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第5章 クラーレスカ正教国の聖女

第5章第030話 ナズランの教会に殴り込みです

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第5章第030話 ナズランの教会に殴り込みです

・Side:ツキシマ・レイコ

 ナズランの街の"まとも"な祭司は捕われ社畜に、孤児院の子供達は放逐。教都から押し掛けてバルナ祭司をブラック企業採用しているそんなクズ共を排除するために、これから教会にカチコミですよ。

 通りを闊歩する馬に乗った聖騎士の鎧の美人。馬より少し小さいくらいの巨大な銀色の狼。目立ちますね。
 なるだけセレブロさんをリシャーフさんの馬で隠しつつ、それでも気がついた人がびっくりするという光景を連続させながら、町の中央の教会…の馬留に向かいます。なぜにか子供達が付いてきたので。馬の見張りをお願いしましょう。もし馬鹿が手を出して来たら、無理して逆らわずに、後で追跡して教えてください。ここ大事ですよ。
 セレブロさんの方は当然、マーリアちゃんと一緒です。

 「うわーっ!なんだそのでかい狼は?」

 早速、教会の門前に居た兵士が驚いています。

 「私は、正教国聖騎士団団長リシャーフ・クラーレスカ・バーハルです。彼らは…私の護衛と従者です。ナズラン教会祭司長バルナ・モクタール殿にお会いしたいのだが…」

 一応誰でも入れるようになっている礼拝堂の中で、出てきた教会警備の騎士と思しき人に、リシャーフさんがゴルゲットを見せながら取り次ぎを申し出ます。とりあえず最初の当たりは優しく、相手がボロを出すように。

 「っ! し…承知いたしましたっ! 今、上の者に確認して参りますので。少々お待ちください!」

 リシャーフさんのゴルゲットは、きちんと認識してもらえたようですね。慌てて奥に走って行きます。

 「…レイコ殿、従者扱いして申し訳ありません」

 リシャーフさんが小声で謝ってきますが、まぁ気にするところでも無いですね。大げさにしないで、親指立てて応えます。

 「…あなた、バルナ様のお知り合いかい?」

 参拝していた信徒らしき老女が、静かに声をかけてきました。
 話を聞くに。赤竜騎士団と共に新しくこの街にやって来たプリスカ・エルッフォという祭司がここの祭司長となり、バルナ祭司は放逐。中央との繋がりを臭わせつつ、喜捨と称する税率上げを始め、見た目の良い女性を無理矢理囲ったりと好き放題を初め。諫めようとしたバルナ祭司らは、一旦は追い出され再度捕縛され、そのまま教会の奥で事実上の軟禁状態で政務だけやらさせているとか。バルナ祭司以外の祭司や文官も、強制ブラック企業で、家族を害すると脅迫されているような状態だそうです。
 この辺、子供達に聞いた話と特に違いは無いようですね。
 この老人の息子さんも軟禁されているそうで。辛うじて着替えなどをやり取りが許されているとか。

 「これはこれは聖女様。このような田舎にどのような御用事で?」

 …いつぞや街道工事の現場にやって来たクエッタとかいう太った祭司に似た雰囲気の男が、ニタニタ笑いを顔に貼り付けて出てきました。なめ回すような視線が不快ですね。

 「ふむ。そなたはどちら様かな? 初対面かとお見受けするが」

 「こ、これは失礼いたしました。私、この教会を任されておりますプリスカ・エルッフォ祭司長と申します。聖女様には、一昨年くらい前の教都での祭事の際にお見かけしたことがございまして。遠目に見ただけではございますが、見間違えの無いお美しさでございますな」

 「ふむ… バルナ・モクタール殿は私が見習い時代に師事した方でな。教都に向かう途中この街に寄ったので、お会いしたいと思ったわけだが」

 「そうでしたか…。残念ながらバルナ殿は、諸用で出かけておられましてな。戻られるのが何日後になるやら…」

 「そうなのか? レイコ殿、この教会への案内をしてくれた街の者が、ついさっきバルナ祭司に書類の決裁をして貰ったと言っていたそうだが、相違ないな?レイコ殿」

 バルナ祭司は居ると分ってるので。これはカマかけの協力依頼ですね。

 「うん。確かに言ってた。ずいぶん忙しくしていて、ずっと教会の執務室から出てこれないって」

 「…そんなはずは…なにかの勘違いでは? そんな黒髪の子供なんかの言うことなど… …なんだその赤い動物は?」

 レッドさんは今、フードの中から出てきて背嚢の上に、私の後頭部に掴まってます。

 「ん? プリスカ殿はご存じないか? ネイルコード国に降臨されたという赤竜神の巫女様の話を」

 あ。印籠ですね。ちょっとまってくださいごそごそ。

 「…黒髪の少女で小竜様を連れられているという噂の…と言うことは…」

 「うむ。この"黒髪の子供なんか"こそ、赤竜神の巫女レイコ殿である。ネイルコード国から正教国にお連れする最中だ」

 「プリスカさん。"黒髪の子供なんか"の言うことではありますが、信じていただけますか?」

 まぁ、このフレーズを持ち出す人は、もうアウトですけど。

 「あ…いやその…失礼いたしました。まさか巫女様がこんな街になど…」

 「こんな街などと謙遜するでない。バルナ殿は、正教国の北の要所でもあり交易の要であるこの街の発展には常に気にかけてこられていたからな。まぁ先ほど街を歩いている分には、なんか辛気くさい雰囲気もあったが。ダーコラ発端の混乱が収まれば、またかつてのように賑やかな街になるだろう? というわけで、私は前にこの教会にも来たことがあるので執務室の場所は心得ている。そなたもバルナ祭司長の在否を勘違いするほど忙しいようだしな、案内は無用だ」

 リシャーフさんが、礼拝堂から奥に向かおうとしますが。

 「お…お待ちをっ!聖女様っ! 私めが再度確認して参りますので、ここで少々お待ちを!」

 「いやいや、上司の在不在も不覚になるほどお忙しい祭司の手を煩わせるのも気が引ける」

 「いえいえいえ、巫女様の御訪問ともなれば歓待の準備もございます。しばらく、しばらくご猶予を」

 「私のこと気にしなくてもいいですよ。"黒髪の子供なんか"の歓待にそんな手間をかける必要などありませんので。旅程も急ぎますので、リシャーフさんの用事が済んだら、すぐに出発しますよ?」

 焦ってますね、プリスカさん。
 さて、追い詰められたプリスカさんの取れる対応は3つ。

 1.謝る。
 とはいえ、既に相当な悪行を重ねているようで。精査されたらほぼ極刑、良くても犯罪奴隷。人生終了です。…そんな愁傷な人間には見えないですね。

 2.逃げる。
 時間があればそうしているでしょうけど。今から準備しても身の回りの物も持ち出せないし。…準備も無しでこの体格じゃ、逃避行は無理っぽいですね。

 3.開き直る。
 こいつは聖女ではない。こんな黒髪のガキが巫女であるはずも無い。者共出合え、この不埒者共を成敗しろ!

 「え、ええいっ! 教都の聖女さまと赤竜神の巫女様がこんな田舎町にいるわけがないではないかっ! 所詮は女子供とでかい犬だけだっ! 殺せっ! もしここでのことが教都に伝われば、お前たちもまとめて犯罪奴隷だぞっ! 殺せっ!」

 …3.でしたね。
 ウォータードア・イエローゲート漫遊記、第三幕の開催です。…もう勘弁して欲しいんですけど。

 うーん、この教会を警備している兵や騎士のどれくらいがプリスカの共犯かは不明ですが。まぁ武器を向けたら共犯、静観していたら容疑者止まりということにしておきましょうか。
 とはいえ。まともな軍や衛兵が近くに居るわけでもなく。ここを制圧しても後はどうしましょう?という感じではあるのですが。
 連絡が届いたのか、奥から赤い鎧の騎士に率いられた部隊も出てきましたね。お?取り囲んで武器を抜きますか?
 タルーサさんとトゥーラさんが、リシャーフさんの護衛として左右に展開します。今回はこちらが角さん助さん役ですか?
 
 「クラーレスカ正教国聖騎士団団長リシャーフ・クラーレスカ・バーハルとして宣言しておく。我らに武器を向けた時点で反逆罪が成立する!。当人だけではなく郎党まとめて極刑となる覚悟があるのか?」

 ここでリシャーフさんが一喝します。
 さすがにここまでしでかしたのなら連座があるのが法律としては普通なんでしょうけど、その辺の調節は後で話し合うとして。ここではそれが抑止力になることを期待します。

 「我々がこの街に来ていて、バルナ殿の処遇を我々が知っていると言うことは、すでに街の者も周知である。ここで我らだけを屠ったところで、既に露見は免れぬぞっ! いかにっ!」

 「…ここで剣を抜けば引き返せませんぞ。どうします隊長?」

 赤い鎧の人の部下らしき人が進言しています。
 もう一押してあげましょうか? 近くに飾ってあった全金属製の燭台を手に取ります。真鍮製ですかね? 卓上用というよりは、床に立てて使うタイプで大人の背丈くらいはありますね。
 それを両手で持って、こうぐるんっと。もういっちょ…あ、バキンと折れました。

 「「「っ!!!」」」

 「私は赤竜神と同じマナの体なので、刃物じゃ殺せませんし。抵抗するというのなら、あなた達の手足をこの燭台と同じようにして動けなくするだけですよ。その場合は反逆罪がもれなく追加されますので、残りの人生の心配はしなくても良いと思いますけど」

 セレブロさんの頭に乗っているレッドさんが、祭壇で花を生けてある花瓶をレイコ・ガンで破裂させます。

 バンッ! バフンッ!

 花瓶を割るほどの勢いで沸騰したお湯が飛び散り、近くに居た兵士から悲鳴が上がります。
 おお。これは良いデモンストレーションですね。ん?ダーコラ国でもやったの?レッドさん。

 「五体満足で正統な裁判にかけてやるというのが最後の慈悲だ。どうする?」

 「く…くそっ! 裁判にかけられたとしても、どのみち俺たちは終わりだぞ! こいつらを処分するしか!」

 ああ。赤い鎧の人が一人、斬りかかってきますが、毎度の三点セットで対応です。
 …前世では、刃物でで斬りかかられるなんて経験は皆無でしたし、人の骨を折るなんてのも無縁だったのですが。なんか私も、この対処の動きが洗練されてきましたね。流れるようにバキッ!バキッ!バキッ!ってなもんですが。…楽しいわけじゃないですよ、こんなの。悲鳴上げるおっさんの唾かかるし。
 …これでもうちょっと私の背が高ければ、ひっぱたくとか殴るとか、バリエーション増やせるんですけど。やっぱ子供に斬りかかるような人間は放置も出来ません。

 転がって、痛みで藻掻いている赤い鎧の人。
 さすがに他の兵達は動きませんね。

 「おいそこの兵!。プリスカを拘束しろ。それから赤竜騎士団の連中からは武器と鎧をとりあげ、縛り上げろ」

 リシャーフさんが、近くに居る剣を抜かなかった普通の鎧の人に命令しています。
 あと。教会の入り口のところで見ていた子供達に声をかけます。あの街の子達ですね。

 騎士の見張りを依頼していたという商店の人に、男手できれば元衛兵とか護衛業とかの人を寄越して欲しいと知らせてくれ…と、子供達に依頼しています。捕縛に協力したとは言え、今教会内にいる兵士は全員容疑者ですからね。

 ここは私とセレブロさんに任せて、リシャーフさんがマーリアちゃんと教会の奥の方に入って行きます。
 監視の手が減ったと逃げ出そうとする者がいましたが。セレブロさんが先回りして威嚇します。巨大な狼が鼻面に皺寄せて威嚇すれば、大抵の人はびびりますよね。


 リシャーフさんが、疲れ果てたという雰囲気のおじさん達を連れてきました。この人がバルナ祭司ですか。
 私と、セレブロさんの頭の上のレッドさんを見て膝をつこうとしてます。

 「やーめーてーくーだーさーいーっ!」

 叫んだ私にバルナ祭司とリシャーフさんがびっくりしています。この展開も久しぶりですね。

 「レイコは敬われるのが苦手なのよ。宗教嫌いだって」

 マーリアちゃんが説明してくれます。

 「いやしかし、赤竜神の巫女様に対して…」

 「…赤井さん…赤竜神は確かに私の顔見知りですけど。私自身は宗教に関わるつもりはありません。私を崇めても、御利益なんて無いですよっ!」

 バルナ祭司が、困ったようにリシャーフさんを見ますが。リシャーフさんも頷いて言います。

 「私もいろいろお話しさせていただいたが。レイコ殿も小竜様も教会のお飾りになるつもりはないようだ」

 「お飾りですか…なるほど信仰の目的をはき違えるなということですね。承知いたしました」

 …なんか自分なりに納得してくれたようですが。まぁいいでしょう。


 街の方から、先ほど子供達が呼びに行った男手がやって来たようです。
 バルナ祭司とリシャーフさんが指揮を執って、プリスカ一派と赤竜騎士の武装解除と捕縛を行なっています。
 …あとまぁ、普通の兵士でも悪さをして商店に顔バレしている人が、小突かれてます。

 「あなたたちの罪状は、とりまとめた上で領裁判預かりとなります。騎士格と祭司格の者は教都送りとなりますが…」

 ルシャールさん曰く、騎士や祭司の資格は国から与えられているので、裁判も国で行なうそうです。

 「これからレイコ殿が教都に入られるからな。向こうの混乱が収まってから送った方が良いだろう。…お前らを擁護してくれる人間がこの街に残っていると良いな」

 混乱前提ですか?ルシャールさん…

 「…やはり巫女様は、教会に招喚されたわけではなく?」

 バルナ祭司さん。私が巫女としてこの国に来たとまだ諦めてくれませんか?

 「そうですバルナ祭司。レイコ殿は教会の断罪に来られたのです」

 私はその言い方を聞いてちょっと眉根を寄せます。…教会の腐敗の是正を、まるで私の義務みたいな話にはしないで下さいな。本来、あなた達の仕事ですよ。

 プリスカと赤い鎧の人に拉致られていた女性とか。微罪や冤罪で奴隷に落されて売られるのを待つだけだった人が、独房?懺悔室? 住居の奥にあるそんなところからから出てきました。これらもプリスカらの犯罪としてカウントされることになります。あとはバルナ祭司がまとめていた税率や税対象の勝手な設定等の証拠が出てくる出てくる…と言うか、施政の責任者として犯罪行為以外やっていないと言って良い状態ですね。流石にこれでは、プリスカと赤い鎧勢の処刑は免れないだろうとのことです。
 すでに奴隷として奴隷商に渡された人達については、まだ間に合う範囲はプリスカらが溜め込んだ財で解放する交渉を始めています。間に合わなかった人は…私がこの国の奴隷制度を否定するというのは、なんとしてでも通さざるを得なくなりましたけど。もやもやは残ります。

 「…リシャーフさん、こうなった以上は、奴隷制度の撤廃に反対する人はとっとと物理的に排除しますのでよろしく。こんな奴隷の落とし方しているようじゃ、話し合いで穏便にって気分じゃないです、もう」

 やっぱ、教会の中枢を吹き飛ばすって方向になっちゃうんですかね… 後先考えて行動してくれと、頭の中でカステラード殿下が叫んでますが。

 「…なるべく御心に沿えるよう、協力いたします」

 私がイライラしているのが分ったのか、リシャーフさんも縮こまっています。
 教会の腐敗をここまで見せつけられるとはリシャーフさんも思っていなかったのでしょうけど。教会の改革というよりは、もう革命を覚悟しないとどうにもならないのではないでしょうか? これは。


 ダーコラ国での騒動で、結構な数の祭司やら赤竜騎士団やらが正教国に逃げ帰る事態となりました。まぁそのまま在国していたら、汚職やら職務怠慢で、解雇や追放以前にダーコラ国側で捕まっていたでしょうからね。財産持って逃げ出したわけです。
 でもって、帰ったそれらが何をしたかと言えば、ダーコラが悪いネイルコードが悪い俺たちは悪くないの合唱。もともとは正教国の指示と肝煎りで派遣された者達ですから、一概にそれらの責任問題にすると別の処に飛び火するために無碍にも出来ず。結局地方の自治体への派遣という形のねじ込みを実施。でもってそいつらは、教都から派遣されたという権威をもって、ダーコラ国にいたときよりも好き放題!…という有様だそうです。

 「レイコのせいじゃないわよ。言っとくけど。もともと腐っていただけよ、こんなの」

 ダーコラ国がああなったせいで…と、また思考がネガティブになりそうになったところで、マーリアちゃんに釘差されました。

 この街の今までの税の償還や各種補償についてはかなり時間がかかりそうですが。どっかに売ること前提で溜め込んだ商品や食料などは早々に民に放出するそうで。バルナ祭司達は、またもやしばらくここに缶詰になりそうです。
 お名残惜しいとは言ってもらってますが、私達も先に進みましょう。

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