私の新しい人生

けんまま

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 過去

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「過去」


少し長めに押すと、現代ではない映像が、映っていた。

着物を着ていた。外国ではなさそうだ。
江戸時代だった。

あまり、綺麗とは言えない格好をしている、年頃は、きっと、20歳くらいの、町娘が私だった。神社の大きな木の下で誰かを待っている。立派な格好をした、青年が、やってきた。きっと隆史だ。二人は、親しげに話していた。
仲良く見えたのは、束の間、男が、女を刀で斬ろうとした。
女は、お腹を押さえて逃げのびた。

妊娠中なんだと思った。

家に着くと、台所の包丁を、手に取った。
やはり、家の中に男が入ってきた。

話し合っていたが、また、男が斬ろうとした。女は隠していた包丁を、男に向かって投げつけた。お腹に命中していた。 
皮肉なもんで、身分の違う遊びの女が妊娠している事を知り、殺そうとした挙句、お腹を刺され、男は死んだ。

その後、罪を償いながら、無事に出産していた。

何年か経ち、町には帰らず、何処かのお寺で、孤児達の面倒を見ていた。孤児の中に、現世での、私の子ども達もいた。

この時代では、私が隆史を殺したのだ。

もう少し左に回してみた。

平安時代の中頃だった。

二人とも貴族で、優雅に暮らしていた。
女がもう一人。誰だ?年配に見える。
子どもたちも、優雅に暮らしている。
幸せそうに見えるが、何故か悲しくなる。

この時代の隆史は、浮気ばかり繰り返していた。私は、いつも淋しく、子どもだけが生きがいだった。のに、もう一人の女、そう、姑に子どもを取られて、いつも、ひとりぼっちだった。
そのうち、浮気相手が、妊娠して、その女が、姑に取り入り、私は、用無しになり、
毒を盛られて、死んだ。

いつも、こんな感じの最後なのかと、つくづく思った。



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