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第五話 デート当日後編

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(と言いつつ、観覧車に乗ったけど……キス……出来るのかな……)

 きよみはそう思いながら、座る。
 観覧車に乗り込んだ二人は、向き合って座る。下からじりじりと上へと上がっていく。そんな中で、たけるは、少し上の空で、何かを考えているようであった。
 途中から、少し決心を固めたたける。観覧車の頂上でそれを決行することにした。

(そろそろ頂上に来る!)

「あっ! あそこ! 私たちが出会った書店があるよ!」
「そっそうだね……」

 きよみの言葉にたけるは誠一杯返事をする。しかし、その返事にきよみはピクリとする。

(声が少し震えてる……え、まさか……)

 何かを察知するきよみ。いいや、そんなことない、と自分に言い聞かせる。

「きよみさん」
「はい」
「ちょっと……いいかな?」

 たけるは、なんとなくでそんな気になり、きよみを近くへ呼び寄せる。

「はい、良いですよ……」

 そして近付くきよみ。横へ座ったきよみの顔を自分の顔へ近づけ──。

       ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆

 観覧車から下りた二人は、帰路に着く。
 サイターマランドから退園し、電車に乗りこむ。二人はべったりとくっついている。
 きよみはたけるに問う。

「あの……さっきの観覧車でのことなんですけど……」
「う、うん……」

 きよみは観覧車の中での出来事を反芻しながら、言葉をひねり出した。

「私がた、たけるさんの彼女と言いますか……そういうのになってもいいということなんですか?」
「うん、そう思って貰えると、良いなって……思ってるけど……だ、大丈夫……かな?」
「……! はい!」

 きよみは車内なので、出来る限り小さく返事をする。
 そうして、二人は自宅へと変える。
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