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第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第036話 バンシクル王国大使オルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵
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第6章第036話 バンシクル王国大使オルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵
・Side:ツキシマ・レイコ
貴族街にあるバンシクル王国大使館前です。大使の伯爵に端金で持ってかれたカーラさんの眼鏡の回収に来ました。
門番やら家令やらと問答の後、やっとオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵とやらが出てきました。
ロマンスグレーの髪で、黙っていればイケオジかもしれませんが…。軽薄さが髭の薄さとお腹に出でいるって感じのおじさんですね。
「ふん。こんな便利な物、早々手放せるか! 30で足りないというのなら、1000くれてやる! これで十分だろうっ? それを持ってさっさと帰れっ!」
ああ…もうダメオヤジ確定です。
大金貨一枚、でもそれネイルコード国の金貨じゃないですよね? それをチャリンと私の足元に転がしました。
流石に30ダカムでは文句も出るだろうと思ったのか、外聞的にまずいと思ったのでしょうか、一気に30倍超えの値段を付けてきました。
1000ダカムは10万円ほど…まぁ量産の暁にあの眼鏡に値段を付けるとしたらこのへんからでしょうが。その金貨に本当に1000ダカムの価値があればですけど。 ネイルコード国税関の金含有率検査はなかなか厳しいですよ。
だがしかしっ!
「金払えば良いってもんじゃないでしょっ! 老人の持ち物を貴族の爵位にあかして取っていく、それがバンシクルとかいう国の貴族なの?」
ピュンッ! ガンッ!
用は済んだとばかりに屋敷の中に戻って行こうとしている伯爵に向けて…実際は頭をかすめるように、拾った金貨を投げました。
伯爵の面前で扉にめり込み潰れる金貨。 もちろん手加減していますよ。本気で投げたら扉どころか屋敷を貫通してしまいますからね。扉の向こう側が危険です。
「…眼鏡を、返してください。言葉、分かりますよね?」
固まってゆっくり振り向く馬鹿伯爵。なにか危険なことが起きたことは分かるようですが、まだ頭が追いついていないようですね。
「く…バンシクル国大使である私に手を出すというのかっ?! おい門番なにをしているっ! この娘を排除しろっ!」
門番さんたち命令はされましたけど。私についてはこの伯爵よりは詳しく知っているようで。手の平を前に向けて、首を振ります。
「伯爵、赤竜神の巫女様のことをご存じないのですか? 私達には無理ですよっ!」
「お前らっ! こんな小娘に躊躇しおって! くそっ!私が直々にっ!」
と、これまた伯爵、門番が下げている剣を抜こうと手を伸ばします。
手ぶらの人間、まして子供に剣を向けるってのは、私の専守防衛のボーダーを越えます。
こういう人間ならもうこれは実力行使しかないかな? 眼鏡をかけられない顔に…いや眼鏡が必要ないようにした方が良いのかな? などと、我ながら物騒なことを考えたその時。
「レイコ殿っ! おまちをっ!」
「レイコちゃんっ!、タンマタンマっ!」
ダンテ隊長にエカテリンさんが走ってきました。
「よかった間に合ったっ! まだ屋敷が残っているっ! 大使が原形を留めているっ!」
エカテリンさん…原形留めているって、私そこまで酷いことしたこと無いですよ。こちらから手を出したことは無いですし、やるとしてもちょっと手足が曲がる程度で済ませています。どこも千切ったりはしていません。
「レイコちゃん!この馬鹿を半殺しにしたい気持ちは分かるけど、エイゼル市、いやネイルコード国に一旦預けてくれないかな?」
「ば…馬鹿とはなんだっ! この無礼者っ!」
さすがに交易対象の国の大使をここで問答無用に再起不能にするとまずいって判断なのでしょうが…ここは相手の出方に寄りますけど。
「オルマラ伯爵! ネイルコード国からの通達は聞いていないんですか? 赤竜神の巫女であるレイコ殿およびその周辺には手出し無用、敵対した結果についてはネイルコード国は貴国の趨勢ついても一切の責任を持たないと。昨日も北の食堂に行く際も門のところで注意されたでしょう?」
「趨勢とは大げさな… 衛兵が行き先を告げた際に何か言っていたが…これが本当に赤竜神の巫女だというのか?」
「ほら、やっぱり馬鹿じゃないか。今回のことが大事にならないように私達がどれだけ根を詰めていたか知らないだろ? 昨日から散々警告と抗議の使者を送ったのに悉く無視しやがって。今、自分が命拾いしたって理解しているかっ?!」
エカテリンさん、私の反応を先読みして待機していたみたいです。ご心配おかけしてます。…敬語はいいんですか?
馬鹿伯爵、エカテリンさんの剣幕に気圧されています。一応注意されてたけど全部聞き流していたということですね。
「貴方も外交官なら、レイコ殿がダーコラ国や正教国でどう立ち回ったかくらいの情報は得ているのでしょう? それを踏まえて、彼女と敵対するというのですか?」
「あの二カ国のトップ入れ替えの切っ掛けとなったあの騒動のことか? いやしかし、小娘一人がなどと誇張された話を…」
まぁ私は切っ掛けに関わっただけで。ほとんど先方の自滅案件ですけどね。
「私は、ダンテ隊長とエカテリンさんがそういうのなら引いても良いんですけど。でも伯爵、メガネは今すぐ返してください。あれは貴方のために作った物ではありません」
「ヒンゴール伯爵、今朝のうちにすでに警告してあるはずです。赤竜神の巫女様を子供だと思って侮ると、貴方だけではなくバンシクル王国に厄災となって返ってきますよと。武威だけでも、タシニの街での岩山粉砕とかユルガルムでの魔獣殲滅とか、そちらにも届いているのでしょう? この子の後ろにいる小竜神様が見えないんですか?」
「クックーッ!」
「大使館どころか、あなたの爵位も、下手すればバンシクル王国そのものが消し飛びますよ?」
何が起きているのか分からない顔をする馬鹿伯爵。たかが場末の宿の平民の老女の持ち物で国が出てくるわけが…とでも思っているのでしょうけど。さすがに大事になってきているとは理解したのか、仕方がないという感じで胸ポケットに仕舞ってあった眼鏡を取り出しました。
「…そこでその眼鏡を放り投げたりしたら、許さないですから」
さっき大金貨投げましたからね、この馬鹿伯爵。
ぐぬぬという顔で睨め付けてくるだけのヒンゴール伯爵。やるつもりだったんですか?
眼鏡はダンテ隊長が代わりに受け取ってくれました。
苦々しい視線をこちらに向けてきますけど。盗っ人猛々しいですね全く。
とりあえず。アイズン伯爵が顛末の事情説明をしてくれるって事で、このあとアイズン伯爵邸の方に寄ることになりました。
・Side:ツキシマ・レイコ
貴族街にあるバンシクル王国大使館前です。大使の伯爵に端金で持ってかれたカーラさんの眼鏡の回収に来ました。
門番やら家令やらと問答の後、やっとオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵とやらが出てきました。
ロマンスグレーの髪で、黙っていればイケオジかもしれませんが…。軽薄さが髭の薄さとお腹に出でいるって感じのおじさんですね。
「ふん。こんな便利な物、早々手放せるか! 30で足りないというのなら、1000くれてやる! これで十分だろうっ? それを持ってさっさと帰れっ!」
ああ…もうダメオヤジ確定です。
大金貨一枚、でもそれネイルコード国の金貨じゃないですよね? それをチャリンと私の足元に転がしました。
流石に30ダカムでは文句も出るだろうと思ったのか、外聞的にまずいと思ったのでしょうか、一気に30倍超えの値段を付けてきました。
1000ダカムは10万円ほど…まぁ量産の暁にあの眼鏡に値段を付けるとしたらこのへんからでしょうが。その金貨に本当に1000ダカムの価値があればですけど。 ネイルコード国税関の金含有率検査はなかなか厳しいですよ。
だがしかしっ!
「金払えば良いってもんじゃないでしょっ! 老人の持ち物を貴族の爵位にあかして取っていく、それがバンシクルとかいう国の貴族なの?」
ピュンッ! ガンッ!
用は済んだとばかりに屋敷の中に戻って行こうとしている伯爵に向けて…実際は頭をかすめるように、拾った金貨を投げました。
伯爵の面前で扉にめり込み潰れる金貨。 もちろん手加減していますよ。本気で投げたら扉どころか屋敷を貫通してしまいますからね。扉の向こう側が危険です。
「…眼鏡を、返してください。言葉、分かりますよね?」
固まってゆっくり振り向く馬鹿伯爵。なにか危険なことが起きたことは分かるようですが、まだ頭が追いついていないようですね。
「く…バンシクル国大使である私に手を出すというのかっ?! おい門番なにをしているっ! この娘を排除しろっ!」
門番さんたち命令はされましたけど。私についてはこの伯爵よりは詳しく知っているようで。手の平を前に向けて、首を振ります。
「伯爵、赤竜神の巫女様のことをご存じないのですか? 私達には無理ですよっ!」
「お前らっ! こんな小娘に躊躇しおって! くそっ!私が直々にっ!」
と、これまた伯爵、門番が下げている剣を抜こうと手を伸ばします。
手ぶらの人間、まして子供に剣を向けるってのは、私の専守防衛のボーダーを越えます。
こういう人間ならもうこれは実力行使しかないかな? 眼鏡をかけられない顔に…いや眼鏡が必要ないようにした方が良いのかな? などと、我ながら物騒なことを考えたその時。
「レイコ殿っ! おまちをっ!」
「レイコちゃんっ!、タンマタンマっ!」
ダンテ隊長にエカテリンさんが走ってきました。
「よかった間に合ったっ! まだ屋敷が残っているっ! 大使が原形を留めているっ!」
エカテリンさん…原形留めているって、私そこまで酷いことしたこと無いですよ。こちらから手を出したことは無いですし、やるとしてもちょっと手足が曲がる程度で済ませています。どこも千切ったりはしていません。
「レイコちゃん!この馬鹿を半殺しにしたい気持ちは分かるけど、エイゼル市、いやネイルコード国に一旦預けてくれないかな?」
「ば…馬鹿とはなんだっ! この無礼者っ!」
さすがに交易対象の国の大使をここで問答無用に再起不能にするとまずいって判断なのでしょうが…ここは相手の出方に寄りますけど。
「オルマラ伯爵! ネイルコード国からの通達は聞いていないんですか? 赤竜神の巫女であるレイコ殿およびその周辺には手出し無用、敵対した結果についてはネイルコード国は貴国の趨勢ついても一切の責任を持たないと。昨日も北の食堂に行く際も門のところで注意されたでしょう?」
「趨勢とは大げさな… 衛兵が行き先を告げた際に何か言っていたが…これが本当に赤竜神の巫女だというのか?」
「ほら、やっぱり馬鹿じゃないか。今回のことが大事にならないように私達がどれだけ根を詰めていたか知らないだろ? 昨日から散々警告と抗議の使者を送ったのに悉く無視しやがって。今、自分が命拾いしたって理解しているかっ?!」
エカテリンさん、私の反応を先読みして待機していたみたいです。ご心配おかけしてます。…敬語はいいんですか?
馬鹿伯爵、エカテリンさんの剣幕に気圧されています。一応注意されてたけど全部聞き流していたということですね。
「貴方も外交官なら、レイコ殿がダーコラ国や正教国でどう立ち回ったかくらいの情報は得ているのでしょう? それを踏まえて、彼女と敵対するというのですか?」
「あの二カ国のトップ入れ替えの切っ掛けとなったあの騒動のことか? いやしかし、小娘一人がなどと誇張された話を…」
まぁ私は切っ掛けに関わっただけで。ほとんど先方の自滅案件ですけどね。
「私は、ダンテ隊長とエカテリンさんがそういうのなら引いても良いんですけど。でも伯爵、メガネは今すぐ返してください。あれは貴方のために作った物ではありません」
「ヒンゴール伯爵、今朝のうちにすでに警告してあるはずです。赤竜神の巫女様を子供だと思って侮ると、貴方だけではなくバンシクル王国に厄災となって返ってきますよと。武威だけでも、タシニの街での岩山粉砕とかユルガルムでの魔獣殲滅とか、そちらにも届いているのでしょう? この子の後ろにいる小竜神様が見えないんですか?」
「クックーッ!」
「大使館どころか、あなたの爵位も、下手すればバンシクル王国そのものが消し飛びますよ?」
何が起きているのか分からない顔をする馬鹿伯爵。たかが場末の宿の平民の老女の持ち物で国が出てくるわけが…とでも思っているのでしょうけど。さすがに大事になってきているとは理解したのか、仕方がないという感じで胸ポケットに仕舞ってあった眼鏡を取り出しました。
「…そこでその眼鏡を放り投げたりしたら、許さないですから」
さっき大金貨投げましたからね、この馬鹿伯爵。
ぐぬぬという顔で睨め付けてくるだけのヒンゴール伯爵。やるつもりだったんですか?
眼鏡はダンテ隊長が代わりに受け取ってくれました。
苦々しい視線をこちらに向けてきますけど。盗っ人猛々しいですね全く。
とりあえず。アイズン伯爵が顛末の事情説明をしてくれるって事で、このあとアイズン伯爵邸の方に寄ることになりました。
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