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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます

67:王の帰宅

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 四人手を繋いで歩ける離宮の広さに感謝しつつ、わちゃわちゃとした入浴を終え、少し遅めの夕食を四人で食べる。

 シュロムは、少し遅くなると行っていたけど、遅くなると言うことは離宮には帰ってくるということ。

 シュロムの帰りを待つというティグレに付き合い、談話室で子供達へと本を読み聞かせた。

「こうして、隣国との戦いに勝利した兵士は英雄となり、貴族として爵位を賜った」

 今日読み聞かせたのは、他国の英雄譚で僕が訳したものである。

 シュロムの翻訳に比べるとまだまだの様な気がするから読み聞かせるのは、恥ずかしくもあるんだけどね。

「っと……アグノス、眠い?」

 本を読み終えると僕にもたれかかり目を擦っているアグノスに気づく。

「ぅん……」

 小さく頷くアグノスは、限界そうでたぶん半分くらいは寝ているだろう。

「シュロムは、まだだけど……今日はもう寝ようか」
「そうですね」
「そうだな。アグノス寝かせてやんないと」

 僕の提案にイデアルとティグレが頷く。アグノスを寝かせないとと言っているティグレも目をしぱしぱさせているあたり、限界は近そうだった。

「これ書庫に戻しておいてくれる?」
「かしこまりました」

 近くにいた侍女に本を戻してくれるように頼み、僕はアグノスを抱える。

「イデアルは、どうする?」
「今日は、部屋で寝ます」

 最近は、共用の寝室ではなく、自室で眠る事も増えたイデアルに訪ねると、自室で眠ると返事が返ってくる。

 少し寂しいがこれも成長だろう。

 談話室を出て、各自部屋に戻ろうとしたら、玄関の扉が開く。

「父上!」

 開いた扉の先にいたのは、執務を終えて戻ってきたシュロムで、ティグレが嬉しそうに抱きつきに行く。

「まだ起きていたのか」
「今から眠りに行くところでした!」
「さっきまでシュロムを待っていたんだけどね」
「そうか。待たせたな」

 驚くシュロムに待っていた事を告げれば、柔らかく笑って抱きつくティグレの頭を撫でる。

「父上! 今日、すごかったんですよ! エクスとテオドーロが手合わせを見せてくれて!」
「二人とも強かっただろう?エクスも年齢の割には手練れだからな」
「そうなんです!」

 ティグレが今日見た手合わせについて話し出して、今まで待っていたのはそれが話したかったからなのかと、小さく苦笑する。

 今日見たすごいと思った事を今日のうちに報告したい。すごく子供らしい、ティグレらしい反応だと思った。
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