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君が恋しい4
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日付が変わる頃にやっと話が終えるとカルバンはジッとマリアの顔を覗き込んだ。だがマリアは下を向いたままでカルバンの目には、どんな顔をしているか分からかった。
小刻みに震えている。
辛くて涙を堪えているのだろうか?
マリアが一生懸命何かに耐えているのはカルバンにも分かる。
それでも正常では居られないだろう。自分の父親が母ライラ刺し殺したばかりか、マリアを認知すらしない話は、確実にマリアを傷付けいる事は知っている。
出来る事ならずっと黙っていたかった。
「・・・ふっふふふ・・あはははははーーーはぁ~あっーースッキリした」
突然マリアが笑い出し、笑い終わると目に溜まった涙を手で拭き取った。
「マリア?」
突然の笑い声にカルバンはマリアの気が触れたのかと焦りマリアの名を呼んだ。
「ごめんなさい叔父様、突然笑い出して!叔父様驚くわよね?」
「・・・あぁあ・・それは何だ・・・少しだけな・・」
正直驚いた。
マリアの問いにカルバンは面食らって、その事を伝えて良いものかどうか?どう答えてイイものか言葉が濁した。
そんなカルバンの表情を読み取ったのかマリアは話を続けた。
「こんな話を聞いて普通のお嬢様だったら泣いていたかもね?でも!何だろう?悲しいとか両親を恨むような気持ちが感わかないのよ!これからふつふつとわくのかしら?変なのよね?逆に離婚された原因がハッキリしてむしろ清々しているの!」
あっけらかんと話すマリアにカルバンは更に面食らった。
「・・・そうか?清々したか」
スッキリしたマリアの顔を見てカルバンは拍子抜けした。
どうやら考え過ぎのようだ、やっぱりライラの子だ。
笑いが込み上げてきた。
「ふっ、ふぁはははーーーお前らしい」
可愛くてマリアの頭を撫でるとマリアは頬を膨らます。
「失礼ね叔父様!まるで私が無神経みたいに言わなくたって・・・」
いいのにと言おうとしたらマリアのお腹がグゥゥゥーーーーーーー!と鳴った。
つられるようにカルバンのお腹も鳴るとマリアとカルバンは大笑いをした。
「そう言えば腹が減ったなマリア飯でも食いに行こうか?」
「やだわ叔父様のお腹まで鳴るなんて、ふふふ、本当にお腹が空いた。そう言えば朝から何も食べていなかったわ」
「それじゃ俺の行きつけの飲み屋にでも行くか?マリア、懐かしい顔が拝めるぞ!」
「懐かしい顔?」
「そうだよマリア!ジゼルの店ならこの時間でもやっている。場所もそれほど遠くないし行って見ないか?それとも・・・誰にも会いたくないか?」
探る様にマリアの顔を覗き込むカルバンにマリアは一度目を伏せてから瞳を開いてカルバンを見上げる。
「久しぶりにジゼルに会いたいわ!」
笑顔で答えるマリアを見てカルバンは更に続けた。
「クロードにも会いたいか?」
マリアは笑おうとしたが上手くいかず顔が歪んだ。
それが答えだと知ったカルバンはマリアを抱きしめた。
「もういいから、お前は十分傷ついた。泣いてもいいんだよマリア、誰もお前を責めたりしない。だから泣いてもいいんだ。よく頑張ったね」
カルバンが言い終わる前にマリアの涙腺が決壊して涙が溢れて流れ落ちていった。
「おじさま・・おじさま・・わたし・・もう結婚 なんか・・しない・・ずっと1人で生きていく・・だからクロードには二度と会わない、会えるわけがない」
グズっと鼻をすすりながらカルバンの腕の中にいるマリアをカルバン涙が止まるまで抱きしめていた。マリアは暖かいカルバンの腕の中で意識を手放した。
マリアが眠るのを確認するとマリアをベッドに寝かせて、カルバンは部屋を出ていった。
小刻みに震えている。
辛くて涙を堪えているのだろうか?
マリアが一生懸命何かに耐えているのはカルバンにも分かる。
それでも正常では居られないだろう。自分の父親が母ライラ刺し殺したばかりか、マリアを認知すらしない話は、確実にマリアを傷付けいる事は知っている。
出来る事ならずっと黙っていたかった。
「・・・ふっふふふ・・あはははははーーーはぁ~あっーースッキリした」
突然マリアが笑い出し、笑い終わると目に溜まった涙を手で拭き取った。
「マリア?」
突然の笑い声にカルバンはマリアの気が触れたのかと焦りマリアの名を呼んだ。
「ごめんなさい叔父様、突然笑い出して!叔父様驚くわよね?」
「・・・あぁあ・・それは何だ・・・少しだけな・・」
正直驚いた。
マリアの問いにカルバンは面食らって、その事を伝えて良いものかどうか?どう答えてイイものか言葉が濁した。
そんなカルバンの表情を読み取ったのかマリアは話を続けた。
「こんな話を聞いて普通のお嬢様だったら泣いていたかもね?でも!何だろう?悲しいとか両親を恨むような気持ちが感わかないのよ!これからふつふつとわくのかしら?変なのよね?逆に離婚された原因がハッキリしてむしろ清々しているの!」
あっけらかんと話すマリアにカルバンは更に面食らった。
「・・・そうか?清々したか」
スッキリしたマリアの顔を見てカルバンは拍子抜けした。
どうやら考え過ぎのようだ、やっぱりライラの子だ。
笑いが込み上げてきた。
「ふっ、ふぁはははーーーお前らしい」
可愛くてマリアの頭を撫でるとマリアは頬を膨らます。
「失礼ね叔父様!まるで私が無神経みたいに言わなくたって・・・」
いいのにと言おうとしたらマリアのお腹がグゥゥゥーーーーーーー!と鳴った。
つられるようにカルバンのお腹も鳴るとマリアとカルバンは大笑いをした。
「そう言えば腹が減ったなマリア飯でも食いに行こうか?」
「やだわ叔父様のお腹まで鳴るなんて、ふふふ、本当にお腹が空いた。そう言えば朝から何も食べていなかったわ」
「それじゃ俺の行きつけの飲み屋にでも行くか?マリア、懐かしい顔が拝めるぞ!」
「懐かしい顔?」
「そうだよマリア!ジゼルの店ならこの時間でもやっている。場所もそれほど遠くないし行って見ないか?それとも・・・誰にも会いたくないか?」
探る様にマリアの顔を覗き込むカルバンにマリアは一度目を伏せてから瞳を開いてカルバンを見上げる。
「久しぶりにジゼルに会いたいわ!」
笑顔で答えるマリアを見てカルバンは更に続けた。
「クロードにも会いたいか?」
マリアは笑おうとしたが上手くいかず顔が歪んだ。
それが答えだと知ったカルバンはマリアを抱きしめた。
「もういいから、お前は十分傷ついた。泣いてもいいんだよマリア、誰もお前を責めたりしない。だから泣いてもいいんだ。よく頑張ったね」
カルバンが言い終わる前にマリアの涙腺が決壊して涙が溢れて流れ落ちていった。
「おじさま・・おじさま・・わたし・・もう結婚 なんか・・しない・・ずっと1人で生きていく・・だからクロードには二度と会わない、会えるわけがない」
グズっと鼻をすすりながらカルバンの腕の中にいるマリアをカルバン涙が止まるまで抱きしめていた。マリアは暖かいカルバンの腕の中で意識を手放した。
マリアが眠るのを確認するとマリアをベッドに寝かせて、カルバンは部屋を出ていった。
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