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談話

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「しかし、シシーには驚かせられるのう。全ての魔法が無詠唱じゃないか」

皆で夕飯を食べながら初日の反省会をしていると、不意にエルムンドがシシーを褒めた。

「だって、ほら!シシーちゃん大天才だから!おまけにプリチーなもんだから、手がつけられないよねー!」

「はっはっはっ!そうじゃのー!それにジルとダツマだって大したもんじゃ。マメスの推薦に間違いはなかったのー」

エルムンドの言葉にガスタが眉間に皺を寄せるが、反論はしなかった。さすがに一緒に戦えば認めざるを得ない部分があったのだろう。黙々と保存食を食べている。

「明日もこのまま森の奥に向かって西へと進む。更に強力な魔物との戦闘が予想されるから、休める時はしっかり休んでくれ。それで、夜番じゃが、最初にワシとシシー、次がジョアンとジル、最後がガスタとダツマで回そうと思うがよいか?」

全員が頷き今日の夜番が決まった。俺とシシーに関しては寝なくても平気だが、調査団にいる間は大人しくするつもりだ。



「君たちがグレゴリの弟子と言うのは本当なようだな。大したもんだ」

無口だと思っていたジョアンはいざ2人になってみると意外な程に気さくだった。

「ありがとうございます。弟子と言っても冬の間に魔法を教えてもらっただけなんですけどね」

「そうなのか?まぁ、Bランク冒険者になると非常に忙しいからな。ずっと人に教えたりは出来ないか」

「そう言えば、師匠、グレゴリさんもルーシーさんも今回の調査団には参加しないんですね」

「ルーシーは公爵令嬢のお気に入りだからな。また護衛として何処かに連れ回されているのだろう。グレゴリについては、お前達の方が知ってるんじゃないのか?」

「ここ最近は会ってないんですよ。何をしているのやら」

「グレゴリに参加出来ない理由があったから、その代わりとして君たちが呼ばれたのかもな」

「師匠の代役ですか。それなら責任重大ですね」

「はっはっはっ!全然そんな風に聞こえないぞ」

「そんなことないです。それなりに師匠のことは尊敬してますから。それなりに」

「まぁ、グレゴリの場合はアレがあるからなっ」

そう言いながらジョアンがナイフを抜き、俺の方に投擲した。ナイフは俺の頭上を抜けていき、タンッと言う音を立てる。

「ポルートパイソンの子供だ。解毒の難しい毒を持っている。要注意だ」

索敵、マジ重要だ。
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