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第二章『どうして私と』
第九話「釣り合わない」
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天井がやけに高かった。
「ここは――」
どこだ。
見知らぬ景色に、眠い目を擦りながらゆっくりと起き上がる。
恐ろしく広い部屋に、恐ろしく広いベッド。
その真ん中に裸でいる自分。
「えーと……」
頭がぼんやりする。
結衣はしばらく首をかしげて、そして昨夜のことを思い出した。
カーテンの隙間から、まぶしい光が入りこみ、思わず目を細める。
(今何時)
部屋をぐるりとみて時計を探した。
シンプルだが高級感のある木の時計が、昼の十二時過ぎをさしていた。
(ああ、どうしよう)
昨夜のことを思い出すと、辛さや困惑などの感情よりも先に、子宮がきゅうとうずいて、立つことすらできない。
自分はなんて淫乱なんだ。
こんな家を別荘にするような男性と、自分が釣り合うわけがない。
うまくいくわけがない。どうせ捨てられる。
遊ばれるのも遊びで付き合うのも、どちらもいやだった。
——なのに。
「はぁぁ」
「ため息ついてどうしたの?」
「ひいっ!」
音もなく現れた新に、結衣は悲鳴をあげる。
「傷つくなぁ。おはよう、結衣くん」
「お、おはようございます」
無意識に布団を引き寄せ、素肌を隠した。
そんなことをしたって、もうあれ程見られた後なのに。
「あの、私の服は……?」
「着てた服はそこの袋に入れてるよ。ブラをだめにしてしまったから、代わりを買ってきた。ついでに服も」
気に入ってもらえるといいけど。
そう言って大きな袋を渡す。
「シャワー使っておいで」
「あ、ありがとうございます」
よくよく考えると無理やりレイプされたのだから、礼を言うのはおかしいのだが。
(はあ、まったく)
やはりうちの店長は根っからのレイプ犯だと確信した結衣だった。
しかし、心の方はともかく、体の相性は抜群だとも思う。
レイプされた恐怖よりも、体は気持ちよさばかり覚えているのだから。
少なくとも、結衣の体は間違いなくレイプ犯の虜だ。
それは今に始まったことではなく、初めてトイレでレイプされたときからそうなのだろう。
「て、店長」
シャワーから戻ってきた結衣が、か細い声をあげる。
「なんですかこの服……! 私もう二十三ですよ!?」
新に渡された服は、結衣には難易度が高すぎた。
フリフリのリボンがついたシャツと、赤と白の派手なミニスカート。
サイズがぴったりなのが驚きだが、それよりも、アイドルみたいな恰好に結衣は赤面していた。
「やっぱちょっと寒い? まあ大丈夫、コートあるし、車だし」
「違います! 恥ずかしいんです!」
ばたばたと振り回すその手を、新は自分の元へ引き寄せる。
「わがままなお口は塞いじゃおうね」
触れるくらいのキスをすると、結衣は少し顔を背けた。
新はその顔を正面に向けて、またキスをする。
「またひどいこと言うの?」
「……言いませんけど。脅されたようなものとはいえ、約束したのですから、とりあえず、彼女でいさせてもらいます」
「そう、約束だからね。破ったらまたお仕置きするのでご覚悟を」
そう言って、これ以上なにか返される前に、今度は長い、深いキスをした。
「ここは――」
どこだ。
見知らぬ景色に、眠い目を擦りながらゆっくりと起き上がる。
恐ろしく広い部屋に、恐ろしく広いベッド。
その真ん中に裸でいる自分。
「えーと……」
頭がぼんやりする。
結衣はしばらく首をかしげて、そして昨夜のことを思い出した。
カーテンの隙間から、まぶしい光が入りこみ、思わず目を細める。
(今何時)
部屋をぐるりとみて時計を探した。
シンプルだが高級感のある木の時計が、昼の十二時過ぎをさしていた。
(ああ、どうしよう)
昨夜のことを思い出すと、辛さや困惑などの感情よりも先に、子宮がきゅうとうずいて、立つことすらできない。
自分はなんて淫乱なんだ。
こんな家を別荘にするような男性と、自分が釣り合うわけがない。
うまくいくわけがない。どうせ捨てられる。
遊ばれるのも遊びで付き合うのも、どちらもいやだった。
——なのに。
「はぁぁ」
「ため息ついてどうしたの?」
「ひいっ!」
音もなく現れた新に、結衣は悲鳴をあげる。
「傷つくなぁ。おはよう、結衣くん」
「お、おはようございます」
無意識に布団を引き寄せ、素肌を隠した。
そんなことをしたって、もうあれ程見られた後なのに。
「あの、私の服は……?」
「着てた服はそこの袋に入れてるよ。ブラをだめにしてしまったから、代わりを買ってきた。ついでに服も」
気に入ってもらえるといいけど。
そう言って大きな袋を渡す。
「シャワー使っておいで」
「あ、ありがとうございます」
よくよく考えると無理やりレイプされたのだから、礼を言うのはおかしいのだが。
(はあ、まったく)
やはりうちの店長は根っからのレイプ犯だと確信した結衣だった。
しかし、心の方はともかく、体の相性は抜群だとも思う。
レイプされた恐怖よりも、体は気持ちよさばかり覚えているのだから。
少なくとも、結衣の体は間違いなくレイプ犯の虜だ。
それは今に始まったことではなく、初めてトイレでレイプされたときからそうなのだろう。
「て、店長」
シャワーから戻ってきた結衣が、か細い声をあげる。
「なんですかこの服……! 私もう二十三ですよ!?」
新に渡された服は、結衣には難易度が高すぎた。
フリフリのリボンがついたシャツと、赤と白の派手なミニスカート。
サイズがぴったりなのが驚きだが、それよりも、アイドルみたいな恰好に結衣は赤面していた。
「やっぱちょっと寒い? まあ大丈夫、コートあるし、車だし」
「違います! 恥ずかしいんです!」
ばたばたと振り回すその手を、新は自分の元へ引き寄せる。
「わがままなお口は塞いじゃおうね」
触れるくらいのキスをすると、結衣は少し顔を背けた。
新はその顔を正面に向けて、またキスをする。
「またひどいこと言うの?」
「……言いませんけど。脅されたようなものとはいえ、約束したのですから、とりあえず、彼女でいさせてもらいます」
「そう、約束だからね。破ったらまたお仕置きするのでご覚悟を」
そう言って、これ以上なにか返される前に、今度は長い、深いキスをした。
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