121 / 129
最終章
118 いざ教会 1
しおりを挟む
「本当に一緒にいくの?」
召喚状が届いてから三日。指定された日になり、お母様と屋敷に使用人たちに見送られて(お父様はお仕事)スピネルと一緒に出掛けようと屋敷を出たら、そこにいっちゃんとそうちゃんが待っていた。
教会でのやり取りの後そのまま出奔――と考えているので、昨日までに友人たちへの手紙を書き、直接は届けられないのでアーノルドに預けたり、常世の森へ行っていっちゃんそうちゃんに別れの挨拶をしたり、出来る限りお父様とお母様とお話ししたりと悔いの残らないように生活していた。
昨日、別れを告げたはずのいっちゃんたちがなぜここにいる?と不審に思っていたら、二人とも教会へ一緒に行き、その後の旅にも付いてくるという。
「常世の森にいなかったら狭間にも帰れないじゃん。二人とも群れのトップなんだから、そんな気ままな事は出来ないでしょ?」
『何を言っているのだえ。狭間へ戻る事など、何処に居たって出来るに決まっているわえ』
「え?そうなの!?そうちゃん」
『そうよ、かわいい子。この森に狭間へと続く道があるのではなく、あたくしたちに狭間へ行く力があるのだもの』
「知らなかったよ、いっちゃん。じゃ、なんでいつも常世の森にいたの?」
『町中に妾たちが現れても平気かえ?』
そうちゃんが笑いを含んだ声で言ったが、それは確かに。じゃ、なぜ狭間にいるだけでなくこちらに来るかと言うと、やはり元々こちらで暮らしていたのでたまには様子を見たくなるとのこと。
その”たまに”が数十年に一度程度だったのが、私やスピネルと知り合って頻繁に来るようになったそうだが、友達に会いに来るのとアップルパイを食べに来るのとどちらが重要だろうね?
それにしても、その”数十年に一度”が偶々私とスピネルが森に行った日に当たったというのだから、私は強運だと思う。そして、その”数十年に一度”なのに森を壊す勢いで喧嘩していたいっちゃんたちは、困ったちゃんだと思う。理由はリンゴだったし。たかがリンゴと言っちゃいけないかもしれないけど、森を破壊するほどの重大な問題じゃないと思うぞー。
スピネルはちょっと嫌そうにしているけれど、私はいっちゃんたちが一緒なのは嬉しい。
旅路を徒歩でするより乗せてもらった方が楽だし、仲間が多いのは楽しいし。屋敷を振りかえると、まだ見送ってくれていた皆に馬具の用意を頼む。さすがに森でちょこっとならともかく、旅をするには裸馬ではキツイ。
すぐさま整えられた馬具をスピネルが装着してくれている間に、私はいったん部屋に戻ってお着替えだ。今の格好は、シンプルなワンピース。素材はいいものだけど、いかにも貴族のお嬢様と言った華やかな飾りっ気のあるものではなく、市井のちょっといい所のお嬢さんくらいの感じだが、さすがにワンピースで馬には乗れない。
乗馬服に着替えるが、横乗りするつもりは無いのでパンツスタイルだ。貴族令嬢としてははしたないとか言われそうだが、私は気にしなーい。さっきのワンピースより貴族感が出ている方が気になるよ。
荷物は全てスピネルがアイテムボックスに入れてくれている。
出たよ!レナがいう所のファンタジー定番のアイテムボックス!
この能力はレアで私は習得出来なかったが、スピネルは元々持っていたそうで記憶が戻った時から使っていたんだそうだ。レナも持っていないと言っていたし、お父様やお母様も持っていない能力だが、旅にはお役立ちだから有難く活用させてもらう。
「私の物はシシィの物だから遠慮はいらない」
とスピネルは言ってくれたが、私が調子に乗って「お前の物はオレの物、オレの物もオレの物」とか言いだしたらどうすんの。そう言っても「その通りだよ」と笑うだけなので、ああ、これが溺愛ってやつ?と遠い目になってしまったら、何故そんな事を不思議がるのか分からないスピネルに懇々と愛情の深さについて説明された。うん、ありがとう。でも、甘やかし過ぎは私の為にならないから程々で宜しくお願いします。
「行ってきます!」
私はいっちゃんに、スピネルはそうちゃんに跨っていざ出立。挨拶が”行ってきます”なのは当然のことだ。ここは私の家で、私が帰ってくるところ。
今回は、教会や周囲の思惑から脱却するための旅立ちだが、いつか完全に家を出る事になったとしても、それでも「ただいま」と言える場所。
だから、見送る皆も悲しそうな顔はしていない。笑顔で見送ってくれる皆にもう一度手を振って、いざ、教会へ。
………目立ってる。
あ、いや、ユニコーンもバイコーンも今となっては伝説の生き物だという事は知っていた。実在したという記録はあるが、もう目撃されることはなくなって久しい生き物だと。
ただ、私はいっちゃんそうちゃんとの付き合いも長く、その姿を見慣れていたので周囲の反応まで想像していなかったのだ。
誘拐事件の時、スピネルとお兄さんがいっちゃんたちと一緒に迎えに来てくれた時もこんなんだったかな。あの時は考えることが多すぎて、周囲の視線まで気を配っていなかった気がする。
スピネルのお兄さんの事やら、ヴィヴィアナ様のメンタルの事、アレキサンドエス先生がちゃんと約束を守るかどうか、誘拐犯の目当てが自分だった事でまきこんでしまった周囲への申し訳なさもあった。
「仕方ない。いっちゃんもそうちゃんも綺麗で恰好いいから、みんなが注目しちゃうよねっ」
そういう事にしておこう。
褒められて嬉しそうないっちゃん達に、スピネルがそれは勘違いだとでも言いたそうな目で見ていたけど、そういう事にしておくのっ。
召喚状が届いてから三日。指定された日になり、お母様と屋敷に使用人たちに見送られて(お父様はお仕事)スピネルと一緒に出掛けようと屋敷を出たら、そこにいっちゃんとそうちゃんが待っていた。
教会でのやり取りの後そのまま出奔――と考えているので、昨日までに友人たちへの手紙を書き、直接は届けられないのでアーノルドに預けたり、常世の森へ行っていっちゃんそうちゃんに別れの挨拶をしたり、出来る限りお父様とお母様とお話ししたりと悔いの残らないように生活していた。
昨日、別れを告げたはずのいっちゃんたちがなぜここにいる?と不審に思っていたら、二人とも教会へ一緒に行き、その後の旅にも付いてくるという。
「常世の森にいなかったら狭間にも帰れないじゃん。二人とも群れのトップなんだから、そんな気ままな事は出来ないでしょ?」
『何を言っているのだえ。狭間へ戻る事など、何処に居たって出来るに決まっているわえ』
「え?そうなの!?そうちゃん」
『そうよ、かわいい子。この森に狭間へと続く道があるのではなく、あたくしたちに狭間へ行く力があるのだもの』
「知らなかったよ、いっちゃん。じゃ、なんでいつも常世の森にいたの?」
『町中に妾たちが現れても平気かえ?』
そうちゃんが笑いを含んだ声で言ったが、それは確かに。じゃ、なぜ狭間にいるだけでなくこちらに来るかと言うと、やはり元々こちらで暮らしていたのでたまには様子を見たくなるとのこと。
その”たまに”が数十年に一度程度だったのが、私やスピネルと知り合って頻繁に来るようになったそうだが、友達に会いに来るのとアップルパイを食べに来るのとどちらが重要だろうね?
それにしても、その”数十年に一度”が偶々私とスピネルが森に行った日に当たったというのだから、私は強運だと思う。そして、その”数十年に一度”なのに森を壊す勢いで喧嘩していたいっちゃんたちは、困ったちゃんだと思う。理由はリンゴだったし。たかがリンゴと言っちゃいけないかもしれないけど、森を破壊するほどの重大な問題じゃないと思うぞー。
スピネルはちょっと嫌そうにしているけれど、私はいっちゃんたちが一緒なのは嬉しい。
旅路を徒歩でするより乗せてもらった方が楽だし、仲間が多いのは楽しいし。屋敷を振りかえると、まだ見送ってくれていた皆に馬具の用意を頼む。さすがに森でちょこっとならともかく、旅をするには裸馬ではキツイ。
すぐさま整えられた馬具をスピネルが装着してくれている間に、私はいったん部屋に戻ってお着替えだ。今の格好は、シンプルなワンピース。素材はいいものだけど、いかにも貴族のお嬢様と言った華やかな飾りっ気のあるものではなく、市井のちょっといい所のお嬢さんくらいの感じだが、さすがにワンピースで馬には乗れない。
乗馬服に着替えるが、横乗りするつもりは無いのでパンツスタイルだ。貴族令嬢としてははしたないとか言われそうだが、私は気にしなーい。さっきのワンピースより貴族感が出ている方が気になるよ。
荷物は全てスピネルがアイテムボックスに入れてくれている。
出たよ!レナがいう所のファンタジー定番のアイテムボックス!
この能力はレアで私は習得出来なかったが、スピネルは元々持っていたそうで記憶が戻った時から使っていたんだそうだ。レナも持っていないと言っていたし、お父様やお母様も持っていない能力だが、旅にはお役立ちだから有難く活用させてもらう。
「私の物はシシィの物だから遠慮はいらない」
とスピネルは言ってくれたが、私が調子に乗って「お前の物はオレの物、オレの物もオレの物」とか言いだしたらどうすんの。そう言っても「その通りだよ」と笑うだけなので、ああ、これが溺愛ってやつ?と遠い目になってしまったら、何故そんな事を不思議がるのか分からないスピネルに懇々と愛情の深さについて説明された。うん、ありがとう。でも、甘やかし過ぎは私の為にならないから程々で宜しくお願いします。
「行ってきます!」
私はいっちゃんに、スピネルはそうちゃんに跨っていざ出立。挨拶が”行ってきます”なのは当然のことだ。ここは私の家で、私が帰ってくるところ。
今回は、教会や周囲の思惑から脱却するための旅立ちだが、いつか完全に家を出る事になったとしても、それでも「ただいま」と言える場所。
だから、見送る皆も悲しそうな顔はしていない。笑顔で見送ってくれる皆にもう一度手を振って、いざ、教会へ。
………目立ってる。
あ、いや、ユニコーンもバイコーンも今となっては伝説の生き物だという事は知っていた。実在したという記録はあるが、もう目撃されることはなくなって久しい生き物だと。
ただ、私はいっちゃんそうちゃんとの付き合いも長く、その姿を見慣れていたので周囲の反応まで想像していなかったのだ。
誘拐事件の時、スピネルとお兄さんがいっちゃんたちと一緒に迎えに来てくれた時もこんなんだったかな。あの時は考えることが多すぎて、周囲の視線まで気を配っていなかった気がする。
スピネルのお兄さんの事やら、ヴィヴィアナ様のメンタルの事、アレキサンドエス先生がちゃんと約束を守るかどうか、誘拐犯の目当てが自分だった事でまきこんでしまった周囲への申し訳なさもあった。
「仕方ない。いっちゃんもそうちゃんも綺麗で恰好いいから、みんなが注目しちゃうよねっ」
そういう事にしておこう。
褒められて嬉しそうないっちゃん達に、スピネルがそれは勘違いだとでも言いたそうな目で見ていたけど、そういう事にしておくのっ。
0
お気に入りに追加
197
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる