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第5章 教会編
ひと段落
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司祭が帰った後、海斗達は帝国中を駆け巡りアッシュとユイさんの信頼できる貴族を集めて新しい帝国を築き上げていった
「あ"ーー、疲れたー」
海斗はぐったりとソファに倒れ込む
帝都の城の中、執務室でアッシュと王国の宰相であるオワズさん、アッシュとリナのお母さんでユイさんが次々と書類を片付けている
「すみません海斗さん、尽力いただき感謝します」
「いいって、そんなに畏まらなくても。アッシュがこの国を良くしたいと思って頑張ってるから手伝っただけだよ」
「海斗さんのお陰で帝国中に散らばった仲間の貴族を呼び戻す事が出来ました。これならば予想よりも早く立て直しが出来そうですわ」
「それなら良かったです。手伝った甲斐がありますよ」
「それにしても海斗殿の移動手段は凄いですね、まさかここまでとは予想外でした」
帝都には前皇帝ディエゴの息のかかった貴族だらけでアッシュ派の貴族はユイさんと同じように地方へと散らばされた
今回の一件後、前皇帝派の貴族は爵位を剥奪して、罪に応じて処分を下し財産は没収
アッシュ派の貴族はアッシュを伴いヘリで飛び回り事情を説明した後、立て直しの為に帝都へと転移して協力してもらった
「お陰で帝国中の主要都市には何処でも転移出来る様になったかな。行きたい所があればいつでも連れて行くよ」
アッシュの案内で帝国内の都市は一通り網羅した。お陰で何処へでも転移で飛ぶ事が出来る
「助かります、このまま海斗さんがこの国に使えて下されば嬉しいのですが」
「あー、ゴメンね。どうしても旅を続けなきゃならない用事があるんだ」
「そうですか・・」
明らかに落ち込むアッシュ
なんとか話題を逸らせて元気付けようと話のネタを探して地図の転移リストを覗き込む
「そう言えば国の名前って全部人の名前を使ってるの?この国のグラント帝国みたいに」
アッシュ、ユイさん、オワズさんが何言ってるんだコイツと言う顔で海斗を見る
「当たり前じゃないですか、それ以外にどんな名前を付けるというのですか?」
オワズさんが呆れた様に答えたけど地球じゃあ国によって由来が違うからそれが前提にあったんだよ
「海斗殿?我が国の名前はご存知ですか?」
ドキリとして急いでリストを確認する
「ぶ、ブリッツ王国だよね。も、勿論知ってるさ」
「・・覚えてなかったのですね」
「うっ!?」
だって皆んな王国、王国しか言わなかったから気にして無かったんだよ
この前バーンズさん達を呼びに行く時に初めて見た位だし
「はぁ、せめて我が国の王の名前位は覚えていて欲しいのだけどね。」
「ちなみに王様の名前は・・?」
「ゲイル・ブリッツ王です」
溜め息混じりのオワズさんの言葉に急いでメモをとる
「よし!完璧に覚えたよ」
「・・それ以前の問題なのですけどね」
「ぐはっ!」
ソファに倒れ込んだタイミングでレオン達が執務室に入って来た
「海斗、何1人で休んでるんだよ・・ってどうした?」
アッシュが部屋でのやり取りを説明するとレオン達に溜め息をつかれる
「ヨシユキもスミレも知らなかった筈だよ!」
海斗がビシリと東堂兄妹に向けて指を差す
「いや、俺達は言葉が通じた日にレオンさんに聞いていたぞ?」
「むしろ何で聞かなかったんですか?」
そんな・・莫迦な・・
「海斗、普段から常識を学べとは言ってたが、まさかここまでとは・・」
「違うから!コレは偶々だから、俺は常識ある1大学生だぁー!!」
海斗の虚しい叫びが執務室に響き渡った
ーーーーーーーーーー
帝国でアッシュの手伝いをする事2週間
城も無事修復され帝都の情勢も落ち着きを取り戻した
アッシュとユイさん、オワズさんの采配で貴族の役職も決まりオワズさんを王国へと送って海斗達のやる事はひと段落する
「それで、これからどうする?」
城の客室に泊まっている海斗達は1部屋に集まり今後の話し合いをする事に
「教会本部の就任式にアッシュと行く事は確定してるんだけど、レオン達はどうーー」
「勿論行くに決まってるだろ」
レオンが海斗の言葉に被せるように即答された
「むしろ何で行かないと思ったのさ?」
「同じ日本人が居るなら私達の力は必要だと思いますよ?」
「私達はパーティーですから」
危険な事があるかもしれないのに皆んな当たり前のようについて来てくれるのは、グッと胸に来るものがある
「ありがとう、よろしくお願いします」
「海斗をほっとくとろくな事にならないからな」
「海斗さんが目の届く所に居ないと不安じゃん」
「そうですね、うっかりで国が消える事態になったらと思うと」
「・・まだ海斗さんを調べ尽くしてないですし」
まって、そんな理由!?俺の感動を返してくんない?
後スミレさん、まだ諦めて無かったの?・・・逃げるよ
一通り笑い合った後、次の行動の話し合いに戻る
「取り敢えず就任式まで時間があるし、行きたい場所があるんだけど」
そう、本当なら1人でコッソリと行くつもりだったけどレオン達にも知っていて欲しい
なら皆んなを連れて行くべきだと判断して提案してみる
「行きたい場所?」
「ああ、俺がこの世界にやってきて最初に着いた街なんだ。そこで色んな事を教えてもらったんだよ」
この腕輪の事についてもう一度話さないといけないし
「あ"ーー、疲れたー」
海斗はぐったりとソファに倒れ込む
帝都の城の中、執務室でアッシュと王国の宰相であるオワズさん、アッシュとリナのお母さんでユイさんが次々と書類を片付けている
「すみません海斗さん、尽力いただき感謝します」
「いいって、そんなに畏まらなくても。アッシュがこの国を良くしたいと思って頑張ってるから手伝っただけだよ」
「海斗さんのお陰で帝国中に散らばった仲間の貴族を呼び戻す事が出来ました。これならば予想よりも早く立て直しが出来そうですわ」
「それなら良かったです。手伝った甲斐がありますよ」
「それにしても海斗殿の移動手段は凄いですね、まさかここまでとは予想外でした」
帝都には前皇帝ディエゴの息のかかった貴族だらけでアッシュ派の貴族はユイさんと同じように地方へと散らばされた
今回の一件後、前皇帝派の貴族は爵位を剥奪して、罪に応じて処分を下し財産は没収
アッシュ派の貴族はアッシュを伴いヘリで飛び回り事情を説明した後、立て直しの為に帝都へと転移して協力してもらった
「お陰で帝国中の主要都市には何処でも転移出来る様になったかな。行きたい所があればいつでも連れて行くよ」
アッシュの案内で帝国内の都市は一通り網羅した。お陰で何処へでも転移で飛ぶ事が出来る
「助かります、このまま海斗さんがこの国に使えて下されば嬉しいのですが」
「あー、ゴメンね。どうしても旅を続けなきゃならない用事があるんだ」
「そうですか・・」
明らかに落ち込むアッシュ
なんとか話題を逸らせて元気付けようと話のネタを探して地図の転移リストを覗き込む
「そう言えば国の名前って全部人の名前を使ってるの?この国のグラント帝国みたいに」
アッシュ、ユイさん、オワズさんが何言ってるんだコイツと言う顔で海斗を見る
「当たり前じゃないですか、それ以外にどんな名前を付けるというのですか?」
オワズさんが呆れた様に答えたけど地球じゃあ国によって由来が違うからそれが前提にあったんだよ
「海斗殿?我が国の名前はご存知ですか?」
ドキリとして急いでリストを確認する
「ぶ、ブリッツ王国だよね。も、勿論知ってるさ」
「・・覚えてなかったのですね」
「うっ!?」
だって皆んな王国、王国しか言わなかったから気にして無かったんだよ
この前バーンズさん達を呼びに行く時に初めて見た位だし
「はぁ、せめて我が国の王の名前位は覚えていて欲しいのだけどね。」
「ちなみに王様の名前は・・?」
「ゲイル・ブリッツ王です」
溜め息混じりのオワズさんの言葉に急いでメモをとる
「よし!完璧に覚えたよ」
「・・それ以前の問題なのですけどね」
「ぐはっ!」
ソファに倒れ込んだタイミングでレオン達が執務室に入って来た
「海斗、何1人で休んでるんだよ・・ってどうした?」
アッシュが部屋でのやり取りを説明するとレオン達に溜め息をつかれる
「ヨシユキもスミレも知らなかった筈だよ!」
海斗がビシリと東堂兄妹に向けて指を差す
「いや、俺達は言葉が通じた日にレオンさんに聞いていたぞ?」
「むしろ何で聞かなかったんですか?」
そんな・・莫迦な・・
「海斗、普段から常識を学べとは言ってたが、まさかここまでとは・・」
「違うから!コレは偶々だから、俺は常識ある1大学生だぁー!!」
海斗の虚しい叫びが執務室に響き渡った
ーーーーーーーーーー
帝国でアッシュの手伝いをする事2週間
城も無事修復され帝都の情勢も落ち着きを取り戻した
アッシュとユイさん、オワズさんの采配で貴族の役職も決まりオワズさんを王国へと送って海斗達のやる事はひと段落する
「それで、これからどうする?」
城の客室に泊まっている海斗達は1部屋に集まり今後の話し合いをする事に
「教会本部の就任式にアッシュと行く事は確定してるんだけど、レオン達はどうーー」
「勿論行くに決まってるだろ」
レオンが海斗の言葉に被せるように即答された
「むしろ何で行かないと思ったのさ?」
「同じ日本人が居るなら私達の力は必要だと思いますよ?」
「私達はパーティーですから」
危険な事があるかもしれないのに皆んな当たり前のようについて来てくれるのは、グッと胸に来るものがある
「ありがとう、よろしくお願いします」
「海斗をほっとくとろくな事にならないからな」
「海斗さんが目の届く所に居ないと不安じゃん」
「そうですね、うっかりで国が消える事態になったらと思うと」
「・・まだ海斗さんを調べ尽くしてないですし」
まって、そんな理由!?俺の感動を返してくんない?
後スミレさん、まだ諦めて無かったの?・・・逃げるよ
一通り笑い合った後、次の行動の話し合いに戻る
「取り敢えず就任式まで時間があるし、行きたい場所があるんだけど」
そう、本当なら1人でコッソリと行くつもりだったけどレオン達にも知っていて欲しい
なら皆んなを連れて行くべきだと判断して提案してみる
「行きたい場所?」
「ああ、俺がこの世界にやってきて最初に着いた街なんだ。そこで色んな事を教えてもらったんだよ」
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