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4章

【31】堕天使ライアル

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 コッペの兄ライアルは5番目の神、サミュエルの奴隷の1号だ。

『こいつを助けるにあたって、ストーリーは分岐するな。
 俺が魔王神になってしまうルート。
 眷属の誰かに魔王として世界の抑止をさせること。
 普通に考えればルドラが適任だが……
 よし決めた!アイツにしよう』

【通信】
『ウラン、ソール、ラスク、リコピン。
 部隊を任せれる者に一任して1度城に戻れ。
 パン太郎と各部族長も城に来い』

『は!仰せのままに!』

 紅羅真が話しかけてきた。

『どうするつもりなんだ?
 1人で行くつもりなんだろ?』

『それを今から話す』

 ぞろぞろと集まってきた。

『全員、大広間で待機していてくれ。揃ったら殿を呼びに行く』

 最後にパン太郎が到着した。

『よし、揃ったか』

【通信】
『健汰様、全員揃いました』

『分かった、直ぐに行く』

 健汰が大広間に着くと全員が跪ずいていた。

『楽にしてくれ。先ずは紹介したい。
 奏汰こっちへ……
 この子は人間の奴隷街で、瀕死の所を助け今は俺の息子としている。皆も仲良くしてやってくれ。
 本題に入る。
 ゲイト、ルドラ、コッペは俺が神になっても支配するのを、望まない事を良く知っていると思う』

 一同頷く

『その上で聞いて欲しい。
 ダークエルフのオルタを救うには邪気と呪印を取りの削ぐしか方法がなかった。
 恐らく堕天使も同じ現象かそれ以上に強い力で縛られているだろう。
 それは俺が1人で取り除くつもりだが浄化するのにしても流石の俺でも結構な時間とリスクがある。

 故に当初の予定にはなかったが【魔王】を作るにあたって各部族に王を置く。
 更に王だけを我が眷属とする。
 各部族の王は俺が決める。以上だ!
 意見ある者は述べて欲しい。
 俺にも正解は分からんからな……』

『我は異論などない。
 健汰が決めたことだ好きにするがいい』

『同じく異論などありません!』

『それと、恐らくだか奴隷以外で、ある程度地位のある人間にも同じ呪縛がある。
 無視してくれて構わない。
 皆、真ん中を囲うように空けてくれ。

【神の名の元に命ずる】
 堕天使ライアルを全ての縛りを絶ち切り、この場に強制召喚せよ!異論は神の名の元に許さん!!
 ライアルが蠢きながら召喚されてきた。
 既に健汰により神縛されており動くことなど出来なかった。
 誰もこの陣の中には入ってくるなよ!!』

 コッペが飛び出そうとしたがソールとルドラに押さえられていた。
 健汰はライアルの頭にそっと手を置いて記憶を読み始めた。
 脳内に埋め込まれた罠も掻い潜りながら。

『なるほどな、お前があの時集めてたのは魂か。
 それをサミュエルは主食にしてるって事か……
 ゴミ過ぎて何も言葉がねーよ。
 聞かれたことだけに答えれる権限をやる。
 その前に……
【戸河健汰の名の元に】
 ライアルを天使へ戻る事を許す。
 妨げになって者はここに姿を表せ。
 やはり式神だったか。神炎ゴッドフレア!!』

 式神は全て灰にされ、ライアルは天使の白い羽に戻った。

『ライアル聞こえるな。問は2つだ。
【問1】
 尚もサミュエルの元に戻りたいか?
【問2】
 コッペたちと楽しく過ごしたいか?』

『戻りたくないです……地獄だった。
 死ぬことも許されず、日々命令されるだけの毎日、死者の部隊を作ったのも私です。
 あの国は死者の国です。
 但し、奴隷たちは人間で、平民も1部貴族も人間です。
 サミュエルに仕える者達は意思なき死霊です。
 戻りたくないです。
 許されるならコッペと天使の皆と過ごしたいです』

『ああ、そうしろ。だが条件がある。
 お前がいくら洗脳されていたとは言え、何百年も虐げて甚振って来たことも確かだ。
 奴隷達に対して償いをしろ』

『勿論でございます。コッペ……ごめんね』

『よかった……お兄ちゃん……戻ってきた』

『そこで先ほどの話に戻るが、邪気は今は俺の中で浄化されアイツらの遺物ではなくなった。
 この浄化された邪気で魔王を作る』
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