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休息話『三人の、聖なる夜に』
「クリスマスプレゼント⑨」
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「……」
「……」
――無言。
二人きりになって、とてつもない気まずさが訪れる。
布団で隠しているこの卑猥なサンタ姿もそうだが、ついさっきまでここで、葵さんとえっちなことをしていたのだ。
そんなことは、新にも容易に想像できるはず。
なんたって葵さんに私とのえっちを許可したのは彼自身だからね……!!
おかげでこんなことになっている訳だが、どう責任をとってくれるのだろう。
「……せっかくのクリスマスに、デートできなくてごめん」
何も言わない私に、新はゆっくりと近づいてくる。
――あっ!? いやちょっと、待った、待った!
「大丈夫、全然気にしてないです!」
「ほんと? 実は仕事片付けるのが精一杯で、プレゼントすら用意してなくて……ほんとごめん」
言いながらベッドに乗ってきて、私の横に座った。
やばい。私は手にしていた布団を強く握りしめる。
「いや! だいじょうぶ、ぜんぜん! 期待してないっ」
「……いや、期待してないって、それはそれで傷つくんだけど」
私の無意識の精神攻撃に、悲しそうな表情を見せる新。
――いや、デートとかプレゼントとか、そんなことはこの際どうでもいいのです。
とりあえずね、この変態サンタ姿を見られたくないよね!?
「あっ、あらた、後ろを向いてくれませんかっ!」
「なんで?」
「なんでもいいからっ!!」
後ろを向いてもらっている間にバスローブに着替えよう。
焦っている私に新もなにか気づいたようで、私をまじまじと見つめてきた。
「もしかして、また葵に何か着せられた?」
「うっ……」
にやにやしている新。
その顔には、先程までの「申し訳ない」という気配はない。なんということか。
ただでさえ葵さんに責め続けられて敏感になっているのに、その上、無駄に新を興奮させてはよくない。とてもよくない。
「どれどれ? 僕にも見せて?」
「いやですっ」
必死に布団で全身を隠したが、哀れ乙女とは非力なり。あっという間にめくりとられてしまった。
しかも暴れた勢いで、新に押し倒される形になるという始末。
――露わになる変態サンタ。
「やば……想像よりエロすぎた……」
率直に感想を述べられ、私はかぁっと顔が熱くなるのがわかった。
服が本来の役目を果たさず、ほぼ丸出しの胸と下半身。
可愛いベルがついたチョーカーは、まるでペットの首輪。
赤いサンタ服を強調するように、至るところに巻き付いた緑のリボン。
それらはまるで、「私」というプレゼントを丁寧に包装して飾り付けているかのようで。
――なにこれ、恥ずかしすぎるんですけど。
「……」
――無言。
二人きりになって、とてつもない気まずさが訪れる。
布団で隠しているこの卑猥なサンタ姿もそうだが、ついさっきまでここで、葵さんとえっちなことをしていたのだ。
そんなことは、新にも容易に想像できるはず。
なんたって葵さんに私とのえっちを許可したのは彼自身だからね……!!
おかげでこんなことになっている訳だが、どう責任をとってくれるのだろう。
「……せっかくのクリスマスに、デートできなくてごめん」
何も言わない私に、新はゆっくりと近づいてくる。
――あっ!? いやちょっと、待った、待った!
「大丈夫、全然気にしてないです!」
「ほんと? 実は仕事片付けるのが精一杯で、プレゼントすら用意してなくて……ほんとごめん」
言いながらベッドに乗ってきて、私の横に座った。
やばい。私は手にしていた布団を強く握りしめる。
「いや! だいじょうぶ、ぜんぜん! 期待してないっ」
「……いや、期待してないって、それはそれで傷つくんだけど」
私の無意識の精神攻撃に、悲しそうな表情を見せる新。
――いや、デートとかプレゼントとか、そんなことはこの際どうでもいいのです。
とりあえずね、この変態サンタ姿を見られたくないよね!?
「あっ、あらた、後ろを向いてくれませんかっ!」
「なんで?」
「なんでもいいからっ!!」
後ろを向いてもらっている間にバスローブに着替えよう。
焦っている私に新もなにか気づいたようで、私をまじまじと見つめてきた。
「もしかして、また葵に何か着せられた?」
「うっ……」
にやにやしている新。
その顔には、先程までの「申し訳ない」という気配はない。なんということか。
ただでさえ葵さんに責め続けられて敏感になっているのに、その上、無駄に新を興奮させてはよくない。とてもよくない。
「どれどれ? 僕にも見せて?」
「いやですっ」
必死に布団で全身を隠したが、哀れ乙女とは非力なり。あっという間にめくりとられてしまった。
しかも暴れた勢いで、新に押し倒される形になるという始末。
――露わになる変態サンタ。
「やば……想像よりエロすぎた……」
率直に感想を述べられ、私はかぁっと顔が熱くなるのがわかった。
服が本来の役目を果たさず、ほぼ丸出しの胸と下半身。
可愛いベルがついたチョーカーは、まるでペットの首輪。
赤いサンタ服を強調するように、至るところに巻き付いた緑のリボン。
それらはまるで、「私」というプレゼントを丁寧に包装して飾り付けているかのようで。
――なにこれ、恥ずかしすぎるんですけど。
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