これは単純に短いスパンで友に会いたいと願う、ケッツァーとロイの思いの強さによって決まった期間である。
本来はもっと短くしたかったとか。
ただあまりにも接触が頻繁すぎると体裁的によくないということもあり、このスパンに決まったらしい。
たしかに、今でも仲のいい友ではあるがお互いに立場が大きく変わってしまった以上は仕方がないであろう。
『今日は定例報告会が入っている。1日神界を留守にするゆえ、後の事は頼みましたよ』
膝まずいているウリエルが答える。
『お任せください。お子様の事も職務の事も。ご存分に』
『ありがとう母上。では、行って参ります』
その時フールが話しかけてきた。
『もう行くの?』
『ああ。今回は早めに行こうかと。何かあったのかい?』
『んーん。子供たちの事は安心して、たまには羽を伸ばしてきてね』
『お前も行きたいだろうが、すまない。子供たちのことを宜しく頼むよ』
昔はね一緒に行ってたんだよ。
でもね、もう無理なの。エンドレスで子供が生まれるもんで、今では50人くらい居るのさ……
もう作らないよ!絶対に!
伽は断れないけど、いや犯されるからどうしようもないのだけども。
俺は10年ぶりに魔界への扉を開き魔界へ入っていった。
「ここは来る度都会になっていくなぁ。ロイと統治になって魔物も大人しくなり、いや寧ろ今では人間に協力的になってる奴らもいるらしいから素晴らしいものだ」
「何者だ!」
「あーすまん。魔王はいるか?」
「魔王様だと!?貴様まさか魔王様を討伐しに来たとかではないか!?ならば俺が相手になる!魔王様には近付けさせん!」
「あ、いや、違うけど」
「では何しに来た!」
「遊びに来たんだよ!うっせーなお前!」
「魔王様にお前のように無礼な友達はおらん!帰れ!」
「なんやねんお前!ケッツァーが来たって伝えろよ!それが早い!」
「ケッツァーなんて伝説の勇者の名を語るとは愚かな!」
「めんどくせー!まじで!めんどくせー!」
「はっはっはっ。テオ!通してやれ。その男は紛れもなく余の友だ」
「あ、ロイじゃねーか!久しぶりだな!」
「やあ、ケッツァー。久しぶりだね」
「しかしコイツなんなんだよ。スーパーめんどくせー奴なんてここに置くな」
「はっはっはっ、すまない。実はね、この子は僕たちの子供なんだよ。ちょっと頭でっかちな所があるけど、優しい子なんだよ」
「そうだったのか。ようやく子供が出来たんだな……良かったな」
「ありがとう。ではイルネスの元へ行こうか。テオ、彼なら大丈夫だ。君も一緒においで」
「はい父上」
魔王ロイに連れられて王族のみが入ることが許される間に通されることになったケッツァー。
「お!イルネス!久しぶりだなー」
「あ、ケッツァーじゃん!久しぶり!」
「テオって名前なんだな。おめでとうイルネス」
「ありがとうケッツァー。いい子だったでしょ?」
「うん、第一印象は糞だな」
「あーあの子と揉めたね?頭でっかちだから許してあげてよ」
「ああ、お前たちの子とロイから聞いてからは気にしてねー」
「ありがとう。フールは元気?」
「相変わらずの性欲おばけ」
「ふふふ。相変わらずね。その感じじゃ世継ぎには恵まれてるんじゃない?」
「今では50人いるよ」
「50!?」
「まーそんな反応になるよな。でもこれが奇跡的に男の子が2人で残り48人は女の子だから世継ぎ争いはないよ。まぁーそもそも神ってそう簡単に代替わりしないからね」
「ケッツァーお前、神界でファックばっかりして仕事してんのか?」
ロイが嫉妬で嫌みを言ってきた。
「嫉妬すんなボケ。仕事しとるわ!糞忙しいわボケ!そもそもお前も神の力が少し混じったから、ほとんど寿命ないだろうがよ」
「ボケボケ言うな!それに俺は代替わりは悪い事とは思ってない」
「そうか。まぁそれもいいんじゃねーか?それはそうと、ヴィスキとは会ってんのか?」
「あーあのハラスメントマンね。よく来まっせ。来ては魔界全土の住人を潰して次義の日の予定を潰す行為を定期的にしているぞ。もはやどっちが魔王なんだろ……」
「あー察し。数年前神界にも来て同じ事していったよ」
「本当にぶれないよね、あいつ」
「良いほうでぶれないのは神界にとってもありがたい事なんだがなぁ……それでも勇者だから任務は確実にこなすし咎められないんだよね」
「そうなんだよね……」
………………
…………
……
「こんにちは!諸君!喜べ!今日は良い酒日和だぞ!」
「え?」
「うそ?」
「え?こんなことある?」
「あ、ロイ、イルネス、テオ、俺は用事が出来たので帰る」
そう言って逃げようとした時、3人から裾を捕まれ全力で転かされた。
あの、鼻血出てるんですけど。
え?これ怒っちゃだめなんですかね?
すっごい痛いんですけど。
「おーーー!ケッツァーもいるじゃん!ナイスタイミーング!」
「いや俺は神界でやることがあるから帰るところだ」
「ケッツァーさんケッツァーさん。今日という日は特別なんですよ。昔の仲間が集まっているこの日。私ごとではございますが今日という日を大切にする為、僭越ながら乾杯の音頭をとらせていただきます」
「ま、まて!やめろ!」
「またまたぁ照れちゃって。では、かんばーい!!」
俺は影の魔王ヴィスキにより潰された。
俺の滞在時間は本来4時間の予定だった為に、俺の帰りが遅い事に神界が大騒ぎになったようだ。
その後。
使いの使者、天使までもが魔界を包囲する事態になってしまった。
見つかったときの俺の様子を見て全員が溜め息をついたとか。
ほんとヴィスキには困ったもんだ。
こういった一件が合って以来、神界と魔界で1つの取り決めが行われた。
ヴィスキを迎え入れるときは酒を持ってこさせない事!
ほんと悪いやつじゃないのよ。勇者だからね。
でも自重せよヴィスキ!!
結局神魔会談出来てねーし!!
大体10年に1度のペースで。
本当はここまでペースを詰める必要もない。これは単純に短いスパンで友に会いたいと願う、ケッツァーとロイの思いの強さによって決まった期間である。
本来はもっと短くしたかったとか。
ただあまりにも接触が頻繁すぎると体裁的によくないということもあり、このスパンに決まったらしい。
たしかに、今でも仲のいい友ではあるがお互いに立場が大きく変わってしまった以上は仕方がないであろう。
『今日は定例報告会が入っている。1日神界を留守にするゆえ、後の事は頼みましたよ』
膝まずいているウリエルが答える。
『お任せください。お子様の事も職務の事も。ご存分に』
『ありがとう母上。では、行って参ります』
その時フールが話しかけてきた。
『もう行くの?』
『ああ。今回は早めに行こうかと。何かあったのかい?』
『んーん。子供たちの事は安心して、たまには羽を伸ばしてきてね』
『お前も行きたいだろうが、すまない。子供たちのことを宜しく頼むよ』
昔はね一緒に行ってたんだよ。
でもね、もう無理なの。エンドレスで子供が生まれるもんで、今では50人くらい居るのさ……
もう作らないよ!絶対に!
伽は断れないけど、いや犯されるからどうしようもないのだけども。
俺は10年ぶりに魔界への扉を開き魔界へ入っていった。
「ここは来る度都会になっていくなぁ。ロイと統治になって魔物も大人しくなり、いや寧ろ今では人間に協力的になってる奴らもいるらしいから素晴らしいものだ」
「何者だ!」
「あーすまん。魔王はいるか?」
「魔王様だと!?貴様まさか魔王様を討伐しに来たとかではないか!?ならば俺が相手になる!魔王様には近付けさせん!」
「あ、いや、違うけど」
「では何しに来た!」
「遊びに来たんだよ!うっせーなお前!」
「魔王様にお前のように無礼な友達はおらん!帰れ!」
「なんやねんお前!ケッツァーが来たって伝えろよ!それが早い!」
「ケッツァーなんて伝説の勇者の名を語るとは愚かな!」
「めんどくせー!まじで!めんどくせー!」
「はっはっはっ。テオ!通してやれ。その男は紛れもなく余の友だ」
「あ、ロイじゃねーか!久しぶりだな!」
「やあ、ケッツァー。久しぶりだね」
「しかしコイツなんなんだよ。スーパーめんどくせー奴なんてここに置くな」
「はっはっはっ、すまない。実はね、この子は僕たちの子供なんだよ。ちょっと頭でっかちな所があるけど、優しい子なんだよ」
「そうだったのか。ようやく子供が出来たんだな……良かったな」
「ありがとう。ではイルネスの元へ行こうか。テオ、彼なら大丈夫だ。君も一緒においで」
「はい父上」
魔王ロイに連れられて王族のみが入ることが許される間に通されることになったケッツァー。
「お!イルネス!久しぶりだなー」
「あ、ケッツァーじゃん!久しぶり!」
「テオって名前なんだな。おめでとうイルネス」
「ありがとうケッツァー。いい子だったでしょ?」
「うん、第一印象は糞だな」
「あーあの子と揉めたね?頭でっかちだから許してあげてよ」
「ああ、お前たちの子とロイから聞いてからは気にしてねー」
「ありがとう。フールは元気?」
「相変わらずの性欲おばけ」
「ふふふ。相変わらずね。その感じじゃ世継ぎには恵まれてるんじゃない?」
「今では50人いるよ」
「50!?」
「まーそんな反応になるよな。でもこれが奇跡的に男の子が2人で残り48人は女の子だから世継ぎ争いはないよ。まぁーそもそも神ってそう簡単に代替わりしないからね」
「ケッツァーお前、神界でファックばっかりして仕事してんのか?」
ロイが嫉妬で嫌みを言ってきた。
「嫉妬すんなボケ。仕事しとるわ!糞忙しいわボケ!そもそもお前も神の力が少し混じったから、ほとんど寿命ないだろうがよ」
「ボケボケ言うな!それに俺は代替わりは悪い事とは思ってない」
「そうか。まぁそれもいいんじゃねーか?それはそうと、ヴィスキとは会ってんのか?」
「あーあのハラスメントマンね。よく来まっせ。来ては魔界全土の住人を潰して次義の日の予定を潰す行為を定期的にしているぞ。もはやどっちが魔王なんだろ……」
「あー察し。数年前神界にも来て同じ事していったよ」
「本当にぶれないよね、あいつ」
「良いほうでぶれないのは神界にとってもありがたい事なんだがなぁ……それでも勇者だから任務は確実にこなすし咎められないんだよね」
「そうなんだよね……」
………………
…………
……
「こんにちは!諸君!喜べ!今日は良い酒日和だぞ!」
「え?」
「うそ?」
「え?こんなことある?」
「あ、ロイ、イルネス、テオ、俺は用事が出来たので帰る」
そう言って逃げようとした時、3人から裾を捕まれ全力で転かされた。
あの、鼻血出てるんですけど。
え?これ怒っちゃだめなんですかね?
すっごい痛いんですけど。
「おーーー!ケッツァーもいるじゃん!ナイスタイミーング!」
「いや俺は神界でやることがあるから帰るところだ」
「ケッツァーさんケッツァーさん。今日という日は特別なんですよ。昔の仲間が集まっているこの日。私ごとではございますが今日という日を大切にする為、僭越ながら乾杯の音頭をとらせていただきます」
「ま、まて!やめろ!」
「またまたぁ照れちゃって。では、かんばーい!!」
俺は影の魔王ヴィスキにより潰された。
俺の滞在時間は本来4時間の予定だった為に、俺の帰りが遅い事に神界が大騒ぎになったようだ。
その後。
使いの使者、天使までもが魔界を包囲する事態になってしまった。
見つかったときの俺の様子を見て全員が溜め息をついたとか。
ほんとヴィスキには困ったもんだ。
こういった一件が合って以来、神界と魔界で1つの取り決めが行われた。
ヴィスキを迎え入れるときは酒を持ってこさせない事!
ほんと悪いやつじゃないのよ。勇者だからね。
でも自重せよヴィスキ!!
結局神魔会談出来てねーし!!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる