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一学期
聞いてよ、お母さん! (1)
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「ただいま~!」
「お帰りー! ちょっと遅かったね、莉子ちゃん」
「そうなの! 聞いてよ、お母さん!」
「なになに? どうしたの?!」
思いの外、6年1組だけ帰るのがかなり遅くなったため、息せき切って帰ってきたわたしは、玄関で迎えてくれたお母さんの顔を見て、思わず感情のままに言っちゃったの。
だけど、心配そうなお母さんの表情を見て、すぐにあちゃーと反省する。
娘が小学校に入ってから、3回も転校、転入を繰り返した経験から、ちょっと心配症なのだ、うちのお母さんは。
確かに新しい学校の度に、色々な人間模様が繰り広げられたからね~それなりに。
わたしも低学年のうちは、人付き合いのコツみたいなものをよく分かっていないこともあって、お母さんにアドバイスしてもらったこともある。
特に長く歩く通学時は、なるべくみんなが分かる共通の話題を出したりして、誰かが仲間ハズレにならないように楽しくできると良いね、とか色々ね。
でもソレを良しとする子ばかりではなくて、日替わりで仲間ハズレを楽しむような質の子も、やっぱりいたの。
うっかりそういう子達のグループと関わりあうと、スッゴク大変なんだー!
一定の距離感を保っていれば、大丈夫なんだけどね~。
だから、そういうお友達を見る目って、ホント大事!
わたしは、やっぱり同じような価値観を持つお友達や尊敬できるお友達と一緒にいたいな、ってすごく思うから。
そういった学校生活事情を思い返すと、転校や転入がなくても、トラブルはどこででも起こりうるものなのかもしれないね。
イマドキの小学生も、色々大変なんだー!
だけど、新しい学校へ転入するということは、全く馴染みのない環境へ入り、新たな人間関係を築くということで、馴染んで勝手知ったる状態になるまでは、なかなかに気を遣うものなんだよね。
過去の履歴のない状態で、お友達探しや自分の行動を決定していかないといけないから。
過去の2回は親子共に新しい環境に馴染むまで右往左往していたから、お母さんが心配するのも、無理もないのかな。
そして、未だに親身になって心配してくれるのも、ありがたいと思ってる。
だって、お母さんは、
「いざとなったら、また違う学区にお引越しだって出来るんだから、何かあったらすぐに言うのよ」って、何度も言ってくれてるくらいだし。
もしもの場合は逃げ場があるって分かっているだけ気も楽だけど、まずはベストを尽くしたいよね!
転入も3回目ともなれば、わたしも色々学ぶ子なのだー!
わたしなりに色々頑張ってるし、あまり心配もかけたくない。
お母さんにも自分の成長具合をみせたいな、という見栄もある。
だから、まずは当たり障りない情報から、お母さんに伝えることにした。
「あのね、わたし、6年1組だった! しかも、担任の先生は、転任してきた新しい先生だよ。富澤隆二先生っていう名前で、隣の学区からの転任だって。新しく赴任したばかりだからか知らないけど、始業式後のホームルーム、スッゴク長引いちゃって……もう、お腹ペコペコだよ~」
ちょっとおどけてみせたわたしの言葉に、お母さんの態度は少し和らいだ。
「あらあら。ソレは大変! 学校の荷物をお部屋に置いて、手を洗っておいでー。お昼ご飯にしようね」
「お帰りー! ちょっと遅かったね、莉子ちゃん」
「そうなの! 聞いてよ、お母さん!」
「なになに? どうしたの?!」
思いの外、6年1組だけ帰るのがかなり遅くなったため、息せき切って帰ってきたわたしは、玄関で迎えてくれたお母さんの顔を見て、思わず感情のままに言っちゃったの。
だけど、心配そうなお母さんの表情を見て、すぐにあちゃーと反省する。
娘が小学校に入ってから、3回も転校、転入を繰り返した経験から、ちょっと心配症なのだ、うちのお母さんは。
確かに新しい学校の度に、色々な人間模様が繰り広げられたからね~それなりに。
わたしも低学年のうちは、人付き合いのコツみたいなものをよく分かっていないこともあって、お母さんにアドバイスしてもらったこともある。
特に長く歩く通学時は、なるべくみんなが分かる共通の話題を出したりして、誰かが仲間ハズレにならないように楽しくできると良いね、とか色々ね。
でもソレを良しとする子ばかりではなくて、日替わりで仲間ハズレを楽しむような質の子も、やっぱりいたの。
うっかりそういう子達のグループと関わりあうと、スッゴク大変なんだー!
一定の距離感を保っていれば、大丈夫なんだけどね~。
だから、そういうお友達を見る目って、ホント大事!
わたしは、やっぱり同じような価値観を持つお友達や尊敬できるお友達と一緒にいたいな、ってすごく思うから。
そういった学校生活事情を思い返すと、転校や転入がなくても、トラブルはどこででも起こりうるものなのかもしれないね。
イマドキの小学生も、色々大変なんだー!
だけど、新しい学校へ転入するということは、全く馴染みのない環境へ入り、新たな人間関係を築くということで、馴染んで勝手知ったる状態になるまでは、なかなかに気を遣うものなんだよね。
過去の履歴のない状態で、お友達探しや自分の行動を決定していかないといけないから。
過去の2回は親子共に新しい環境に馴染むまで右往左往していたから、お母さんが心配するのも、無理もないのかな。
そして、未だに親身になって心配してくれるのも、ありがたいと思ってる。
だって、お母さんは、
「いざとなったら、また違う学区にお引越しだって出来るんだから、何かあったらすぐに言うのよ」って、何度も言ってくれてるくらいだし。
もしもの場合は逃げ場があるって分かっているだけ気も楽だけど、まずはベストを尽くしたいよね!
転入も3回目ともなれば、わたしも色々学ぶ子なのだー!
わたしなりに色々頑張ってるし、あまり心配もかけたくない。
お母さんにも自分の成長具合をみせたいな、という見栄もある。
だから、まずは当たり障りない情報から、お母さんに伝えることにした。
「あのね、わたし、6年1組だった! しかも、担任の先生は、転任してきた新しい先生だよ。富澤隆二先生っていう名前で、隣の学区からの転任だって。新しく赴任したばかりだからか知らないけど、始業式後のホームルーム、スッゴク長引いちゃって……もう、お腹ペコペコだよ~」
ちょっとおどけてみせたわたしの言葉に、お母さんの態度は少し和らいだ。
「あらあら。ソレは大変! 学校の荷物をお部屋に置いて、手を洗っておいでー。お昼ご飯にしようね」
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