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第4章 帝国編

そしてやっぱりこうなるのか

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どうしてだろう?アルフさんは交渉し易くする為に俺達を同席させた筈だよね?

なのに何故に訓練所の広間で騎士団の団体さんを目の前にしているのかな?

と言うかこのパターン何回目よ?なんなの?異世界テンプレの天ドンなの?

事件を呼び込む探偵の守護霊でも憑いてるんじゃないだろうか?

何処からか真実はいつもとか、じっちゃんの名前とか聞こえてきそうだよ

訓練所の中には海斗とアルフさん、そしてザップとその部下50人

騎士団も暇では無いはずなのに部下のなかでも精鋭部隊を連れてきたそうだ

そんな部隊ならこんな事に付き合わさなくても他に仕事があるだろうに

「海斗君、圧倒的に遠慮なく倒してくれていいんだからね」

アルフさんが近づいて来て満面の笑みで伝えてくるのだが、声が少し大きいよ


ほらー、騎士団の皆さん殺気が膨らんできてるー

今度は近づいて耳元で囁いた

「これはね、事前にオワズとバーンズさんと話し合っていた事なんだ」

え?計算通りって事?

「今のままでは魔王君は処刑が確定してしまうんだ。先程のザップ隊長の意見はね、他の貴族や大臣の意見が入っていて大多数がその意見に賛成を占めているんだ。

覆すには帝国に潜入して戦争を起こさないようにしながら魔道具を2つ奪ってこないとならない事になってね」

おいおい、なんて無茶なミッションだよ

「だから先ずはそれが出来る可能性があると示さなければならないんだ。彼等にね」


そう言ってアルフさんは訓練所の端っこにある建物の中を見る

つられて見てみると見物人がこちらを見ている。多分反対している人達なんだろう

アルフは海斗の肩に手を置いて真剣な表情を見せる

「すまない、魔王君を助ける為にはこのたった一つのか細い糸を手繰り寄せなければならない。海斗君、君にそれが出来るかい?」

それを提案したのは俺達だ。多分アルフさんは結構な無茶をしてここまでしてくれたのだろう

なら俺の答えは1つ

「やってやりましょう。ミッションインポッシブルってやつですね」

アルフさんはニヤリと笑いポンポンと海斗の肩を叩く

「さて、そちらの準備は出来たのかい?負けた時の言い訳の用意も?」

けどアルフさん、相手を煽っていくのは勘弁して欲しいんだけど

「はっ!そうやって怒りに任せて単調にさせようとしても無駄だ。コイツらはそんな事では崩れん!」

「では彼の強さをその身で味わってみるといいよ」

アルフさんはそう言って訓練所の見学場へと出て行く

さて、やっぱりこうなるのか。それも騎士団全員と同時なのね

アルフさんに聞いたらオーガよりは弱いよと

参考にならねーorz

スローモーションでもこんなに大勢と戦うと不意にやられる可能性もある。なら今の装備では心許ない

海斗はアプリを立ち上げて構えを取る

「あ?何だ?」

ザップは海斗の構えに眉を寄せる

海斗のお腹に変身ベルトが現れて手にはカードを持っている。立ち上げたのはCDだ

「変身!」

何処からともなく音楽と音声が流れていきカードライド ディオウに変身する。


こうなったら思いっきりやってやる。海斗はもう1枚カードを取り出して剣を出し騎士団へと走り出した




バーンズは目の前で起こっている現状に理解が追いついてないようだ

それ程までに圧倒的なそして一方的な展開が繰り広げられてらいる

最初にアルフが魔王を連れて帰ってきたと聞いた時は流石だと思った。彼は第3騎士団の隊長に収まっているが実力でいえば誰も寄せ付けない程開いている

それでも彼からの報告は到底信じられなかった。

1万もの魔物との激突、その後見たこともない魔物が2千、そしてそれを操っていた魔王を捕まえる為に、100階層からなる大型ダンジョンの踏破

それを死者無しでやって退けたと

その後魔王を連れて戻ってきたかと思えば魔王の利用価値を説いてきた。

当然他の貴族達からは猛反対された

無茶な事でもいい、何か方法がないだろうかと言われた時は、あの死神に何があったのかと心配したほどだ。

そしてオワズから帝国の国宝である魔道具ならばと提案が出た。それは余りにも無茶が過ぎる

1つ間違えば帝国と戦争になってしまう。そんなリスクを国は負えない

アルフならば可能性はあるのかもしれないが顔も名声も知れ渡っている。そしてアルフと同等の実力を持つもので顔が知れ渡っていない者など存在しない

そう説明するとアルフが笑って答えた

『ええ、うってつけの人物がおります』

聞くとアルフよりも強いと言う。そんな馬鹿なと一蹴し、それならばと設けた今回の一件だったが

目の前の現実が夢かと思ってしまう

まだ若い青年、見た目からは強者とは思えない出立だった

変身と言う言葉を唱えたかと思えば、全身を包むように鎧?を身につけて何もない所から剣が現れた

そして無防備に騎士団の中へと駆け出したかと思えば剣を避け、殴り蹴る。剣を持ってはいるのだが、決して切る事はせず剣の腹で騎士団を吹き飛ばしておる

あの精鋭部隊に手加減をしているのだろう

何処にそんな力があるのだろうか?人が小石のように飛んでいくのを初めて見たぞ


「バーンズさん、海斗君凄いでしょう?」

アルフが横に来て笑顔で言ってくる。今なら分かる。アルフが自信を持ってこの話を了承したことを

しかしアルフよ、お主がウズウズしてどうする

ただ、このままでは終わるまい。ザップの第1騎士団の団長という肩書きは伊達ではないぞ

バーンズの視線の先でザップが動き出した
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