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第一章
04 逆行
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それからのことはよく覚えていない。
マリアにシシィを返せと詰め寄ったフィデリオを、ぼんやりとした視界に映した気もする。マリアが私に助けを求める声を、どこか他人事のように聞いた気もする。
気が付いたら部屋は私一人になっていて。遠くからマリアの叫び声が聞こえて我に返った。
部屋を出て声のした方へ向かうが、どこか現実感が無くて足元がおぼつかない。
付いて来ようとする護衛に向かって首を振り、その場で待機するように命じた。フィデリオが拘束されることは避けたい。
マリアが私を騙したのか?フィデリオとファルナーゼ家が間違っているのではないか?
もしファルナーゼが真実を探し当てたと言うのなら、私の行いが悪となってしまう。無実のシシィを断罪して殺したなんて認めたくない。認められない。
「シシィが死ななくては私がアル様と結婚できないじゃない!邪魔だったのよ、あの女が!」
「ははは、そうか、お前の為に可愛いシシィは死ななくてはならなかったのか?そんな身勝手な理由で人を死に追いやるお前は、私の復讐と言う理由で殺されても仕方ないと思わないか?」
「はぁ!?馬鹿を言ってるんじゃないわよ!なんで私が死ななきゃならないのよ!?いいから放しなさいよ。私はやり直さなきゃならないの。フィデリオに付き合っている暇なんかないの!」
姿は見えないが、おそらくこの先の角を曲がったところにいるのだろうマリアとフィデリオが言い争う声が聞こえた。
ああ、私が見たくない認めたくないと思っても、事実は変わらない。マリアは私を騙した。私がシシィを殺してしまった。
悪あがきはしない。
自分の罪を認め、マリアを――そして私を裁かなくてはならない。
そう決意して角を曲がると、マリアとフィデリオが揉みあっている姿が目に入る。フィデリオの逆上した様子を見て、いっそ、その激情を私に向けてくれればいいと思った。
甘えだ。自分の罪を誰かに糾弾してほしい、裁いてほしいだなんて、弱い心が許しを求めていると同義だ。
「あっ!」
揉みあっている場所が悪い。
暴れるマリアとそれを抑えるフィデリオは階段の傍にいる。緩やかにカーブを描く大階段だ。足を滑らせでもしたらただでは済まない。
周りが見えていない二人をとりあえず落ち着かせなければと彼らの方に進むと、マリアがこちらを見て一瞬で表情を変えた。悪魔のように血相を変えてフィデリオを罵っていた彼女の顔が、いつもの柔和な私を癒やしてくれていたそれに変わる。その落差の激しさにそんな場合じゃないと思いつつも笑ってしまいそうになる。己の愚かさがおかしくて仕方がない。
「そんなところで揉めていては危ない。場所を移そう。人目もあることだし」
なるべく穏やかに言って二人を刺激しないように近づく。
私が伸ばした手を逃れるようにフィデリオが身をよじり、腕を掴まれていたマリアがバランスを崩した。その先には階段が――。
考えるより先に体が動いた。階下に落ちていく二人がスローモーションのように見え、必死に手を伸ばしてマリアの伸ばした手を掴む。
しかし、二人を支えるには私の力は小さく、そのまま巻き込まれて縺れあい、あちこちをぶつけながら落ちていってしまった。
体を起こした私の視界は赤。
あり得ない方向に首の曲がったマリア。階段の上に飾ってあった花瓶の破片が体に刺さっているフィデリオ。
体を支えている筈の手に力が入らない。頭から流れてくる血と止めることの出来ない涙で私の顔はさぞ滑稽に見えるだろう。
私は死ぬのか。
――私も死ぬのか。
シシィ。済まない。本当に済まない事をした。私の命でこの罪が購えるとは思えないが、冥府で君に詫びよう。
あの時、彼女はどんな顔をしていただろうか。
「本日をもって、君との婚約を破棄する」
私がそう言った時の彼女の顔を、どうしても思い出せなかった。
悲しんでいただろうか、怒っていただろうか、いつものように諦めを滲ませていただろうか。
そしていま、私はどんな顔をしているのだろうか。
そう思ったのを最後に意識が途絶えた。
冥府でシシィに詫びようと思った私は、残念ながら生きながらえてしまったようだ。
目が覚めると、いつもの自分の部屋の自分のベッドの上。ああ、頭部からの出血は、傷がたいしたことなくとも見た目には派手になると聞いた事がある。
マリアとフィデリオはどうなっただろう。そう思って体を起こすと違和感を覚えた。いつものように動かせないのは怪我が重かったのか、それとも意識を失っている時間が長かったのか。
――いや、違う。
掛布を外そうとした手が小さい。どういう事だ。ベッドから降りて見下ろすと、何故か体が小さい。
慌ててバスルームへ行って鏡を見ると、映っていたのは10歳前後の頃の自分だった。訳が分からない。
朝の支度を整えに来た侍女は、幼くなった私に何も言わず洗顔の支度をしている。……あの侍女は確か結婚するのを機に城から出たはず。それも7年も前に。
自分の頭がおかしいのかこの世界がおかしいのか分からないが、私は何も言わず周囲を窺うようにして過ごした。
結果、分かったのは、今の自分が9歳だという事。時が戻ったのか、それとも、シシィを冤罪に落とし命を奪ったあれらの事は夢だっただろうのか。王家に先見の加護を持つものがいたと言う事は聞いたことはない。
まだシシィに出会う前だ。やり直す機会を与えられたという事を信じるのに時間はかかったが、納得したときには胸が歓喜に震えた。
神の恩恵か。悪魔の慈悲か。どちらでも構わない。
シシィ、私はもう間違えない。だからどうか――――
マリアにシシィを返せと詰め寄ったフィデリオを、ぼんやりとした視界に映した気もする。マリアが私に助けを求める声を、どこか他人事のように聞いた気もする。
気が付いたら部屋は私一人になっていて。遠くからマリアの叫び声が聞こえて我に返った。
部屋を出て声のした方へ向かうが、どこか現実感が無くて足元がおぼつかない。
付いて来ようとする護衛に向かって首を振り、その場で待機するように命じた。フィデリオが拘束されることは避けたい。
マリアが私を騙したのか?フィデリオとファルナーゼ家が間違っているのではないか?
もしファルナーゼが真実を探し当てたと言うのなら、私の行いが悪となってしまう。無実のシシィを断罪して殺したなんて認めたくない。認められない。
「シシィが死ななくては私がアル様と結婚できないじゃない!邪魔だったのよ、あの女が!」
「ははは、そうか、お前の為に可愛いシシィは死ななくてはならなかったのか?そんな身勝手な理由で人を死に追いやるお前は、私の復讐と言う理由で殺されても仕方ないと思わないか?」
「はぁ!?馬鹿を言ってるんじゃないわよ!なんで私が死ななきゃならないのよ!?いいから放しなさいよ。私はやり直さなきゃならないの。フィデリオに付き合っている暇なんかないの!」
姿は見えないが、おそらくこの先の角を曲がったところにいるのだろうマリアとフィデリオが言い争う声が聞こえた。
ああ、私が見たくない認めたくないと思っても、事実は変わらない。マリアは私を騙した。私がシシィを殺してしまった。
悪あがきはしない。
自分の罪を認め、マリアを――そして私を裁かなくてはならない。
そう決意して角を曲がると、マリアとフィデリオが揉みあっている姿が目に入る。フィデリオの逆上した様子を見て、いっそ、その激情を私に向けてくれればいいと思った。
甘えだ。自分の罪を誰かに糾弾してほしい、裁いてほしいだなんて、弱い心が許しを求めていると同義だ。
「あっ!」
揉みあっている場所が悪い。
暴れるマリアとそれを抑えるフィデリオは階段の傍にいる。緩やかにカーブを描く大階段だ。足を滑らせでもしたらただでは済まない。
周りが見えていない二人をとりあえず落ち着かせなければと彼らの方に進むと、マリアがこちらを見て一瞬で表情を変えた。悪魔のように血相を変えてフィデリオを罵っていた彼女の顔が、いつもの柔和な私を癒やしてくれていたそれに変わる。その落差の激しさにそんな場合じゃないと思いつつも笑ってしまいそうになる。己の愚かさがおかしくて仕方がない。
「そんなところで揉めていては危ない。場所を移そう。人目もあることだし」
なるべく穏やかに言って二人を刺激しないように近づく。
私が伸ばした手を逃れるようにフィデリオが身をよじり、腕を掴まれていたマリアがバランスを崩した。その先には階段が――。
考えるより先に体が動いた。階下に落ちていく二人がスローモーションのように見え、必死に手を伸ばしてマリアの伸ばした手を掴む。
しかし、二人を支えるには私の力は小さく、そのまま巻き込まれて縺れあい、あちこちをぶつけながら落ちていってしまった。
体を起こした私の視界は赤。
あり得ない方向に首の曲がったマリア。階段の上に飾ってあった花瓶の破片が体に刺さっているフィデリオ。
体を支えている筈の手に力が入らない。頭から流れてくる血と止めることの出来ない涙で私の顔はさぞ滑稽に見えるだろう。
私は死ぬのか。
――私も死ぬのか。
シシィ。済まない。本当に済まない事をした。私の命でこの罪が購えるとは思えないが、冥府で君に詫びよう。
あの時、彼女はどんな顔をしていただろうか。
「本日をもって、君との婚約を破棄する」
私がそう言った時の彼女の顔を、どうしても思い出せなかった。
悲しんでいただろうか、怒っていただろうか、いつものように諦めを滲ませていただろうか。
そしていま、私はどんな顔をしているのだろうか。
そう思ったのを最後に意識が途絶えた。
冥府でシシィに詫びようと思った私は、残念ながら生きながらえてしまったようだ。
目が覚めると、いつもの自分の部屋の自分のベッドの上。ああ、頭部からの出血は、傷がたいしたことなくとも見た目には派手になると聞いた事がある。
マリアとフィデリオはどうなっただろう。そう思って体を起こすと違和感を覚えた。いつものように動かせないのは怪我が重かったのか、それとも意識を失っている時間が長かったのか。
――いや、違う。
掛布を外そうとした手が小さい。どういう事だ。ベッドから降りて見下ろすと、何故か体が小さい。
慌ててバスルームへ行って鏡を見ると、映っていたのは10歳前後の頃の自分だった。訳が分からない。
朝の支度を整えに来た侍女は、幼くなった私に何も言わず洗顔の支度をしている。……あの侍女は確か結婚するのを機に城から出たはず。それも7年も前に。
自分の頭がおかしいのかこの世界がおかしいのか分からないが、私は何も言わず周囲を窺うようにして過ごした。
結果、分かったのは、今の自分が9歳だという事。時が戻ったのか、それとも、シシィを冤罪に落とし命を奪ったあれらの事は夢だっただろうのか。王家に先見の加護を持つものがいたと言う事は聞いたことはない。
まだシシィに出会う前だ。やり直す機会を与えられたという事を信じるのに時間はかかったが、納得したときには胸が歓喜に震えた。
神の恩恵か。悪魔の慈悲か。どちらでも構わない。
シシィ、私はもう間違えない。だからどうか――――
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