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【完結編1】

収穫祭

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 レッドフィーアは相変わらず元気モリモリで活躍している。
 俺の友たちも皆元気モリモリだ。
 3000年も経っているのにね……

 正直1000年前に1度世代交代を考えてみたんだよね。
 もういいかなぁって考えて、親い者にだけに打ち明けたんだが……
 簡単に言うと即NGだった……

 アイツがもう少し強くなれば任せれるんだが、未だに俺に一撃も当てれないとは……我息子ながら情けないものだ。
 ちなみに隠居していないのは俺とルドラだけで皆一様に半隠居している。
 理由は子孫が俺とルドラを越える力を持ってないことが原因だ。

 皆いいなぁ……ね、ルドラ。
 だってさぁ秀光を鍛えようと厳しく接したらレインが超不機嫌になるんだよ?
 俺だって、俺だって……

 はぁ。
 ………………
 …………
 ……
 考えても仕方ない。
 そんな事よりも今年は春の収穫祭だ。
 こういうイベントになると皆が集まる。
 全員が揃う事は今では非常に珍しい。
 実に楽しみだ。

『久しいなぁ健汰。お前は、いつ世代交代が出来るんだろうな。楽しいぞ!隠居生活は』

『ハロー健汰!元気?』

『お久しぶりです。健汰様』

『皆、元気そうだの』

『うわー!皆、久しぶり!!
 本当に会いたかったよー!
 何でたまには会いに来てくれないのさー!』

『よく来たね。
 今回は収穫祭だ。皆全力で楽しんでくれ!
 それと、話しておきたいことがある。
 アルテ、秀光。こちらへ……
 実はな、俺とルドラも隠居を考えている』

『ちょっ!それは!!』

『分かってる、でも聞いて欲しいんだ。
 アルテも秀光も俺たちには、歯が立たない。
 だけど、このままの状態でいても、何も変わらない。
 もし秀光がやらかしても後ろには隠居した俺がいる。
 お前たちも一族に対して同じ考えだと思う。
 それは、俺もルドラも同じなんだよ。
 ただ、簡単に譲れない立場である事も十分に理解している。
 なので、アルテ!秀光!
 お前たちと模擬戦を行う!
 尚、この模擬戦を収穫祭の最大イベントにする故、神界全土に通達しろ!』

『そうきたか。いいだろう!
 アルテ、父を越えて見せよ!』

『はい!必ず!』

『といっても、まぁ勝てんだろうから、条件を出してやる。
 その上で成功したならば満場一致になるだろう。
 模擬戦で対戦相手に膝を付かせることが出来れば、お前達の勝ちだ』

『父上から膝を……かなりの難題ですね……』

『健汰、あまりにも難しすぎる難題よ!』

 《健汰》
『レイン、敢えて言おう……黙れ。
 これは神の世代を繋げる大切な儀式だ。
 口出しは無用。
 全部終わったら十分に罵られてやるから今回は黙っていろ』

『健汰……本気なんだな。
 だとしても、俺は妻にそのような口は聞けん。こ、殺される……』

 《健汰》
『ソールよ……お前が俺と同じ立場ならそうするだろう。
 これは俺達家族だけの問題じゃない。
 この世界存続の問題なのだ。秀光よ……覚悟を決めろ。
 お前にも、その時が来ただけだ。
 俺なんて、異世界から突然転移させられて今の今まで実に3000年も第一線にいるんだぞ。
 お父さんが退いてもずっとお前の後ろにいる。皆いるんだ。
 それに、お前は十二分に神の資格を有している。
 それは、お父さんが保証してやる。
 お前とアルテに足りないものは"2つ"。
 自信と、闘争心だよ。
 だから、壁になっている親父を踏みしだいて越えて行け!』

『父上……承知いたしました!』

『さて、では収穫祭の準備始めよう!!』

『なぁ、健汰……少し話したい事があるんだが』

『ああ、いいよ。場所を移すか』

 ………
 ……
 …

『全部終わったらだけどな。旅に出ないか?』

『ハハハ。よし!行こうか!若き世代に全てを任せてな!』

『何を楽しそうな話をしている!勿論!我も行くぞ!』

『勿論、私も!』

『僕もです!』

『ハハハ。何か増えたな!
 そうだな、旧世代で旅をして移住するか!』

 もはや、ただの収穫祭ではなくなった。
 神聖な儀式が行われることになり、全世界が熱狂の渦に包まれたのだ。
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