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第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第032話 レイコは何馬力?
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第6章第032話 レイコは何馬力?
・Side:ツキシマ・レイコ
はい。王宮での蒸気機関車やら電信やらのお披露目も無事終わって。日を改めて今度はマルタリクに来ております。
ユルガルムからは今回のお披露目のために他にも技師さんやら職人さんが沢山来られていますので。丁度良い機会と言うことでマルタリクでの合同技術検討会議が一週間ほど企画されています。
…職人組合の会議室にクーラーが入っているのは、ある意味生産者特権ですね。ただ、会議室は色々とヒートアップしております。
レッドさんは…部屋の後ろの方でハンマ親方の娘カンナさんと、リバーシしながらお茶していますね。この距離なら無線通信出来ますので、お父さんデータベースはお願いします。
「クーッ」
今の会議は、今まで出てきた技術の船舶への応用と、さらに必要となる関連技術の開発についてのお話し合いですね。
同席するは、海運を主な業務にしていているリラック商会のドウム・リラック会頭と。今日が初めましてのネイルコード国海軍のトップであるディエップ・フェカン海相です。軍相であるカステラード殿下の直属の部下ということになりますね。
あああ、膝はつかないでください~
ディエップ海相は、いつもはボルト島の海軍基地に詰めていることが多いそうですが。今日はこちらの会議に出席されています。
地球でもでしたが、この世界でも帆船時代の船は大抵は国の軍が管理しています。
交易、すなわち商売の為に運航される船ですから。積み荷や寄港地やスケジュール等は商会側が主導で決めることになりますが。国の外で活動する商業船が非武装と言うことはありえないというのと。寄った先の港は外国ですし、どうしても外交的な対応が必要なことも多く、最悪は戦闘という形になる可能性が考えられますので。その辺の対応と権限を任された高級軍人が船長となり、船員のかなりの部分も兵士で構成されています。
さらに言えば。外用航海にも耐えられ武装も積んでいる船らは、戦時ともなればそのまま輸送船や戦船となります。せっかくの船を徴用されては…と商会側が思っていと思われるかもしれませんが。どのみち制海権が無いところでの商売なんか、商会だけでは危険でやってられません。
よって、ここは持ちつ持たれつ。海外交易のための遠洋航海用の船の建造には、軍と商会は切っても切り離せない関係なのです。
「蒸気機関とスクリューとやらを使った次世代快速輸送船…ですか」
ディエップ海相が、実用が予定されている技術について説明を受けています。
蒸気機関については、先日ミニ蒸気機関車を王宮で走らせました。残念ながらディエップ海相は見られなかったそうですが。
ハンマ親方が扇風機を使ってスクリューの原理を説明します。
ちなみに。スクリューはその形状から、プロペラは推進という効果から名前が付けられています。これを正確に言うのならスクリュープロペラになるんですかね? お父さん。
「なるほど、これで水を後ろに送り、その反動で進む…というのは、見てだいたい分かるのですが。オールや水車の形はしていないのですな」
「ずっと水中で動かすのなら、こちらが最適解なんです」
「ふむふむ。オールや水車では、水上に出ている部分が無駄…ということか」
スクリューの軸を出すのが水面下なので、その辺の防水と排水の技術も必要ですが。外輪船では効率が悪くてすぐ廃れたのは歴史の通り。
外輪船はロマンがありますが、あれはスクリューが川底を叩く恐れの高い浅瀬で使う河船に採用する程度でした。
「速度はどれほどを見込んでらっしゃるので?」
「地球での例ですが。遅くても10ノート、快速の貨客船で25ノート前後って感じだったそうです」
ノートとは、この惑星一周の360分の1のさらに60分の1、すなわち経度緯度的にこの1分の距離を1時間で進む速度が1ノートですね。元の定義は地球のノットと同じです。
どこから伝わったのか不明確ですが。こちらの度量はメートル法に近いのです。角度が一周360度とか、一日24時間とか、一年12ヶ月とか、こういうところは地球そっくりです。
ただ、太陽との距離とか惑星の大きさがぴったり地球と同じとは考えにくいです。地球のそれらの数字とどの程度違うのかは、地球での長さや重さを表す物が一切手元に無いので比較のしようが無いのですが。まぁ話をする分には違和感がないので助かります。
一応、地球での度量を再現する方法は理論的にはあります。アボガドロ定数の数の分子をもつ炭素は12グラム。つまり6かける10の23乗個の炭素原子は約12グラム。
0度の氷の密度が0.92ほど。1グラムが正確に分れば、今度は氷のサイズから地球での長さが求められます。
長さが分かれば、光の速度から1秒が… って、ちょっと気が遠くなりますね。
まぁあくまで地球の単位の話です。この星ではこの星の度量を決めていけばいいでしょう。気をつけないといけないのは、世界で複数の度量が混在すること。ヤーポン滅ぶべしってやつです。
「遅くても旧来の帆走貨物船の三倍近くの速度ですか… しかも風の具合に左右されない。本当に出来るのなら凄まじいですな」
もちろん、技術ハードルはあります。まだまだこれからの話です。
「あー、多分レイコ殿の頭の中で答えはあるとは思うんだけど。水、どうするんだ? 蒸気機関に海水は使えないぞ、中で塩吹くからな。ただ、ずっと動かしていたらどれだけの真水が必要になるか…」
ハンマ親方が質問します。
「それは、蒸気の通る管を海水で冷やして水に戻します。こんな感じで」
と、簡単な図を書きました。
「なるほどなるほど。船内の排水の為に、あの井戸のポンプを蒸気機関で動かせないかとか考えていたのですが。海水の循環はその辺の仕組みが使えそうですな」
「ポンプだけなら、蒸気機関よりモーターの方がシンプルかもしれませんね」
「"電気"を使うとなると、"絶縁"がまた課題ですな… 海の上ならなおさらで」
蒸気機関車の場合、ピストンを動かした蒸気は捨ててしまいます。よって、機関車の後ろに給水車を繋げてそこのタンクに定期的に水を補給する必要があります。地球の蒸気機関車なら、さらに石炭も補給が必要ですね。
これが船の場合となると、真水を海の上で捨ててしまうなんてとんでもない! と言うことで、水蒸気を冷却して水に戻す復水器という物を使います。
この復水器は、水の少ないところを走る蒸気機関車にも採用例はあるそうですが。ネイルコード国での鉄道では特に必要ないでしょうね。
船の場合、海水を使って蒸気を冷やすわけですし。蒸気機関でないディーゼルとかの時代でも、エンジンの冷却の為に海水は取り込んでました。ちなみに、海水を舟底から取り込む配管の弁のことをキングストン弁と言います。何故か有名なキングストン弁。
「スクリューだけでも、形やサイズや傾き、回転数と船の速度、あと舟底の形もか。いろいろと研究しないといけないことが多いな」
「とりあえずの図面だと、この蒸気機関を置く所とスクリューの軸が出る穴をまとめて一つの部屋に置いて、もしここが浸水しても沈まないように設計する…ってことでよろしいのですな?」
クイーン・ローザリンテ号にも、水密隔壁みたいなのはありましたね。今回もその一つに機関を置くという感じの構造です。
「うーん、必要な蒸気機関のサイズ、それに水のタンクも必要でしょうし、あと復水器ですか。どれくらいのスペースを用意したら良いのやら…ですな」
「やはり、本番の建造前に試験船を誂える必要がありますな」
「修理のためにドックに上げていた古い中型輸送船がありすが、まずはあれを改造してみる…というのはいかがかな?」
ほっといても職人の人が色々検討を始めます。石版と紙にあーだこーだとラフな図面が引かれていきます。
帆船は構造的に中央に竜骨が通っているので、後からスクリュー用の穴を空けるのが難しいです。よって、スクリューはこの改造船に右舷側にずらして付けられることになりました。片方だけで真っ直ぐ進めるの?という疑問はありましたが。もともと帆船は横から風を受ける様になっているので、少し斜めに進むのが普通のことだそうで、この程度なら当て舵だけで問題にはならなさそう…とのことです。
機関室は、色々試すために大きめに確保されます。
テストで機関が故障することが前提ですので、マストとかはそのまま残します。帆走も可能です。
日本に最初に来た蒸気船、黒船ことサスケハナ号。二千五百トンの石炭燃料の外輪船。速度は10ノット。
私はてっきり、黒船はアメリカ西海岸から太平洋を越えてきたと思ってたのですが。実はアメリカ東海岸から大西洋、喜望峰、インドと西から片道一年かけて来ていたんですね。
今回試験で改造する作る船は、排水量は日本が初めて手に入れた蒸気船である咸臨丸の方に近いですね。咸臨丸は六百トン6ノットのスクリュー船。蒸気レシプロのスクリュー船ですが、燃料が要らないと言うだけでも、地球の蒸気船に比べて相当に先進的な感じがします。
…実はこの貨物船改造での試験計画、途中からちょっと話がおかしくなりまして。
搭載する蒸気機関の開発、復水器の開発、これらと並行してスクリューの研究と開発もということですが。
人手足りますかね?という疑問は置いといて。マルタリク側の推測では、スクリューの方が早く出来そうなのですが、機関の完成を待たずに先に実物大スクリューの実装テストもしておきたい…ということで。そのテスト用"エンジン"に私が指名されました。はい。私が船底で脚でペダルを漕ぐことになります。
まさか私が異世界でエンジンになるとは、赤井さんも思っていなかったでしょう。知ったら爆笑しそうですが。
トルクの測定方法くらいは自分たちでも考えてくださいね。でないと蒸気機関との比較にならないですよ。
将来、単位の"馬力"の代わりに私がなったりして。バリキならぬレリキ? 語呂が悪いですね。ワット表記の方がいいかしら?
・Side:ツキシマ・レイコ
はい。王宮での蒸気機関車やら電信やらのお披露目も無事終わって。日を改めて今度はマルタリクに来ております。
ユルガルムからは今回のお披露目のために他にも技師さんやら職人さんが沢山来られていますので。丁度良い機会と言うことでマルタリクでの合同技術検討会議が一週間ほど企画されています。
…職人組合の会議室にクーラーが入っているのは、ある意味生産者特権ですね。ただ、会議室は色々とヒートアップしております。
レッドさんは…部屋の後ろの方でハンマ親方の娘カンナさんと、リバーシしながらお茶していますね。この距離なら無線通信出来ますので、お父さんデータベースはお願いします。
「クーッ」
今の会議は、今まで出てきた技術の船舶への応用と、さらに必要となる関連技術の開発についてのお話し合いですね。
同席するは、海運を主な業務にしていているリラック商会のドウム・リラック会頭と。今日が初めましてのネイルコード国海軍のトップであるディエップ・フェカン海相です。軍相であるカステラード殿下の直属の部下ということになりますね。
あああ、膝はつかないでください~
ディエップ海相は、いつもはボルト島の海軍基地に詰めていることが多いそうですが。今日はこちらの会議に出席されています。
地球でもでしたが、この世界でも帆船時代の船は大抵は国の軍が管理しています。
交易、すなわち商売の為に運航される船ですから。積み荷や寄港地やスケジュール等は商会側が主導で決めることになりますが。国の外で活動する商業船が非武装と言うことはありえないというのと。寄った先の港は外国ですし、どうしても外交的な対応が必要なことも多く、最悪は戦闘という形になる可能性が考えられますので。その辺の対応と権限を任された高級軍人が船長となり、船員のかなりの部分も兵士で構成されています。
さらに言えば。外用航海にも耐えられ武装も積んでいる船らは、戦時ともなればそのまま輸送船や戦船となります。せっかくの船を徴用されては…と商会側が思っていと思われるかもしれませんが。どのみち制海権が無いところでの商売なんか、商会だけでは危険でやってられません。
よって、ここは持ちつ持たれつ。海外交易のための遠洋航海用の船の建造には、軍と商会は切っても切り離せない関係なのです。
「蒸気機関とスクリューとやらを使った次世代快速輸送船…ですか」
ディエップ海相が、実用が予定されている技術について説明を受けています。
蒸気機関については、先日ミニ蒸気機関車を王宮で走らせました。残念ながらディエップ海相は見られなかったそうですが。
ハンマ親方が扇風機を使ってスクリューの原理を説明します。
ちなみに。スクリューはその形状から、プロペラは推進という効果から名前が付けられています。これを正確に言うのならスクリュープロペラになるんですかね? お父さん。
「なるほど、これで水を後ろに送り、その反動で進む…というのは、見てだいたい分かるのですが。オールや水車の形はしていないのですな」
「ずっと水中で動かすのなら、こちらが最適解なんです」
「ふむふむ。オールや水車では、水上に出ている部分が無駄…ということか」
スクリューの軸を出すのが水面下なので、その辺の防水と排水の技術も必要ですが。外輪船では効率が悪くてすぐ廃れたのは歴史の通り。
外輪船はロマンがありますが、あれはスクリューが川底を叩く恐れの高い浅瀬で使う河船に採用する程度でした。
「速度はどれほどを見込んでらっしゃるので?」
「地球での例ですが。遅くても10ノート、快速の貨客船で25ノート前後って感じだったそうです」
ノートとは、この惑星一周の360分の1のさらに60分の1、すなわち経度緯度的にこの1分の距離を1時間で進む速度が1ノートですね。元の定義は地球のノットと同じです。
どこから伝わったのか不明確ですが。こちらの度量はメートル法に近いのです。角度が一周360度とか、一日24時間とか、一年12ヶ月とか、こういうところは地球そっくりです。
ただ、太陽との距離とか惑星の大きさがぴったり地球と同じとは考えにくいです。地球のそれらの数字とどの程度違うのかは、地球での長さや重さを表す物が一切手元に無いので比較のしようが無いのですが。まぁ話をする分には違和感がないので助かります。
一応、地球での度量を再現する方法は理論的にはあります。アボガドロ定数の数の分子をもつ炭素は12グラム。つまり6かける10の23乗個の炭素原子は約12グラム。
0度の氷の密度が0.92ほど。1グラムが正確に分れば、今度は氷のサイズから地球での長さが求められます。
長さが分かれば、光の速度から1秒が… って、ちょっと気が遠くなりますね。
まぁあくまで地球の単位の話です。この星ではこの星の度量を決めていけばいいでしょう。気をつけないといけないのは、世界で複数の度量が混在すること。ヤーポン滅ぶべしってやつです。
「遅くても旧来の帆走貨物船の三倍近くの速度ですか… しかも風の具合に左右されない。本当に出来るのなら凄まじいですな」
もちろん、技術ハードルはあります。まだまだこれからの話です。
「あー、多分レイコ殿の頭の中で答えはあるとは思うんだけど。水、どうするんだ? 蒸気機関に海水は使えないぞ、中で塩吹くからな。ただ、ずっと動かしていたらどれだけの真水が必要になるか…」
ハンマ親方が質問します。
「それは、蒸気の通る管を海水で冷やして水に戻します。こんな感じで」
と、簡単な図を書きました。
「なるほどなるほど。船内の排水の為に、あの井戸のポンプを蒸気機関で動かせないかとか考えていたのですが。海水の循環はその辺の仕組みが使えそうですな」
「ポンプだけなら、蒸気機関よりモーターの方がシンプルかもしれませんね」
「"電気"を使うとなると、"絶縁"がまた課題ですな… 海の上ならなおさらで」
蒸気機関車の場合、ピストンを動かした蒸気は捨ててしまいます。よって、機関車の後ろに給水車を繋げてそこのタンクに定期的に水を補給する必要があります。地球の蒸気機関車なら、さらに石炭も補給が必要ですね。
これが船の場合となると、真水を海の上で捨ててしまうなんてとんでもない! と言うことで、水蒸気を冷却して水に戻す復水器という物を使います。
この復水器は、水の少ないところを走る蒸気機関車にも採用例はあるそうですが。ネイルコード国での鉄道では特に必要ないでしょうね。
船の場合、海水を使って蒸気を冷やすわけですし。蒸気機関でないディーゼルとかの時代でも、エンジンの冷却の為に海水は取り込んでました。ちなみに、海水を舟底から取り込む配管の弁のことをキングストン弁と言います。何故か有名なキングストン弁。
「スクリューだけでも、形やサイズや傾き、回転数と船の速度、あと舟底の形もか。いろいろと研究しないといけないことが多いな」
「とりあえずの図面だと、この蒸気機関を置く所とスクリューの軸が出る穴をまとめて一つの部屋に置いて、もしここが浸水しても沈まないように設計する…ってことでよろしいのですな?」
クイーン・ローザリンテ号にも、水密隔壁みたいなのはありましたね。今回もその一つに機関を置くという感じの構造です。
「うーん、必要な蒸気機関のサイズ、それに水のタンクも必要でしょうし、あと復水器ですか。どれくらいのスペースを用意したら良いのやら…ですな」
「やはり、本番の建造前に試験船を誂える必要がありますな」
「修理のためにドックに上げていた古い中型輸送船がありすが、まずはあれを改造してみる…というのはいかがかな?」
ほっといても職人の人が色々検討を始めます。石版と紙にあーだこーだとラフな図面が引かれていきます。
帆船は構造的に中央に竜骨が通っているので、後からスクリュー用の穴を空けるのが難しいです。よって、スクリューはこの改造船に右舷側にずらして付けられることになりました。片方だけで真っ直ぐ進めるの?という疑問はありましたが。もともと帆船は横から風を受ける様になっているので、少し斜めに進むのが普通のことだそうで、この程度なら当て舵だけで問題にはならなさそう…とのことです。
機関室は、色々試すために大きめに確保されます。
テストで機関が故障することが前提ですので、マストとかはそのまま残します。帆走も可能です。
日本に最初に来た蒸気船、黒船ことサスケハナ号。二千五百トンの石炭燃料の外輪船。速度は10ノット。
私はてっきり、黒船はアメリカ西海岸から太平洋を越えてきたと思ってたのですが。実はアメリカ東海岸から大西洋、喜望峰、インドと西から片道一年かけて来ていたんですね。
今回試験で改造する作る船は、排水量は日本が初めて手に入れた蒸気船である咸臨丸の方に近いですね。咸臨丸は六百トン6ノットのスクリュー船。蒸気レシプロのスクリュー船ですが、燃料が要らないと言うだけでも、地球の蒸気船に比べて相当に先進的な感じがします。
…実はこの貨物船改造での試験計画、途中からちょっと話がおかしくなりまして。
搭載する蒸気機関の開発、復水器の開発、これらと並行してスクリューの研究と開発もということですが。
人手足りますかね?という疑問は置いといて。マルタリク側の推測では、スクリューの方が早く出来そうなのですが、機関の完成を待たずに先に実物大スクリューの実装テストもしておきたい…ということで。そのテスト用"エンジン"に私が指名されました。はい。私が船底で脚でペダルを漕ぐことになります。
まさか私が異世界でエンジンになるとは、赤井さんも思っていなかったでしょう。知ったら爆笑しそうですが。
トルクの測定方法くらいは自分たちでも考えてくださいね。でないと蒸気機関との比較にならないですよ。
将来、単位の"馬力"の代わりに私がなったりして。バリキならぬレリキ? 語呂が悪いですね。ワット表記の方がいいかしら?
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