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勇者

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「ええええええ!!?」

俺が召喚された勇者様ぁ!?いや、だって、ええええっー!!

「呆れた、、、ホントに気づいてないのね」

「いや、だって黒目黒髪なんてこの世界じゃ普通だし!あんなに身長高くなかったし!・・・って今10歳だった」


「はぁ、貴方の成長期はまだまだ先よ。今の姿に慣れときなさい」


「うぅ、頑張ります・・てか親父って王宮魔導師だったんだな。知らなかった」


「そこもだったわね。貴方の父親は王宮でも2番目に位置する魔導師だったの。魔法の開発にかけては天才だったらしいわ
貴方の【生活魔法】も無詠唱で攻撃魔法を使えるようにしたのも彼ね」

「え??そ、そういえば攻撃魔法を使う威力も発動速度も遅過ぎて使えないって言ったら、暫くして親父が【生活魔法】を攻撃に使える方法を教えてくれたんだった・・マジか!?」

「周りに【生活魔法】を攻撃に使う人いなかったでしょ?」


「てっきり攻撃魔法使えるから【生活魔法】は必要無いのかと」


魔王がため息ついている!チクショー!気付かなかっただけやぃ!


「そ、そういえば、【身体強化】は勇者様が召喚されたと同時期にスキルが身に付いた様な・・でも【身体強化】ってラノベじゃよくある力だぞ?」


「はぁ~~・・あのね、【身体強化】を持ってたの貴方と勇者だけだったでしょ?」


はっ!?そういえば!!


「貴方って天然さん?【身体強化】がどれ程特別なスキルが1番近くで見ていた貴方なら分かるでしょう?」


「そりゃあ、あんな風に使いこなしてみたいとは思ったさ!だけど、」

「時間が無かった」

「!!?そ、そうだ」

「スキルは強力、だけど膨大な力を制御するには時間が足りなかった
だから貴方は玉座の間まで生きている必要があったの。そして全てを見聞きし、スキルを使いこなす時間を得る為に10歳の貴方に転生したの」

「もし・・かして・・勇者様が持っていた【未来視】って」

「そんなスキルは無いわ。貴方の記憶から対処していただけ」

そ、そんな理不尽過ぎる!?スキルでくれてもいいじゃないか!
そんなに記憶力良く無いぞ・・どうしよう

「そこは頑張って覚えておくしかないわね」

ぐはぁ!!?今日1番の大ダメージだ!!
てか、心読むなよ~!


「結局、俺の代償ってなんだったんだ?転生か?」


「それだけじゃ無いわよ?貴方のもう1つ代償はフラグよ」

ふ、フラグ?

「魔王城に乗り込む前に告白するぞ!ってフラグ立てたでしょ?それが折られたの」

なっ!?そんな!なんてエグい代償なんだ!!


「冗談よ」


「なっ!?り、魔王!それは酷くないか?」


「ふふっ、これくらいの仕返しはさせてもらうわ」


ドキッ!!って何ドキドキしてんだよ俺


「じ、冗談とか・・というか、いくら何でも詳し過ぎじゃないか?」


「言ったでしょ?前の貴方に教えて貰ったって」


「うん、それが1番意味がわからない」


「・・私の魂は2回目の代償でそれから記憶も一緒にずっと輪廻してるの」



「なっ!?一体何周してるんだよ!?」


「・・さぁ?もう千回を超えた頃から数えるのを辞めたわ」


なんつう暗い表情だよ!
酷ぇ・・千回以上も人生を、死を、繰り返しているのか



「その間にも何とかしようと色々試してみたわ、自分の命も含めてね
でもね、駄目だったの・・どんな事を試してみても私の運命は必ず死んで召喚されてしまうの」


「なん、だよそれ・・」


「何回も何回も同じ人生を繰り返した・・だけど前回から違ったわ」


「前回?」


「本当なら貴方とは14歳の時に出逢うはずだった。けど前の貴方はこの世界で何故か私を見つけて敵対しなかった。
そして、私の運命がズレ始めたの」


「前のって事は一緒に戦った勇者様か」


「自分に様を付けるのはどうかと思う
わ」


「そ、そんな急に代えられないんだよ!癖になってるんだっ!!」

顔を真っ赤にしながら反論する
それを見た魔王がクスクスと笑った

ドキッ

いや!?ドキッって何だよ!確かに笑った顔は可愛かったけど
って何考えてるんだ!?


「ふふっ・・他に聞きたい事はあるかしら?」

「魔っ、リリーー」


「お~~!マジ可愛いじゃん!!ソイツより俺たちと付き合ってよ!ギャハハ!!」

!!?

2人で同時に横を向く
あからさまなヤンキーの集団がゲラゲラ笑いながらこっちに歩いて来ていた
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