私の新しい人生

けんまま

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生か死か

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「生か死か」

「順番にならんでくださーい。」かわいい子どもの声が聞こえた。ここは、いったい、どこなんだ?並んでいる人に、聞いても何か様子が違う。みんな、灰色の、上下スエットみたいな服を着ていた。気づいたら私も、いつの間にか、灰色の服だった。辺りは、雲の上みたいなとこでふわふわしている。なんだか居心地が良い。自分の番になった。小さい可愛い女の子が、紙を渡してきた。何か書いてある。読めと言うことか?
少し先に、椅子がある。紙には、番号と文章が書いてあって、番号を呼ばれるまで椅子に座って、それに目を通す事のようだ。私の番号は、708番だ。ここは、死んでいないのに、死んだと、勘違いした人が、たどり着く場所なんだとか。
完全に死んだ人は黒を着せられる。自分自身で、生きるか死ぬかを決めないと、いけないきまりだ。また生きていく人は、白を着せられる。どうするか決まってない人は、灰色だ。だいたいの灰色の人は、白に着替えて帰って行く。悩んでいるひとも何人かはいた。私も悩んでいる。このまま帰っても、辛いだけ。隆史から逃げても、今までの事を思い出すと、また戻って地獄が始まりそうで嫌だ。けど子ども達には会いたくてたまらない。謝りもしたいし、まだまだ教える事がいっぱいある。悩んでいた。
「708番の方」呼ばれた。まだ、決めれない事を伝えたら、ある部屋に通された。
インターネットカフェみたいな感じで、程よい大きさのパソコンが置いてある。画面には、今、まさに、私が映っている。キーボードには、簡単に矢印だけが、大きくセットしてある。左の矢印は、過去。右は未来だが、見れない様になっていた。今思えば、未来は、変わるからだ。私は、左を押してみた。

あの日から3日も経っていた。あの日の夜だ。嫌な思いが湧いてきたので、もう少し、左を押し続けた。長女の出産だ。なかなか産まれてこなかったので、母子共に、危ない状況だった。結局、帝王切開になった。この時も、しんどかったなあ。ふと、思った瞬間、この機械は、人生の、一大事にさかのぼって、映像が、見れるんだ。と確信した。少し、長めに押してみた。
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