腹黒薬師は復讐するために生きている

ハルバリスト騎士団

ハルバリスト騎士団ー④

「ハーネスト、隣国について調べてくれない？」


「ん？ああ、いいよ。結局隣国も関わっていたのか」


「まあね。予想通りだった」


「これからどうするんだい？君はこの国の王とサンザリカに復讐したいんだろ？けど隣国も関わっているとしたらそいつらにも罰を与えるのか？そうなると結構面倒だぞ？」


ハーネストの言う通りである。最終的な目的はルリスを殺した張本人サンザリカに復讐すること。


だが、そこには王も関わっているためそいつらにも復讐をする。隣国が関わっていることは予想していたが頭の片隅に置いていたためそこまで対策をとっていない。


例えサンザリカと国王を潰しても隣国に助けを求めたらいくらカナリヤでも歯止めがつかない。大きな国二つを相手にするのは大変だ。


「まずは隣国の王がどう言うやつなのか調べる。そこからよ。あと、サンザリカについても調べる。この国でサンザリカについて調べたがなんの手がかりもなかった。その理由はサンザリカは隣国の者だったからだな。そうすれば筋は通る」


「分かった。じゃあ明日隣国に行ってくるよ」


「私も行く。もしものために変装もしてね。あと、ハルバリスト騎士団のことだけどあいつらはいつか捕まる」


「どうして？」


「きっと騎士団の中に裏切り者がいる。これは私の勘でしかないけどね。サンザリカ達は誰も信用していない。だからこそアナテスト達に何も言わなかった。そん奴らがスパイを入れないわけないだろ」


「まあそれもなくもないね。シャリングは知っているのか？自分の父親が犯したこと」


ハーネストが窓の外を見る。夕焼けに照らされながらシャリングが歩いて来ている。


「知ってるでしょ。ドアの外に出させたけどきっと聞き耳たててたわよ。あいつならやりかねない」


「まあ、そうだね。明日はシャリングも来るのか？」


「本人に聞いて」


カナリヤは自分の部屋へ階段を登った行った。ハーネストは机の上にあったサンドイッチを一口食べた。懐かしい味がする。




「ただいま…」


「あ、おかえり」


ハーネストがリビングからひょっこり顔を出した。驚き躓きそうになる。


「ごめんね。カナリヤじゃなくて」


「いやいや、そんなんじゃ」


「カナリヤはもう部屋に戻ったよ」


「そうですか…」


リビングに行き椅子にどしっと座る。疲れが出てきた。ハーネストが蜂蜜の入った牛乳をくれた。あまり飲んだことのない飲み物で美味しいか疑ったが甘い匂いがするもんで一気に飲んだ。


甘い香りが口の中を漂う。意外に美味しい。