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高校生時代
バラ色の生活
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中学校で一旦バラバラになった僕たちだったけれど、高校では、また五人が揃うことになった。
中高一貫の私立高校なので、僕——桂吾とユウヤは中学校から内部進学で進んだ。
雪比古は狙い通り、優秀な成績で受験に合格して、授業料免除を勝ち取った。
ヒロトは野球部のスポーツ特待生で入学。
トシヒロはかなり危なかったけど、ギリギリでみんなで受験勉強を手伝って、補欠合格した。
「ここまで来ると、腐れ縁だよなあ!」
ヒロトが雪比古の肩をバシバシと叩いた。
「一人、抜けそうになったけど」
肩に乗せられた手を、軽く払いのけながら雪比古が言う。
「トシヒロは本当に危なかった」
「いや、お前がそれを言うか?」
後を続けたユウヤを指差し、トシヒロは喚いた。
「普通に受験したのは、俺と雪比古だけじゃないか! お前らばっかりずるいんだよ!」
「内部生だって、内申が悪かったら落とされるし、同じだよ」
僕の慰めも耳に入らないようで、トシヒロはずるいずるいと騒いでいる。こんなところは小学生の頃と変わらない。
五人揃ったと言っても、クラスも部活も別々で、全員が顔を突き合わせることは滅多にない。
ちなみに、僕とユウヤは中学校から引き続き吹奏楽部に入った。
雪比古は書道部、ヒロトは野球部、トシヒロは女子が多い部活が良いと演劇部に入った。
そんな五人がわざわざ集まったのには、訳があった。
「それでは、発表します」
ひどくもったいぶった調子でユウヤが宣言する。
「この度、5対5で合コンを開催することになりました」
「ヨッシャーッ!」
トシヒロが飛び上がって歓声を上げる。ヒロトは声こそ上げなかったが、ニヤニヤしている。雪比古は……目を閉じて聞こえないふりをしている。
「ちょっと待て。ユウヤはシオリさんがいるだろう?」
「ノープロブレム。女子側の幹事はシオリだから。メンバーはお嬢様揃いだぞ」
なるほど、ユウヤとその彼女が幹事なら、問題ないか。
ただ、そうなると少し問題がある。
ユウヤの彼女のシオリさんは部活の一つ上の先輩で、僕の元カノにあたるからだ。
中学生の頃付き合っていたのだけれど、ちょうどその頃、雪比古と疎遠になって悩んでいて、シオリさんに不誠実な態度を取ってしまい、別れることになったのだった。気まずいなんてものじゃない。
「ユウヤ、やっぱり僕は……」
「気にするな、大丈夫だ。せっかくセッティングしたんだから楽しみにしておけ」
こうして強制参加は決まった。
合コンと言っても、僕たちは未成年なのでアルコールは入らない。
日曜日の午後、ファミレスよりは高級感のある喫茶店の個室で対面した。なんとなく、集団見合いっぽい雰囲気があった。
相手側の女子は、シオリさん以外は他校の生徒だった。四人とも、シオリさんと同じ音楽教室に通う幼馴染だという。
シオリさんを筆頭に、お嬢様らしい雰囲気のワンピースやブラウスにロングスカート、ストレートのロングヘアをした四人。今どきの女子高生らしい、いわゆるギャルっぽいミニスカートに茶髪、派手なネイルをした一人。
皆、美人だ。
ヒロトとトシヒロが早速浮き足立って、ヒソヒソと囁きあっている。
一通り自己紹介をして、最初に話題の中心になったのは、ヒロトだった。
甲子園を目指す高校球児という肩書は強く、女子たちは興味津々といった風に質問攻めにしていた。
ただし、かつてリーダーシップを発揮したガキ大将だったヒロトは、部活生活ですっかり硬派になっており、女性と喋るのがかなり苦手になっていた。顔を真っ赤にしてしどろもどろになり、うまく答えられずに沈黙がおりて終了した。
これを打開しようとしたのがトシヒロだった。
得意のギャグを言って場を和ませようとした努力は認めたいが、調子に乗って下ネタが出そうになったのはいただけない。僕とユウヤが慌てて遮って、強制終了した。
次に話題になったのは、雪比古だ。
雪比古はアルビノで髪と肌が白く、瞳が赤いという特異な容姿をしている。最初は驚かれた様子だが、上品な彼女たちは、あえて言及しなかったのだろうと思う。
それが、トシヒロのギャグ滑りで間が持たなくなったのを感じて、思い切って話題に乗せることにした。そんな雰囲気だった。
「差し支えなければ聞きたいんですが、雪比古くんの髪は、生まれつきなんですか?」
「私も気になっていたの。とても綺麗ですね」
「ええ、本当に神秘的で、幻想的で……」
彼女たちは目を輝かせ、興味深そうに身を乗り出した。見る目がうっとりとしている。
次々に褒められて、僕も悪い気はしなかった。
「そうなんです! 雪比古の髪は日に透かすと虹色に光って、もっと綺麗なんです!」
「桂吾」
「雪比古は頭も良くて、入学試験で成績トップだったんです!」
「おい、桂吾」
「頼りがいもあって、いつでも僕を助けてくれて、とにかくすごいんです!」
「桂吾、ステイ!」
興奮しすぎて、ユウヤに犬のように窘められてしまった。
「雪比古のプレゼンは良いから、自分のプレゼンをしろ、桂吾」
握りしめていた拳を下ろし、椅子に小さく座り直す。
女性陣が、ちょっと引いている雰囲気がありありと伝わった。
「勘弁してくれ……」
雪比古は両手で頭を抱えて、俯いてしまった。肌が白いので、髪の隙間から覗く耳が赤くなったのが見えた。
再び訪れたいたたまれない沈黙の中、軽やかな笑い声が響いた。
確か名前はミサキさん。一人だけ雰囲気が違う子だ。
「あたしは君の方が興味があるな。桂吾くんだっけ?」
「は、はい」
「その青い目、カラコン?」
テーブル越しに顔を近づけられ、付けまつげに縁取られた大きな目に覗きこまれる。引き込まれそうになって、顔に血が上る。
「いや、生まれつきなんです」
「ふうん? 綺麗だね」
ミサキさんは肩に落ちかかる巻き髪を後ろに払いながら、席に戻った。からかわれたような気がして、恥ずかしかった。
「ミサキ。桂吾くんは手ごわいわよ」
横からシオリさんが声をかける。嫌な予感がした。
「なんたって、ライバルは雪比古くんだから」
悪戯っぽく笑いながら言うシオリさん。
一斉に目を向けられた。男子メンバーは、何やら納得しているように、うんうん頷いている。女子メンバーは、小さく歓声を上げて僕と雪比古をチラチラと見ている。「そういう仲なの?」とか「そうなんだあ」とか聞こえる。
今度は顔色を青くした雪比古は、片手で顔を覆って天井を仰いだ。
やっぱり僕は、シオリさんに恨まれているんだろうか。
こうして、初めての合コンは気まずい雰囲気のまま、お開きとなった。
店の前で解散する前、ユウヤが戻ってくるのをみんなで待っていると、ミサキさんが駆け寄ってきた。
「ねえ、桂吾。連絡先教えてよ」と言ってスマホを差し出してくる。
「え、あの、どうしてですか?」
「同い年なんだから、タメ口でいいよ。言ったよね、興味があるって」
「う、うん」
押し切られる形で、連絡先を交換した。
去っていくミサキさんに手を振っていると、ヒロトとトシヒロに両側から肩を組まれた。
「うまくやったな、お前」
「羨ましいぞ、この天然タラシが!」
助けを求めるように雪比古を見ると、なんだか生暖かい笑みを浮かべていた。
「良かったな、桂吾」
初めて見る表情で、怖かった。
中高一貫の私立高校なので、僕——桂吾とユウヤは中学校から内部進学で進んだ。
雪比古は狙い通り、優秀な成績で受験に合格して、授業料免除を勝ち取った。
ヒロトは野球部のスポーツ特待生で入学。
トシヒロはかなり危なかったけど、ギリギリでみんなで受験勉強を手伝って、補欠合格した。
「ここまで来ると、腐れ縁だよなあ!」
ヒロトが雪比古の肩をバシバシと叩いた。
「一人、抜けそうになったけど」
肩に乗せられた手を、軽く払いのけながら雪比古が言う。
「トシヒロは本当に危なかった」
「いや、お前がそれを言うか?」
後を続けたユウヤを指差し、トシヒロは喚いた。
「普通に受験したのは、俺と雪比古だけじゃないか! お前らばっかりずるいんだよ!」
「内部生だって、内申が悪かったら落とされるし、同じだよ」
僕の慰めも耳に入らないようで、トシヒロはずるいずるいと騒いでいる。こんなところは小学生の頃と変わらない。
五人揃ったと言っても、クラスも部活も別々で、全員が顔を突き合わせることは滅多にない。
ちなみに、僕とユウヤは中学校から引き続き吹奏楽部に入った。
雪比古は書道部、ヒロトは野球部、トシヒロは女子が多い部活が良いと演劇部に入った。
そんな五人がわざわざ集まったのには、訳があった。
「それでは、発表します」
ひどくもったいぶった調子でユウヤが宣言する。
「この度、5対5で合コンを開催することになりました」
「ヨッシャーッ!」
トシヒロが飛び上がって歓声を上げる。ヒロトは声こそ上げなかったが、ニヤニヤしている。雪比古は……目を閉じて聞こえないふりをしている。
「ちょっと待て。ユウヤはシオリさんがいるだろう?」
「ノープロブレム。女子側の幹事はシオリだから。メンバーはお嬢様揃いだぞ」
なるほど、ユウヤとその彼女が幹事なら、問題ないか。
ただ、そうなると少し問題がある。
ユウヤの彼女のシオリさんは部活の一つ上の先輩で、僕の元カノにあたるからだ。
中学生の頃付き合っていたのだけれど、ちょうどその頃、雪比古と疎遠になって悩んでいて、シオリさんに不誠実な態度を取ってしまい、別れることになったのだった。気まずいなんてものじゃない。
「ユウヤ、やっぱり僕は……」
「気にするな、大丈夫だ。せっかくセッティングしたんだから楽しみにしておけ」
こうして強制参加は決まった。
合コンと言っても、僕たちは未成年なのでアルコールは入らない。
日曜日の午後、ファミレスよりは高級感のある喫茶店の個室で対面した。なんとなく、集団見合いっぽい雰囲気があった。
相手側の女子は、シオリさん以外は他校の生徒だった。四人とも、シオリさんと同じ音楽教室に通う幼馴染だという。
シオリさんを筆頭に、お嬢様らしい雰囲気のワンピースやブラウスにロングスカート、ストレートのロングヘアをした四人。今どきの女子高生らしい、いわゆるギャルっぽいミニスカートに茶髪、派手なネイルをした一人。
皆、美人だ。
ヒロトとトシヒロが早速浮き足立って、ヒソヒソと囁きあっている。
一通り自己紹介をして、最初に話題の中心になったのは、ヒロトだった。
甲子園を目指す高校球児という肩書は強く、女子たちは興味津々といった風に質問攻めにしていた。
ただし、かつてリーダーシップを発揮したガキ大将だったヒロトは、部活生活ですっかり硬派になっており、女性と喋るのがかなり苦手になっていた。顔を真っ赤にしてしどろもどろになり、うまく答えられずに沈黙がおりて終了した。
これを打開しようとしたのがトシヒロだった。
得意のギャグを言って場を和ませようとした努力は認めたいが、調子に乗って下ネタが出そうになったのはいただけない。僕とユウヤが慌てて遮って、強制終了した。
次に話題になったのは、雪比古だ。
雪比古はアルビノで髪と肌が白く、瞳が赤いという特異な容姿をしている。最初は驚かれた様子だが、上品な彼女たちは、あえて言及しなかったのだろうと思う。
それが、トシヒロのギャグ滑りで間が持たなくなったのを感じて、思い切って話題に乗せることにした。そんな雰囲気だった。
「差し支えなければ聞きたいんですが、雪比古くんの髪は、生まれつきなんですか?」
「私も気になっていたの。とても綺麗ですね」
「ええ、本当に神秘的で、幻想的で……」
彼女たちは目を輝かせ、興味深そうに身を乗り出した。見る目がうっとりとしている。
次々に褒められて、僕も悪い気はしなかった。
「そうなんです! 雪比古の髪は日に透かすと虹色に光って、もっと綺麗なんです!」
「桂吾」
「雪比古は頭も良くて、入学試験で成績トップだったんです!」
「おい、桂吾」
「頼りがいもあって、いつでも僕を助けてくれて、とにかくすごいんです!」
「桂吾、ステイ!」
興奮しすぎて、ユウヤに犬のように窘められてしまった。
「雪比古のプレゼンは良いから、自分のプレゼンをしろ、桂吾」
握りしめていた拳を下ろし、椅子に小さく座り直す。
女性陣が、ちょっと引いている雰囲気がありありと伝わった。
「勘弁してくれ……」
雪比古は両手で頭を抱えて、俯いてしまった。肌が白いので、髪の隙間から覗く耳が赤くなったのが見えた。
再び訪れたいたたまれない沈黙の中、軽やかな笑い声が響いた。
確か名前はミサキさん。一人だけ雰囲気が違う子だ。
「あたしは君の方が興味があるな。桂吾くんだっけ?」
「は、はい」
「その青い目、カラコン?」
テーブル越しに顔を近づけられ、付けまつげに縁取られた大きな目に覗きこまれる。引き込まれそうになって、顔に血が上る。
「いや、生まれつきなんです」
「ふうん? 綺麗だね」
ミサキさんは肩に落ちかかる巻き髪を後ろに払いながら、席に戻った。からかわれたような気がして、恥ずかしかった。
「ミサキ。桂吾くんは手ごわいわよ」
横からシオリさんが声をかける。嫌な予感がした。
「なんたって、ライバルは雪比古くんだから」
悪戯っぽく笑いながら言うシオリさん。
一斉に目を向けられた。男子メンバーは、何やら納得しているように、うんうん頷いている。女子メンバーは、小さく歓声を上げて僕と雪比古をチラチラと見ている。「そういう仲なの?」とか「そうなんだあ」とか聞こえる。
今度は顔色を青くした雪比古は、片手で顔を覆って天井を仰いだ。
やっぱり僕は、シオリさんに恨まれているんだろうか。
こうして、初めての合コンは気まずい雰囲気のまま、お開きとなった。
店の前で解散する前、ユウヤが戻ってくるのをみんなで待っていると、ミサキさんが駆け寄ってきた。
「ねえ、桂吾。連絡先教えてよ」と言ってスマホを差し出してくる。
「え、あの、どうしてですか?」
「同い年なんだから、タメ口でいいよ。言ったよね、興味があるって」
「う、うん」
押し切られる形で、連絡先を交換した。
去っていくミサキさんに手を振っていると、ヒロトとトシヒロに両側から肩を組まれた。
「うまくやったな、お前」
「羨ましいぞ、この天然タラシが!」
助けを求めるように雪比古を見ると、なんだか生暖かい笑みを浮かべていた。
「良かったな、桂吾」
初めて見る表情で、怖かった。
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