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屈辱M病棟χ
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屈辱M病棟χ
阿部 譲二先生原作
ハルノリ改変
本編は偉大なm男小説家であられる阿部 譲二先生の原作に現代のブラッシュアップを施させていただきました。
本編作成による経済的利得はございません。
どうかご容赦ください。
ナースマン志望の男が看護学校に入るがそこは女の園で彼は女達の虐めに会う。学費に困ってインターネットで見たセックスパーティのアシスト役に応募するが、それはパーティの男女の股間に舌奉仕する役だった。現場実習で病院に配属されるが、そこではドクターになった幼馴染の女性に使われ、パーティの件が露見しその女性に罰として便器にされる
インターネットの罠
「ダメだといったらダメだ。男の癖に看護婦になりたいなんて、お前は何を考えてるんだ。……三年も浪人していくら嫌気がさしているといっても、受験を諦めて就職するというなら分かるが、看護婦の学校に入りたいとは正気の沙汰じゃないぞ」
「おかしいのは父さんの方だよ。今時の看護学校は男だって受け入れるんだ。……第一、僕のなりたいのは看護婦じゃない、看護師、つまり今流行のナースマンさ。最近ニュースやテレビドラマでも取り上げられてる結構格好いい職業なんだ」
「そりゃ、男の看護師ってことじゃないか。病人の世話がしたかったら、隣の紗耶香さんのように医者になりゃいい。好きこんで女の職場に飛び込んだってろくなことにならんぞ」
「僕だってこれまで医学部めざして頑張ってたんだ。……でも、現役から一発で合格したさっちゃんとはもう三年も差がついちゃったし、正直言って自信をなくしたんだ」
……………………
パソコンの前で頬杖をついて物思いにふけっていた立松治朗の脳裏に、以前父と交わした会話が昨日のことのようによみがえっていた。
母が亡くなった後、男手ひとつで一人息子の治朗を育ててくれた父も、あの会話の翌年に突然病死してしまう。
親戚のところに身を寄せ、志望通りに看護学校へ入学したものの学費が続かず休学。
それでもなんとか奨学金を貰えることになって復学したが生活は苦しかった。
それに当然のことながら、クラスの殆どが女性という現実は彼に心理的なプレッシャーを与えたようで、あせる割りには成績もぱっとしない。
気晴らしに身近な女性達からガールフレンドを選ぶ気にもならなかった。
ふと、パソコンの画面に目をもどすと、そこには人気の高い出会い系の掲示板が開かれている。
治朗が憂さ晴らしに毎晩訪れるインターネットのサイトがそこにあった。
パートナーを求めるメッセージの羅列に食傷した治朗は、横のメニュー欄をクリックしパーティのタブを押す。
そこは殆どがセックスパーティの案内や会員の勧誘である。
なにげなく眺めているうちに、その中のひとつに治朗の目がとまった。
シティホテルのスィートルームでのスワップパーティの案内だが、珍しく若い単独男性の募集をしている。
しかも謝礼付きだった。
この種のパーティは通常カップル限定で単独の男女は受け入れないのが普通である。
このところ生活費の足しにとパートの働き口を捜していた治朗は、興味に駆られて、ふと、記載のメールアドレス宛に問い合わせをしてみる気になった。
翌日、返事のメールが入った。
驚いたことに、パーティでのアシスト役の仕事をするだけでかなりの額の報酬を支払うとあった。
詳細は面接時に説明とある。
迷った末に治朗が面接に応じる決心をした心の底には、報酬のほかに、女性に囲まれた学生生活で鬱積した性への好奇心が潜んでいたことは否めなかった。
指定されたホテルのロビーで出会ったのはどことなくやくざっぽい雰囲気の髭面の中年男で、自らパーティの主催者と名乗った。
「パーティを成功させる秘訣は女性を満足させることさ。男は新しい女と寝て射精すりゃ一応満たされる。しかし、女は違う。相手の男の女扱いが下手だったら不満が残るもんだ。そこで、女を百パーセント満足させるためにアシスト役が必要なんだ」
「で、でも、僕は……セックスの経験は……」
「経験より若い耐久性さ! それも舌のな」
「舌ですって?」
「そうさ。挿入は相手の男がするのさ。アシスト役はそれに舌で協力して女を満足させる。わかったかな」
「で、でも……」
「やり方は、ちゃんと指導するから心配しなくともいい。だが、こちらも、どこの誰ともわからない者を使うわけにも行かないんだ。何か身分を証明するものを見せてくれ。……なに、秘密は絶対に守るから信用してくれ」
治朗がしぶしぶ差し出した学生証を手に取ると、男は仲間に見せるからと席を外した。
5分もかからぬうちに男は若い女を伴って戻ってきて治朗にパートナーだと紹介した。
スタイルのよい目鼻立ちのはっきりした女で思わず周囲が振り返るほどの美人である。
治朗は、なにか圧倒される思いだったが、一方、かすかに胸のときめきを覚えた。
採用すると決まったら通知するからと言われて立ち去る治朗を見送りながら、彼の背で、二人はにんまりと笑みを浮かべて互いに顔を見合わせる。
「よさそうなのが罠にかかったわね」
低く女が呟くと、男は満足げに頷いた。
クラスメートの虐め
「立松君、遅刻の罰に今日はトイレ掃除よ!」
クラス委員の森元繚子が、頭ごなしにきめつける。ムッとして言い返そうとした治朗の前にパラパラッと数人が立ちはだかった。
繚子の取り巻きの女生徒達である。
第一時限の授業が終わって廊下に出た治朗を囲むように立ちはだかった。
「君が教室の変更を連絡してくれなかったせいで遅れたんじゃないか。ひどいよ」
治朗が弱々しい声で抗議する。
「でも、遅刻は遅刻よ。クラス全員で決めたことは守って貰うわよ!」
なにせ、三十人のクラスで二十七人までが女性である。治朗を含め三人の男子生徒のうち一人は休学、もう一人は病気を理由に姿をみせない。
看護師という女性専有の職場に割り込んで来た物好きな男性として、治朗はクラス全員から異端視されてしまっていた。
従って、ことごとに苛めの対象とされる。今回も明らかに繚子の仕組んだ罠だった。
放課後、広い女子トイレの中で黙々と床にモップを掛ける治朗は、出入りする女生徒達の笑いものにされた。
「男のくせに、女のトイレでお掃除なんて、最低ね!」
「でも、嬉しそうだわ。きっと変態よ」
「君ぃ。それでもおチンチンついてるの?」
調子に乗った一人が笑いながら木の枝で彼の股間を突いた。
「な、何をするんだ!」
「ワーッ、怒った、怒った」
気色ばんだ治朗を囲んで囃し立てる。
「アラ、こいつ、あそこが膨らんでるわ」
「いやだ、勃起してるのよ。いやらしい!」
ムッとする女の臭いがトイレの臭気に混ざり、もやもやした気分になっていたところを
刺激されたのである。自分の意思に反して股間が硬くなったのも無理からぬ事態だった。
顔を赤らめ、女達に背を向けてモップでタイルを擦る治朗の目に悔し涙がにじんだ。
翌日の昼休み。キャンパスの片隅で治朗は繚子達に囲まれていた。
「君ぃ、昨日女子トイレで一体何を考えて掃除してたの? あちこち覗き込んで股の間を膨らませていたって評判よ」
「妄想ばっかりしているから、そうなるのよ。痴漢もいいとこだわ。恥ずかしくないの?」
「私達が事務所に言いつけたら、即、退学になるわよ。それでもいいの?」
女達は、口々に彼をチクチクといたぶる。
それでも黙って俯いている治朗を見ると、弱いもの虐めの興味をますます募らせていった。
無抵抗の相手を見ると、なおさら虐めたくなる集団心理である。
「私達で、こいつに焼きを入れてやろうよ」
「そうだそうだ。退学したくなかったら、素直に私達の言うとおりになるんだよ」
その時、午後の授業開始のベルが鳴った。
ノックアウト寸前でゴングに救われた思いで、治朗は素早く教室への人の流れに逃げ込んだ。
しかし、この件は、それでは済まなかった。たとえどんな理不尽な理由でも、こじ付けでも、女達は治朗を表立って虐める機会を逃がしはしなかった。
週末休みの前の金曜日の午後、人気の無いロッカールームに連れ込まれた治朗は、繚子とそのグループの女達に集団リンチされたのである。
クラスの名誉を傷つけた男に同級生として罰を与え、思い知らせるという名目だった。
素裸で四つん這いにされた治朗は、股間の一物の根元を紐で括られてロッカールームの中を引き回された。
次いで、六人を数える女達が上履きのまま治朗の顔を踏みつけにして、鼻と口を覆うように抑えつけられると窒息しそうになって、もがきだし、さっと女達の脚が除けられると繚子が治朗の頭側から近づくと顔をまたぎすっくと立ち上がったまま、治朗を見落とした。
治朗には繚子のパンティがもろに目に入り、股間の一物がみるみるうちにそそり立った。
ワッと女達の笑いがはじける。
最後は、仰向けに寝かされたままの治朗の顔の上に繚子がゆっくりとしゃがみ込み、ちょうど鼻孔にアヌスが重なるように殿裂奥深く、顔面をとらえ、位置を合わせてきた。
治朗は息苦しさと繚子の強烈なアナル臭から逃れようと身をよじっていた。
どうしても逃れられないと分かると治朗を観念したように動きを止め、繚子が時々少しだけ尻を浮かすたびに必死の呼吸を繰り返し、ギリギリの息継ぎで、命をつないでいる有様であった。
女の尻に敷かれて呼吸管理されるという屈辱は、治朗の男としての誇りを砕き思考力を奪った。
長時間顔面にべったりと尻を乗せて、呼吸路を完全に絶つと治朗がけいれんし始め、それが徐々に弱まってきたところで、さっと繚子が立ち上がり、治朗を見下ろしていた。
「いつでもお尻の下で死なせてあげる」
その言葉に頭の中が真っ白になり、悔し涙が目尻から流れ落ちた。
屈辱のアシスト役
クラスメートの女達に散々辱められて以来、治朗のクラスでの地位は急落した。
女達の視線に蔑みがこもり、〝お前は繚子さんに完全服従したんだよ〟と言外に囁かれている気がして、治朗の態度は卑屈を極めた。
授業中も最後列で小さくなっていたし、休憩時間中は女達に横柄に雑用を言いつけられたり腰を揉まされたりする。彼女等に家来というよりまるで奴隷のように扱われた。
二学年に進級した春の日のことである。
帰宅した治朗へ突然の電話だった。
すっかり忘れていたが、一ヶ月前に会ったパーティの主催者からである。アシスト役として採用するのでこの週末にトレーニングを受けて欲しいというのだった。
丁度授業料を納めたところで懐がさびしく少しでも収入につながると思うと断れない。
それにクラスでの女達の虐めで憂鬱な毎日を過ごしている治朗にとって、少しでも気分転換になるかもとの期待もあった。
指定されたトレーニングの場所は主催者の男の自宅だった。
ドアを開けたのは先日彼にパートナーとして紹介された若い女である。
どうやら二人は同棲しているらしい。
「俺達が練習台になってやるから、しっかり覚えるんだぞ。いいか、まず挿入前の前戯だ。男が相手の女を気に入ってればほっといても問題ない。しかし、気に入らない相手と組まされた男はどうしても前戯がおざなりになる。気持ちが萎えてなかなか勃起しないこともあるんだ。……そこで、アシスタント役のお前の出番だ」
「………………」
「初めての相手と事を始める時にはたいていは抱き合って唇を合わせる。その間に男の手が女の乳房や股間をまさぐるのが普通だ。この時男のものがまだぐんにゃりしてたら、気乗りしてない証拠さ。ここで女が気を利かして男のものをくわえてフェラすればうまくいくんだが、初めての男だと抵抗がある女がいる。俺があらかじめその点を聞き出しておくから、お前はそんな場合に足元からそっと声を掛けるんだ」
「な、なんて言うんです?」
「決まってるじゃないか。お手伝いさせて下さいと断って男のものを咥えるんだ」
「私がですか?」
「そうさ、フェラのテクニックは俺の女が後で教えるからマスターしておいてくれ。……
それから次が本番だ。〝嵌め舐め〟の希望者は大抵女だ」
「嵌め舐めですって?」
「そうさ、挿入時の結合部舐めのことさ。もっとも、結合部に限らずクリやアナルを舐めてくれという客もある。これには挿入の体位が関係するから、あとは実習に移ろう」
男は裸になって六畳間に敷いた布団の上で女と抱き合って見せた。
「まづ、カップルが正上位の挿入の時のお前のポジショニングだ。」
男の指示に従って治朗は二人の横手にまわった。仰向けに寝て足を広げた女の上に男が
のしかかる体位である。そこで女が足の膝を立て、出来た空間に横から治朗が頭を差し入れる。
女のアナルのあたりに横から顔を当てがうとその上から男の股間が覆いかぶさり目の前で挿入が行われた。
しかし、男はそこで挿入を中止して次の体位に移った。
今度は治朗が仰向けに布団の上に寝た後、女がその身体の上に仰向けに横たわる。
ただし、頭と足を逆に寝るので女の股間から治朗の顔が覗いている。その更に上に男が覆いかぶさる体位で、二人分の体重がもろに掛かる。
「挿入中に女のアナルを舐める時はこれでいいんだが、女がクリを舐めて欲しい時はワンワンスタイルの挿入をして貰って、お前がその下に入るんだ。そら、やってみろ」
治朗は、四つん這いになった女の身体の下にシックスナインの形で身体を滑り込ませて女のクリトリスに舌をあてがった。そこに男が後ろから治朗の鼻を一物でこするようにして挿入する。額の上にぐにゃりとした陰嚢が載っている。
「この態位で一発やるからな。しっかり舐めるんだぞ」
男の腰が前後に揺れピストン運動が始まる。
女の膣からねっとりした陰液が流れ出して治朗の唇を濡らした。舌先を伸ばしてクリの周辺から膣に出入りする肉棒のあたりまでを懸命に舐め続けた。
「いくぞ!」
男の動きが激しくなり、それにつれて女の肉襞が治朗の唇に押し付けられる。と、急に動きが止まってヒクヒクとかすかな肉の痙攣が伝わってきた。肉棒をくわえ込んだ膣孔の縁から白い液がジワッと湧き出してくる。
「こぼさない様に全部口で受けろよ!」
肉棒が治朗の額の上を滑りながら引き抜かれると、ドッとばかりに膣孔から白濁したねっとりとした液が溢れ出して来た。
慌てて舌と唇を使って液を吸い取る。
ズズズッと音がして生臭い液体が彼の口中を満たした。ゴクンと喉がなった。
「クククッ、こいつ飲んでるわよ」
「見こみ通りだ。こいつは素質があるぜ」
女の蔑むような声音に続いて二人の笑い声が聞こえた。途端に、ドッと激しい屈辱感が押し寄せて来る。
女は膣孔を治朗の口にあてがったまま身体を起こして顔の上に跨った。
女の体重が顔面を圧しピンク色のアヌスが彼の鼻腔に当たって呼吸ごとに異臭がツンと鼻の奥を刺激する。
「舌の先を穴の中に入れるのよ。そうそう、そのまま吸ってごらん」
ドロッとした粘液が口中に広がった。ゴクリと飲み干すとすぐ後からまた流れ込む。
暫くして流れが途絶えた頃、女の尻がゆっくりと前後に揺れ始めた。クリと膣口が彼の唇を蹂躙し、ピチャッピチャッと隠微な音を立てる。腰が揺れる度にじっとりと湿ったアヌスが治朗の鼻腔に擦り付けられた。
「ホラ、しっかり舌を使えよ。パーティの時はこうしてみんなに使われるんだからな」
男の声が女のいきみ声に混じって耳に入った。そのうち女の腰の動きが激しさを増し、内股を微かに痙攣させて止まる。
暫く治朗の顔の上で余韻を楽しんだ女はやっと尻を持ち上げ、ニヤニヤしながら股の下の治朗の顔を覗き込んだ。
「まあまあ、お汁が一杯だこと」
紅潮した治朗の顔の全面をべっとりと陰液が覆い、女の股間まで糸を引いている。
「合格だな。来週から、早速アシスト役としてパーティに出てもらうからな」
見習い看護婦修行
二年間の学校生活を終えると、全員が現場で実習生として一年間の見習い訓練を受けることになっている。
クラスのメンバーもばらばらになって、あちこちの病院に数名づつ配属されるのである。
治朗はこの看護学校を主管している公立病院で勤務するよう指示された。
クラスメートの陰湿な虐めからやっと開放される期待で胸を弾ませていた治朗は、同じ勤務先に森元繚子も配属されていることを知ってがっかりした。
あのいまわしいリンチの首謀者でもあり、あれ以来〝焼きを入れる〟との名目で彼女のグループに何度もいたぶられてきたのである。
繚子の脚に顔面を挟まれて、それから長時間顔面に座られ、嫌というほど繚子の尻臭を嗅がされてきた。
ようやく解放されるのかと思っていたら、尻を上げた繚子がさっとパンティを下ろし、真っ白な尻をさらすとすぐに治朗の顔に位置を合わせて腰を下ろし、治朗の鼻孔にぴったりと繚子のアヌスが密着していた。
匂いより粘り着くようなうごめく生き物に鼻を覆われたようで、恐怖心が半端ではなかった。
それから、繚子のアヌスが口元にずらされてると、舌奉仕を強要され、屈辱を何度も繰り返して経験させられている。
「トレペ男、便器男」繰り返し、揶揄された。
配属先での職場が遠くなるように祈っていた甲斐もなく、繚子と同じナースステーション勤務となってしまった。
治朗と繚子を含め四人の見習い看護婦達の所属は内科病棟である。
そこの中央ナースステーションにはロッカールームとナース専用のトイレが設けられていた。
すぐに問題になったのは治朗のロッカーだった。
まさか男の看護士がナースステーションに勤務する時代が来るとは誰も考えてない。
やむを得ずトイレの入り口にある掃除道具入れが彼のロッカーを兼用することになった。
看護士用の白衣も用意されていない。まさかドクター用のものを使うわけにもいかず、これも、とりあえず看護婦用のものが与えられた。
男の身でスカート付きの白衣を着せられた治朗は、気恥ずかしさが先に立ってどうにも落ち着かない。
早速、看護婦達の好奇の視線を浴び、ことごとにからかわれた。
「アラ、よく似合うわよ。でも、ちょっと変態っぽいかな」
「あんた、これでどっちのトイレに入るの?」
「男の患者さんに、お尻でも触られたらどうするの? フフフ」
午後になると、チーフナースに付き添われて関係先に挨拶に回った。
受付や事務所の職員達に顔を合わせた後、ドクター達の個室をまわる。
夜勤の宿直医を除き内科病棟だけで十人からの医師がいた。
何人目かの個室の名札に〝高木紗耶香〟とあるのを見て治朗はハッとした。
彼が三浪の末諦めた大学の医学部に現役で入学した、あの幼馴染の紗耶香と同姓同名である。
まさか、との気持ちがあったが、ドアを開けて入ると果たして彼女だった。
チーフナースの後ろに隠れるように従った治朗を見つけた紗耶香は目を丸くした。
「治朗さん、貴方なの?……何、その格好は? スカートなんか穿いちゃって。プーッ……もっとよく見せて。クククッ」
紗耶香は思わず噴き出し、そのまま笑い転げんばかりだった。
「さっちゃん、お久しぶり。……えーと、今日から……こちらにお世話になる……立松治朗です。よろしくぅ」
顔を赤くした治朗は、気を取り直して他の三人と一緒に深々と頭を下げる。何と言っても病院のドクターといえば、看護士にとって雲の上の人だったのである。
「分かったわ。立松君は看護師になったんだったわね。……しっかりやって頂戴」
ようやく笑いを収めた紗耶香は挨拶を返した。
その日の午後、治朗は改めて紗耶香の部屋に呼ばれた。
久しぶりで一対一で会う幼馴染の紗耶香と気の置けない会話が出来ると喜んでいた治朗は、いきなりその期待を裏切られた。
「立松君、そこで立ったままよく聞いてちょうだい。……この病院ではね、看護師がドクターに気安い口をきいてもらうと困るの」
「ぼ、僕は看護師を誇りに思っているんだ」
「あら、それは結構ね。ドクターとナースは協力し合うのが大切よね。そのためには秩序が大切なのよ。これからも私にはちゃんと敬語を使って頂戴」
「で、でも二人きりの時は……」
「二人きりだって同じこと。私達は今じゃ身分が違うのよ。……そう言われても分からないかも知れないから、私が、身に沁みて分かるようにトレーニングして上げる」
「…………………」
「明日から、勤務の間に、お前に私の身の回りの世話をさせるわ。靴磨きに、この部屋の床掃除、それと、私の腰も揉んでもらうわ」
急に、お前と呼ばれたばかりか、思いもかけぬ冷たい仕打ちに治朗は言葉を失った。
「あ、それから、昔、受験の前にお前が私にくれた手紙を覚えている? ホラ、これよ。中身は覚えているでしょう? 二人とも合格して医者になったら将来結婚してくれと書いてあるわ。お前は落伍したんだからこれは無効だわね。ホラ、こうして返してやるわ」
紗耶香は、手許の黄ばんだ封筒から中の手紙を取り出し、顔に当てると音を立てて洟をかんだ。丸めてポンと床に投げる。
「ソラ、犬のように四つん這いになってその手紙を咥えてごらん」
これまで度重なる看護学校のクラスでの虐めや、パーティの主催者カップルからの辱めを経験しているうちに、女性の命令に自然と卑屈に反応する習性が治朗の心に根付いてしまっていたのかもしれない。
彼は、言われるままに四つん這いになって丸めた手紙を口に咥えたのである。
「口の中に入れて……味わって……そして食べちゃいなさい!」
紗耶香あてに昔書いた恋文で洟をかまれて、それを四つん這いで食べさせられる……そんな屈辱にも甘んじて耐えられる事自体、治朗にも不思議だった。
塩っぽいドロッとした紗耶香の洟汁をクチャクチャ音を立てて味わう男。それを見下ろす紗耶香の目は、激しい蔑みで満たされていた。
セックスパーティの慰みもの
例のパーティ主催者カップルにトレーニングを受けて以来、治朗のもとには毎週のように呼び出しが掛かるようになった。
週末の土曜日の晩には定例のスワップパーティが、ホテルのスイートルームを借り切って開催される。
出席者は多い時で十組を超えるし、少ない時でも最低五組が確保される。それ以下だとパーティそのものがキャンセルになる仕組みだった。
アシスト役は、結局治朗一人しかいないので出席者の殆どを相手にする重労働だった。
奉仕を希望する男性・女性は足に赤いゴム輪を嵌める決まりになっていて、大抵、男性の約三割、女性の約八割が希望する。
男性の場合、治朗のフェラでも勃起しないケースが時々あるが、女性の場合は百パーセント満足する、というより満足するまで治朗の顔を股間から離さなかった。
最初の顔合わせから相手選びが終わると、成立したカップルは思い思いに部屋の空いている空間で抱き合い愛撫しあう。この段階から治朗の出番が始まるのである。
足首の赤いゴム輪を目で追って、抱き合っているカップルの股間に首を入れる。そして、ぐにゃりとした一物を咥えるのである。
勃起したとたんに次のカップルへと移動する。そして全員の挿入が始まると、今度は女性の足首のゴム輪を見ては結合部や女性のクリに舌を這わせる。
しかし一番辛いのは、セックスの終わった女性の股間に顔を敷かれて男の精液を吸い取らされる作業だった。
殆どの女性がピルを服用していて、中出しが普通だったからたまらない。夕食抜きで胃を空にしておかないと支障が出るほどの量だった。
ひとわたりセックスが一段落すると、全員が部屋の片隅に設けられたスナックテーブルの周りに集まって暫く休憩する。
その間に次の相手を物色して第二ラウンドが始まるのである。
治朗は、哀れにも、その休憩の間も、未だ満足し足りない女性の尻に顔を敷かれ、繰り返しその股間で唇や舌を蹂躙され続けていた。
第三ラウンドが終わると漸くお開きになって全員が帰るが、治朗には未だ仕事が残っている。皆の世話でセックスに参加していない主催者のカップルにたっぷりと奉仕させられるのだった。
月に四回ないし五回、それも殆どが週末の土曜日だったが、治朗の舌が酷使される状態が続いた。
その割には治朗の報酬はたいした額ではない。
参加カップルから取る高額の会費の殆どは主催者のカップルの懐に入るのだった。
たまりかねた治朗は報酬のアップを申し入れたが話が付かない。
遂に治朗はきっぱりとアシスト役を辞める旨通告して、彼らと縁を切ったのである。
転落のエピローグ
丁度、実習勤務の方が忙しくなってきて、週末も交代で出勤の割り当てが回ってきた。
治朗がパーティのアシスト役を止めたのはよい潮時だったのである。
しかし、ナースステーションでの勤務は楽なものではなかった。
それに、治朗の仕事には紗耶香の部屋で彼女にこき使われる時間が加わっている。
彼女への昔の恋文を屈辱的な仕打ちでつき返されて以来、治朗は紗耶香の所謂、〝身分を認識させるためのトレーニング〟を毎日のように強要されていた。
彼女の前で四つん這いになって床を拭く治朗に、紗耶香は心がこもってないと難癖をつけて頭を靴先でこづく。
そして、掃除が終わると決まって腰や脚のマッサージをやらされた。
しかし、治朗にとって所謂初恋の人である紗耶香のそばにいられるだけで心が満たされた。
一方、紗耶香の方も、足元にじゃれ付く子犬のように自分を慕う治朗を、蔑みながらも哀れに思うこともあった。
ところが、ある日、そうした関係を一挙に変えてしまう様な事態が発生したのである。
レントゲン撮影の実習のため、放射線科で一週間の訓練を受けて内科に戻ってきた日のことである。
久しぶりで紗耶香の部屋の掃除に訪れた治朗の前に、彼女はポンと分厚い封筒を投げてよこした。中から出てきた写真を広げて見る治朗の手がブルブルと震える。
例のパーティでアシスト役を勤めている彼の無様な姿がカメラに捉えられている。
それも、精液にまみれた女の股間に舌を這わせているところや、カップルの結合部に顔を押し当てている場面が彼の表情のアップと共にはっきりと写し出されているでは無いか。
アシスト役を一方的に止めた際、パーティの主催者の男が、〝覚えてろよ!〟と怒りに震える声で叫んだのを思い出していた。治朗に止められた腹いせにパーティで撮った写真を送りつけて来たに違いなかった。
「治朗、治朗さん、何よ、これ。一体どうなっているのよ。」
「いや、これ、あ、だから、その、あれですよ」
まともな文章にならない言い訳を述べ立てようとしたところ、乾いたいい音の紗耶香が治朗の頬を打つビンタが鳴り響いた。
「変態。こんなことして、何が面白いのよ。どうするのよ」
「なんだかストレスがたまっちゃってさ、乱交パーティがあるっていうから、参加したら、だまされて」
「バカッ、もう、ほんとうにどうしようもないわね。こればらまかれたらどうするのよ」
「どうしよう」
「もう、しらないわよ。あんたなんてどうなったって、私には関係ないんだから」
そう突き放すと治朗は床に両手をついて、声にならないうめき声のような低い泣き声を漏らし、医学部を諦めたこと、それでも気を取り直して看護師として働くと決めて、頑張ってきたこと、研修は大変だが、これからの道が見えてきた光を感じ始めていたこと、それらすべてが一気に瓦解していくのを感じていた。
それをみていると紗耶香は強い罪悪感に包まれてきていた。
”こっちだってストレス一杯で、治朗さんにひどいことしちゃった。本当はあのラブレターうれしかったんだから”
「もう、本当に馬鹿なんだから、、、」
紗耶香も涙をみせた。
「向こうの情報をちゃんと持っているの?」
「主催者のマンションに行ったことがあるから」
「参加者に知り合いはいないの?」
「主催者しか分からないんだ」
「もう、本当に馬鹿ね、脇が甘いも何も、スカスカじゃない。いつからそんなふぬけになったのよ。医学部に落ちたくらい何よ。私をみて幸せそうに見える?」
治朗は顔を上げ、紗耶香の頬を伝う涙を見つめていた。
本気で女を怒らせると
紗耶香は翌日、病棟主任の看護師を呼び出し、飲み会を提案した。
その日から紗耶香は繚子を何かとかわいがり、重用した。
院内の研修会の発表に治朗と繚子を引き出す事として、3人で数日かけて夜中までスライドを作り、発表の準備に勤しんだ。
繚子とは二人で遅い夕食も摂り、飼い慣らしていった。
すっかり気を許した繚子は看護学校の同期にも声をかけ、紗耶香のおごりで食事会、カラオケなど歓談の時を重ねていた。
その一方、事務長に興信所の知り合いを紹介してもらい、相手先の情報を細かく収集していた。
坂本和宣、38歳、出身地尼崎で、工芸の仕事を通じて裏の世界に足を踏み入れたことが分かった。
女は、高梨沙由理、27歳、出身地横浜で、レースクイーン上がりだが、AV出演が発覚して、ラウンジに勤めている折りに坂本と知り合ったらしい。
現在、坂本と同居しているが、入籍はしていない様子。
坂本は離婚歴2回、高梨は未婚で、二人とも子供はいない。
坂本はバイセクシュアルで、さらにSでもMでもこなす変態性欲の持ち主であった。
坂本は未成年に対するわいせつ行為で検挙歴があった。
二人とも薬物依存が疑われているという情報も入っていた。
治朗と繚子の院内研修会での発表は院長も出席し、質疑応答も無事こなし、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
会の後、治朗は紗耶香の部屋を訪ねた。
「紗耶香先生、本当にありがとうございました」
治朗は床に突っ伏して、紗耶香の足の甲にキスをした。
「さあ、繚子さんと3人出かけるわよ」
22時を回ったレストランで、食事をしながら、紗耶香と繚子はきわどい女子トークを始めていた。
赤ワインをカパカパ空けていく繚子に治朗は酔い潰れやしないかと心配になったが、発表会の緊張が解けて、はじけ飛ぶような気分もまた大切かと考え、黙ってみていることにした。
酔うにつれ、繚子が紗耶香に絡んでいく。
「先生はどうして治朗なんかにも優しくするんですか?」
「あら、そんなことないわ。かなり厳しいと思うけど」
「そうでしょうか。治朗なんて、雑巾みたいなものだと思いますけど」
「雑巾かあ、確かにそうね。なんにでも使えて便利よね。要らなくなったら捨てちゃえばいいんだし」
「そうですよ、だから、治朗なんかどうでもいいんです」
「そうね、でも入ったばかりの看護師達って、ストレスに潰されちゃうことが多くて、離職率が高いから、きちんと指導するようにって、院長から言われているのよ」
「私は大丈夫ですけど」
「そうね、繚子さんは乗り切れそうね」
「治朗って、学校の頃から、要領が悪くて、皆相手するのが大変だったんですよ」
「今でも変わらないわね。まあ、大事な同期なんだから、いじめてばかりじゃダメよ」
「そう、そう、いじめと言えば、治朗って、虐められてると興奮する変態なんですよ」
黙ってやりとりを聞いていた治朗は、ガタッと音を立てて、座り直した。
「虐められるのに慣れたって事かしら?繚子さんは男性を虐めるの好きかしら?」
「そんなことしたことないから分かりません」
猫をかぶる繚子をみて、治朗は驚きの表情を浮かべた。
「何よ、治朗ったら。私が男性を虐めるのが好きだって言うの?」
「いえ、いえ」
テーブルの下で繚子が治朗に蹴りを入れた。
「さて、ごちそうさまして、もう出ようか」
治朗はもう一件出かける二人を見送り、寮に帰った。
紗耶香は日常業務の後、探偵からの情報提供書を読んでいた。
スワッピングパーティの参加費のほかに風俗店の経営とアダルトビデオの販売まで行っていることを知った。
高梨沙由理の交友関係、行動パターンから糸口を見いだせそうな気がして、さらに調査を進めると坂本和宣と同棲しながらも医師・弁護士・実業家限定のパーティに頻回に参加していることが分かった。
医学部の同期にレースクイーンが大好きな遊び人の同級生がいることを思いだし、高梨沙由理が男あさりしているパーティの情報を同窓会の案内に添付してみることにした。
同級生はレースクイーンという言葉にすぐに引っかかり、次のパーティでマッチングが叶い、坂本和宣と高梨沙由理の引き離しに成功した。
紗耶香は、高梨沙由理が同級生とデート中に濃密なキスシーンやホテルでの逢瀬の記録を探偵に取らせるとその時の写真に坂本和宣にリークすると裏書きして、封筒に入れ、繚子の友人を小遣いを渡して、高梨沙由理をつけさせ、隙を見て、トートバッグに封筒を入れることに成功した。
高梨沙由理が坂本和宣とさらに強く結びつく恐れもあったが、したたかで計算高い高梨沙由理のことだから、自身を守るためならこちらの要求をもむに違いないと読んで、紗耶香は繚子に作戦を説明した。
繚子は高梨沙由理にコンタクトを取り、次回のスワッピングパーティの詳細、参加者名簿を入手し、5名の女子参加を追加させ、全員坂本和宣との絡みを演じると伝えた。
スワッピングパーティとしては異色のショートも言えるが、若い女性5名とのセッションは盛り上がりが期待できるので、高梨沙由理にとっては、どんな脅しが待っているのかびくついていたところになんだか拍子抜けするような依頼内容で、うれしいような怖いような感覚であった。
坂本和宣には、参加者からの要望で、多人数と若い女性との絡みを見せてほしいとだけ伝えるように命じられていた。
紗耶香は繚子に看護学校時代の仲間を集めさせ、ショーの内容、具体的な役割を告げた。
全員初めての経験ではあったが、紗耶香の提示した謝金に断るものはいなかった。
看護師という職種から、排泄行為を見慣れており、特別な思いを抱くことがないという点は思った以上の利点であった。
トイレ以外で、どんな場面、状況でもすぐに排尿できること、ショーまでに便通を必ず整えておくこと、これだけが、必須の要請項目であった。
ショーまでに3回、紗耶香を含めて6名ホテルに集まり、紗耶香の監督の下、5人とも立位のままで即座に排尿できること、人前で1分以内に排便できることを確かめ合うと、異様な連帯感が生まれていき、3回目の最終会合では、互いに励まし合い、普通にトイレを使用するような自然さで処理できるようになっていった。
それまでただ指示を出すだけの紗耶香が、最後に良いものを見せてあげるからと告げ、手を二回たたくとホテルのトイレから四つん這いで、おむつをした治朗が出てきて、紗耶香が首輪に鎖をつけて、5人の前に引き出した。
「さあ、治朗。皆に挨拶するのよ。みななん、久しぶりよね」
学生時代皆でいたぶった治朗が美しい女医に犬の散歩みたいに連れ出されているのをさもありなんと驚くこともなく、5人の目線を浴びることになった。
治朗はくるんとひっくり返り、腹を見せて、何かねだるような姿勢を取ると紗耶香が胸から腹部をなで回し、あまりに気持ちがよいのか、目をとろんとさせ、紗耶香のなすがまま、犬になりきっていた。
「紗耶香先生、いつの間に治朗をペットにしちゃったんですか」
繚子が驚いていると
「私のストレス発散用に飼うことにしたのよ。皆さんもペットを飼うと何かと便利よ。ショーで頑張ったら、参加者の男性から声がかかるかもしれないわね」
「ペットって何をするんですか」
そんな声が上がると紗耶香は首輪につけたチェーンを引き、治朗をハイヒールで軽く蹴ると大げさに床に転がる姿に苦笑した。
「オーバアクションね。こんなんじゃ、使えないわ。今度SMのスワッピングセッションに参加しようと思っているのにこれじゃ恥ずかしいわね。ほら、お友達にみられてどんな気分かしら。次はみんなペットを連れて集まろうかしらね」
紗耶香はヴィトンのバッグから鞭を取り出すと治朗を打ち据え、ミミズ腫れの胸部腹部から大腿にかけて、真っ赤なろうそくを垂らしていった。
「知ってると思うけど、これ低融点パラフィンだから、全然熱くないのよね。見た目が派手なだけで、実体を伴わない。こんな救急患者一杯いるわね。だまされちゃダメよ。じゃ、これはどうかっていうとね」
紗耶香は和ろうそくを取り出し、小さなしずくを一つまた一つと治憲の首や太ももの内側に垂らしていく。
みるみる治朗の顔が血色ばんできて、今にも叫び声を上げそうになって、身をよじるのが、面白い。
「このろうそくはね、金沢の学会に行った時に買ったのよ。小さな一滴だけど破壊力抜群よ。高融点で、一晩保つし、香りもとっても落ち着くから大好きなのよ」
治朗の内股は真っ赤に腫れ、その熱さと痛みは容易に想像がつき、それを目を輝かせて楽しむ女医の残酷さを繚子も友達も見つめていた。
「ほらほら、こんなことで逃げてたらダメでしょ。私たちは困難に立ち向かうのがお仕事でしょ。まだまだ痛みは続くのよ」
今度は紗耶香の赤いハイヒールが治朗の肋間、腹部、太ももに突き刺さろうかというエネルギーを持って、炸裂する。
思わず治朗の悲鳴が響き渡る。
「うるさいわね。痛いのも苦しんでいるのも患者さんなんだから、私たちが悲鳴を上げてどうするのよ。プロ意識が足りないのよ」
痛みに耐えることが看護師としての修練に役立つのか甚だ疑問に思いながらも皆宇頷いていた。
治朗の口をヒールの底面で押さえつけ、黙らせようとするのが、いかにも医師と看護師の力関係を象徴するようで、皆黙って眺めるばかりであった。
「ようやくおとなしくなったようね」
紗耶香は治朗の顔を大げさにまたぐ仕草を見せ、治朗の顔に向かってしゃがみ込み、いよいよ顔面に豊かなヒップが触れようとする瞬間にパンティを下ろし、それからどっかと顔面騎乗のスタイルを取った。
時々紗耶香が腰を振ると治朗がふぐふがと声を漏らす。
「紗耶香先生、まさか、今食べさせてるんですか」
「フフ、想像にお任せするわ」
紗耶香はさっと立ち上がると治朗に開口させ、口内の確認を行っていた。
「なあんてね。デモして見せただけよ。まだまだ便器にはほど遠いと思うわ。でもこっちなら見せてあげられるわ。ねえ、そうでしょ」
”こっちってなんだ?さっきは本当に口に出されてちゃうのかって、あせったよ。なんだか変な気分になってきたな”
紗耶香はノーパンのままミニスカートから伸びる美脚で、治朗の顔を挟み、見下ろしている。
そのまま治朗の顔を跨いで腰を下ろす。
「こうされるのが好きなんだろう? このヘンタイ! お前をね、今日から私の便器にしてやる。ホラ、しっかり飲むのよ!」
紗耶香の黒々とした茂みに包まれた秘部が治朗の顔面30センチほどに近づくとシュー、シュルシュル、シャーと徐々に息を強めて、美しい一本の水流が、治朗の口に注がれた。
かって恋文を送った相手に辱められ、便器にまで落とされた悲哀を心に噛み締めながら、ゴクリゴクリと紗耶香の小水を飲み下す治朗の頭になぜか甘い陶酔感がよぎるのだった。
スワッピングパーティの特別ショー
紗耶香は前の晩から会場ホテルに宿泊し、朝から5人集めてミーティングを開いていた。
・坂本和宣には、5人の若い女と乱交ができるから、せいぜい精力をつけておくようにと高梨沙由理から伝えてあること、当然その先の展開は伝えていないこと
・高梨沙由理は特別ショーでは特に役柄はないと思っているはず
・繚子がサインを出したら、沙由理を抑えつけて、予定通り処理すること
・男性参加者がその場でセッションを希望したら、トイレを使うか、後日のご案内をすること
・女性参加者がその場でセッションを希望したら、男性参加者に挙手してもらうこと
・用が済んだら速やかに退室すること
パーティでは高梨沙由理が司会を務めるその前に繚子が用意した500mLのグリセリンと白湯を混和した浣腸シリンジを沙由理のアヌスに打ち込み、さらにアナルプラグを差しいれた。
有無を言わさぬ早業はすべて訓練のたまものであった。
黒いゴム製のパンティをはかされた沙由理はこれから爆発のリスクを抱えながら、パーティを仕切らなければならず、坂本和宣に目配りする余裕などなかった。
ショータイムでは、坂本和宣が5名の女から同時多発性にサービスを受け、3回発射した頃から明らかに脱力に見舞われてきて、動きが緩徐になったところを見計らい、1Lの透明な漏斗に5本の透明なホースをつないだ自作の強制飲尿器を装着し、5人同時にホース内を琥珀色に染めて、それらは大型の漏斗一カ所に集められ、和宣の口にテープで固定されているので、すべて飲み干さなければ、その場から逃れることはできず、溢れそうになる漏斗に参加者達が湧きながら、なんとか全量を胃に収めることができた。
漏斗を口から外すと和宣はベッドから転がり落ち、這ってトイレに向かっていった。
それから沙由理は渡された原稿を棒読みした。
「女性の皆様、たまにはアブノーマルな世界はいかがでしょうか。きっと殿方との結びつきはよりタイトになること間違いありません。殿方には、女性の足下に置かれる惨めな自身の姿に酔う貴重な機会となります」
沙由理の声は震え、今にも噴射しそうな肛門を必死で締めていたが、繚子がさっとパンティに手を入れ、アナルプラグを引き抜くとたまらず沙由理は腰をかがめ、トイレに駆け込もうとしたところ、
「あと10分我慢するのよ」
と繚子から鬼の一言を浴び、その場に座り込んだ。
漏斗にホースをつけた飲尿器をあらかじめ作っておいたが、5セットともカップルの手に渡り、スワッピングパーティのはずが、女性のための聖水拝受講習会に変わっていき、参加者達が夢中になっている隙に5人は会場を後にしていた。
紗耶香の部屋に集合し、結果報告し、坂本和宣が5人から便器に使われるシーンが収められた動画を見ながら、勝ち鬨を上げた。
治朗と紗耶香
治朗はあの忌まわしい映像をメモリごと回収し、5人便器の映像を封印する代わりに二度と表に出さないことを坂本和宣と高梨沙由理に約束させた。
沙由理はその後和宣と別れ、今ではAVの売れっ子女優になった。
治朗は紗耶香に隷従を誓い、紗耶香の開業に合わせて、退職し、クリニックで働き始めた。
時代は変わり、看護師の専門性の獲得、男性看護師が当たり前となり、その地位も上がり、医師とは対等とは言わないまでもパートナーとしてともに仕事していく仲間と認識されている。
ただし、それは仕事の面であり、治朗は比喩的にも現実にも紗耶香の尻に常に敷かれ、週末には郊外、川辺に出かけては週末24時間便器として使われる日々に生きる道を感じていた。
完
阿部 譲二先生原作
ハルノリ改変
本編は偉大なm男小説家であられる阿部 譲二先生の原作に現代のブラッシュアップを施させていただきました。
本編作成による経済的利得はございません。
どうかご容赦ください。
ナースマン志望の男が看護学校に入るがそこは女の園で彼は女達の虐めに会う。学費に困ってインターネットで見たセックスパーティのアシスト役に応募するが、それはパーティの男女の股間に舌奉仕する役だった。現場実習で病院に配属されるが、そこではドクターになった幼馴染の女性に使われ、パーティの件が露見しその女性に罰として便器にされる
インターネットの罠
「ダメだといったらダメだ。男の癖に看護婦になりたいなんて、お前は何を考えてるんだ。……三年も浪人していくら嫌気がさしているといっても、受験を諦めて就職するというなら分かるが、看護婦の学校に入りたいとは正気の沙汰じゃないぞ」
「おかしいのは父さんの方だよ。今時の看護学校は男だって受け入れるんだ。……第一、僕のなりたいのは看護婦じゃない、看護師、つまり今流行のナースマンさ。最近ニュースやテレビドラマでも取り上げられてる結構格好いい職業なんだ」
「そりゃ、男の看護師ってことじゃないか。病人の世話がしたかったら、隣の紗耶香さんのように医者になりゃいい。好きこんで女の職場に飛び込んだってろくなことにならんぞ」
「僕だってこれまで医学部めざして頑張ってたんだ。……でも、現役から一発で合格したさっちゃんとはもう三年も差がついちゃったし、正直言って自信をなくしたんだ」
……………………
パソコンの前で頬杖をついて物思いにふけっていた立松治朗の脳裏に、以前父と交わした会話が昨日のことのようによみがえっていた。
母が亡くなった後、男手ひとつで一人息子の治朗を育ててくれた父も、あの会話の翌年に突然病死してしまう。
親戚のところに身を寄せ、志望通りに看護学校へ入学したものの学費が続かず休学。
それでもなんとか奨学金を貰えることになって復学したが生活は苦しかった。
それに当然のことながら、クラスの殆どが女性という現実は彼に心理的なプレッシャーを与えたようで、あせる割りには成績もぱっとしない。
気晴らしに身近な女性達からガールフレンドを選ぶ気にもならなかった。
ふと、パソコンの画面に目をもどすと、そこには人気の高い出会い系の掲示板が開かれている。
治朗が憂さ晴らしに毎晩訪れるインターネットのサイトがそこにあった。
パートナーを求めるメッセージの羅列に食傷した治朗は、横のメニュー欄をクリックしパーティのタブを押す。
そこは殆どがセックスパーティの案内や会員の勧誘である。
なにげなく眺めているうちに、その中のひとつに治朗の目がとまった。
シティホテルのスィートルームでのスワップパーティの案内だが、珍しく若い単独男性の募集をしている。
しかも謝礼付きだった。
この種のパーティは通常カップル限定で単独の男女は受け入れないのが普通である。
このところ生活費の足しにとパートの働き口を捜していた治朗は、興味に駆られて、ふと、記載のメールアドレス宛に問い合わせをしてみる気になった。
翌日、返事のメールが入った。
驚いたことに、パーティでのアシスト役の仕事をするだけでかなりの額の報酬を支払うとあった。
詳細は面接時に説明とある。
迷った末に治朗が面接に応じる決心をした心の底には、報酬のほかに、女性に囲まれた学生生活で鬱積した性への好奇心が潜んでいたことは否めなかった。
指定されたホテルのロビーで出会ったのはどことなくやくざっぽい雰囲気の髭面の中年男で、自らパーティの主催者と名乗った。
「パーティを成功させる秘訣は女性を満足させることさ。男は新しい女と寝て射精すりゃ一応満たされる。しかし、女は違う。相手の男の女扱いが下手だったら不満が残るもんだ。そこで、女を百パーセント満足させるためにアシスト役が必要なんだ」
「で、でも、僕は……セックスの経験は……」
「経験より若い耐久性さ! それも舌のな」
「舌ですって?」
「そうさ。挿入は相手の男がするのさ。アシスト役はそれに舌で協力して女を満足させる。わかったかな」
「で、でも……」
「やり方は、ちゃんと指導するから心配しなくともいい。だが、こちらも、どこの誰ともわからない者を使うわけにも行かないんだ。何か身分を証明するものを見せてくれ。……なに、秘密は絶対に守るから信用してくれ」
治朗がしぶしぶ差し出した学生証を手に取ると、男は仲間に見せるからと席を外した。
5分もかからぬうちに男は若い女を伴って戻ってきて治朗にパートナーだと紹介した。
スタイルのよい目鼻立ちのはっきりした女で思わず周囲が振り返るほどの美人である。
治朗は、なにか圧倒される思いだったが、一方、かすかに胸のときめきを覚えた。
採用すると決まったら通知するからと言われて立ち去る治朗を見送りながら、彼の背で、二人はにんまりと笑みを浮かべて互いに顔を見合わせる。
「よさそうなのが罠にかかったわね」
低く女が呟くと、男は満足げに頷いた。
クラスメートの虐め
「立松君、遅刻の罰に今日はトイレ掃除よ!」
クラス委員の森元繚子が、頭ごなしにきめつける。ムッとして言い返そうとした治朗の前にパラパラッと数人が立ちはだかった。
繚子の取り巻きの女生徒達である。
第一時限の授業が終わって廊下に出た治朗を囲むように立ちはだかった。
「君が教室の変更を連絡してくれなかったせいで遅れたんじゃないか。ひどいよ」
治朗が弱々しい声で抗議する。
「でも、遅刻は遅刻よ。クラス全員で決めたことは守って貰うわよ!」
なにせ、三十人のクラスで二十七人までが女性である。治朗を含め三人の男子生徒のうち一人は休学、もう一人は病気を理由に姿をみせない。
看護師という女性専有の職場に割り込んで来た物好きな男性として、治朗はクラス全員から異端視されてしまっていた。
従って、ことごとに苛めの対象とされる。今回も明らかに繚子の仕組んだ罠だった。
放課後、広い女子トイレの中で黙々と床にモップを掛ける治朗は、出入りする女生徒達の笑いものにされた。
「男のくせに、女のトイレでお掃除なんて、最低ね!」
「でも、嬉しそうだわ。きっと変態よ」
「君ぃ。それでもおチンチンついてるの?」
調子に乗った一人が笑いながら木の枝で彼の股間を突いた。
「な、何をするんだ!」
「ワーッ、怒った、怒った」
気色ばんだ治朗を囲んで囃し立てる。
「アラ、こいつ、あそこが膨らんでるわ」
「いやだ、勃起してるのよ。いやらしい!」
ムッとする女の臭いがトイレの臭気に混ざり、もやもやした気分になっていたところを
刺激されたのである。自分の意思に反して股間が硬くなったのも無理からぬ事態だった。
顔を赤らめ、女達に背を向けてモップでタイルを擦る治朗の目に悔し涙がにじんだ。
翌日の昼休み。キャンパスの片隅で治朗は繚子達に囲まれていた。
「君ぃ、昨日女子トイレで一体何を考えて掃除してたの? あちこち覗き込んで股の間を膨らませていたって評判よ」
「妄想ばっかりしているから、そうなるのよ。痴漢もいいとこだわ。恥ずかしくないの?」
「私達が事務所に言いつけたら、即、退学になるわよ。それでもいいの?」
女達は、口々に彼をチクチクといたぶる。
それでも黙って俯いている治朗を見ると、弱いもの虐めの興味をますます募らせていった。
無抵抗の相手を見ると、なおさら虐めたくなる集団心理である。
「私達で、こいつに焼きを入れてやろうよ」
「そうだそうだ。退学したくなかったら、素直に私達の言うとおりになるんだよ」
その時、午後の授業開始のベルが鳴った。
ノックアウト寸前でゴングに救われた思いで、治朗は素早く教室への人の流れに逃げ込んだ。
しかし、この件は、それでは済まなかった。たとえどんな理不尽な理由でも、こじ付けでも、女達は治朗を表立って虐める機会を逃がしはしなかった。
週末休みの前の金曜日の午後、人気の無いロッカールームに連れ込まれた治朗は、繚子とそのグループの女達に集団リンチされたのである。
クラスの名誉を傷つけた男に同級生として罰を与え、思い知らせるという名目だった。
素裸で四つん這いにされた治朗は、股間の一物の根元を紐で括られてロッカールームの中を引き回された。
次いで、六人を数える女達が上履きのまま治朗の顔を踏みつけにして、鼻と口を覆うように抑えつけられると窒息しそうになって、もがきだし、さっと女達の脚が除けられると繚子が治朗の頭側から近づくと顔をまたぎすっくと立ち上がったまま、治朗を見落とした。
治朗には繚子のパンティがもろに目に入り、股間の一物がみるみるうちにそそり立った。
ワッと女達の笑いがはじける。
最後は、仰向けに寝かされたままの治朗の顔の上に繚子がゆっくりとしゃがみ込み、ちょうど鼻孔にアヌスが重なるように殿裂奥深く、顔面をとらえ、位置を合わせてきた。
治朗は息苦しさと繚子の強烈なアナル臭から逃れようと身をよじっていた。
どうしても逃れられないと分かると治朗を観念したように動きを止め、繚子が時々少しだけ尻を浮かすたびに必死の呼吸を繰り返し、ギリギリの息継ぎで、命をつないでいる有様であった。
女の尻に敷かれて呼吸管理されるという屈辱は、治朗の男としての誇りを砕き思考力を奪った。
長時間顔面にべったりと尻を乗せて、呼吸路を完全に絶つと治朗がけいれんし始め、それが徐々に弱まってきたところで、さっと繚子が立ち上がり、治朗を見下ろしていた。
「いつでもお尻の下で死なせてあげる」
その言葉に頭の中が真っ白になり、悔し涙が目尻から流れ落ちた。
屈辱のアシスト役
クラスメートの女達に散々辱められて以来、治朗のクラスでの地位は急落した。
女達の視線に蔑みがこもり、〝お前は繚子さんに完全服従したんだよ〟と言外に囁かれている気がして、治朗の態度は卑屈を極めた。
授業中も最後列で小さくなっていたし、休憩時間中は女達に横柄に雑用を言いつけられたり腰を揉まされたりする。彼女等に家来というよりまるで奴隷のように扱われた。
二学年に進級した春の日のことである。
帰宅した治朗へ突然の電話だった。
すっかり忘れていたが、一ヶ月前に会ったパーティの主催者からである。アシスト役として採用するのでこの週末にトレーニングを受けて欲しいというのだった。
丁度授業料を納めたところで懐がさびしく少しでも収入につながると思うと断れない。
それにクラスでの女達の虐めで憂鬱な毎日を過ごしている治朗にとって、少しでも気分転換になるかもとの期待もあった。
指定されたトレーニングの場所は主催者の男の自宅だった。
ドアを開けたのは先日彼にパートナーとして紹介された若い女である。
どうやら二人は同棲しているらしい。
「俺達が練習台になってやるから、しっかり覚えるんだぞ。いいか、まず挿入前の前戯だ。男が相手の女を気に入ってればほっといても問題ない。しかし、気に入らない相手と組まされた男はどうしても前戯がおざなりになる。気持ちが萎えてなかなか勃起しないこともあるんだ。……そこで、アシスタント役のお前の出番だ」
「………………」
「初めての相手と事を始める時にはたいていは抱き合って唇を合わせる。その間に男の手が女の乳房や股間をまさぐるのが普通だ。この時男のものがまだぐんにゃりしてたら、気乗りしてない証拠さ。ここで女が気を利かして男のものをくわえてフェラすればうまくいくんだが、初めての男だと抵抗がある女がいる。俺があらかじめその点を聞き出しておくから、お前はそんな場合に足元からそっと声を掛けるんだ」
「な、なんて言うんです?」
「決まってるじゃないか。お手伝いさせて下さいと断って男のものを咥えるんだ」
「私がですか?」
「そうさ、フェラのテクニックは俺の女が後で教えるからマスターしておいてくれ。……
それから次が本番だ。〝嵌め舐め〟の希望者は大抵女だ」
「嵌め舐めですって?」
「そうさ、挿入時の結合部舐めのことさ。もっとも、結合部に限らずクリやアナルを舐めてくれという客もある。これには挿入の体位が関係するから、あとは実習に移ろう」
男は裸になって六畳間に敷いた布団の上で女と抱き合って見せた。
「まづ、カップルが正上位の挿入の時のお前のポジショニングだ。」
男の指示に従って治朗は二人の横手にまわった。仰向けに寝て足を広げた女の上に男が
のしかかる体位である。そこで女が足の膝を立て、出来た空間に横から治朗が頭を差し入れる。
女のアナルのあたりに横から顔を当てがうとその上から男の股間が覆いかぶさり目の前で挿入が行われた。
しかし、男はそこで挿入を中止して次の体位に移った。
今度は治朗が仰向けに布団の上に寝た後、女がその身体の上に仰向けに横たわる。
ただし、頭と足を逆に寝るので女の股間から治朗の顔が覗いている。その更に上に男が覆いかぶさる体位で、二人分の体重がもろに掛かる。
「挿入中に女のアナルを舐める時はこれでいいんだが、女がクリを舐めて欲しい時はワンワンスタイルの挿入をして貰って、お前がその下に入るんだ。そら、やってみろ」
治朗は、四つん這いになった女の身体の下にシックスナインの形で身体を滑り込ませて女のクリトリスに舌をあてがった。そこに男が後ろから治朗の鼻を一物でこするようにして挿入する。額の上にぐにゃりとした陰嚢が載っている。
「この態位で一発やるからな。しっかり舐めるんだぞ」
男の腰が前後に揺れピストン運動が始まる。
女の膣からねっとりした陰液が流れ出して治朗の唇を濡らした。舌先を伸ばしてクリの周辺から膣に出入りする肉棒のあたりまでを懸命に舐め続けた。
「いくぞ!」
男の動きが激しくなり、それにつれて女の肉襞が治朗の唇に押し付けられる。と、急に動きが止まってヒクヒクとかすかな肉の痙攣が伝わってきた。肉棒をくわえ込んだ膣孔の縁から白い液がジワッと湧き出してくる。
「こぼさない様に全部口で受けろよ!」
肉棒が治朗の額の上を滑りながら引き抜かれると、ドッとばかりに膣孔から白濁したねっとりとした液が溢れ出して来た。
慌てて舌と唇を使って液を吸い取る。
ズズズッと音がして生臭い液体が彼の口中を満たした。ゴクンと喉がなった。
「クククッ、こいつ飲んでるわよ」
「見こみ通りだ。こいつは素質があるぜ」
女の蔑むような声音に続いて二人の笑い声が聞こえた。途端に、ドッと激しい屈辱感が押し寄せて来る。
女は膣孔を治朗の口にあてがったまま身体を起こして顔の上に跨った。
女の体重が顔面を圧しピンク色のアヌスが彼の鼻腔に当たって呼吸ごとに異臭がツンと鼻の奥を刺激する。
「舌の先を穴の中に入れるのよ。そうそう、そのまま吸ってごらん」
ドロッとした粘液が口中に広がった。ゴクリと飲み干すとすぐ後からまた流れ込む。
暫くして流れが途絶えた頃、女の尻がゆっくりと前後に揺れ始めた。クリと膣口が彼の唇を蹂躙し、ピチャッピチャッと隠微な音を立てる。腰が揺れる度にじっとりと湿ったアヌスが治朗の鼻腔に擦り付けられた。
「ホラ、しっかり舌を使えよ。パーティの時はこうしてみんなに使われるんだからな」
男の声が女のいきみ声に混じって耳に入った。そのうち女の腰の動きが激しさを増し、内股を微かに痙攣させて止まる。
暫く治朗の顔の上で余韻を楽しんだ女はやっと尻を持ち上げ、ニヤニヤしながら股の下の治朗の顔を覗き込んだ。
「まあまあ、お汁が一杯だこと」
紅潮した治朗の顔の全面をべっとりと陰液が覆い、女の股間まで糸を引いている。
「合格だな。来週から、早速アシスト役としてパーティに出てもらうからな」
見習い看護婦修行
二年間の学校生活を終えると、全員が現場で実習生として一年間の見習い訓練を受けることになっている。
クラスのメンバーもばらばらになって、あちこちの病院に数名づつ配属されるのである。
治朗はこの看護学校を主管している公立病院で勤務するよう指示された。
クラスメートの陰湿な虐めからやっと開放される期待で胸を弾ませていた治朗は、同じ勤務先に森元繚子も配属されていることを知ってがっかりした。
あのいまわしいリンチの首謀者でもあり、あれ以来〝焼きを入れる〟との名目で彼女のグループに何度もいたぶられてきたのである。
繚子の脚に顔面を挟まれて、それから長時間顔面に座られ、嫌というほど繚子の尻臭を嗅がされてきた。
ようやく解放されるのかと思っていたら、尻を上げた繚子がさっとパンティを下ろし、真っ白な尻をさらすとすぐに治朗の顔に位置を合わせて腰を下ろし、治朗の鼻孔にぴったりと繚子のアヌスが密着していた。
匂いより粘り着くようなうごめく生き物に鼻を覆われたようで、恐怖心が半端ではなかった。
それから、繚子のアヌスが口元にずらされてると、舌奉仕を強要され、屈辱を何度も繰り返して経験させられている。
「トレペ男、便器男」繰り返し、揶揄された。
配属先での職場が遠くなるように祈っていた甲斐もなく、繚子と同じナースステーション勤務となってしまった。
治朗と繚子を含め四人の見習い看護婦達の所属は内科病棟である。
そこの中央ナースステーションにはロッカールームとナース専用のトイレが設けられていた。
すぐに問題になったのは治朗のロッカーだった。
まさか男の看護士がナースステーションに勤務する時代が来るとは誰も考えてない。
やむを得ずトイレの入り口にある掃除道具入れが彼のロッカーを兼用することになった。
看護士用の白衣も用意されていない。まさかドクター用のものを使うわけにもいかず、これも、とりあえず看護婦用のものが与えられた。
男の身でスカート付きの白衣を着せられた治朗は、気恥ずかしさが先に立ってどうにも落ち着かない。
早速、看護婦達の好奇の視線を浴び、ことごとにからかわれた。
「アラ、よく似合うわよ。でも、ちょっと変態っぽいかな」
「あんた、これでどっちのトイレに入るの?」
「男の患者さんに、お尻でも触られたらどうするの? フフフ」
午後になると、チーフナースに付き添われて関係先に挨拶に回った。
受付や事務所の職員達に顔を合わせた後、ドクター達の個室をまわる。
夜勤の宿直医を除き内科病棟だけで十人からの医師がいた。
何人目かの個室の名札に〝高木紗耶香〟とあるのを見て治朗はハッとした。
彼が三浪の末諦めた大学の医学部に現役で入学した、あの幼馴染の紗耶香と同姓同名である。
まさか、との気持ちがあったが、ドアを開けて入ると果たして彼女だった。
チーフナースの後ろに隠れるように従った治朗を見つけた紗耶香は目を丸くした。
「治朗さん、貴方なの?……何、その格好は? スカートなんか穿いちゃって。プーッ……もっとよく見せて。クククッ」
紗耶香は思わず噴き出し、そのまま笑い転げんばかりだった。
「さっちゃん、お久しぶり。……えーと、今日から……こちらにお世話になる……立松治朗です。よろしくぅ」
顔を赤くした治朗は、気を取り直して他の三人と一緒に深々と頭を下げる。何と言っても病院のドクターといえば、看護士にとって雲の上の人だったのである。
「分かったわ。立松君は看護師になったんだったわね。……しっかりやって頂戴」
ようやく笑いを収めた紗耶香は挨拶を返した。
その日の午後、治朗は改めて紗耶香の部屋に呼ばれた。
久しぶりで一対一で会う幼馴染の紗耶香と気の置けない会話が出来ると喜んでいた治朗は、いきなりその期待を裏切られた。
「立松君、そこで立ったままよく聞いてちょうだい。……この病院ではね、看護師がドクターに気安い口をきいてもらうと困るの」
「ぼ、僕は看護師を誇りに思っているんだ」
「あら、それは結構ね。ドクターとナースは協力し合うのが大切よね。そのためには秩序が大切なのよ。これからも私にはちゃんと敬語を使って頂戴」
「で、でも二人きりの時は……」
「二人きりだって同じこと。私達は今じゃ身分が違うのよ。……そう言われても分からないかも知れないから、私が、身に沁みて分かるようにトレーニングして上げる」
「…………………」
「明日から、勤務の間に、お前に私の身の回りの世話をさせるわ。靴磨きに、この部屋の床掃除、それと、私の腰も揉んでもらうわ」
急に、お前と呼ばれたばかりか、思いもかけぬ冷たい仕打ちに治朗は言葉を失った。
「あ、それから、昔、受験の前にお前が私にくれた手紙を覚えている? ホラ、これよ。中身は覚えているでしょう? 二人とも合格して医者になったら将来結婚してくれと書いてあるわ。お前は落伍したんだからこれは無効だわね。ホラ、こうして返してやるわ」
紗耶香は、手許の黄ばんだ封筒から中の手紙を取り出し、顔に当てると音を立てて洟をかんだ。丸めてポンと床に投げる。
「ソラ、犬のように四つん這いになってその手紙を咥えてごらん」
これまで度重なる看護学校のクラスでの虐めや、パーティの主催者カップルからの辱めを経験しているうちに、女性の命令に自然と卑屈に反応する習性が治朗の心に根付いてしまっていたのかもしれない。
彼は、言われるままに四つん這いになって丸めた手紙を口に咥えたのである。
「口の中に入れて……味わって……そして食べちゃいなさい!」
紗耶香あてに昔書いた恋文で洟をかまれて、それを四つん這いで食べさせられる……そんな屈辱にも甘んじて耐えられる事自体、治朗にも不思議だった。
塩っぽいドロッとした紗耶香の洟汁をクチャクチャ音を立てて味わう男。それを見下ろす紗耶香の目は、激しい蔑みで満たされていた。
セックスパーティの慰みもの
例のパーティ主催者カップルにトレーニングを受けて以来、治朗のもとには毎週のように呼び出しが掛かるようになった。
週末の土曜日の晩には定例のスワップパーティが、ホテルのスイートルームを借り切って開催される。
出席者は多い時で十組を超えるし、少ない時でも最低五組が確保される。それ以下だとパーティそのものがキャンセルになる仕組みだった。
アシスト役は、結局治朗一人しかいないので出席者の殆どを相手にする重労働だった。
奉仕を希望する男性・女性は足に赤いゴム輪を嵌める決まりになっていて、大抵、男性の約三割、女性の約八割が希望する。
男性の場合、治朗のフェラでも勃起しないケースが時々あるが、女性の場合は百パーセント満足する、というより満足するまで治朗の顔を股間から離さなかった。
最初の顔合わせから相手選びが終わると、成立したカップルは思い思いに部屋の空いている空間で抱き合い愛撫しあう。この段階から治朗の出番が始まるのである。
足首の赤いゴム輪を目で追って、抱き合っているカップルの股間に首を入れる。そして、ぐにゃりとした一物を咥えるのである。
勃起したとたんに次のカップルへと移動する。そして全員の挿入が始まると、今度は女性の足首のゴム輪を見ては結合部や女性のクリに舌を這わせる。
しかし一番辛いのは、セックスの終わった女性の股間に顔を敷かれて男の精液を吸い取らされる作業だった。
殆どの女性がピルを服用していて、中出しが普通だったからたまらない。夕食抜きで胃を空にしておかないと支障が出るほどの量だった。
ひとわたりセックスが一段落すると、全員が部屋の片隅に設けられたスナックテーブルの周りに集まって暫く休憩する。
その間に次の相手を物色して第二ラウンドが始まるのである。
治朗は、哀れにも、その休憩の間も、未だ満足し足りない女性の尻に顔を敷かれ、繰り返しその股間で唇や舌を蹂躙され続けていた。
第三ラウンドが終わると漸くお開きになって全員が帰るが、治朗には未だ仕事が残っている。皆の世話でセックスに参加していない主催者のカップルにたっぷりと奉仕させられるのだった。
月に四回ないし五回、それも殆どが週末の土曜日だったが、治朗の舌が酷使される状態が続いた。
その割には治朗の報酬はたいした額ではない。
参加カップルから取る高額の会費の殆どは主催者のカップルの懐に入るのだった。
たまりかねた治朗は報酬のアップを申し入れたが話が付かない。
遂に治朗はきっぱりとアシスト役を辞める旨通告して、彼らと縁を切ったのである。
転落のエピローグ
丁度、実習勤務の方が忙しくなってきて、週末も交代で出勤の割り当てが回ってきた。
治朗がパーティのアシスト役を止めたのはよい潮時だったのである。
しかし、ナースステーションでの勤務は楽なものではなかった。
それに、治朗の仕事には紗耶香の部屋で彼女にこき使われる時間が加わっている。
彼女への昔の恋文を屈辱的な仕打ちでつき返されて以来、治朗は紗耶香の所謂、〝身分を認識させるためのトレーニング〟を毎日のように強要されていた。
彼女の前で四つん這いになって床を拭く治朗に、紗耶香は心がこもってないと難癖をつけて頭を靴先でこづく。
そして、掃除が終わると決まって腰や脚のマッサージをやらされた。
しかし、治朗にとって所謂初恋の人である紗耶香のそばにいられるだけで心が満たされた。
一方、紗耶香の方も、足元にじゃれ付く子犬のように自分を慕う治朗を、蔑みながらも哀れに思うこともあった。
ところが、ある日、そうした関係を一挙に変えてしまう様な事態が発生したのである。
レントゲン撮影の実習のため、放射線科で一週間の訓練を受けて内科に戻ってきた日のことである。
久しぶりで紗耶香の部屋の掃除に訪れた治朗の前に、彼女はポンと分厚い封筒を投げてよこした。中から出てきた写真を広げて見る治朗の手がブルブルと震える。
例のパーティでアシスト役を勤めている彼の無様な姿がカメラに捉えられている。
それも、精液にまみれた女の股間に舌を這わせているところや、カップルの結合部に顔を押し当てている場面が彼の表情のアップと共にはっきりと写し出されているでは無いか。
アシスト役を一方的に止めた際、パーティの主催者の男が、〝覚えてろよ!〟と怒りに震える声で叫んだのを思い出していた。治朗に止められた腹いせにパーティで撮った写真を送りつけて来たに違いなかった。
「治朗、治朗さん、何よ、これ。一体どうなっているのよ。」
「いや、これ、あ、だから、その、あれですよ」
まともな文章にならない言い訳を述べ立てようとしたところ、乾いたいい音の紗耶香が治朗の頬を打つビンタが鳴り響いた。
「変態。こんなことして、何が面白いのよ。どうするのよ」
「なんだかストレスがたまっちゃってさ、乱交パーティがあるっていうから、参加したら、だまされて」
「バカッ、もう、ほんとうにどうしようもないわね。こればらまかれたらどうするのよ」
「どうしよう」
「もう、しらないわよ。あんたなんてどうなったって、私には関係ないんだから」
そう突き放すと治朗は床に両手をついて、声にならないうめき声のような低い泣き声を漏らし、医学部を諦めたこと、それでも気を取り直して看護師として働くと決めて、頑張ってきたこと、研修は大変だが、これからの道が見えてきた光を感じ始めていたこと、それらすべてが一気に瓦解していくのを感じていた。
それをみていると紗耶香は強い罪悪感に包まれてきていた。
”こっちだってストレス一杯で、治朗さんにひどいことしちゃった。本当はあのラブレターうれしかったんだから”
「もう、本当に馬鹿なんだから、、、」
紗耶香も涙をみせた。
「向こうの情報をちゃんと持っているの?」
「主催者のマンションに行ったことがあるから」
「参加者に知り合いはいないの?」
「主催者しか分からないんだ」
「もう、本当に馬鹿ね、脇が甘いも何も、スカスカじゃない。いつからそんなふぬけになったのよ。医学部に落ちたくらい何よ。私をみて幸せそうに見える?」
治朗は顔を上げ、紗耶香の頬を伝う涙を見つめていた。
本気で女を怒らせると
紗耶香は翌日、病棟主任の看護師を呼び出し、飲み会を提案した。
その日から紗耶香は繚子を何かとかわいがり、重用した。
院内の研修会の発表に治朗と繚子を引き出す事として、3人で数日かけて夜中までスライドを作り、発表の準備に勤しんだ。
繚子とは二人で遅い夕食も摂り、飼い慣らしていった。
すっかり気を許した繚子は看護学校の同期にも声をかけ、紗耶香のおごりで食事会、カラオケなど歓談の時を重ねていた。
その一方、事務長に興信所の知り合いを紹介してもらい、相手先の情報を細かく収集していた。
坂本和宣、38歳、出身地尼崎で、工芸の仕事を通じて裏の世界に足を踏み入れたことが分かった。
女は、高梨沙由理、27歳、出身地横浜で、レースクイーン上がりだが、AV出演が発覚して、ラウンジに勤めている折りに坂本と知り合ったらしい。
現在、坂本と同居しているが、入籍はしていない様子。
坂本は離婚歴2回、高梨は未婚で、二人とも子供はいない。
坂本はバイセクシュアルで、さらにSでもMでもこなす変態性欲の持ち主であった。
坂本は未成年に対するわいせつ行為で検挙歴があった。
二人とも薬物依存が疑われているという情報も入っていた。
治朗と繚子の院内研修会での発表は院長も出席し、質疑応答も無事こなし、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
会の後、治朗は紗耶香の部屋を訪ねた。
「紗耶香先生、本当にありがとうございました」
治朗は床に突っ伏して、紗耶香の足の甲にキスをした。
「さあ、繚子さんと3人出かけるわよ」
22時を回ったレストランで、食事をしながら、紗耶香と繚子はきわどい女子トークを始めていた。
赤ワインをカパカパ空けていく繚子に治朗は酔い潰れやしないかと心配になったが、発表会の緊張が解けて、はじけ飛ぶような気分もまた大切かと考え、黙ってみていることにした。
酔うにつれ、繚子が紗耶香に絡んでいく。
「先生はどうして治朗なんかにも優しくするんですか?」
「あら、そんなことないわ。かなり厳しいと思うけど」
「そうでしょうか。治朗なんて、雑巾みたいなものだと思いますけど」
「雑巾かあ、確かにそうね。なんにでも使えて便利よね。要らなくなったら捨てちゃえばいいんだし」
「そうですよ、だから、治朗なんかどうでもいいんです」
「そうね、でも入ったばかりの看護師達って、ストレスに潰されちゃうことが多くて、離職率が高いから、きちんと指導するようにって、院長から言われているのよ」
「私は大丈夫ですけど」
「そうね、繚子さんは乗り切れそうね」
「治朗って、学校の頃から、要領が悪くて、皆相手するのが大変だったんですよ」
「今でも変わらないわね。まあ、大事な同期なんだから、いじめてばかりじゃダメよ」
「そう、そう、いじめと言えば、治朗って、虐められてると興奮する変態なんですよ」
黙ってやりとりを聞いていた治朗は、ガタッと音を立てて、座り直した。
「虐められるのに慣れたって事かしら?繚子さんは男性を虐めるの好きかしら?」
「そんなことしたことないから分かりません」
猫をかぶる繚子をみて、治朗は驚きの表情を浮かべた。
「何よ、治朗ったら。私が男性を虐めるのが好きだって言うの?」
「いえ、いえ」
テーブルの下で繚子が治朗に蹴りを入れた。
「さて、ごちそうさまして、もう出ようか」
治朗はもう一件出かける二人を見送り、寮に帰った。
紗耶香は日常業務の後、探偵からの情報提供書を読んでいた。
スワッピングパーティの参加費のほかに風俗店の経営とアダルトビデオの販売まで行っていることを知った。
高梨沙由理の交友関係、行動パターンから糸口を見いだせそうな気がして、さらに調査を進めると坂本和宣と同棲しながらも医師・弁護士・実業家限定のパーティに頻回に参加していることが分かった。
医学部の同期にレースクイーンが大好きな遊び人の同級生がいることを思いだし、高梨沙由理が男あさりしているパーティの情報を同窓会の案内に添付してみることにした。
同級生はレースクイーンという言葉にすぐに引っかかり、次のパーティでマッチングが叶い、坂本和宣と高梨沙由理の引き離しに成功した。
紗耶香は、高梨沙由理が同級生とデート中に濃密なキスシーンやホテルでの逢瀬の記録を探偵に取らせるとその時の写真に坂本和宣にリークすると裏書きして、封筒に入れ、繚子の友人を小遣いを渡して、高梨沙由理をつけさせ、隙を見て、トートバッグに封筒を入れることに成功した。
高梨沙由理が坂本和宣とさらに強く結びつく恐れもあったが、したたかで計算高い高梨沙由理のことだから、自身を守るためならこちらの要求をもむに違いないと読んで、紗耶香は繚子に作戦を説明した。
繚子は高梨沙由理にコンタクトを取り、次回のスワッピングパーティの詳細、参加者名簿を入手し、5名の女子参加を追加させ、全員坂本和宣との絡みを演じると伝えた。
スワッピングパーティとしては異色のショートも言えるが、若い女性5名とのセッションは盛り上がりが期待できるので、高梨沙由理にとっては、どんな脅しが待っているのかびくついていたところになんだか拍子抜けするような依頼内容で、うれしいような怖いような感覚であった。
坂本和宣には、参加者からの要望で、多人数と若い女性との絡みを見せてほしいとだけ伝えるように命じられていた。
紗耶香は繚子に看護学校時代の仲間を集めさせ、ショーの内容、具体的な役割を告げた。
全員初めての経験ではあったが、紗耶香の提示した謝金に断るものはいなかった。
看護師という職種から、排泄行為を見慣れており、特別な思いを抱くことがないという点は思った以上の利点であった。
トイレ以外で、どんな場面、状況でもすぐに排尿できること、ショーまでに便通を必ず整えておくこと、これだけが、必須の要請項目であった。
ショーまでに3回、紗耶香を含めて6名ホテルに集まり、紗耶香の監督の下、5人とも立位のままで即座に排尿できること、人前で1分以内に排便できることを確かめ合うと、異様な連帯感が生まれていき、3回目の最終会合では、互いに励まし合い、普通にトイレを使用するような自然さで処理できるようになっていった。
それまでただ指示を出すだけの紗耶香が、最後に良いものを見せてあげるからと告げ、手を二回たたくとホテルのトイレから四つん這いで、おむつをした治朗が出てきて、紗耶香が首輪に鎖をつけて、5人の前に引き出した。
「さあ、治朗。皆に挨拶するのよ。みななん、久しぶりよね」
学生時代皆でいたぶった治朗が美しい女医に犬の散歩みたいに連れ出されているのをさもありなんと驚くこともなく、5人の目線を浴びることになった。
治朗はくるんとひっくり返り、腹を見せて、何かねだるような姿勢を取ると紗耶香が胸から腹部をなで回し、あまりに気持ちがよいのか、目をとろんとさせ、紗耶香のなすがまま、犬になりきっていた。
「紗耶香先生、いつの間に治朗をペットにしちゃったんですか」
繚子が驚いていると
「私のストレス発散用に飼うことにしたのよ。皆さんもペットを飼うと何かと便利よ。ショーで頑張ったら、参加者の男性から声がかかるかもしれないわね」
「ペットって何をするんですか」
そんな声が上がると紗耶香は首輪につけたチェーンを引き、治朗をハイヒールで軽く蹴ると大げさに床に転がる姿に苦笑した。
「オーバアクションね。こんなんじゃ、使えないわ。今度SMのスワッピングセッションに参加しようと思っているのにこれじゃ恥ずかしいわね。ほら、お友達にみられてどんな気分かしら。次はみんなペットを連れて集まろうかしらね」
紗耶香はヴィトンのバッグから鞭を取り出すと治朗を打ち据え、ミミズ腫れの胸部腹部から大腿にかけて、真っ赤なろうそくを垂らしていった。
「知ってると思うけど、これ低融点パラフィンだから、全然熱くないのよね。見た目が派手なだけで、実体を伴わない。こんな救急患者一杯いるわね。だまされちゃダメよ。じゃ、これはどうかっていうとね」
紗耶香は和ろうそくを取り出し、小さなしずくを一つまた一つと治憲の首や太ももの内側に垂らしていく。
みるみる治朗の顔が血色ばんできて、今にも叫び声を上げそうになって、身をよじるのが、面白い。
「このろうそくはね、金沢の学会に行った時に買ったのよ。小さな一滴だけど破壊力抜群よ。高融点で、一晩保つし、香りもとっても落ち着くから大好きなのよ」
治朗の内股は真っ赤に腫れ、その熱さと痛みは容易に想像がつき、それを目を輝かせて楽しむ女医の残酷さを繚子も友達も見つめていた。
「ほらほら、こんなことで逃げてたらダメでしょ。私たちは困難に立ち向かうのがお仕事でしょ。まだまだ痛みは続くのよ」
今度は紗耶香の赤いハイヒールが治朗の肋間、腹部、太ももに突き刺さろうかというエネルギーを持って、炸裂する。
思わず治朗の悲鳴が響き渡る。
「うるさいわね。痛いのも苦しんでいるのも患者さんなんだから、私たちが悲鳴を上げてどうするのよ。プロ意識が足りないのよ」
痛みに耐えることが看護師としての修練に役立つのか甚だ疑問に思いながらも皆宇頷いていた。
治朗の口をヒールの底面で押さえつけ、黙らせようとするのが、いかにも医師と看護師の力関係を象徴するようで、皆黙って眺めるばかりであった。
「ようやくおとなしくなったようね」
紗耶香は治朗の顔を大げさにまたぐ仕草を見せ、治朗の顔に向かってしゃがみ込み、いよいよ顔面に豊かなヒップが触れようとする瞬間にパンティを下ろし、それからどっかと顔面騎乗のスタイルを取った。
時々紗耶香が腰を振ると治朗がふぐふがと声を漏らす。
「紗耶香先生、まさか、今食べさせてるんですか」
「フフ、想像にお任せするわ」
紗耶香はさっと立ち上がると治朗に開口させ、口内の確認を行っていた。
「なあんてね。デモして見せただけよ。まだまだ便器にはほど遠いと思うわ。でもこっちなら見せてあげられるわ。ねえ、そうでしょ」
”こっちってなんだ?さっきは本当に口に出されてちゃうのかって、あせったよ。なんだか変な気分になってきたな”
紗耶香はノーパンのままミニスカートから伸びる美脚で、治朗の顔を挟み、見下ろしている。
そのまま治朗の顔を跨いで腰を下ろす。
「こうされるのが好きなんだろう? このヘンタイ! お前をね、今日から私の便器にしてやる。ホラ、しっかり飲むのよ!」
紗耶香の黒々とした茂みに包まれた秘部が治朗の顔面30センチほどに近づくとシュー、シュルシュル、シャーと徐々に息を強めて、美しい一本の水流が、治朗の口に注がれた。
かって恋文を送った相手に辱められ、便器にまで落とされた悲哀を心に噛み締めながら、ゴクリゴクリと紗耶香の小水を飲み下す治朗の頭になぜか甘い陶酔感がよぎるのだった。
スワッピングパーティの特別ショー
紗耶香は前の晩から会場ホテルに宿泊し、朝から5人集めてミーティングを開いていた。
・坂本和宣には、5人の若い女と乱交ができるから、せいぜい精力をつけておくようにと高梨沙由理から伝えてあること、当然その先の展開は伝えていないこと
・高梨沙由理は特別ショーでは特に役柄はないと思っているはず
・繚子がサインを出したら、沙由理を抑えつけて、予定通り処理すること
・男性参加者がその場でセッションを希望したら、トイレを使うか、後日のご案内をすること
・女性参加者がその場でセッションを希望したら、男性参加者に挙手してもらうこと
・用が済んだら速やかに退室すること
パーティでは高梨沙由理が司会を務めるその前に繚子が用意した500mLのグリセリンと白湯を混和した浣腸シリンジを沙由理のアヌスに打ち込み、さらにアナルプラグを差しいれた。
有無を言わさぬ早業はすべて訓練のたまものであった。
黒いゴム製のパンティをはかされた沙由理はこれから爆発のリスクを抱えながら、パーティを仕切らなければならず、坂本和宣に目配りする余裕などなかった。
ショータイムでは、坂本和宣が5名の女から同時多発性にサービスを受け、3回発射した頃から明らかに脱力に見舞われてきて、動きが緩徐になったところを見計らい、1Lの透明な漏斗に5本の透明なホースをつないだ自作の強制飲尿器を装着し、5人同時にホース内を琥珀色に染めて、それらは大型の漏斗一カ所に集められ、和宣の口にテープで固定されているので、すべて飲み干さなければ、その場から逃れることはできず、溢れそうになる漏斗に参加者達が湧きながら、なんとか全量を胃に収めることができた。
漏斗を口から外すと和宣はベッドから転がり落ち、這ってトイレに向かっていった。
それから沙由理は渡された原稿を棒読みした。
「女性の皆様、たまにはアブノーマルな世界はいかがでしょうか。きっと殿方との結びつきはよりタイトになること間違いありません。殿方には、女性の足下に置かれる惨めな自身の姿に酔う貴重な機会となります」
沙由理の声は震え、今にも噴射しそうな肛門を必死で締めていたが、繚子がさっとパンティに手を入れ、アナルプラグを引き抜くとたまらず沙由理は腰をかがめ、トイレに駆け込もうとしたところ、
「あと10分我慢するのよ」
と繚子から鬼の一言を浴び、その場に座り込んだ。
漏斗にホースをつけた飲尿器をあらかじめ作っておいたが、5セットともカップルの手に渡り、スワッピングパーティのはずが、女性のための聖水拝受講習会に変わっていき、参加者達が夢中になっている隙に5人は会場を後にしていた。
紗耶香の部屋に集合し、結果報告し、坂本和宣が5人から便器に使われるシーンが収められた動画を見ながら、勝ち鬨を上げた。
治朗と紗耶香
治朗はあの忌まわしい映像をメモリごと回収し、5人便器の映像を封印する代わりに二度と表に出さないことを坂本和宣と高梨沙由理に約束させた。
沙由理はその後和宣と別れ、今ではAVの売れっ子女優になった。
治朗は紗耶香に隷従を誓い、紗耶香の開業に合わせて、退職し、クリニックで働き始めた。
時代は変わり、看護師の専門性の獲得、男性看護師が当たり前となり、その地位も上がり、医師とは対等とは言わないまでもパートナーとしてともに仕事していく仲間と認識されている。
ただし、それは仕事の面であり、治朗は比喩的にも現実にも紗耶香の尻に常に敷かれ、週末には郊外、川辺に出かけては週末24時間便器として使われる日々に生きる道を感じていた。
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