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才能

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翌日からも懲りずにグレゴリは俺達の家に通ってきては魔法を教えてくれている。そして少しずつではあるが、女性恐怖症についても改善しているように思える。幼女限定ではあるのだが。

पानी बरस水よरहा है湧け

俺は水を生み出す魔法、ウォーターを唱えて手のひらに水を溜める。

वाष्पीकरण気化せよ

液体気化の魔法、バポライズを唱えて水を気化させて工房内を加湿する。冬は部屋が乾燥するからな。

「ジルも単純な魔法なら全く問題ないな。素晴らしい成長だ」

「ありがとうございます。でも、、」

「シシーと比べては駄目だ。あれは間違いなく魔法の天才だ」

俺とグレゴリの視線の先ではシシーが何かを思いついたような顔をしてニヤニヤしている。

「ふふふ!魔法の大天才にして美の極致たるシシーちゃんの噂をしているな!ならば期待に応えよう!喰らえ!シェイムウォーター!」

シシーの掛け声に身構えるが、何も起らない。なんだ、失敗したのか。いや、しかし。なんだこの違和感は。冷たい。そう股間の辺りが冷たいのだ!

「ヒーィィィヒッヒッ!お兄ちゃん!お漏らししてる!おも、おも、おも!」

工房の床を転げまわってゲラゲラ笑うシシーとボスを見て、沸々と怒りが湧いてくる。

「無詠唱。しかも自分から離れたところでウォーターを発動させている。何よりちょうどお漏らしに見えるように水量まで調整している!天才だ!」

グレゴリ、お前もか!しかしここは我慢だ。ここで怒っては才能に嫉妬する間抜けな奴だ。冷静にやり過ごさなければ。

「ヒーィィィヒッヒッ!お兄ちゃん、止めだよ!シェイムレインボー!」

もう何も抵抗すまい。俺は植物だ。何事にも心を乱さない。そう。股間に七色の虹が掛かっても。

「ギャハハハハ!虹だー!お股に虹だぁー!苦しい!死ぬ死ぬ」

「ププッ!ジル、に、虹!」

「ワワワワワン!」

全員ぶん殴った。



「しかしそろそろこの工房で魔法の訓練をするのも限界があるな。魔物に使うような破壊力のある魔法は流石にここでは無理だ。どうだジル、冒険者ギルドの訓練所に行ってみないか?」

「そんなところがあるんですか?全く知らなかったです」

「お前達は最初から強かっただろうから縁がなかったのかもな。普通駆け出しの冒険者は訓練所で自分を磨いてから魔物に挑むものだ」

「まあ、そもそも魔物ですからね。俺達。それでその建物って丈夫なんですか?」

「ああ、丈夫だ。元々の造りもそうだが、魔道具で建物自体が守られているから少々魔法をぶっ放しても問題ない。問題があるとすれば、お前達の実力が周りに知られることだ」

「それは問題ないのでは?何かあったらアミラさんとか師匠がなんとかしてくれるんですよね?」

「ははは!急に子供ぶりやがって。まあ、そうだな。なんとかしよう」

「遂に世界がシシーちゃんを知る日が来た!美と破壊を司る女神、大天使シシーちゃん!」

もう、無茶苦茶だから。
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