玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす

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第7章 Welcome to the world

第7章第037話 マーリアちゃんとセレブロさんの仔供

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第7章第037話 マーリアちゃんとセレブロさんの仔供

・Side:ツキシマ・レイコ

 アイリさんとミオンさん、さらにはセレブロさんのお腹の中の赤ちゃんも順調というある日。
 セレブロさんとの散歩から帰ってきたマーリアちゃんから、相談があるとのことで。ファルリード亭が空いてきた頃合いで、空いている一卓を借りました。

 「セレブロの仔供ね。生まれたらどうしようかと考えているんだけど」

 セレブロさんの仔が三つ子だということは、レッドさんの診断で分かっています。ちなみに、オス一匹にメス二匹。まぁセレブロさんなら、性別が先に分かっても問題ないと言うことで公開しちゃっています。
 どうしようとは、やっぱここで面倒を見るとが難しいということでしょうかね?

 「マーリアちゃんがここで面倒見るんじゃ駄目なの?」

 セレブロさんは牛より大きいサイズですからね。それが親仔四匹ともなれば、今の部屋では足りません。
 増築が必要かな?とか、セレブロさん親仔専用の部屋でも作るか、なんて思ってました。

 「住む場所というよりは、まぁ言ってしまえばセレブロも森の動物だから。"人"とうまくやっていけるのかが心配になって…」

 マーリアちゃんは、ファルリード亭のセレブロさんコーナーでのんびりしているセレブロさんを眺めます。
 牛よりでかいですからね。店内をうろつくのではなく、フロントの脇に敷かれた一畳ほどのマットがセレブロさんの定位置になっています。
 …その周りを、お茶をしに来た奥さん達の連れてきた子供が何人か、もふもふを堪能していますが。図太く寝れているのか、寝たふりなのか。

 セレブロさんはもともと野生で。まだ小さい頃、銀狼の討伐任務の後に巣穴でマーリアちゃんが見つけて。さすがに殺すには忍びなく、そのまま面倒見ることにした…という経緯があります。
 小さい頃からマーリアちゃんに育てられたことで、"人間社会"という群れで暮らすスキルは身につけていますが。もともと銀狼は、あのサイズに牙と爪で魔獣に匹敵すると恐れられている獣です。マーリアちゃんとセレブロさんにちょっかいを出そうとした正教国の騎士を半殺しにしたこともあるそうで、必要とあれば人に対しても攻撃します。
 もちろん、エイゼル市に来てから人に危害を加えたということはありません。子供に集られても、まぁ困った顔はしますが、背中からずり落ちたという以外に怪我をした子供もいません。

 「セレブロならむやみに人を襲わないだろうし。もし暴れそうになっても、私がいれば押さえられるけど。それが三頭になったとして、いざという時に押さえられるのか自信が無いの」

 もちろん、生まれてきた仔達にも躾はしますが。武器を持った人がそこかしこにいるこの街では、正当防衛までは否定させられませんし。元々人に飼われる種でない以上、突然に野生に目覚めて暴走なんて危惧もあります。
 地球でも、拾ってきた野生動物を小さい頃から育てていたのに、大きくなってから飼い主が殺された…なんてこともまれにある話です。

 マーリアちゃんの戦闘力なら、勝つだけなら問題ないでしょうが。三匹全員を一度に抑えるのは無理があります。…考えたくは無いですが、最悪「殺してでも止める」必要が出てきます。

 「エルセニムで森に戻す? …よりは、セレブロさんより強い人に飼い主になってもらう…ってこと?」

 セレブロさんより強いとなると、最低限身体強化が出来る人でないと無理でしょうね。エカテリンさんとか覇王様でもギリギリかも?

 「小さい頃から野生で暮らしていないと、多分森では生きていけないと思うわ。セレブロだって、強いは強いけど、獲物を狩るのには苦労しそうよ。一人で暮らせるかって言われると、ちょっと妖しいわね」

 森で飢えてしまっては、いくら強くても詰みですし。飢えて人のテリトリーにでも迷い出たら、悲劇です。
 
 「生まれてくる仔が人といっしょに暮らすのなら、強い人…ってより、親やリーダーとして認める相手がそれぞれに必要かなとは思うけど」

 犬猫は、結構な世代を人に飼われることで家畜化されています。家畜化というのはこの場合、人と暮らす社会性を獲得したという意味です。
 例えば犬なら、まず最初は人に懐く傾向の狼が飼われ、狩猟なり番犬として向いている個体が選択されて、人の言うことを聞くように改良されてきました。
 しかし、セレブロさんは生粋の肉食獣です。幸いセレブロさん自身は完全にマーリアちゃんを自分のアルファ、群れの長としてきちんと認識していますので。マーリアちゃんの指示無しに自分から人間に危害を加えることはありません。
 クラウヤート様のところの白狼バール君も、クラウヤート様をアルファと認めているからこそ、問題なく過ごせています。群れを作る動物にはそういう資質は元々あって。後は人間をそれと認識してくれるか?ですね。
 ただ。その仔供が同じように人間に適応してくれるかはまた別の話。害意は無くても、面白半分で人にじゃれるだけでも悲劇となりかねません。

 三角州そばのサルハラの街には、水田を始めとする農業試験場みたいなところが儲けられて。テオーガル領の協力の元、家畜の改良にも手を出しています。その中でボア、大型のイノシシの家畜化にも挑戦しているそうなのですが。大人になったボアは結構な攻撃性があるそうで、試験場では苦労しているそうです。気性のおとなしい個体だけ繁殖させていくという操作が、今後必要でしょう。

 「セレブロは信頼しているけど。本来野生動物は人に馴れる必要がないからね。何かの拍子に人を攻撃でもしたら…罪に問わないというわけには行かないでしょう?」

 人なら、理性を教育することが出来ますが。銀狼にそれが出来るか?というよりは、失敗したときのリスクが高すぎるってところですか。一頭が問題を起こしたら、兄弟や親も…となりかねません。

 「エルセニムに皆で戻った方が良いのかな? そこで徐々に森での暮らしに慣らしていくか…」

 どうしたもんだろう…と話していたら。
 ん?レッドさん? なんですか?

 「………ふんふん。ほんと?そういうこと出来るの?レッドさん」

 セレブロさんの上に乗っているレッドさんから通信です。

 「どうしたの? レイコ」

 レッドさんから一つ提案されました。

 「マーリアちゃんもだけど、セレブロさんにもマナが多いって話は前にしたでしょ? レッドさんが言うには、そのマナを使って、マーリアちゃんとセレブロさんとで意思疎通できるんじゃないかって。セレブロさんやセレブロさんの子供にも同じ施術をすれば、その辺の問題も解決できるんじゃないか…って」

 セレブロさんは、魔獣並みにマナが多いです。意識をマナに取られているかどうかが魔獣との差異ですが。セレブロさんはその辺安定してマナを使いこなしていますね。

 「え? …そういえばレイコとレッドちゃんって、頭の中で話せるんだったわね。それと同じ事が私とセレブロさんとで出来るって事?」

 「私とレッドさんの場合、言葉とかはっきりした物では無く、頭の中に思い浮かべたことが伝わるんだけど。例えば、お腹空いたとか眠たいとか」

 先ほどの会話っぽいやりとりも、言葉と言うよりは紙芝居って言った方が近いでしょうね。

 「セレブロも言葉が分かるわけじゃないから、出来てもそんな感じになりそうね。うんうん、出来るのなら私もしてみたい」

 「…レッドさんが言うには、楽しいことばかりじゃないかもって。例えば…トイレ行きたいとか、そういう生理現象なんかも伝わるから。おしゃべり感覚だと後悔するかもだって」

 「セレブロさんのおトイレなら、私がいつも面倒見ているでしょ。今までと大して変わらないわよ」
 
 そういえばそうですね。

 レッドさん曰く、気に入らなかったり邪魔になれば止められる…との事ですが。文字通り二人の絆になる能力ですので、気分で止めたではちょっとセレブロさんが不憫です。…まぁそういうことないとは思いますが。
 ただ。本来の目的は、セレブロさんの子供の教育です。セレブロさんだけ施術して終わりという話でもありません。
 マーリアちゃんが仔供達を御せるか。または、里子に出すにしても仔供達を飼う人がその施術を受けられるだけのマナがあるのか。この辺が条件になりそうですね。

 マーリアちゃんへの施術自体はいつでも出来るので、数日考えてもらうことにしました。



 「やっぱりお願いするわ」

 「そうなるだろうと思ったけど。本当に良いの?」

 はい。さっそく次の朝、散歩から帰ってきたマーリアちゃんとセレブロさんです。決断早いですね。

 「この仔を拾ったときから、一生付き合うって決めたしね。セレブロのことは私が一番良く知っているし、その能力とやらがなくてもだいたい言いたいことは分かるけど。ただ、やっぱり銀狼は猛獣で、普通の騎士では太刀打ちできないくらい強くなるし。仔供がセレブロの様になってくれるとは限らないのも確かなのよね。その仔達も幸せに過ごせるようにするためなら、今から出来ることはしておきたい」

 はい。覚悟完了、了解しました。
 セレブロさんの了解を得られないのがなんですが。そこは保護者の許可があるということで。

 さて。
 まずはセレブロさんに伏せてもらって、首の上でレッドさんがまったりします。いつもと変わらない光景ですが、これで施術出来るんだそうです。
 とくにごねることもなく、セレブロさんはマーリアちゃんの言うことを聞いています。さすがですね。

 レッドさんから施術のイメージが伝わってきます。
 マナは元々、生物の体内にある程度の量が入ると、神経系に張り付いて信号処理を始めるんだそうです。脳の構造を解析して表層意識みたいなものを検出できるようにして、マナがそれに反応するようにしておくわけです。マナ術はこれがないと使えません。
 脳幹と海馬から、脳裏に思い浮かべる送りたいイメージを抽出して外に送信し、受信したら今度は海馬に投影するだけ…って言いますけど。実際にその辺のことを研究していた私からすると、ものすごいことを簡単にしていますね。

 …五分ほどかかりましたかね? レッドさんから終了の連絡です。すごいことしている割には、すごい速いです。
 次にマーリアちゃんの番。マーリアちゃんにはちょっと前屈みになってもらって、頭の後ろにレッドさんが抱きつく感じ。こちらはすぐに終わりました。

 「…これで終わったの? 特に何か変わった感じでも無いけど…」

 首の後ろに抱きついているだけですからね。何か施術した感覚はないようです。
 レッドさん曰く、問題なく完了したそうです。あとは、慣れれば自然に意思疎通出来るそうです。
 さっそくマーリアちゃんがセレブロさんと睨めっこしていますけど。…何か感じますか?



 次の朝。

 「レイコ!分かったわ!分かったのよ! セレブロがトイレ行きたいって!」

 熟睡しているところに、マーリアちゃんが部屋に飛び込んできました。

 「ん~? んん。はいはい、トイレに連れてっほしいの? マーリアちゃん」

 ん~まだ眠いですよ。小さいマーリアちゃんにトイレに起こされました。って、あれ?

 「違うわよ! セレブロが…あの…その…出したいっていうか、外へ出してっていうか、なんというか」

 はいはい。言葉ではなくイメージですね。朝のトイレ。

 「あー、まぁともかく、いつもの所に連れて行くわ」

 馬が居ない厩舎の横を区切って、セレブロさん用の砂トイレ小屋を作ってあります。
 最初は、河原から砂取ってきて交換して…掃除とかをマーリアちゃんがしていたのですが。…何気にここの砂がネズミよけになるとかで、倉庫や厩舎を持つ人たちに人気になって。騎馬ギルドの人たちが毎日交換してくれます。さすがにお金は取ってませんよ?

 馬は、使わないからと厩舎に放置できるものではありませんが。恒常的に世話する人を雇うのもコストがかかります。
 そこで、数頭を所持しているけど使う頻度の低い下級貴族や騎士や商人などを相手に、馬を預かって世話をする組合が騎馬ギルドです。
 護衛ギルド近くにも支部みたいなところがありまして。家に泊まりに来る人とかの馬の世話が必要になったときには、このギルドの人にお願いすることがあるのですが。偶然セレブロさんのトイレ砂の効果が判明しました。
 厩舎のネズミは、馬を驚かせたり革製品をかじったりと厄介者なので。猫を飼ってたり、のら猫に餌をやって通い猫にしている厩舎が多いそうですが。猫の躾として砂箱を置いておくと猫がそこでトイレしてくれると教えたところ、早速試そうとセレブロさんのトイレの砂をちょっと貰っていった人がいまして。そしたら次の日からその厩舎のネズミが激減するという事があったそうです。
 それがセレブロさんのトイレの砂の効能だと判明するまで数ヶ月。
 厩舎の周辺のネズミが減っただけで、猫の餌が減ったわけではないので、その辺も大丈夫。

 「レイコ! お散歩行きたいって。私と一緒に外歩きたいって!」

 まぁ思念が伝わるっても、動物のはシンプルですか。マーリアちゃんはニコニコしてセレブロさんのお世話をしています。セレブロさんもなにげにうれしそうですね。

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