上 下
876 / 1,360
革命編 四章:意思を継ぐ者

冷徹な提案

しおりを挟む

 祝宴の場に入場したガルミッシュ皇族は、リエスティアと娘シエスティナを伴いながら皇座の前に立つ。
 そして皇帝ゴルディオスは各帝国貴族が参列する前で、シエスティナを正式にガルミッシュ皇族の一員である事を認める事を発表した。

 それに異を唱えない帝国貴族達だったが、拍手を起こす気配は無い。
 しかしそれぞれの表情は険しさを強め、シエスティナを抱える母親リエスティアに視線を切り替えた。

「……ッ」

 その視線を感じ取ったのか、リエスティアは僅かに表情を強張らせる。
 それから事の進行を進めているゴルディオスは、次の話に移った。

「――……シエスティナ=フォン=ガルミッシュ。今後は諸君にも、彼女についてそう認識してもらおう。……そして、その母たるリエスティア姫についても、私は相応の立場を帝国内にて与えるべきだと考えている」

「!」

「現状、オラクル共和王国との関係は不安が強い。それはみなも承知しているだろう。……それでも、我が帝国くに共和王国くに和平同盟かんけいが破綻しているわけではない」

「……」

「そして来月には、オラクル共和王国からウォーリス王が赴く予定となっている。更にウォーリス王は使者の件について書状ながらも謝罪を行い、我が帝国との和平を継続させる事を望む意思を明かした。ならばウォーリス王の妹であるリエスティア姫については、同盟国の姫君として、また余の孫を生んだ女性として相応の立場を帝国にて与えるべきだろう」

「……ッ」 

「余はそれについて、既に考えを至らせている。それにはウォーリス王の承諾も必要となるであろうが、来月の訪問に際して余からその話を行うつもりだ。そしてこの場でも、余の考えを諸君にも聞かせよう。――……余はリエスティア姫を、ユグナリスの正妃として帝国内に迎えたいと思う」

「!?」

 ゴルディオスはこの場において、リエスティアを正式に帝国皇子ユグナリスの正妃にする考えを伝える。
 それを聞いた帝国貴族達は先程よりも強い動揺を浮かべ、全員が隣り合う者達の顔を見合わせながら渋い表情を浮かべながら呟きの声を漏らしていた。

「あの姫を、皇子の正妃に……!?」

「正式な婚約もせぬままに……」 

「それは流石に、軽率な考え過ぎる……」

「治療を受けているとは聞いたが、まだ目も足も治っていない様子ではないか……?」

「皇子の子を産んだとは言え、あの姫を正妃とするのは流石に……」

「あのような傷物の姫に、帝国くにの正妃が務まるものか……」

 帝国貴族達は口々にそうした事を呟き、リエスティアを正妃として扱う事に難色を示す。
 その声は壇上に居る者達の耳にも届いており、特にユグナリスはリエスティアの身体について悪態を漏らす声に憤りを宿す表情を浮かべていた。

 そんなユグナリスに対して、右側に立つセルジアスは小声で話し掛ける。

「ユグナリス」

「……分かってます。でも……ッ」

「ここで君が暴れても、リエスティア姫の立場を危うくするだけだよ」

「……ッ」

「仕込みは既に済んでいる。少しだけ荒れるだろうけど、この場は我慢しなさい」

「……はい」

 セルジアスになだめられるユグナリスは、奥歯を噛み締めながら両拳を強く握る。
 成長を見せながらも感情面がまだ未熟なユグナリスの暴発を防いだセルジアスは、前を向きながら皇帝ゴルディオスへ視線を向けた。

 ゴルディオスもまたセルジアスと視線を合わせ、互いに小さな頷きを見せる。
 そしてゴルディオスの視線が参列者達に戻ると、呟く帝国貴族達かれらに強い口調の言葉が向けられた。

「――……どうやら諸君は、余の考えに異があるらしいな」 

「!」

「この場は祝宴であって、議会の場ではない。故に余の考えを伝えるのみに留まろうと考えたが、それでは諸君等が気持ちよく祝宴を楽しむ事が出来ぬだろう。――……余の考えに異のある者は、今この場で余に伝える事を許す。異がある者は前に出て、その理由も話すといい」

「……ッ」

 皇帝ゴルディオスの言葉に対して、不満の声を漏らしていた帝国貴族達が途端に口を閉じて黙る。

 小声で不満を漏らす事は出来ても、いざ皇帝本人と向き合いながら異を唱える事が出来る度胸と器量を持ち合わせている者は、今の帝国貴族内では稀有な存在と言ってもいい。、
 故に皇帝本人に直訴し考えを改めさせようという気概を持つ者は前に出る事はなく、不満を持ちながらも黙るしかなかった。
 
 しかし一人だけ、参列者の中から前に出て来る人物がいる。
 それは白髪ながらも背筋と姿勢を整えた、老齢の男性だった。

 そして皇帝ゴルディオスと向き合う形で足を止め、その男性は声を発しながら礼を行う。

「――……ゴルディオス陛下。御久し振りでございます」

「ゼーレマンか、久しいな。息災だったか?」

「はい。これもまた、ゴルディオス陛下の治世なればこそでしょう」

「ふっ。謙遜だな」

 ゼーレマンと呼ばれる老齢の男性は、ゴルディオスと親し気に挨拶を行う。 
 それを見ていた帝国貴族達は、隣り合う者達と小声で話し合った。

「あの御老体は……?」

「あの方は、ゼーレマンきょうだ」

「ゼーレマン卿……! ではあの方が、先皇陛下の治世にて帝国宰相を務めていたという……」

「既に引退し、領地経営の相談事をしていると聞いていたが……」

「今回の祝宴に、参列されておられたのか……」

 参列している帝国貴族達は、ゼーレマンと呼ばれる名の老人を見ながら口々にそうした情報を共有していく。

 先代の帝国皇帝、つまりゴルディオスがまだ皇子だった時代ころに帝国宰相を務めていたのが、目の前に居る老人。
 帝国貴族の階級は侯爵の位を与えられており、皇族であるローゼン公爵家を除けば、帝国階級で最も高い地位を与えられている貴族家の前当主でもあった。

 その名は、カールバッハ=フォン=ゼーレマン。

 宰相を務めていた頃には『ゼーレマン卿』と呼ばれており、その名は古参の帝国貴族達にとって懐かしくも畏怖と尊敬を向けるべきものとなっている。
 それはゼーレマン卿もまた、貴族位の実力に恥じぬ有能な人物だったからだ。

 先帝時代には自ら軍を指揮してベルグリンド王国軍と対峙し、数々の武功を上げている。
 また高い政治的な知識と判断能力を有し、ゴルディオスやクラウスの父親だった先帝に多くの助言を行い帝国社会に多く貢献を残した、近年の帝国史において偉人とも呼べる存在だった。

 その生きた偉人が、この場で前に立つ。
 その意味するところを理解した各帝国貴族達は、息を飲みながらゼーレマンとゴルディオスの話を聞いた。

「――……して、ゴルディオス陛下。その姫君を、皇子の正妃になさる御考えだとか?」

「そうだ」

「僭越ながら、陛下の御許しを頂いている上で、御言葉を述べさせて頂きます。……私はその御考えを、良しとは考えられません」

「ほぉ。その理由は?」

「まず、今現在のオラクル共和王国に関する状況です。共和王国は現在、例の事件で大規模な被害を受けているそうですな。それこそ、死傷者が十万にも届くとか」

「そう聞いている」

「しかも物的な損失は、それ等の被害と相乗して予想を上回る事でしょう。……皇帝陛下、改めて御聞きします。現在のオラクル共和王国に対して、帝国と対等な和平を結ぶべき存在だと、本気で御考えになりますか?」

「!」

「!?」 

 ゼーレマンの言葉に対して、その場に居る全員が驚愕する。
 その言葉の意味は、今の共和王国が帝国と対等に接すべき国ではない事を伝えており、更に続くゼーレマンの言葉がそれの意味を正しく証明させた。

「ガルミッシュ帝国は四大国家であるルクソード皇国を親国として、四大国家の盟約にも参加しております。既に亡国となったベルグリンド王国もまた、元四大国家であるフラムブルグ宗教国家の系列国として成り立り、四大国家の同盟には参加しておりました。……しかし、今は違います」

「……」

「ベルグリンド王国はオラクル共和王国として名を変え、フラムブルグ宗教国家の傘下からも外れ、四大国家の盟約からも外れました。……その時点で、帝国と共和王国は対等な関係では無くなっています。違いますか?」

「……確かに、そうした意味であれば対等とは呼べないだろう。だが……」

「そう、当時の陛下達はこう御考えになったはずです。そうした変化がありながらも、その情勢と国力比においては、オラクル共和王国はベルグリンド王国と変わらない。いや、それ以上の脅威となる可能性がある。だからこそ、名を変え盟約から外れた共和王国との和平同盟を継続させた。違いますか? 陛下」

「……いや、けいの言う通りだ。ゼーレマンよ」

「しかし今、その国力比においても、そして情勢においても、オラクル共和王国は破綻を起こしています」

「!」

「共和王国は今回の事件を受けて、多くの重軽傷者が共和王国内に生まれ、その復興に多くの時間と人材、そして資源を費やす事になるでしょう。その消費される時間と消耗は、まさに莫大なモノとなるのは間違いありません。……本来ならば四大国家に属する国でそうした被害があれば、それを助け援助する要請をする事も叶いましょう。しかし共和王国は、その四大国家からも外れてしまっています」

「……ッ」

「自力で復興を成し遂げた頃には、共和王国は多くの年月と人材が消費され、疲弊と負債に苛まれる国へと変わり果てているでしょう。……そのような共和王国が和平を継続させたい理由があるとすれば、まさにその復興を帝国にも手助けさせたいという意図しか考えられません」

「……確かに、けいの言う通りだろう。余もそう考えている」

「しかし、帝国もまた様々な復興を終えて落ち着き始めようとしているばかり。そこに共和王国の復興まで手を伸ばせば、帝国内の様々な疲弊を起こし、多くの者達が困窮する日々を過ごす事になりかねません」

「!」

「それだけではなく、多くの被害を受けた共和王国内では住む場所を失くした者もいるでしょう。そうした者達が難民となり帝国内に侵入して来る事があれば、また別の問題と被害を発生させる懸念も否めません。そうした対応に多くの人員が追われてしまえば、国内の治安が低下し、流入して来る難民と同調するように犯罪の増加も考えられます。……その点について、陛下は如何なる考えを御持ちなのか。是非お聞きしたいところです」

 ゼーレマンは次々と共和王国との和平同盟を継続させる不利点デメリットを上げ、その部分に関する追及をゴルディオスに求める。
 八十代を迎えながらも宰相職に就いていた人物だけあって、ゼーレマンの状況判断力は非常に優れていた。

 まさに痛い部分を突かれるゴルディオスは、渋い表情を浮かべながら微笑み尋ねるゼーレマンを見下ろす。
 しかしゼーレマンが求めた言葉とは、違う事を伝えた。

「……ゼーレマン。確か余は、リエスティア姫の正妃に関わる異の言葉を求めた。だがけいのその質疑は、それとは外れているようだな」

「確かに、その通りですな。申し訳ありません」

「だが、けいが言いたい事は理解できる。和平を継続させる利点メリットが無い以上、リエスティア姫を帝国内に留めても意味は無い。そう言っているのだな?」

「その通りでございます」

「だがリエスティア姫は、現にユグナリスの子を産んだ母親でもある。その事実を無視して共和王国との和平を失くせば、余の孫は父親と母親の仲が裂かれた状態となり、不憫な思いをするだろう。余としては、母親と引き離されたと初孫に恨まれたくはないものだ」

「確かに、そのような不憫を幼い子供にさせたくはありませんな。私も孫を持つ身としては、同じくそう思います」

「ならば、ゼーレマンよ。けいはリエスティア姫に関する事において、どのような待遇こそ相応しいと考えるのか。それを聞かせるといい」

 ゴルディオスはゼーレマンの考えを敢えて尋ね、それを周囲に聴衆させる。
 そして小さな咳払いをした後、ゼーレマンはリエスティアに関する待遇の提案を伝えた。

「リエスティア姫が皇孫の御母上である事は、間違いの無い事実なのでしょう。しかし彼女の祖国は、同盟国として手を結ぶには非常に不安定であり、帝国と対等な立場とは呼べないと考えます。……そこで私は、リエスティア姫を正妃ではなく、側妃そくひとして帝国に迎えてはどうかと考えます」

「!!」

側妃そくひであれば、共和王国との関係として見合う立場でしょう。そして失礼ながら、リエスティア姫は年寄りの私よりも不自由な様子に見えます。様々な催しに参加する正妃よりも、側妃として落ち着いた暮らしをお与えになる方が、姫君の今後の生活にも良いと考えます」

「……っ!?」

「……やっぱり、こうなったわね」

 ゼーレマンはそう述べ、リエスティアを王妃にではなく側妃の立場に下げるように提案する。
 その理由を自ら明かすゼーレマンの言葉は、ユグナリスの表情を強張らせ、アルトリアが呆れ気味の表情を浮かべながら呟かせた。

 こうして元帝国宰相ゼーレマンの登場により、リエスティアの立場について雲行きの暗さが見え始める。
 彼が述べる言葉の意味は、ユグナリスとリエスティアの立場を引き離す事であり、離れた場所で隔離するという冷徹な提案でもあった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

【完結】捨てられ令嬢は王子のお気に入り

怜來
ファンタジー
「魔力が使えないお前なんてここには必要ない」 そう言われ家を追い出されたリリーアネ。しかし、リリーアネは実は魔力が使えた。それは、強力な魔力だったため誰にも言わなかった。そんなある日王国の危機を救って… リリーアネの正体とは 過去に何があったのか

処理中です...