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1章
嫌いで気になる女
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王都を中心に、森は東西南北に有り、ダンジョンは森を守るかの様に生い茂っていた。
ダンジョンは、古代の遺跡の一部が表面に出ているだけで、ほとんどが、地下に埋まっていた。大抵は、200階層なのだが、南と北のダンジョンは、桁違いの500階層程、最下層にはまだ、誰も辿り着いていないので、現在、確認の出来ている、500階層が、最下層となっていた。
ダリル達冒険者はこの、古代の遺跡を、ダンジョンと呼んでいる!
ジェリドの背後に、宝の番人!ガーゴイル2体が襲いかかって来た。ジェリドは1体のガーゴイルを、片手剣のロンバルディで首を切り落とし。もう一体のガーゴイルに、蹴りを一撃食らわせ!体制を直して、2体目のガーゴイルの身体を真っ二つにした。
「おい、ジェリド!ボサッとしてるなよ!お前らしくも無い、何か!考え事か?」
「わかってるよ!ダリル!お前も気をつけろよ!」
ミズキの涙が、忘れられずにいた。
涙をグッと堪えるあの姿が、事ある毎に、頭に浮かんでは、消えていく。
その度に、胸の奥が軋む様な痛みが襲って来る。
ダリルとジェリドは、2人で、東の森のダンジョンで地下200階層の150階層で、宝探しをしていた。
ダリルは、宝箱を開けると!財宝の多さに、引き上げる事にした。何より、1週間ほど、家に帰っていない!ミズキを1人にしているのが、心配でならない。
「今日は、もうこの辺で、地上に戻るか?」
「あぁ、そうだな?」
ジェリドは歯切れの悪い返事をする。
「この、ペンダント貰っても良いか?」
財宝の中の、真紅の炎のオーブのペンダントを持って、ダリルが言った。
「珍しいな、お前が、ペンダントを欲しがるなんて、それは確かに、掘り出し物だな、魔力が溢れているぞ、あとで、鑑定に出した方が良くないか?」
「そうだな、魔力で怪我でもしたら大変だ」
ダリルは小さくつぶやいた。
「おい、まさかお前の妹と言い張っている奴に渡すんじゃないだろうな?」
「ジェリド!ミズキは大事な妹だ」
「いいや、お前!!騙されているんだよ!分からないのか?」
吐きすてる様にジェリドは言った。
「いい加減にしろよ!ミズキがお前に何をしたんだ!何もして無いだろう?」
ダリルは呆れた様に言う。
「確かに何もしてないが・・・気に入ら無いんだよ!あいつを、見ていると・・イライラするんだよ!」
感情を抑えることの出来ない!自分にも、腹が立つ!頭をガシガシと掻く!
「そんな事・・・どうでもいうだろう、ダリル!あいつは一体何者なんだ?お前の妹では無いよな!?妹のアイシャは、死んだんだ!」
ジェリドがダリルを問い詰めるように睨む。
「お前・・・アイシャの事を知っているのか?」
「あぁぁ、悪いが、調べさせてもらった」
ジェリドが呟くとダリルは、観念した様に、口を開いた。
「アイシャは、死んで無い・・・行方不明なだけだ。ミズキは、妹じゃ無い・・・・ミズキを見つけた日、アイシャを探しに、不幻の谷に入った、そうしたら、ミズキが雪の中で倒れていた・・・運命だと思ったよ、神様に感謝したくらいだ。神様なんか信じなかった俺が!」
「・・・おい、そこって・・・王家の所有地だろ、それに、見つけたものは、物や生物に関係なく、王家に献上しなければいけないんじゃなかったか?」
「献上したら、ミズキは、彼奴らのモルモットとして!一生飼い殺しだ。それだけならまだ、マシかもな?今の国王は、妾だけでも、何人居ると思う?」
「・・・・・・」
ジェリドの眉間のシワが深くなる。
「胸くそが悪いな・・・」
ミズキの泣き顔がまた、ジェリド心を締め付ける。
ーーーあんな、顔はもう見たく無い。
「ミズキは俺が、守る!いつまでも笑って暮らせる様に、そして・・・・・・・・・元の世界に帰してやる」
「おっおい、元の世界ってどう言う事だ!何の冗談だよ!」
ジェリドはダリルの腕を掴んだ!
「・・・ミズキなら、ダンジョンの謎が解けると思う!こないだミズキの国の文字を見せて貰った、あの文字はここに書かれている文字と酷似していた」
「本当かよ!あの女・・・いいやミズキは本当に異世界から来たのか?」
「・・・今更お前に嘘をつく言ってどうするよ」
「・・・・・・分かったよダリル、俺もミズキの面倒を見てやるよ!」
ダンジョンは、古代の遺跡の一部が表面に出ているだけで、ほとんどが、地下に埋まっていた。大抵は、200階層なのだが、南と北のダンジョンは、桁違いの500階層程、最下層にはまだ、誰も辿り着いていないので、現在、確認の出来ている、500階層が、最下層となっていた。
ダリル達冒険者はこの、古代の遺跡を、ダンジョンと呼んでいる!
ジェリドの背後に、宝の番人!ガーゴイル2体が襲いかかって来た。ジェリドは1体のガーゴイルを、片手剣のロンバルディで首を切り落とし。もう一体のガーゴイルに、蹴りを一撃食らわせ!体制を直して、2体目のガーゴイルの身体を真っ二つにした。
「おい、ジェリド!ボサッとしてるなよ!お前らしくも無い、何か!考え事か?」
「わかってるよ!ダリル!お前も気をつけろよ!」
ミズキの涙が、忘れられずにいた。
涙をグッと堪えるあの姿が、事ある毎に、頭に浮かんでは、消えていく。
その度に、胸の奥が軋む様な痛みが襲って来る。
ダリルとジェリドは、2人で、東の森のダンジョンで地下200階層の150階層で、宝探しをしていた。
ダリルは、宝箱を開けると!財宝の多さに、引き上げる事にした。何より、1週間ほど、家に帰っていない!ミズキを1人にしているのが、心配でならない。
「今日は、もうこの辺で、地上に戻るか?」
「あぁ、そうだな?」
ジェリドは歯切れの悪い返事をする。
「この、ペンダント貰っても良いか?」
財宝の中の、真紅の炎のオーブのペンダントを持って、ダリルが言った。
「珍しいな、お前が、ペンダントを欲しがるなんて、それは確かに、掘り出し物だな、魔力が溢れているぞ、あとで、鑑定に出した方が良くないか?」
「そうだな、魔力で怪我でもしたら大変だ」
ダリルは小さくつぶやいた。
「おい、まさかお前の妹と言い張っている奴に渡すんじゃないだろうな?」
「ジェリド!ミズキは大事な妹だ」
「いいや、お前!!騙されているんだよ!分からないのか?」
吐きすてる様にジェリドは言った。
「いい加減にしろよ!ミズキがお前に何をしたんだ!何もして無いだろう?」
ダリルは呆れた様に言う。
「確かに何もしてないが・・・気に入ら無いんだよ!あいつを、見ていると・・イライラするんだよ!」
感情を抑えることの出来ない!自分にも、腹が立つ!頭をガシガシと掻く!
「そんな事・・・どうでもいうだろう、ダリル!あいつは一体何者なんだ?お前の妹では無いよな!?妹のアイシャは、死んだんだ!」
ジェリドがダリルを問い詰めるように睨む。
「お前・・・アイシャの事を知っているのか?」
「あぁぁ、悪いが、調べさせてもらった」
ジェリドが呟くとダリルは、観念した様に、口を開いた。
「アイシャは、死んで無い・・・行方不明なだけだ。ミズキは、妹じゃ無い・・・・ミズキを見つけた日、アイシャを探しに、不幻の谷に入った、そうしたら、ミズキが雪の中で倒れていた・・・運命だと思ったよ、神様に感謝したくらいだ。神様なんか信じなかった俺が!」
「・・・おい、そこって・・・王家の所有地だろ、それに、見つけたものは、物や生物に関係なく、王家に献上しなければいけないんじゃなかったか?」
「献上したら、ミズキは、彼奴らのモルモットとして!一生飼い殺しだ。それだけならまだ、マシかもな?今の国王は、妾だけでも、何人居ると思う?」
「・・・・・・」
ジェリドの眉間のシワが深くなる。
「胸くそが悪いな・・・」
ミズキの泣き顔がまた、ジェリド心を締め付ける。
ーーーあんな、顔はもう見たく無い。
「ミズキは俺が、守る!いつまでも笑って暮らせる様に、そして・・・・・・・・・元の世界に帰してやる」
「おっおい、元の世界ってどう言う事だ!何の冗談だよ!」
ジェリドはダリルの腕を掴んだ!
「・・・ミズキなら、ダンジョンの謎が解けると思う!こないだミズキの国の文字を見せて貰った、あの文字はここに書かれている文字と酷似していた」
「本当かよ!あの女・・・いいやミズキは本当に異世界から来たのか?」
「・・・今更お前に嘘をつく言ってどうするよ」
「・・・・・・分かったよダリル、俺もミズキの面倒を見てやるよ!」
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