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知らない森
ひとりといっぴき
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森を出よう。
そう決意してから1週間。
まだ森にいた。
というか、進めど進めど森しか無い。
あの男たちは一体何処から来たのだろうか。
幸いなことに泣く植物(味は薄いレタス)のおかげで水は確保できたし、ドラゴンのおかげで果実やキノコは食べることが出来ている。
残念ながら丁度いい洞窟はなく、雨が降ったらとりあえず大きな木の下に入ってやり過ごす。
正直なところ、もう服は泥だらけで原型は思い出せない。
ただ、頂戴した靴は役に立っていて何かを踏んでも痛くないのは本当にありがたい。
彼らは、どうなったのだろう。
そんなことが一瞬よぎって頭を振る。
考え出すとどつぼにはまってしまう。
動けなくなってしまう。
気温が一気に下がる夜はもふもふのドラゴンを抱き締めて眠り、朝になったら森を進むを繰り返す。
そうして着いたひらけた場所には湖があった。
水を飲んで、顔を洗おうとしたその時。
湖の中にある顔と目があった。
「っ!?!」
驚きで声も出ず、尻餅をつく。
その顔は少女のような、成人した女性のようなそんな顔。
湖から徐々に顔を見せ、微笑んできた。
「☆☆☆▽☆▽☆」
先日の男たちとはまた違った聞こえ方だった。
「あの、分からないです」
そう言ってはみたが、相手に伝わってるはずもない。
少女は私の足を掴むと湖に引きずり込んだ。
ゴボゴボと湖の底に物凄い力で引っ張られる。
溺れる!!!
私は必死にもがいて抵抗するが、その少女の手は鱗があって、体の下半身はヒレがあってまるで人魚のようだった。
つまり、水の中で勝ち目がないということだ。
息が持たなくなる前に。
そう思って上を向くと、ドラゴンがバタバタと泳いでこちらに向かおうとしていた。
上手とは言えないその泳ぎ。
いや、この子溺れてない?!
私はそう思った瞬間ドラゴンを助けなければというマインドに切り替わった。
掴まれた手に噛み付いて、ドラゴンを抱えて湖からあがった。
「ケホッケホッ」
咳き込むドラゴンを抱きしめて、こちらを見る人魚を睨み付けた。
「☆☆☆▽☆▽▽」
「もう近寄らないで」
私の言葉は通じてないだろうが、人魚はどこかへと消えていった。
次から次へと問題が起こるのは試練なのかなんなのか。
私にしがみつくドラゴンはきっとまだ子供なのだろう。
泳ぐのも飛ぶのもきっと出来ないはず。
それならば、私が守るしかないじゃない。
守るだなんて大層なこと私に出来るとは思えないのに、私は何故かこの子を守りたいと強く思う。
命を繋げたのがドラゴンのおかげだったからなのか。
この世界に唯一味方がいる心強さか。
どちらにせよ、私が諦めない理由になってくれるのならこの子しかいない。
そう思った。
「助けてくれようとしたんだよね?ありがとう」
ギュッと私の腕を掴むその小さな手。
鋭い爪はあるものの、決して私を傷つけることはない。
それが私に心を許してくれているようで嬉しかった。
もうすぐ日が暮れる。
さっきのように人魚に襲われるのはごめんだが、水が確保できるというのは安心材料だ。
湖の側の大きな木に寄りかかり、ドラゴンをいつものように抱えて眠ろうとした。
だが、ドラゴンは落ち着かない様子で森の奥を何度も見る。
「どうしたの」
「キュ」
真っ暗な森の中。
何故かぼんやりとした灯りが見え始める。
人だろうか?
しかし足音は聞こえず、気配すらない。
ぼんやりとした灯りはやがて、2つ、3つと増えていく。
そうして灯りの中に見えたのは羽の生えた小さな人だ。
山賊、人魚に続いて今度は妖精か?
うんざりしながらもドラゴンを抱えたままゆっくりと立つ。
妖精、らしきその生き物はこちらに気付いたようで向かってくる。
「来ないで!!」
どうせ通じないのにそう言ってしまうのは言葉を持つ者の嵯峨だろうか。
「☆▽▽☆☆☆」
人魚と少し似ているが、また違う音。
分かってはいたが、この世界で言語が通じる相手に出会えるのだろうかと不安だ。
妖精は険しい顔をしていて、小さな手を横に振った。
その瞬間、私の髪に火がついた。
は?なにこれ!?
私は急いで湖へ駆けて行き、火を消した。
湖が近くに無ければどうなっていたか。
チリチリとした髪の一部を見て怖くなる。
あれは、もしかすると魔法というやつだろうか。
私は今の今まで魔法なんて物がこの世界に存在すると想像もつかなかった。
確かにドラゴンはいるし、人魚も見た。
そして、あれが妖精だったとして魔法なんてものが実在するなんてどこの小説の中かと問いたい。
そうだ、ドラゴンを置いてきてしまった。
私は急いで元の場所へと走った。
すると、妖精はドラゴンに何か話しかけていた。
妖精は私の顔を見るなり、もう一度手を横に振った。
また燃やされる!!
そう思って手を構えたが、熱くはない。
すると、先程まで焦げ臭かった髪が元通りの長さに戻っていた。
ドラゴンに目を向けると、既に妖精の姿はなく。
考えられる可能性としては、私がドラゴンの誘拐犯に見えたのかもしれない。
妖精にとってはドラゴンは仲の良い種族、もしくは敬っている存在ということも考えられる。
「妖精に弁解してくれた?」
「キュウ!」
その鳴き声が自信満々に聞こえて私は吹き出した。
「ありがとう、助かったよ」
事実は分からない。
でも、あの妖精はドラゴンを襲わないと分かっただけでも一歩前進と思いたい。
そしてもう一つは、魔法の存在。
いや、妖精しか使えないものかもしれない。
それに、使える人間と使えない人間がいるかもしれない。
そう考えたら望み薄だ。
ありもしない希望を抱くのはやめよう。
そうして私とドラゴンは森の中を歩き続けた。
私がこの世界に来ておそらく一ヶ月は経過しているはずだ。
歩いている途中、ボロボロのマントが枝に引っかかっていた。
その近くには白骨化した仏さんが横たわっていて、もしかしたら山賊や何かの生物にやられたのかもしれない。
私は手を合わせてマントを頂戴した。
道すがら何度か人間が使うような道具が落ちていて、近くに町があるかもと幾度も思いながら森を進んだ。
時々、ドラゴンに妖精が話しかけに来た。
何を言っているのか私には分からないし、妖精は私には興味を示さなかった。
ドラゴンに危害を加えないのならどうでも良いのだろう。
ドラゴンはいつものようにキュ!としか返事をしていないが、妖精とは何故か意思疎通が出来ているように思えた。
そして日に日に何故か、私もドラゴンの言葉を理解できるようになっている気がした。
「この森の中をいつまで歩けばいいんだろうね」
「キュ」
「そりゃあ出たいよ、町に行きたいんだから」
「キュキュ」
「出れるわけ無いって、なんでそんな」
私は目を見開いてドラゴンを見た。
あれ?今会話してなかった?
「森を出られないって言った?」
「キュ!」
その元気の良い返事はまさに肯定だ。
ドラゴンは嬉しそうに両手をこちらに上げた。
抱っこして欲しいってことだ。
私はドラゴンを抱っこして少しよろけた。
「あれ、重くない?」
「キュウ!」
「違う、太ったとかじゃなくて、成長してるってこと」
ドラゴンは明らかに大きくなっていた。
翼も手も足も一回り大きい。
この子、どのくらいの大きさになるんだろう?
そんなことを思いながら歩きだす。
「ところで、出られないってどういうこと?」
「キュ」
「迷いの森?」
「キュキュ」
「決まった順路じゃないと出られないってこと!?」
頷くドラゴンを抱えたまま私はその場に蹲った。
なにそれ、なにそれ、なにそれ。
私は大声で泣き出したかった。
この世界は私を殺したいの?
食べ物も分からない、言語も通じない。
会った人間は山賊で、人魚も妖精も私を殺そうとした。
なんで、こんな目にあってるの?
こんなに歩いたのに無駄だったってこと?
唇を強く噛み締め、鉄の味がした。
まだだ。
私はドラゴンの言葉を一ヶ月経過してようやく分かるようになってきた。
そうでなかったら、もっと長い時間彷徨うことになっていたかもしれない。
まだ大丈夫、まだ正気でいられる。
そう自分に言い聞かせながら、私はドラゴンに話しかける。
「順路はどうやってわかるの」
「キュ」
「きまぐれな妖精次第…貴方は教えてもらえないの?」
「キュウ」
「意味がない?どういうこと。私は森を出たいの、人に会いたいの!!」
私の叫びは静かな森に吸収される。
ドラゴンは少し驚いていて、私は慌てて謝った。
「ごめん、ごめんね。私の事情は貴方には関係のないことなのに」
そもそも、人に会ってどうするのだろう。
話は通じるか分からない。
違う世界から来ただなんて誰が信じてくれる?
変なやつだと捕まって結局殺されるのでは?
何度も死にかけて、これからもそれが続くような気がして怖い。
自分を抱きしめるように蹲ると、ドラゴンは手でぽんぽんと肩を叩いた。
「森から出してあげる」
驚いて私が顔を上げるとドラゴンはすりすりと顔を寄せた。
さっきのはっきりとした声はなんだったのか。
私はドラゴンの頭を撫でて聞いてみた。
「出してくれるの?」
「キュキュ」
「飛べるように、なったら?」
小さな翼を上下するドラゴンを、私は抱き締めた。
「気長に待つよ。だから、私を森から出してね」
そう決意してから1週間。
まだ森にいた。
というか、進めど進めど森しか無い。
あの男たちは一体何処から来たのだろうか。
幸いなことに泣く植物(味は薄いレタス)のおかげで水は確保できたし、ドラゴンのおかげで果実やキノコは食べることが出来ている。
残念ながら丁度いい洞窟はなく、雨が降ったらとりあえず大きな木の下に入ってやり過ごす。
正直なところ、もう服は泥だらけで原型は思い出せない。
ただ、頂戴した靴は役に立っていて何かを踏んでも痛くないのは本当にありがたい。
彼らは、どうなったのだろう。
そんなことが一瞬よぎって頭を振る。
考え出すとどつぼにはまってしまう。
動けなくなってしまう。
気温が一気に下がる夜はもふもふのドラゴンを抱き締めて眠り、朝になったら森を進むを繰り返す。
そうして着いたひらけた場所には湖があった。
水を飲んで、顔を洗おうとしたその時。
湖の中にある顔と目があった。
「っ!?!」
驚きで声も出ず、尻餅をつく。
その顔は少女のような、成人した女性のようなそんな顔。
湖から徐々に顔を見せ、微笑んできた。
「☆☆☆▽☆▽☆」
先日の男たちとはまた違った聞こえ方だった。
「あの、分からないです」
そう言ってはみたが、相手に伝わってるはずもない。
少女は私の足を掴むと湖に引きずり込んだ。
ゴボゴボと湖の底に物凄い力で引っ張られる。
溺れる!!!
私は必死にもがいて抵抗するが、その少女の手は鱗があって、体の下半身はヒレがあってまるで人魚のようだった。
つまり、水の中で勝ち目がないということだ。
息が持たなくなる前に。
そう思って上を向くと、ドラゴンがバタバタと泳いでこちらに向かおうとしていた。
上手とは言えないその泳ぎ。
いや、この子溺れてない?!
私はそう思った瞬間ドラゴンを助けなければというマインドに切り替わった。
掴まれた手に噛み付いて、ドラゴンを抱えて湖からあがった。
「ケホッケホッ」
咳き込むドラゴンを抱きしめて、こちらを見る人魚を睨み付けた。
「☆☆☆▽☆▽▽」
「もう近寄らないで」
私の言葉は通じてないだろうが、人魚はどこかへと消えていった。
次から次へと問題が起こるのは試練なのかなんなのか。
私にしがみつくドラゴンはきっとまだ子供なのだろう。
泳ぐのも飛ぶのもきっと出来ないはず。
それならば、私が守るしかないじゃない。
守るだなんて大層なこと私に出来るとは思えないのに、私は何故かこの子を守りたいと強く思う。
命を繋げたのがドラゴンのおかげだったからなのか。
この世界に唯一味方がいる心強さか。
どちらにせよ、私が諦めない理由になってくれるのならこの子しかいない。
そう思った。
「助けてくれようとしたんだよね?ありがとう」
ギュッと私の腕を掴むその小さな手。
鋭い爪はあるものの、決して私を傷つけることはない。
それが私に心を許してくれているようで嬉しかった。
もうすぐ日が暮れる。
さっきのように人魚に襲われるのはごめんだが、水が確保できるというのは安心材料だ。
湖の側の大きな木に寄りかかり、ドラゴンをいつものように抱えて眠ろうとした。
だが、ドラゴンは落ち着かない様子で森の奥を何度も見る。
「どうしたの」
「キュ」
真っ暗な森の中。
何故かぼんやりとした灯りが見え始める。
人だろうか?
しかし足音は聞こえず、気配すらない。
ぼんやりとした灯りはやがて、2つ、3つと増えていく。
そうして灯りの中に見えたのは羽の生えた小さな人だ。
山賊、人魚に続いて今度は妖精か?
うんざりしながらもドラゴンを抱えたままゆっくりと立つ。
妖精、らしきその生き物はこちらに気付いたようで向かってくる。
「来ないで!!」
どうせ通じないのにそう言ってしまうのは言葉を持つ者の嵯峨だろうか。
「☆▽▽☆☆☆」
人魚と少し似ているが、また違う音。
分かってはいたが、この世界で言語が通じる相手に出会えるのだろうかと不安だ。
妖精は険しい顔をしていて、小さな手を横に振った。
その瞬間、私の髪に火がついた。
は?なにこれ!?
私は急いで湖へ駆けて行き、火を消した。
湖が近くに無ければどうなっていたか。
チリチリとした髪の一部を見て怖くなる。
あれは、もしかすると魔法というやつだろうか。
私は今の今まで魔法なんて物がこの世界に存在すると想像もつかなかった。
確かにドラゴンはいるし、人魚も見た。
そして、あれが妖精だったとして魔法なんてものが実在するなんてどこの小説の中かと問いたい。
そうだ、ドラゴンを置いてきてしまった。
私は急いで元の場所へと走った。
すると、妖精はドラゴンに何か話しかけていた。
妖精は私の顔を見るなり、もう一度手を横に振った。
また燃やされる!!
そう思って手を構えたが、熱くはない。
すると、先程まで焦げ臭かった髪が元通りの長さに戻っていた。
ドラゴンに目を向けると、既に妖精の姿はなく。
考えられる可能性としては、私がドラゴンの誘拐犯に見えたのかもしれない。
妖精にとってはドラゴンは仲の良い種族、もしくは敬っている存在ということも考えられる。
「妖精に弁解してくれた?」
「キュウ!」
その鳴き声が自信満々に聞こえて私は吹き出した。
「ありがとう、助かったよ」
事実は分からない。
でも、あの妖精はドラゴンを襲わないと分かっただけでも一歩前進と思いたい。
そしてもう一つは、魔法の存在。
いや、妖精しか使えないものかもしれない。
それに、使える人間と使えない人間がいるかもしれない。
そう考えたら望み薄だ。
ありもしない希望を抱くのはやめよう。
そうして私とドラゴンは森の中を歩き続けた。
私がこの世界に来ておそらく一ヶ月は経過しているはずだ。
歩いている途中、ボロボロのマントが枝に引っかかっていた。
その近くには白骨化した仏さんが横たわっていて、もしかしたら山賊や何かの生物にやられたのかもしれない。
私は手を合わせてマントを頂戴した。
道すがら何度か人間が使うような道具が落ちていて、近くに町があるかもと幾度も思いながら森を進んだ。
時々、ドラゴンに妖精が話しかけに来た。
何を言っているのか私には分からないし、妖精は私には興味を示さなかった。
ドラゴンに危害を加えないのならどうでも良いのだろう。
ドラゴンはいつものようにキュ!としか返事をしていないが、妖精とは何故か意思疎通が出来ているように思えた。
そして日に日に何故か、私もドラゴンの言葉を理解できるようになっている気がした。
「この森の中をいつまで歩けばいいんだろうね」
「キュ」
「そりゃあ出たいよ、町に行きたいんだから」
「キュキュ」
「出れるわけ無いって、なんでそんな」
私は目を見開いてドラゴンを見た。
あれ?今会話してなかった?
「森を出られないって言った?」
「キュ!」
その元気の良い返事はまさに肯定だ。
ドラゴンは嬉しそうに両手をこちらに上げた。
抱っこして欲しいってことだ。
私はドラゴンを抱っこして少しよろけた。
「あれ、重くない?」
「キュウ!」
「違う、太ったとかじゃなくて、成長してるってこと」
ドラゴンは明らかに大きくなっていた。
翼も手も足も一回り大きい。
この子、どのくらいの大きさになるんだろう?
そんなことを思いながら歩きだす。
「ところで、出られないってどういうこと?」
「キュ」
「迷いの森?」
「キュキュ」
「決まった順路じゃないと出られないってこと!?」
頷くドラゴンを抱えたまま私はその場に蹲った。
なにそれ、なにそれ、なにそれ。
私は大声で泣き出したかった。
この世界は私を殺したいの?
食べ物も分からない、言語も通じない。
会った人間は山賊で、人魚も妖精も私を殺そうとした。
なんで、こんな目にあってるの?
こんなに歩いたのに無駄だったってこと?
唇を強く噛み締め、鉄の味がした。
まだだ。
私はドラゴンの言葉を一ヶ月経過してようやく分かるようになってきた。
そうでなかったら、もっと長い時間彷徨うことになっていたかもしれない。
まだ大丈夫、まだ正気でいられる。
そう自分に言い聞かせながら、私はドラゴンに話しかける。
「順路はどうやってわかるの」
「キュ」
「きまぐれな妖精次第…貴方は教えてもらえないの?」
「キュウ」
「意味がない?どういうこと。私は森を出たいの、人に会いたいの!!」
私の叫びは静かな森に吸収される。
ドラゴンは少し驚いていて、私は慌てて謝った。
「ごめん、ごめんね。私の事情は貴方には関係のないことなのに」
そもそも、人に会ってどうするのだろう。
話は通じるか分からない。
違う世界から来ただなんて誰が信じてくれる?
変なやつだと捕まって結局殺されるのでは?
何度も死にかけて、これからもそれが続くような気がして怖い。
自分を抱きしめるように蹲ると、ドラゴンは手でぽんぽんと肩を叩いた。
「森から出してあげる」
驚いて私が顔を上げるとドラゴンはすりすりと顔を寄せた。
さっきのはっきりとした声はなんだったのか。
私はドラゴンの頭を撫でて聞いてみた。
「出してくれるの?」
「キュキュ」
「飛べるように、なったら?」
小さな翼を上下するドラゴンを、私は抱き締めた。
「気長に待つよ。だから、私を森から出してね」
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