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新しい仲間
新しい仲間 ⑧
しおりを挟む「確かにその通りでもある。けど、だからと言ってやっていいことと悪いことがある。それを判断できないお前こそ生きていてはいけない奴だ」
二人の間を風がピューと吹いた。風で髪が揺らぐ。周りで固まっている人たちの髪も揺らいでいる。
「そう。…あなたと話していると楽しいわね。そろそろ戻らなきゃ。…あなたがこの世に居ればまた会いましょう」
微笑みその場を去った。去る寸前サンザリカと目があった。サンザリカはいつもの自信のある目ではなく力のない目をしていた。
アイが去ったあとさっきまで固まっていたみんなが動き出した。シャリングはカナリヤを見つけると走ってきた。
「カナリヤ!大丈夫か?何があったのか覚えていないんだよ」
カナリヤは何も言わなかった。
アイ…あいつはもう止めることもできない。どうしようもない、手遅れの状態だった。話していて分かった。
完全に自分が正しいと思って、人を殺すことに抵抗がない。
そして最後に言った言葉。あれは近々殺すと言っているようなもんだ。
「自ら教えてくれるなんてありがたい」
「え?なんて?」
「気にするな」
「いや、そんなこと言われたらもっと気になっちゃうよ」
「みんな、集まってくれてありがとう。今日はまた訓練のためチーム分けをする」
ガヤガヤとしている中サンザリカがハキハキと喋っていた。さっきまでのサンザリカとは違いいつものサンザリカに戻っていた。
カナリヤはその時に違和感を感じた。
「それじゃあ今から名前を呼んでいく呼ばれたものは向こうに集まっておいてくれ」
名前が次々に呼ばれていく。
「これで以上だ。呼ばれなかったものはこれから紙を渡す。そこに書かれている物を持ってきたら今日の仕事は終わりだ。時間以内に終わらないと、騎士失格だ」
サンザリカが去って行った後周りがざわついた。
「本当にこれで騎士になれるのか?」
「ここに来てあんまり騎士らしいことしてないよな?」
と不安な声が漏れていた。
当たり前だろう。ここに連れてこられた者たちは騎士になれないだろう。アイ達にこき使われるだけだ。
早くアイを討たなければ。もう作戦は決まってるが協力してくれる人が少なかった。本当は無関係の人達を巻き込みたくない。けれどこれを実行するには周りの人達も必要だった。
「はぁ…まさか自分から頼ろうとするなんて…」
「え?」
カナリヤの独り言を聞いていたのかシャリングが反応した。
「何でもない」
「リオンネ!サイルス!」
ルーセルがこちらに向かって走ってきた。
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