きみの心音を聴かせて
ずっと、じぶんじゃないだれかに憧れた。
お姉ちゃんのようになれたら。
あの子のように、素直になれたら。
あの子みたいに、芯の強い子になれたら。
特別な存在でありたかった。
***
あらすじ
高校二年の柚香は、いつも優秀な姉に比べられ、じぶんに自信を持てずにいた。
学校でも家でも『優等生』を演じ、本心を隠す日々。
ある朝、いつもより早く学校へ行くと、一年のときに告白された男子・音無優希と出くわし……。
家族、クラスメイト、将来の夢、そしてじぶん。
さまざまな壁にぶつかりながらも、
柚香はじぶんにはない価値観に触れ、
少しづつ、前に進んでいく。
何者でもない私
第一章・きらいなじぶん
第2章・気まずいクラスメイト
第3章・かすかな晴れ間に見える星
第4章・ひとりにはなりたくない
第5章・本当の友だち
第6章・すれ違い姉妹
第7章・背中合わせの家族
何者にでもなれる私
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