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第1章 エイゼル領の伯爵

第1章第007話 毎度おなじみ お供キャラです

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第1章第007話 毎度おなじみ お供キャラです

・Side:ツキシマ・レイコ

 次の日の朝食後。

 「さて。本日はレイコさんにプレゼントかあります」

 眼鏡をかけた赤いドラゴンこと赤井さんが、どや顔をしている。最初に目が覚めた部屋のテーブルには、クッションの敷かれたカゴに入った卵が一つ。卵っても、鶏の卵よりはずっと大きく。直径三十センチくらいはある。ダチョウの卵より大きいんじゃ無いかしら。
 なんの生き物なんだろうと見ていると、ご都合主義的なタイミングで殻が割れ始めた。

 これが鳥の雛なら、出てくるのに結構な時間が必要なのだけど、簡単にパカッと割れ、転がり出てきたのは小さいドラゴンだった。
 頭と胴体の比率は仔犬のそれという感じで、そこに太い尻尾が付いている。背中にはくしゃっとした感じの翼。体の基本構成は赤井さんに似ているけど、違うのは全身にこれまた犬猫のような和毛が生えているところだろうか。
 顔は一見仔犬っぽいが、犬猫の鼻ではなく、つるっとしている…ウサギに近いかも? 毛が生えていなければ爬虫類か。
 後頭部からは、縦に3本並んだ角が2列の計6本。上から大中小というサイズの角が並んでいる。

 もぞもぞともがいていたチビドラゴンが目を開く。
 まぶしさに耐えるように、薄目でキョロキョロし、私を見つけると目を大きく開いて凝視した。
 私と目が合うと、「クー」と一鳴き。今度はカゴから出ようともぞもぞし始める。

 「か…かわいい…」

 このままでは落ちてしまうが手を出して良いものかと赤井さんを見ると、無言で「どうぞ」と手を差し出すので。そのチビドラゴンをそっと抱き上げた。

 「気に入ってくれたかな?」

 「プレゼントって言っていたけど。この子、本物のドラゴン?」

 「定義的にはロボットだね。マナで出来ているところは、僕たちと同じだけど、この子の頭の中はAIと言ってもいいかな」

 形態が実在の生物かはともかくしても、きちんとした生き物にしか見えない。

 「生物の定義で、また悩みそう」

 籠から出して抱え、喉のあたりをぐりぐりしてやると、クルクルと喉を鳴らす。この辺は猫っぽい。

 「もちろん、ただのペットロボットというわけではなくてね」

 と言いながら、テーブルに用意されていた林檎をとって、そのチビドラゴンに見せた。チビドラゴンは、スンスンと鼻を鳴らして、そわそわと林檎とレイコを交互に見る。
 すると、「これは林檎」「食べてみたい」「くれないかな」というイメージが一度に頭の中に浮かんだ。
 映像では無く。言いたいことがイメージや概念で頭に浮かぶという感じ…説明が難しいな。
 チビドラゴンの反応を見れば、リンゴを欲しがっているというのは予測は付くけど。そういうものとは別にはっきりと彼の要求が伝わってきた。

 「この子は、レイコと同じく食事も普通に取れるよ」

 と、ナイフを渡してくれたので、林檎をむく。この辺の力加減は、だいぶ慣れました。
 チビドラゴンは、私の肩に昇って、それを覗いている。剥かれている林檎に期待しているというイメージが伝わってくる。

 とりあえず食べやすいようにと剥いた林檎を八分の一にカットしてから、チビドラゴンに渡した。感謝と喜びのイメージ。
 両手で掴んで、しゃくしゃくと食べ始めた。

 「りんご美味しい?」

 「クー」と返事をする。
 ここで「おいしい」と同時に伝わってくるのが、「味」「安全性」「カロリー」「栄養素」のイメージ。おお、すごい。

 「…この子、林檎を分析している?」

 「器用でしょ。表面だけなら光学的な分析も出来るから、いろいろ便利だよ」

 反射する光のスペクトルで成分分析ができるということらしい。これまた高機能なアナライザーですね。

 「名前を付けなきゃね…。この子は赤井さんの子供って事になるのかな?」

 「まぁ、創造主という意味では親なんだろうけど…」

 「じゃあ赤井さん二世。略して二世」

 「一応、僕にも子供はいたんだし。世を付けるのなら二世では足りないかな」

 と苦笑する。

 「…レッドさんでいいや」

 「そう言えばレイコは、白い犬にシロってつけるタイプだったね。」

 「名が体を表す方がしっくりくるのよ」

 レッドさんから、リンゴをもう一切れ欲しいという要求のイメージ。
 食いしん坊さんですね。

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鱗じゃ撫でても楽しくないと言うことで毛にしましたが。
フォーチュン・クエストほど犬でも無いです。
まぁ、羽毛恐竜とか、ティラノでもヒナには毛が生えていたとかそのくらいで。
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