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相談
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「それで、どうする?魔石については私に任せちゃくれないかい?勿論買い取り価格を誤魔化したりなんかしない。私に売る前に一度ギルドで買い取り価格を聞けば簡単に確認できる筈だ。私に出来ることならなんでも相談にのるよ」
「あの、俺達が魔物と分かっても怖くないんですか?」
「はははっ!これは傑作だね。こんだけ理性的に話せる坊やを怖がるわけないだろ!人間が魔物を恐れるのは会話が成立しないからさ」
「こう見えて俺もシシーもとんでもない怪力ですよ?」
「それならCランク以上の冒険者はどいつもこいつも人間離れした怪物だよ。魔物を倒し続けた人間の体は魔力も筋力も普通の人間とは比べ物にならないぐらい強化される。その仕組みは人間も魔物も変わらない筈だよ」
老婆の言うことはその通りで、俺達は魔物を倒すことによってどんどん身体能力が向上している。それは吸血によって吸血鬼としての力が強くなるのとは全く別物だ。
「あんた達、冒険者ランクは幾つだい?」
「俺がE、こいつがFです」
「だろうね。冒険者ランクがDを超えると優秀な冒険者には商人が唾をつけ始める。Cランク以上の冒険者になれば皆、間違いなく何かしら商人との繋がりがある筈だよ。私は他の商人が手を出す前にあんた達と縁を結びたいのさ」
「俺達が魔物だってことは秘密にしといてもらえますか?」
「勿論あんた達がそれを望むなら秘密にするさ。でもね、一部を除いて知的な魔物を重用している国は多いんだよ。国の重鎮達には国の利益になるなら人間も魔物も関係ないってことさね。むしろ魔物だからってなんでもかんでも排除しようとするのは田舎者の平民だよ」
「そうだったんですね、、知らなかったです」
「あんた達は見た目通りの歳ってことでいいんだよね?他の街、他の国には行ったことはないんだろ?」
「俺達は見た目通りの年齢です。この街のスラムの住人で、この街の名前がレガスっていうのも最近知ったところです」
「なるほどねぇ。スラムってことは親もいないんだろ?それならますます私の助けが必要だね。あんた達は文字通り力を得ただけの子供だ。私があんた達に世の中のことを教えてやるよ。どうだい?のってみないかい?」
「、、、分かりました。魔石についてはお任せしたいと思います。その代わり、一つ相談に乗って欲しいことがあります」
これはチャンスかもしれない。俺はその尻尾を逃さないように、手を伸ばすことにしたのだ。
「あの、俺達が魔物と分かっても怖くないんですか?」
「はははっ!これは傑作だね。こんだけ理性的に話せる坊やを怖がるわけないだろ!人間が魔物を恐れるのは会話が成立しないからさ」
「こう見えて俺もシシーもとんでもない怪力ですよ?」
「それならCランク以上の冒険者はどいつもこいつも人間離れした怪物だよ。魔物を倒し続けた人間の体は魔力も筋力も普通の人間とは比べ物にならないぐらい強化される。その仕組みは人間も魔物も変わらない筈だよ」
老婆の言うことはその通りで、俺達は魔物を倒すことによってどんどん身体能力が向上している。それは吸血によって吸血鬼としての力が強くなるのとは全く別物だ。
「あんた達、冒険者ランクは幾つだい?」
「俺がE、こいつがFです」
「だろうね。冒険者ランクがDを超えると優秀な冒険者には商人が唾をつけ始める。Cランク以上の冒険者になれば皆、間違いなく何かしら商人との繋がりがある筈だよ。私は他の商人が手を出す前にあんた達と縁を結びたいのさ」
「俺達が魔物だってことは秘密にしといてもらえますか?」
「勿論あんた達がそれを望むなら秘密にするさ。でもね、一部を除いて知的な魔物を重用している国は多いんだよ。国の重鎮達には国の利益になるなら人間も魔物も関係ないってことさね。むしろ魔物だからってなんでもかんでも排除しようとするのは田舎者の平民だよ」
「そうだったんですね、、知らなかったです」
「あんた達は見た目通りの歳ってことでいいんだよね?他の街、他の国には行ったことはないんだろ?」
「俺達は見た目通りの年齢です。この街のスラムの住人で、この街の名前がレガスっていうのも最近知ったところです」
「なるほどねぇ。スラムってことは親もいないんだろ?それならますます私の助けが必要だね。あんた達は文字通り力を得ただけの子供だ。私があんた達に世の中のことを教えてやるよ。どうだい?のってみないかい?」
「、、、分かりました。魔石についてはお任せしたいと思います。その代わり、一つ相談に乗って欲しいことがあります」
これはチャンスかもしれない。俺はその尻尾を逃さないように、手を伸ばすことにしたのだ。
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