213 / 1,360
結社編 二章:神の研究
行軍訓練
しおりを挟む
行軍訓練が開始され、エリクとグラドを含めた三十一名の訓練兵と、皇国軍第四兵士師団のザルツヘルムが同行する皇国正規兵達が、皇都から西方にあたる皇国軍基地への行軍訓練を開始した。
道程は予定通りに進み、皇都に近い為か魔物や魔獣等の遭遇は無く問題は起きない。
そうして昼の行軍は順調に進み、行軍訓練は一日目の夜を迎えた。
各々が初めての野営設置に戸惑う場面も見られたが、大きな乱れも無く野営は終了し、それぞれが自分に課せられた仕事を行う。
グラドは中隊長の役割として、各々の班の小隊長達の意見相談役として活躍していた。
「――……グラド中隊長。就寝中の監視は、予定通りに一斑と二班が担当。次は三班から四班でよろしいですか?」
「いや、三班と四班の哨戒監視役は最後に回そう。代わりに五班と六班を先にしたほうがいいだろ。初めての行軍で他の班より疲労が溜まってるみたいだからな。先に食事を摂らせて、休ませるのが無難だと思うぜ」
「了解」
「食事は三班と四班を最初に摂らせるぞ。その間は一斑と二班で周囲の監視、五班と六班が馬に食事を与えたり、荷車の確認を頼むわ」
「グラド、備蓄の方なんだが――……」
小隊長達が各々に伝える話をグラドが聞き、グラドの意見を交えて各班の行動が見直される。
初めての行軍訓練で各々が緊張した面持ちを持っていたが、旅に慣れた元傭兵組が疲弊した市民組を上手くサポートに回っている。
一方で、エリクは周囲を見ながら単独の哨戒と監視役に徹していた。
魔獣や盗賊の警戒は勿論、訓練兵の近くで同じく野営している皇国正規兵達をエリクは見ている。
「……」
少なくとも、現段階で皇国正規兵達とザルツヘルムに異常な行動は見えない。
訓練兵達の野営風景を観察し、何かしら問題が起きた場合には補助する立場に回る意思を貫いているように見える。
行軍装備に関しても訓練兵士よりやや重装ながらも、一般的な兵士と大差は無い。
体格も訓練兵達と大差は見えないが、訓練兵とは纏う空気が違うように見える。
「……精鋭の兵士だと言っていたな。確かに、訓練兵より質が良い」
訓練兵の方が数的な有利を誇るが、正規兵の一人一人の技量は見て取れる限りでは訓練兵の中でまともに相対できるのはグラドを中心とした元傭兵組だけだろう。
元傭兵組は十数名、正規兵の数は二十名。
数にして見れば互角に見えるが、市民兵を守りながら戦う分、元傭兵組が不利になる。
そしてエリクは、正規兵の中に混じる一人の人物に視線を向けた。
「……奴が、一番強いな」
一番厄介なのが、第四兵士師団の師団長ザルツヘルム。
エリクが見た限りで、漂わせる気配の強さと普段の姿勢から見える技量はグラド以上。
武器は腰に携える長剣だが、恐らく身に纏う鎧の下には幾つかの武器を隠している。
皇国軍の師団長に席を置いているだけあり、実力は確かなのだろう。
エリクは考えていた。
仮にザルツヘルムが訓練兵を実験素体にする為に行軍訓練を催したのなら。
訓練兵と正規兵が衝突した際に、自分の相手をするのはザルツヘルムになるだろうと。
「……それは、まだか」
実験素体として訓練兵を攫うタイミングを考えた時、行軍中に正規兵達が何かするのは考えられないとエリクは思う。
研究所があるのは行軍先にある軍事基地の内部。
訓練兵達を誘き出すなら、軍事基地に到着してからだろう。
自分が今すべき事を考え纏めたエリクは、再び周囲の監視に戻る。
そんなエリクが見ていたように、ザルツヘルムもエリクを見ていた。
「……」
「ザルツヘルム師団長?」
「ああ。どうやら、獣に見られていたようでね」
「獣? 魔獣がこの付近に?」
「それより厄介な者さ」
互いが互いに見られている事を察し、互いの本性を見透かす。
それぞれがやるべき仕事を試行錯誤する一日目は終わり、行軍訓練は続いた。
二日目から六日目まで大きな問題も無く進むと、訓練兵の大部分も行軍に慣れたのか初日の張り詰めた空気は薄くなり、些か拍子抜けしたという気持ちも見える。
「ここまで順調だが、最後の最後まで気を抜くんじゃねぇぞ!」
そんな訓練兵達の空気から緩みを感じ取ると、各自にそうした声を掛けていくのは中隊長グラドだった。
それを聞いた者達は気の緩みを引き締め直し、最後の七日目となる行軍が開始される。
行軍訓練、七日目の昼。
訓練兵とそれを引率する正規兵達は渓谷を抜け、山のように高い自然の岩に備えられた岩壁に巨大な門が備え付けられた場所へ辿り着いた。
そして師団長たるザルツヘルムが、行軍訓練の前半が終わった事を告げる。
「ここが君達の目的地である、我が第四兵士師団の拠点となっている皇国軍拠点基地だ! 今より門を開放し、君達を中へ迎え入れる!」
ザルツヘルムが旗を振って門の監視に伝えると、巨大な門が開いて訓練兵達を迎え入れる。
歩き疲れた訓練兵達は安堵の息を漏らし、隊列を維持したまま基地へと入る。
そうして歩く中、訓練兵達の先頭を歩くグラドの隣にエリクが移動した。
「グラド」
「ん?」
「後で話がある」
「……例の件か?」
「ああ」
「分かった。一応この後、寝泊り出来る場所を皇国軍が用意してくれるらしい。俺とお前は相部屋にするから、そこで話そう」
「分かった」
そう話したエリクは早めた歩調を隊列に戻す。
基地の内部には小規模ながらも街が作られており、そこに住む者達がいる。
住民の主だった顔は第四兵士師団の兵士達とその家族が中心であり、皇都の流民街のような様相よりも市民街に近い街作りがされている。
そして正規兵達の案内で広い訓練場のある場所まで移動した訓練兵達は、そこでザルツヘルムの話を聞かされた。
「これで、行軍訓練の前半は終了する! 後半は四日後、物資を補給して各々の英気を養ってから皇都までの帰路を行軍するので、各自はそのつもりで! 後半の為に必要な物資は各担当者を通じて第四兵士師団に申請するように!」
「ハッ!!」
「それと、君達が滞在する為の官舎をこちらで用意している。ここも皇都にある官舎や兵士養成場と同じ作りをしているので、君達自身で部屋などは決めたまえ!」
説明し終えたザルツヘルムが数名の正規兵を率いながら去っていく中で、思い出したように腰を降ろした訓練兵達に声を向けた。
「――……そうだ。君達が滞在中、君達の歓迎会を兼ねた催しを行う。君達の先輩が催してくれるモノなので、出来る限り訓練兵諸君には全員参加をお願いしたいので、そのつもりでね」
そう伝えたザルツヘルムは訓練場から去り、何が行われるのかと期待する訓練兵達は、自分達の荷物を置く為に仮置きの倉庫と官舎へと向かう。
しかし、約二名の人物はそれを期待できない。
一人は傭兵エリク。
そしてもう一人が、元傭兵のグラドだった。
道程は予定通りに進み、皇都に近い為か魔物や魔獣等の遭遇は無く問題は起きない。
そうして昼の行軍は順調に進み、行軍訓練は一日目の夜を迎えた。
各々が初めての野営設置に戸惑う場面も見られたが、大きな乱れも無く野営は終了し、それぞれが自分に課せられた仕事を行う。
グラドは中隊長の役割として、各々の班の小隊長達の意見相談役として活躍していた。
「――……グラド中隊長。就寝中の監視は、予定通りに一斑と二班が担当。次は三班から四班でよろしいですか?」
「いや、三班と四班の哨戒監視役は最後に回そう。代わりに五班と六班を先にしたほうがいいだろ。初めての行軍で他の班より疲労が溜まってるみたいだからな。先に食事を摂らせて、休ませるのが無難だと思うぜ」
「了解」
「食事は三班と四班を最初に摂らせるぞ。その間は一斑と二班で周囲の監視、五班と六班が馬に食事を与えたり、荷車の確認を頼むわ」
「グラド、備蓄の方なんだが――……」
小隊長達が各々に伝える話をグラドが聞き、グラドの意見を交えて各班の行動が見直される。
初めての行軍訓練で各々が緊張した面持ちを持っていたが、旅に慣れた元傭兵組が疲弊した市民組を上手くサポートに回っている。
一方で、エリクは周囲を見ながら単独の哨戒と監視役に徹していた。
魔獣や盗賊の警戒は勿論、訓練兵の近くで同じく野営している皇国正規兵達をエリクは見ている。
「……」
少なくとも、現段階で皇国正規兵達とザルツヘルムに異常な行動は見えない。
訓練兵達の野営風景を観察し、何かしら問題が起きた場合には補助する立場に回る意思を貫いているように見える。
行軍装備に関しても訓練兵士よりやや重装ながらも、一般的な兵士と大差は無い。
体格も訓練兵達と大差は見えないが、訓練兵とは纏う空気が違うように見える。
「……精鋭の兵士だと言っていたな。確かに、訓練兵より質が良い」
訓練兵の方が数的な有利を誇るが、正規兵の一人一人の技量は見て取れる限りでは訓練兵の中でまともに相対できるのはグラドを中心とした元傭兵組だけだろう。
元傭兵組は十数名、正規兵の数は二十名。
数にして見れば互角に見えるが、市民兵を守りながら戦う分、元傭兵組が不利になる。
そしてエリクは、正規兵の中に混じる一人の人物に視線を向けた。
「……奴が、一番強いな」
一番厄介なのが、第四兵士師団の師団長ザルツヘルム。
エリクが見た限りで、漂わせる気配の強さと普段の姿勢から見える技量はグラド以上。
武器は腰に携える長剣だが、恐らく身に纏う鎧の下には幾つかの武器を隠している。
皇国軍の師団長に席を置いているだけあり、実力は確かなのだろう。
エリクは考えていた。
仮にザルツヘルムが訓練兵を実験素体にする為に行軍訓練を催したのなら。
訓練兵と正規兵が衝突した際に、自分の相手をするのはザルツヘルムになるだろうと。
「……それは、まだか」
実験素体として訓練兵を攫うタイミングを考えた時、行軍中に正規兵達が何かするのは考えられないとエリクは思う。
研究所があるのは行軍先にある軍事基地の内部。
訓練兵達を誘き出すなら、軍事基地に到着してからだろう。
自分が今すべき事を考え纏めたエリクは、再び周囲の監視に戻る。
そんなエリクが見ていたように、ザルツヘルムもエリクを見ていた。
「……」
「ザルツヘルム師団長?」
「ああ。どうやら、獣に見られていたようでね」
「獣? 魔獣がこの付近に?」
「それより厄介な者さ」
互いが互いに見られている事を察し、互いの本性を見透かす。
それぞれがやるべき仕事を試行錯誤する一日目は終わり、行軍訓練は続いた。
二日目から六日目まで大きな問題も無く進むと、訓練兵の大部分も行軍に慣れたのか初日の張り詰めた空気は薄くなり、些か拍子抜けしたという気持ちも見える。
「ここまで順調だが、最後の最後まで気を抜くんじゃねぇぞ!」
そんな訓練兵達の空気から緩みを感じ取ると、各自にそうした声を掛けていくのは中隊長グラドだった。
それを聞いた者達は気の緩みを引き締め直し、最後の七日目となる行軍が開始される。
行軍訓練、七日目の昼。
訓練兵とそれを引率する正規兵達は渓谷を抜け、山のように高い自然の岩に備えられた岩壁に巨大な門が備え付けられた場所へ辿り着いた。
そして師団長たるザルツヘルムが、行軍訓練の前半が終わった事を告げる。
「ここが君達の目的地である、我が第四兵士師団の拠点となっている皇国軍拠点基地だ! 今より門を開放し、君達を中へ迎え入れる!」
ザルツヘルムが旗を振って門の監視に伝えると、巨大な門が開いて訓練兵達を迎え入れる。
歩き疲れた訓練兵達は安堵の息を漏らし、隊列を維持したまま基地へと入る。
そうして歩く中、訓練兵達の先頭を歩くグラドの隣にエリクが移動した。
「グラド」
「ん?」
「後で話がある」
「……例の件か?」
「ああ」
「分かった。一応この後、寝泊り出来る場所を皇国軍が用意してくれるらしい。俺とお前は相部屋にするから、そこで話そう」
「分かった」
そう話したエリクは早めた歩調を隊列に戻す。
基地の内部には小規模ながらも街が作られており、そこに住む者達がいる。
住民の主だった顔は第四兵士師団の兵士達とその家族が中心であり、皇都の流民街のような様相よりも市民街に近い街作りがされている。
そして正規兵達の案内で広い訓練場のある場所まで移動した訓練兵達は、そこでザルツヘルムの話を聞かされた。
「これで、行軍訓練の前半は終了する! 後半は四日後、物資を補給して各々の英気を養ってから皇都までの帰路を行軍するので、各自はそのつもりで! 後半の為に必要な物資は各担当者を通じて第四兵士師団に申請するように!」
「ハッ!!」
「それと、君達が滞在する為の官舎をこちらで用意している。ここも皇都にある官舎や兵士養成場と同じ作りをしているので、君達自身で部屋などは決めたまえ!」
説明し終えたザルツヘルムが数名の正規兵を率いながら去っていく中で、思い出したように腰を降ろした訓練兵達に声を向けた。
「――……そうだ。君達が滞在中、君達の歓迎会を兼ねた催しを行う。君達の先輩が催してくれるモノなので、出来る限り訓練兵諸君には全員参加をお願いしたいので、そのつもりでね」
そう伝えたザルツヘルムは訓練場から去り、何が行われるのかと期待する訓練兵達は、自分達の荷物を置く為に仮置きの倉庫と官舎へと向かう。
しかし、約二名の人物はそれを期待できない。
一人は傭兵エリク。
そしてもう一人が、元傭兵のグラドだった。
0
お気に入りに追加
381
あなたにおすすめの小説
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!
胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。
主に5大国家から成り立つ大陸である。
この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる