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本編
10:草食系男子の恋心
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「……なんだか、不甲斐ない姿ばっかり見せてる気がする……」
ヒルドの胸に抱かれた俺は結局泣いてしまった。
ヒルドに抱えられて、今はベッドに座ったヒルドの膝に抱えられている。
こんにちは、二度目のお膝抱っこ。二度目だと言うのにすごく収まりがいいです。
「激しい恋慕に感情が追いついていないのだろう。今までに、人を愛した事は?」
「んー……好きになった人はいたけど……告白した事はない……」
ヒルドに今までの恋愛経験を晒すのは恥ずかしいけど、素直に答える。
恥ずかしながら、一般的に言う草食系男子。可愛い女の子をいいな……。と、思えど、告白をした事はない。
そして、告白された事もなかったのでいい歳して清らかな体でもある。
「付き合った事もないし……こんなに心が乱されるのはヒルドが初めてなんだ」
自分の性癖はいたって普通だと思う。だから、男らしい姿で明らかに人外なヒルドにこんなに惚れるなんて俺としても予想外だった。
「だから、本当に不思議で……ヒルド……なんか魅了とか出てたりする……?」
「淫魔ではないからその様な能力はないな」
俺の質問にヒルドが苦笑する。
「……だよな。それに、こんなに好きなのに魅了のせいとかだったら嫌だし……」
「……そうだな」
ほんの僅かに、ヒルドの言葉が詰まったような気がして、俺はヒルドの顔を見上げる。
「ヒルド……?」
だけど、表情は読めない。黒い黒い深淵の闇が俺を見返すだけだった。
「いや……お前の恋心が偽りのものであったら我も悲しいと思っただけだ」
「ふへへ……大丈夫。ヒルドの事でしょう本当に好きだから」
外見がかっこいいだけじゃなく、優しいし、人……人?としても、すごくできていると思う。
「最初は、一目惚れだったけど……ヒルドが優しいからどんどん好きになっていくんだ」
表情の変わらないヒルドを見上げて、抱きつくように太い首へと腕を回す。
ちょっと積極的過ぎたかな?と、思ったけど、溢れだす思いが止まらなかったんだ。
「ああ、我もお前を好ましく思っている」
だけど、俺の体を優しく抱き締め返してくれたヒルドに好きになった事に間違いはなかったんだと思った。
ヒルドの胸に抱かれた俺は結局泣いてしまった。
ヒルドに抱えられて、今はベッドに座ったヒルドの膝に抱えられている。
こんにちは、二度目のお膝抱っこ。二度目だと言うのにすごく収まりがいいです。
「激しい恋慕に感情が追いついていないのだろう。今までに、人を愛した事は?」
「んー……好きになった人はいたけど……告白した事はない……」
ヒルドに今までの恋愛経験を晒すのは恥ずかしいけど、素直に答える。
恥ずかしながら、一般的に言う草食系男子。可愛い女の子をいいな……。と、思えど、告白をした事はない。
そして、告白された事もなかったのでいい歳して清らかな体でもある。
「付き合った事もないし……こんなに心が乱されるのはヒルドが初めてなんだ」
自分の性癖はいたって普通だと思う。だから、男らしい姿で明らかに人外なヒルドにこんなに惚れるなんて俺としても予想外だった。
「だから、本当に不思議で……ヒルド……なんか魅了とか出てたりする……?」
「淫魔ではないからその様な能力はないな」
俺の質問にヒルドが苦笑する。
「……だよな。それに、こんなに好きなのに魅了のせいとかだったら嫌だし……」
「……そうだな」
ほんの僅かに、ヒルドの言葉が詰まったような気がして、俺はヒルドの顔を見上げる。
「ヒルド……?」
だけど、表情は読めない。黒い黒い深淵の闇が俺を見返すだけだった。
「いや……お前の恋心が偽りのものであったら我も悲しいと思っただけだ」
「ふへへ……大丈夫。ヒルドの事でしょう本当に好きだから」
外見がかっこいいだけじゃなく、優しいし、人……人?としても、すごくできていると思う。
「最初は、一目惚れだったけど……ヒルドが優しいからどんどん好きになっていくんだ」
表情の変わらないヒルドを見上げて、抱きつくように太い首へと腕を回す。
ちょっと積極的過ぎたかな?と、思ったけど、溢れだす思いが止まらなかったんだ。
「ああ、我もお前を好ましく思っている」
だけど、俺の体を優しく抱き締め返してくれたヒルドに好きになった事に間違いはなかったんだと思った。
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