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最終章
遠霧山
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深い霧で覆われた高山は、上の方に行けば行くほど霧が晴れていく。
その頂上付近には青々とした木々が茂り、鮮やかな花が咲き乱れ、たくさんの魔獣が穏やかに暮らしている。
そうしてそこには、木材で建てられた一軒の小屋が建っていて、近くでは真っ白な大きな猫又が遊んでいる。
その猫又が近づいて、甘えるように鳴く相手はヒバリだ。
「すっかり大きくなったね、それも当然か。あれから数年経つからね。」
ヒバリは猫又を撫で、滝の流れる川から水を汲み、そうして小屋の中へと入る。
小屋の中には、台所で調理をしているハルが立っている。
「ハル、起きていて平気なのかい?体調は?」
カーディガンを羽織るハルは、鍋で雑炊を煮込んでいて振り返る。
「今日はかなり良い方だわ。ヒバリにばかり家事をさせるのは申し訳ないもの。」
「いいんだよ、家族なんだから。僕は、ハルたちには無理してほしくないんだ。」
「分かってる。でも、私もヒバリに無理をして欲しくないわ。だって、いつ寿命が尽きるか分からないもの。それなのに私は2年も、無駄にしてしまったのよ。」
大地震のあった日、神々の頂で気絶したハルは2年間目覚めなかった。
何があったのかアルに聞いたヒバリだったが、原因は分からないと首を横に振った。
ヒバリはその時、白銀の国で解毒薬の開発をしていた。
白銀の国には神官のときに交流があったからその時の縁だ。
解毒薬は無事完成し、白銀の国王のおかげで各国に出回るようになった。
そんな嬉しい出来事もつかの間、ヒバリたちは目覚めないハルの看病を続けた。
ドラゴンの騎士が、あらゆる薬を持ってきてくれた。
時には、あまり見せられないがと言って効果を与える魔法をも使ってくれた。
そうして2年後、ようやく目覚めたハルは時々しか動けない体になってしまった。
起きている時間の方が少ないハルは、それでも目覚めたことが奇跡なのだと一日一日を生きている。
「ただいま、ヒバリ、ハル。ドウシュと一緒に薬草採ってきたよ。」
アルはそう言って、ドウシュの手を引いて帰ってきた。
大地震のあった日から、ドウシュは一言も言葉を話さないようになってしまった。
久々に再会したヒバリに会っても、笑顔を向けるだけだった。
自分の意思を持たない、自分で行動できない。
そんなドウシュをアルはずっと気に掛けて、外に連れ出したり、魔獣の猫と遊んだりしている。
何もかも、あの大地震のあった日に変わってしまった。
だが、そのことを追究することはできない。
ヒバリはもう、おそらく寿命が尽きるまでそう長くないだろうと思っている。
だからこそ、残された時間を家族と共に過ごしていたい。
食卓を囲って皆で食事をする。
なんて幸せなことなんだろう。
だからヒバリは、これ以上何も望むものなどない。
ハルは食事をするのに疲れてしまって、ベッドに横になった。
その隣で一緒に寝転んだのはドウシュだ。
ドウシュはハルに幼子にするようにとんとんと背中を叩く。
ハルが目覚めてから、ドウシュは唯一このような行動を自分でするようになった。
それがどういうことなのか、ヒバリには分からなかった。
外に出て見れば、傾いた日がオレンジに色づいている。
もうじき日が沈む。
息を吸い込めば、高い山ゆえに冷たい空気が肺へと入ってきた。
「ヒバリ、寒いんじゃない?ちゃんと羽織らないと。」
そう言ってカーディガンをかけてくれたのはアルだ。
「ありがとう。ねぇ、アル。本当は僕たちに言えない何かがあるんじゃないかな。」
ヒバリはずっと、アルが何かを知っているような気がしていた。
それでも、知らない分からないというアルから無理に聞き出すことはしなかった。
「聞いちゃうんだ、それ。もしかして、死期でも悟ってる?困るよ、まだまだ生きててもらわないと。ハルもドウシュも悲しむんだから。」
存外、隠そうとしていないことに驚いた。
それでもヒバリは、口元を綻ばせる。
「アルが、僕たちのために口を噤んでるんだって分かってはいるんだ。でも、話せないことでアルが苦しんでいるのかもしれないって思ったら、どうしても聞かなきゃいけないって思ったんだよ。」
「ヒバリは優しいね。だから、ボクとハルを拾ったし、ドウシュも助けた。ボクは、ボクたちはずっとヒバリに感謝してるよ。」
アルはそう言うと、後ろを向いた。
「だからこそね、これは話せない。あの大地震を再び引き起こすことになってしまいかねないから。だから、ボクもドラゴンの騎士も、白銀の国王も、絶対に言えないんだ。」
振り返ったアルの決意の固い表情を見て、ヒバリは頷いた。
「そう、そうなのか。ドラゴンの騎士も、白銀の国王も、共有できる人たちはちゃんといたんだね。良かった。それだけ聞ければ安心だ。僕は、あの二人を信じているから。」
解毒薬に協力してくれた白銀の国王は、開発に携わった者たちに感謝の意を示してくれた。
こちらとしては、解毒薬を作るための設備や材料、人手を貸してくれただけでも凄いことだった。
それだけではなく、ハルのために医療技術や情報収集をしてくれたのだ。
そうして、ドラゴンの騎士も惜しみなく手を貸してくれた。
彼女は真剣にハルの治療に向き合ってくれたのだ。
まるで、友人であるかのように。
「ヒバリ、もう心配しなくても大地震は起こさせない。ここで静かに皆で過ごしていける。・・・ドラゴンの騎士がそうさせてくれる。」
アルは一瞬泣きそうな表情をして、それからヒバリの手を引いた。
「ほら、風邪ひくから家に戻ろう。明日はドラゴンの騎士が来るはずだったでしょ。ヒバリが研究を続けてた資料を取りに来るって。ついでにハルがもっと元気になれるように栄養のある食材を持ってきてくれるよ。」
ヒバリの研究していた資料というのは、完成した図鑑以降の研究だ。
ヒバリは名を変えて薬師の人向けに資料を発表していたが、それが役に立つことは少なかった。
今では、ドラゴンの騎士を通して白銀の国の医療技術に役立ててもらっているのだ。
だが、どちらかといえば資料がついでで、食材の方がメインだろうとヒバリは思っている。
ドラゴンの騎士はそれほどハルを、ハルたちを慮ってくれているのが分かるのだ。
魔獣がたくさん暮らしているこの山で過ごせたのはヒバリがあらゆるものに好かれる才があったからだ。
彼がこの世を旅立つそのとき、悲しまないものなどいなかった。
その山にいる魔獣も、可愛がっていた猫も、当然家族たちも。
そうして、ドラゴンの騎士とドラゴンも涙を流した。
ドラゴンの騎士が呟いた言葉は誰にも理解できなかったが、おそらくヒバリに向けた手向けの言葉だったのだろう。
ヒバリが家族と過ごしていた数年はとても穏やかで、暖かくて、幸せだった。
長く生きた彼が最期に見た景色は家族たちの顔だ。
彼が最期に握っていたのは戦争の銃ではなく、家族の手だった。
その頂上付近には青々とした木々が茂り、鮮やかな花が咲き乱れ、たくさんの魔獣が穏やかに暮らしている。
そうしてそこには、木材で建てられた一軒の小屋が建っていて、近くでは真っ白な大きな猫又が遊んでいる。
その猫又が近づいて、甘えるように鳴く相手はヒバリだ。
「すっかり大きくなったね、それも当然か。あれから数年経つからね。」
ヒバリは猫又を撫で、滝の流れる川から水を汲み、そうして小屋の中へと入る。
小屋の中には、台所で調理をしているハルが立っている。
「ハル、起きていて平気なのかい?体調は?」
カーディガンを羽織るハルは、鍋で雑炊を煮込んでいて振り返る。
「今日はかなり良い方だわ。ヒバリにばかり家事をさせるのは申し訳ないもの。」
「いいんだよ、家族なんだから。僕は、ハルたちには無理してほしくないんだ。」
「分かってる。でも、私もヒバリに無理をして欲しくないわ。だって、いつ寿命が尽きるか分からないもの。それなのに私は2年も、無駄にしてしまったのよ。」
大地震のあった日、神々の頂で気絶したハルは2年間目覚めなかった。
何があったのかアルに聞いたヒバリだったが、原因は分からないと首を横に振った。
ヒバリはその時、白銀の国で解毒薬の開発をしていた。
白銀の国には神官のときに交流があったからその時の縁だ。
解毒薬は無事完成し、白銀の国王のおかげで各国に出回るようになった。
そんな嬉しい出来事もつかの間、ヒバリたちは目覚めないハルの看病を続けた。
ドラゴンの騎士が、あらゆる薬を持ってきてくれた。
時には、あまり見せられないがと言って効果を与える魔法をも使ってくれた。
そうして2年後、ようやく目覚めたハルは時々しか動けない体になってしまった。
起きている時間の方が少ないハルは、それでも目覚めたことが奇跡なのだと一日一日を生きている。
「ただいま、ヒバリ、ハル。ドウシュと一緒に薬草採ってきたよ。」
アルはそう言って、ドウシュの手を引いて帰ってきた。
大地震のあった日から、ドウシュは一言も言葉を話さないようになってしまった。
久々に再会したヒバリに会っても、笑顔を向けるだけだった。
自分の意思を持たない、自分で行動できない。
そんなドウシュをアルはずっと気に掛けて、外に連れ出したり、魔獣の猫と遊んだりしている。
何もかも、あの大地震のあった日に変わってしまった。
だが、そのことを追究することはできない。
ヒバリはもう、おそらく寿命が尽きるまでそう長くないだろうと思っている。
だからこそ、残された時間を家族と共に過ごしていたい。
食卓を囲って皆で食事をする。
なんて幸せなことなんだろう。
だからヒバリは、これ以上何も望むものなどない。
ハルは食事をするのに疲れてしまって、ベッドに横になった。
その隣で一緒に寝転んだのはドウシュだ。
ドウシュはハルに幼子にするようにとんとんと背中を叩く。
ハルが目覚めてから、ドウシュは唯一このような行動を自分でするようになった。
それがどういうことなのか、ヒバリには分からなかった。
外に出て見れば、傾いた日がオレンジに色づいている。
もうじき日が沈む。
息を吸い込めば、高い山ゆえに冷たい空気が肺へと入ってきた。
「ヒバリ、寒いんじゃない?ちゃんと羽織らないと。」
そう言ってカーディガンをかけてくれたのはアルだ。
「ありがとう。ねぇ、アル。本当は僕たちに言えない何かがあるんじゃないかな。」
ヒバリはずっと、アルが何かを知っているような気がしていた。
それでも、知らない分からないというアルから無理に聞き出すことはしなかった。
「聞いちゃうんだ、それ。もしかして、死期でも悟ってる?困るよ、まだまだ生きててもらわないと。ハルもドウシュも悲しむんだから。」
存外、隠そうとしていないことに驚いた。
それでもヒバリは、口元を綻ばせる。
「アルが、僕たちのために口を噤んでるんだって分かってはいるんだ。でも、話せないことでアルが苦しんでいるのかもしれないって思ったら、どうしても聞かなきゃいけないって思ったんだよ。」
「ヒバリは優しいね。だから、ボクとハルを拾ったし、ドウシュも助けた。ボクは、ボクたちはずっとヒバリに感謝してるよ。」
アルはそう言うと、後ろを向いた。
「だからこそね、これは話せない。あの大地震を再び引き起こすことになってしまいかねないから。だから、ボクもドラゴンの騎士も、白銀の国王も、絶対に言えないんだ。」
振り返ったアルの決意の固い表情を見て、ヒバリは頷いた。
「そう、そうなのか。ドラゴンの騎士も、白銀の国王も、共有できる人たちはちゃんといたんだね。良かった。それだけ聞ければ安心だ。僕は、あの二人を信じているから。」
解毒薬に協力してくれた白銀の国王は、開発に携わった者たちに感謝の意を示してくれた。
こちらとしては、解毒薬を作るための設備や材料、人手を貸してくれただけでも凄いことだった。
それだけではなく、ハルのために医療技術や情報収集をしてくれたのだ。
そうして、ドラゴンの騎士も惜しみなく手を貸してくれた。
彼女は真剣にハルの治療に向き合ってくれたのだ。
まるで、友人であるかのように。
「ヒバリ、もう心配しなくても大地震は起こさせない。ここで静かに皆で過ごしていける。・・・ドラゴンの騎士がそうさせてくれる。」
アルは一瞬泣きそうな表情をして、それからヒバリの手を引いた。
「ほら、風邪ひくから家に戻ろう。明日はドラゴンの騎士が来るはずだったでしょ。ヒバリが研究を続けてた資料を取りに来るって。ついでにハルがもっと元気になれるように栄養のある食材を持ってきてくれるよ。」
ヒバリの研究していた資料というのは、完成した図鑑以降の研究だ。
ヒバリは名を変えて薬師の人向けに資料を発表していたが、それが役に立つことは少なかった。
今では、ドラゴンの騎士を通して白銀の国の医療技術に役立ててもらっているのだ。
だが、どちらかといえば資料がついでで、食材の方がメインだろうとヒバリは思っている。
ドラゴンの騎士はそれほどハルを、ハルたちを慮ってくれているのが分かるのだ。
魔獣がたくさん暮らしているこの山で過ごせたのはヒバリがあらゆるものに好かれる才があったからだ。
彼がこの世を旅立つそのとき、悲しまないものなどいなかった。
その山にいる魔獣も、可愛がっていた猫も、当然家族たちも。
そうして、ドラゴンの騎士とドラゴンも涙を流した。
ドラゴンの騎士が呟いた言葉は誰にも理解できなかったが、おそらくヒバリに向けた手向けの言葉だったのだろう。
ヒバリが家族と過ごしていた数年はとても穏やかで、暖かくて、幸せだった。
長く生きた彼が最期に見た景色は家族たちの顔だ。
彼が最期に握っていたのは戦争の銃ではなく、家族の手だった。
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