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第三章 〜発展〜

13 二年はつらいよ

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 ──二人は高校二年生になった。二年生は、進路について考え始める時期らしい。
 きよみとして考えている進路は、アイドルを諦めて他の道に進む……なんて道などもってのほかという考えだった。
 そしてたけるはと言うと、ゲーミングプログラマーになるつもりらしい──

「ねぇたける」
「ん、なんだ?」
「私達ってさ、進路についてもう決めちゃった訳じゃん?」
「そうだな。それがどうした?」
「あのね、お互いの為に一旦恋人を辞めてから進路に向けて頑張らない?」
「……は?」

 きよみは学校に行く途中、たけるに私の考えを話した。彼女を見つめながらたけるは、“どういうことだ”と驚いた表情を浮かべた。

「いや、一回別れてから勉強に集中した方がいいかなって思って」
「えっと……とりあえずまとめるとだな……勉強を頑張るために別れようって事か?」
「まぁ……そうだね」
「……きよみはそれで良いのか?」
「良いから言って……」
「じゃあその表情は何だよ。嫌ですって顔してるぞ?」

 “私、本当はたけると別れたくない”

 きよみはそう言い、私の本当の考えを話した。その目には涙が流れていた。
 実は周りからアイドルを諦めてまともな道に進むようにきよみは何度も説得されてきていた。
 しかし、アイドルを諦めたくない気持ちもあり……しかし彼女は周囲からそんな説得をされ、正直混乱していた。
 どうすればいいのか、きよみはよく分からなくなってきていた。
 しかし、この前の冬休みのたけるの事もあったため、きよみは彼に負担を掛けたく無かった。
 だからこそきよみは”別れる”と言う話を持ちかける事にしたのだ。しかし、当然ながら気持ちの整理は出来ていなかった。
 そんなきよみのわがままな話の意味と経緯をたけるは親身に聞いてくれた。彼女はその事で余計涙が止まらなくなってしまった。

「……ごめん。話聞いてもらっちゃって」
「良いんだ……きよみ、一人で抱え込むな。俺らは俺らのやり方で頑張っていこう?」
「うん……」

 ──二人は学校に行く途中でその話をしていたため、遅刻してしまった。しかしきよみたちは何故か叱られなかった。
 後から聞いた話だが、担任の教諭がきよみの事を見て、彼女の精神が衰弱している事に気付いていたらしい。
 そのことを配慮し、何も言わなかったのだという。

 ──高校の二年間はあっという間に終わり、彼女たちは受験の年である高校三年生が目の前になっていた。
 その間に二人は進路について様々な場を設けて話し合いを重ね、きよみはアイドルまたは声優業を中心に目指すことにして、頑張ることにした。
 たけるはゲーミングプログラマーを目指して頑張ることになった。バイトは順調に進み、たけるを二度と─すでに二度倒れているので次は三度とになる─倒れさせないよう頑張ってきた。
 そして二人は明日、高校生活最後の年の高校三年生へとなるのであった……
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