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ダツマ

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ダツマとグレゴリの会話を聞く限り、ダツマはグレゴリに憧れている若い冒険者というところらしい。グレゴリが訓練所で子供に指導しているという噂をギルドで聞いて駆け付けてみると、俺達の前で膝を付くグレゴリ。即座に敵性生物と見なされた俺とシシー。そして今に至る、と言う訳だ。

「グレゴリさん!俺の弟子入りは断ったのに、なんでこんなガキに指導してるんですか!納得行かないです!」

ダツマは15歳ぐらいだろうか。俺より頭一つ分は身長が高く、キッと俺達を見下している。

「これには事情があるんだ。それにこいつ等に魔法を教えるのは冬の間だけだしな」

「それなら冬の間だけでも弟子入りを認めて下さい!」

「いや、そういうわけには、、」

「ちょっと!いきなり現れて人をガキ呼ばわりした上に、修行の邪魔をするとは何様よ!」

分かりやすくプンスカしたシシーがダツマに喰ってかかる。

「ガキにガキと言って何が悪い!ここは冒険者の訓練所だ!とっとと出て行け」

少し腹が立ってきた。

「あの、俺達も冒険者なのでここを使っても問題ない筈です。それに師匠、グレゴリさんが俺達に教えたからといって、あなたに教える義理はない筈ですよ」

「うるさい!それなら、どちらがグレゴリさんの弟子に相応しいか勝負しろ!」

こいつ、面倒くさい奴だ。やるか。

「いいわ!このレガス最年少冒険者にして美の化身たるシシーちゃんがあなたの挑戦を受けてあげましょう!」

しまった!先を越されてしまった。

「ダツマ、やめておけ。大変な事になるぞ」

「グレゴリさん、大丈夫です。ちゃんと手加減しますから」

「いや、逆だ。ダツマ。お前の身が危ない」

「ふざけないでください!俺はこれでもDランクですよ!レガスの同世代の冒険者の中では間違いなく一番です!」

激昂したダマツが一段と声を張り上げる。もう、いますぐブン殴るまであるな。これは。この手の奴はごちゃごちゃ言う間にブン殴って黙らせるのが早い。

「はぁ。わかった。どうしてもやると言うんだな?ならば俺が審判をしよう。俺が危ないと思ったら止めるからダツマもシシーも従うこと。あと、今回の模擬戦、相手への攻撃は魔法のみだ。いいな?」

「はい!望むところです」

「いいよー!シシーちゃんの魔法が炸裂するわ!」

「では、2人とも離れて。俺が投げた銀貨が地面に落ちたら試合開始だ」

そう言ってグレゴリは銀貨を手にとり、大きく指で弾いたのだった。
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