先生との1年間

スオン

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2年12月

2年12月 10

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 先生の部屋は、ワンルームでそこまで広くない。
 部屋の中央にちゃぶ台がありソファーと兼用のベッド。
 TVがその向かいにある。
 備え付けの衣装箪笥がベッドの脇にある。
 逆側にはベランダに続く掃き出し窓。


 そんな部屋の真ん中で、先生と俺は、二人で呼吸を荒くしていた。
 フローリングの床には、2人分の白濁液が染み込んでいる。
 
 部屋の中は静寂だ。
 そばで突っ伏している先生。
 肩で息をしている。
 ずっと焦らされた挙げ句の射精だっからか、背中も汗だらけだ。
 俺も興奮が少しずつ静まってくる。
 部屋の中が、むわっとした汗とさきほど放出した精液の匂いがする

 十分後。

 俺も先生も大分落ち着いてきた。
 俺は起き上がり、先生の脇に座る。
 呼吸が落ち着いた今も、放心したかのような顔をしている先生を見下ろす。

「先生、どうだった?」
「どうだった?じゃねーよ!何やっとんじゃ!」
「え、駄目でした?」
「駄目だ駄目だ!俺のケツに、何てこと・・・」

 先生は寝ながら自分のケツの穴に手をやる。
 指を入れられて、どうなったか怖くなったのかもしれない。
 自分の指先で肛門を恐る恐る触る仕草がグッとくる。

「先生、大丈夫。指は2本しかいれてないよ」
「え・・・2本?」
「うん、まだ2本」
「2本も入れたのか?」
「そうだけど」
「ぐぅ・・・マジかよ・・・」
「先生、お尻いじるのは何回目?」
「あるわけねぇだろ」
「そう?」
「触るなぁ!」

 ふと聞いてみたのだ。
 ここまで感じているのだから、今までの人生で1回や2回、何かしらの体験があったのかと思ったのだが。
 先生のでかいケツに手を当ててみた。
 筋肉と脂肪で固く柔らかい、横に張ったケツだ。
 普段は生徒に晒すことのない、先生の、ケツ。

「そうか・・・じゃあ、俺が初めてだったんだ」
「あぁ!?あぁ、そうだが」
「そっか、嬉しい」
「なっ・・・お前、そういうこと言うんじゃねぇよ!」

 なんだか、前みたいなやり取りだな。
 すごく懐かしい感じがする。
 話していることは異常なんだけれども。
 今日のことも、俺のカミングアウトも、なかったことになるかのように感じた。

「ねぇ、先生」
「なんだよ」
「いつか、また、今日の続きやってもいい?」
「馬鹿っ、駄目だ!何言ってやがる!」
「・・・駄目か」
「当たり前だ!」

 分かっていたことだ。
 どんなにケツが感じたって、俺と先生は男同士。
 先生はノンケだ。
 何より、先生と生徒だ。
 今日のようなことができただけで、俺は幸せだと思うべきなんだ。
 好きな人と、好きな人の部屋で、身体を触れ合って・・・
 先生は起き上がり、俺の横に胡坐で座りなおした。 

「・・・そうですよね」
「・・・そんな顔をするなよ」 
「ううん、先生、ごめんね。今日は色々ありがとう」
「急に真面目になったな」
「俺、先生の生徒になれて良かった」
「???」
「今日も、部活に付き合ってくれて、俺のことを慰めてくれて・・・」
「・・・」
「また、前みたいに、話してもいいかな?」

 先生は俺の顔を見てきた。
 その表情は、あきれたような顔をしている。

 先生は俺の頭に手を置いた。

「良いに決まってんだろ?馬鹿野郎」

 俺はまた泣きそうになった。

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